みなさんは消費者金融や銀行カードローンについてどのような感想をお持ちですか?
少し前までは「消費者金融でお金を借りる=悪い・怖い」というイメージが世間一般には
ありましたが「銀行からお金を借りることができるなら借りようかな」と簡単な気持ちで
カードローンを利用する人も増えてきました。
今回は、消費者金融のキャッシングと銀行カードローンの違いの中でも、金利、審査、サービスなど以下5つについて取り上げながら、解説していきます。
①金利の違い
②適用される法律の違い
③上限融資額の違い
④審査通過率の違い
⑤お得な付帯サービスの違い
「消費者金融のキャッシング」と「銀行カードローン」
カードローンといえば、なんとなく銀行カードローンのほうが安心感があると思う人も多くいると思います。
まずは「消費者金融のキャッシング」と「銀行カードローン」とは何かを見ていきましょう。
消費者金融のキャッシングとは
消費者金融とは、賃金業取扱主任者という国家資格を取り、賃金業法という法律に基づいて財務局と都道府県知事の登録を得た民間の貸し付け業者です。
みなさん「アコム」や「プロミス」、「アイフル」という名前、聞いたことがあるとおもいます。これらは全て消費者金融です。
アコムやプロミスはCMなどでもおなじみで、その知名度は群を抜いており、人気の高さが特徴といえます。
また「消費者金融のキャッシング」とは、消費者金融が発行している使途自由のカードローンのことです。
昔は消費者金融といえばキャッシングで通っていましたが、最近では商品名も「カードローン」に統一されているものがほとんどです。
カードローンとキャッシングは同じ意味をあらわすことが多いので覚えておくと混乱せずに済むでしょう。
銀行カードローンとは
その名の通り、銀行が発行しているカードローンのことです。
三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の三大メガバンクをはじめとして、多くの銀行が取り扱っているので信頼度も抜群です。
カードローンを専門に扱う消費者金融とは違い、銀行業や金融業のかたわらにカードローンを取り扱っています。
また消費者金融の賃金業法とは違い、銀行には銀行法という法律が適用されています。それぞれ適用される法律が違うということも覚えておきましょう。
また銀行カードローンは、住宅ローンやマイカーローンのように使い道が定められていないため、使い道は自由です。この点は消費者金融のキャッシングと何ら変わりませんね。
①金利の違い
消費者金融系カードローンと銀行カードローンは、それぞれ金利の計算方法が異なります。
まず消費者金融系カードローンですが、リボルビング返済となっていることから、借入した金額に対して金利が掛る仕組みとなっています。
一方、銀行カードローンの返済は、元利均等返済か元加方式です。両者とも、内容はほぼ同じと考えて問題ありません。
金利が低い「銀行カードローン」
正直なところ、金利については大手銀行も消費者金融であれば、どこも大きく変わりません。
具体的に以下の表をご覧ください。
銀行の場合
会社名 | 金利 |
三菱UFJ銀行カードローン | 4.6%~14.6% |
オリックス銀行カードローン | 3.0%~17.8% |
みずほ銀行 | 4.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% |
レイクALSA | 4.5%~18.0% |
消費者金融の場合
会社名 | 金利 |
アコム | 4.7%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% |
ノーローン | 9.5%~18.0% |
比較してみると、わずかながら銀行の方が金利が低いという程度です。
消費者金融には30日間の無利息期間を設けているなど、利息が減るようなキャンペーンもしているところもあるため、実際の利息の面でもほぼ大差はつきません。
金利よりは返済期間を短くすることを重視した方が意味があると言えるでしょう。
消費者金融の場合の計算式
消費者金融系カードローンですが、リボルビング返済となっていることから、借入した金額に対して金利が掛る仕組みとなっています。
2回目以降の返済額に関しては、借入残高をもとに完済に至るまで計算を繰り返していくだけです。具体的な計算式は以下の通りとなります。
利息 = 利用額 × 実質年率 ÷ 365日 × 利用日数
例)10万円を実質年率18%で借入した場合
例)最初の30日間でかかる利息は以下のとおりです。
10万円 × 18% ÷ 365日 × 30日 = 1,479円
翌月以降の計算式(月1万円返済する場合)
(借入した金額 - 返済額) × 年率 ÷ 365日 × 利用日数
9万円 × 18% ÷ 365日 × 30 = 1,332円
このようにして、完済まで計算を続けることになります。元金と利息の返済の割合は、完済するまで変わりません。
一方、銀行カードローンの返済は、元利均等返済か元加方式です。両者とも、内容はほぼ同じと考えて問題ありません。
簡単にいうと、元利均等返済とは、元金と利息の合計を返済期間で均等に割って、その金額を返済していく方法のことを指しています。
元加方式とは、利息を借入残高に組み入れる方式のことです。
つまり、元金を減らせば、徐々に元金部分が増加していきます。
リボルビング払いとの一番の違いは、元金と利息の返済割合が返済が進むにつれて変わる点です。
早めに完済することができれば、借入当初計算された総返済額より減らすことができます。
②適用される法律の違い
カードローンの中でも消費者金融の場合は、貸金業法によって規制されています。
