起業したばかりの会社が活用できる3つの融資制度についてを解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
融資 起業

起業したばかりの人や会社は、事業が軌道に乗るまでの間に資金繰りが悩みのひとつになります。

事業継続のための資金調達として出資だけでなく、融資を上手に活用するのもポイントです。

そこで今回は、起業したばかりの会社が活用できる以下3つの融資制度を紹介していきます。

①制度融資
②新創業融資制度
③新規開業資金

①制度融資

融資 起業

制度融資とは、中小企業や起業家、個人事業主向けに、主に地方自治体、民間の金融機関、信用保証協会が連携して提供される政府系の融資制度です。

制度融資の仕組み

まず、企業から融資の申し込みを受けた地方自治体が、金融機関に対して制度融資のあっせんを行います。

そこで信用保証協会が融資の保証人となり、さらに、地方自治体が預託金を金融機関に提供したり、保証料や金利の一部を負担したりします。

このような仕組みにより、金融機関が貸し倒れるリスクを減らすことで、起業したばかりの会社でも融資が受けやすくなっています。

融資 起業

制度融資のメリット

1. 審査ハードルが低い
制度融資活用の最大の利点は、融資審査のハードルが低いことでしょう。

厳しい経営状況にある中小企業や、設立後間もないスタートアップ企業であっても、事業計画と経営者のやる気、すなわち将来的な回復可能性、成長可能性に期待した寛大な判断をしてくれる傾向にあります。

制度融資の場合は、先述のとおり、中小企業の支援を目的としており、返済が滞っても信用保証協会が立て替え返済を行うため、金融機関としては融資を実行するリスクが少なくすむということから、審査基準が比較的低く設定されている傾向にあります。

2. 金利が低い
おおむね1.0~2.0%前後で設定されており、銀行からのプロパー融資やノンバンク系のビジネスローンと比較すると、制度融資の方が圧倒的に低金利となっています。

そもそも財務的基盤が弱く、キャッシュフローの確保が難しい事業者が主たる利用者ですので、信用度に応じた高い金利を強いても、それが企業経営の足かせとなってしまいます。

3. 各種経営支援が付属する場合がある
制度融資を主導する地方自治体にとって、活気ある街づくり、雇用安定、財政基盤安定のために、中小企業が元気であることは必要条件です。

制度融資が資金というリソースを供与する制度であるとするならば、これに加えて、経営手法のアドバイスなどの情報というリソース提供も付属している場合も見られます。

孤独になりがちな中小企業や個人事業主にとって、相談相手がいてくれることは心強いものです。

4.据置期間が長い
据置期間とは、元本を返済せずに金利だけを支払う期間です。

制度融資の場合、この据置期間が1年前後で設定されていることが多く、余裕を持った返済計画をたてることが可能です。

5.利子補給や保証料補助がある
自治体にもよっては、信用保証協会の保証料や金融機関の利息の一部を補助する制度が用意されていることがあります。

中小企業が活気づくことは地方自治体の街づくりや雇用、財政にとっても重要なことです。資金面の補助だけではなく、経営アドバイスや方針の相談など経営者の支えとなってくれる場合もあります。

制度融資のデメリット

1. 上限金額が決まっている
制度融資の特徴として、制度ごとに上限金額が設定されている点が挙げられます。

一定規模以上の資金を必要とする場合には、この上限金額の天井がネックとなる場合もあるでしょう。

制度によってまちまちですが、概ね500万円から3,000万円程度の上限金額が設けられている制度が多いようです。

2.複雑な制度設計
基本的には、事業者が籍を置く自治体が主導する制度融資を利用することになりますが、対象企業や期間、所管部署等によって制度内容は様々です。

そのため、1件1件見比べて、どの制度が最も自社のニーズに合う制度なのかを見定めるのに手間がかかる点は、デメリットかもしれません。

3.自己資金要件の基準が比較的厳しい
融資メニューによっては、融資可能金額が自己資金額によって決められることがあります。自己資金が少ないと借入可能金額も少なくなり、希望通りの資金が調達できない可能性もあります。

②新創業融資制度

融資 起業

日本国内には、公的金融機関はいくつか存在していますが、中小企業や新規起業家に対しての手厚い融資制度を有しているのは、「日本政策金融公庫」であります。

日本政策金融公庫の使命は、創業者に融資をすることです。

そのため、起業し融資を考えた創業者は日本政策金融公庫にいくことになります。

メリット

1.無担保無保証・連帯保証人署名不要
日本政策金融公庫の新創業融資制度なら、無担保無保証で最大3,000万円までの融資の可能性があります。

そして、担保が要らないのはもちろん、経営者本人の連帯保証人としてのサインも不要です。

日本の一般的な事業融資では、経営者本人が連帯保証人としてサインを求められるのが一般的です。

2.融資実行までのスピードが速い
日本政策金融公庫で融資申込みをした場合、日本政策金融公庫内で融資の審査を行います。申込みから融資実行までは1ヵ月~1.5ヵ月程度です。