一方、銀行カードローンは、銀行法によって規制されています。
それぞれの法律で抑えておきたいポイントは複数ありますが、注目したいのは総量規制と呼ばれるルールです。
2010年に改定された貸金業法で定められたルールであり、貸金業者は遵守しなければなりません。
総量規制とは
総量規制というのは、借入の合計金額が年収の合計の3分の1を超えないようにする法律上の規制です。
銀行のカードローンと消費者金融では、この総量規制を受けるかどうかという点で違いがあります。
まず銀行のカードローンについて言うと、こちらは総量規制を受けません。
何故なら、銀行は貸金業法ではなく銀行法の適用を受けるためです。
そのため、銀行のカードローンを利用すれば消費者金融の貸出限度額よりも高額の融資を受けることができます。
一方、消費者金融について言うと、こちらは貸金業法の適用を受けます。
そのため、消費者金融から借入れを行う場合には年収の1/3という借入れ額の上限を守らなければなりません。
③上限融資額の違い
基本的に消費者金融の場合は、安定した収入さえあれば、無担保・保証人なしで利用することができます。
そのため、申込時に申告した内容などいくつかの判断材料によって上限金額が決まります。
あくまでも、個人の信用の下、融資を行うことになるため、金利を高めに設定して初回は10万円から30万円程度の融資額となるのが一般となっています。
一方、銀行カードローンの場合、年収による上限金額の目安はありません。
ただし、初めて融資を受ける際は、10万円から30万円程度からとなります。必ず保証会社をつけるため、消費者金融よりも金利は低めとなってます。
尚、最終的な上限融資額は、消費者金融が800万円程度、銀行カードローンが1,000万円程度と若干異なります。
なぜ金額に違いがあるのかというと、銀行カードローンは保証会社がいざというときに代理返済してくれるからです。
利用者が病気や死亡などなんらかの理由で返済できなくなった場合、消費者金融は無担保・保証人なしであることから、大きな痛手を被ることになります。
しかし、銀行カードローンですと、保証会社から代理で銀行へ立て替え返済をしてくれるため、事故を防ぐことができるのです。
④審査通過率の違い
審査通過率とは会社によっては成約率とも呼ばれます。
新規申込者のうち、どれくらい審査に通過したかを示す数字です。
たとえば100人申し込んで、50人契約に至ったなら審査通過率は50%ということになります。
消費者金融各社の審査通過率
消費者金融 | 審査通過率 |
アコム | 44.8%(2018年3月期) |
プロミス | 45.5%(2018年3月期) |
アイフル | 46.5%(2018年3月期) |
大手消費者金融の審査通過率はほぼ横並びとなりました。
銀行カードローンの審査通過率
銀行カードローンの審査通過率は、当サイトの調査では公表しているところはありませんでした。
しかし、銀行カードローンは、保証会社をつけているところがほとんどです。
保証会社とは、銀行の代わりに審査や債権保全を行う会社です。実質のカードローンの運営をしている会社です。
各銀行カードローンの保証会社を一覧にします。
銀行カードローン | 保証会社 |
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | アコム |
三井住友銀行カードローン | プロミス |
みずほ銀行カードローン | オリエントコーポレション |
住信SBIネット銀行 MRカードローン | SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
住信SBIネット銀カード株式会社 |
ソニー銀行カードローン | アコム |
大手消費者金融や信販会社が保証会社になっています。
銀行カードローンの審査は、消費者金融よりも慎重に行われる傾向にあることから、承認率に違いがあるといわれています。以上のことから、消費者金融の方が審査通過率が高いと考えて良さそうです。
⑤付帯サービスの違い
消費者金融の場合は、30日間無利息期間が設けられている他、銀行カードローンと比較すると、即融資が可能であることを謳っているケースが目立ちます。
銀行カードローンの場合は、目的ローンと併せて利用すると金利が安くなるなど、それぞれの銀行によって内容は様々です。
カードローンの付帯サービス等の例
金融機関 | サービス名称等 | サービス内容 |
千葉興業銀行 | あんしんアップ | がん保障付カードローン
返済中にがんと診断されると一定の条件でローン残高が0円になる |
足利銀行 | オートチャージ(自動融資) | 口座残高が不足している際に自動融資 |
SMBCコンシューマーファイナンス | プロミス レディースキャッシング | 女性を対象にしたカードローン
女性専用ダイアルでの対応 |
カードローンは多くの金融機関が取り扱っています。
そのため金融機関の中には、金利水準や審査・融資のスピードなどの条件面だけでなく、顧客の属性などによってサービス内容を変えたり、新しいサービスを付帯して差別化を図っているところもあります。
これらは、カードローンを選ぶ際の材料に加えてもいいかもしれません。
まとめ
今回は、消費者金融と銀行カードローンの違いについて解説してきました。
どちらも一長一短があるため、利用目的や要望に合わせて利用することをお勧めします。
ここまでご紹介した内容を確認した上で、それでも選ぶことが難しいときは、『少額だけ借入して、短期間で返済できるときは消費者金融』、『高額融資を受けて、長期的に返済する予定であれば銀行カードローン』をいう基準で選ぶことをお勧めします。
ぜひ、これらの知識を活かしてお金を借りるようにしてください。