制度融資など信用保証協会を利用する融資の場合、融資実行までに2ヵ月~3ヵ月程度かかります。

3.固定金利なので資金計画が立てやすい
金融機関からの融資の多くは変動金利を採用しています。

変動金利は、一定の期間毎に金利の見直しが行われるため、金利が変わる可能性があります。

日本政策金融公庫の融資は固定金利となり、融資申込時の金利のまま変わることがありません。

金利変動を考慮する必要がありませんので、資金計画が立てやすくなります。

4.自己資金割合の要件が緩い
一般的に、融資を受ける場合、起業の安全性を評価するために、一定以上の自己資金割合が求められることが多いです。

自己資金 ÷ 創業資金(=事業全体で必要な資金)= 自己資金割合

自治体の制度融資の大半は1/2もの自己資金割合を求めている場合がほとんどです。

一方、新創業融資制度は1/10以上の自己資金割合であれば融資OKという要件になっています。

よって、日本政策金融公庫の新創業融資制度であれば、自己資金が少なくても融資を受けられる可能性があるということです。

デメリット

〇金利が若干高い
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用した場合、自治体の制度融資より金利が高い場合が多いです。

自治体の制度融資は、各種優遇措置を実施している場合があり、実質利率が制度の名目上の利率より低くなる場合があります。

例えば、自治体が利子の一部を負担(利子補給)するなどです。

それらと比較すると、新創業融資制度の金利水準は制度融資の金利水準よりも高くなってしまうケースが多いといえます。

それでも一般的な金融機関からの融資と比べると、新創業融資制度の金利は十分に低いことは覚えておきたいところです。

③新規開業資金

融資 起業

これから事業を始める場合はもちろん、事業を始めて7年以内の方であれば融資が受けられます。日本政策金融公庫で開業資金を調達する多くの人が、この融資制度を利用しています。

新規開業資金の融資を受ける条件

新規開業資金は、新たに事業を始める人と、事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。

ですから、起業してから数年経過したが新たな資金調達が必要という場合は、新規開業資金の申込を検討できます。

さらに以下に記載する要件も満たす必要があります。

・雇用の創出を伴う事業を事業を始める方
・現在勤めてる企業と同じ業種の事業を始める方
・産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方
・民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
・この資金の貸付金額が1,000万円以内の場合、本要件は満たされたものとされます

上記のいずれか1つ以上を満たす事業を始めてから7年以内

融資限度額

融資限度額は7200万円、うち運転資金の限度額は4800万円です。

具体例を挙げると、設備資金単独で7200万円を利用した場合、運転資金の利用枠はないことになります。一方、設備資金での利用がなくても、運転資金としての利用は4800万円を超えることはできません。

この限度額は制度上の限度額という意味であり、実際には担保や連帯保証人の状況で融資額が変わります。

無担保での融資実行は300万円から700万円がもっとも多く、特別なノウハウがある場合や資産状況が良好なケースであれば、まれに1000万円~1500万円程度実行されることもあります。

返済期間

返済期間は設備資金で20年以内、運転資金で7年以内です。

通常の融資の場合(設備資金10年以内、運転資金7年以内)より設備資金において優遇されています。

上記の返済期間は最長期間です。希望により短縮できることもできますし、設備の償却期間に対応させた期間を指定されることもあります。

また、融資実行後の当初利息のみの支払(据置期間といいます)が設備資金、運転資金とも制度上最長2年設定できます。

とはいえ、2年間据置期間が認められることは少なく、特別な事情がない限りは半年程度認められることがほとんどです。

資金使途

新規に事業を開始するためや事業開始後に必要となった設備資金および運転資金

・事業開始前でも、直近で支出が客観的に確認できる場合(領収書や振り込み通知等客観的資料で確認できる場合)は融資対象となる可能性があります

・事業とは無関係な使途、会社設立のための資本金や増資としての使途、他からの借り入れを返済する使途は対象になりません

審査で見せ金は通用しない

ちょっと悪知恵を働かせて見せ金を増やそうとする人がいます。

最初に200万円の資金を元手に400万円の融資を受けて、その後200万円+400万円=600万円の資金を自己資金に見せかけて1200万円の融資を受けて、さらにその後600万円+1200万円=1800万円の資金を自己資金に見せかけて3600万円の融資を受ける……

一見、無限に融資を受けられる裏ワザのように思えますが、当然日本政策金融公庫はこうしたズルを見逃しません。

いきなり預金が400万円も増えていればその理由を聞かれます。

信頼を失うようなまねはしないでおきましょう。

新創業融資制度との違い

新創業融資制度は、新規開業資金等の融資を無担保・無保証で受けるための制度であると言えます。

日本政策金融公庫では

・新規開業資金
・女性、若者/シニア起業家支援資金
・再挑戦支援資金(再チャレンジ支援資金)
・新事業活動促進資金

など、数多くの融資制度を設けています。

ただし、これらのほとんどは、原則として、担保または代表者の連帯保証を必要とする融資制度です。

しかしながら、創業間もない会社では、充分な担保がない、あるいは連帯保証人となる代表者に充分な資力がない場合がほとんどです。

このため、創業間もない会社、すなわち「新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方」について、無担保・無保証で上記の融資制度を利用できるようにするための優遇措置が、新創業融資制度なのです。

つまり、「新創業融資制度で借りる」のではなく、「新規開業資金を、新創業融資制度を利用して無担保・無保証で借りる」という仕組みとなっています。

まとめ

融資 起業

いかがでしたでしょうか。

ここまで、起業したばかりの会社におすすめの融資制度として、自治体と信用保証協会、金融機関が連携して融資してくれる「制度融資」、日本政策金融公庫が扱う「新創業融資制度」「新規開業資金」の3つを紹介しました。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、融資希望額や担保・保証人の有無などを考えてふさわしい融資制度を選びましょう。

融資を受けるためには、説明すべきことをまんべんなく説明した事業計画書を練り、質問などにもきちんと答えられるようにしておく必要があります。

それができれば融資を受けられる可能性は十分にあるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

融資の関連記事