起業して成功させるためには、競合企業の調査や業界情報、事業計画書など、業種に応じた準備が必要です。
そして、事業や設備のための資金調達は、起業する上で欠かせない存在となるでしょう。
資金調達する際には、銀行からの融資などが一般的な方法ですが、起業したての事業は信用がないために審査が難しく、融資がスムーズに受け取れないケースが少なくありません。
こちらの記事では、滋賀県で設けられている起業したてでも利用できる返済のいらない起業準備応援補助金、働くなら滋賀!人材育成助成事業、滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金、滋賀県企業立地促進補助金をご紹介していきます。
資金調達法が限られる起業したての方や中小企業者にとって、心強い補助金となっていますので、ぜひご覧ください。
起業するための資金確保
起業するには、事業資金や運転資金など、多めに資金を確保しなければなりません。
事業が軌道に乗るまでには時間がかかり、起業の失敗のリスクを抑えるためにも、余裕を持った資金が必要となります。
- 一般的に起業するには3ヶ月ほどの資金を貯める
- 自身の事業計画に基づいて資金を確保する
起業の失敗を起こさないためには、自己資金を貯める以外にも融資での資金調達が考えられますが、起業して間もないと銀行などの金融機関での融資は難しくなります。
限られている資金調達方法
起業して間もない場合と、信用がないために資金調達先は限られてしまうケースが少なくありません。
銀行などの民間の金融機関よりも、政府系の金融機関である日本政策金融公庫での融資を検討してみるとよいでしょう。
また、政府や自治体が行っている返済の必要がない補助金や助成金は、起業する方にとって心強い味方となります。
あとになって、「起業時に申請すれば良かった」とならないように、起業時には補助金や助成金の公募はしっかりと把握しておきましょう。
次に、滋賀県で起業する活用できる起業準備応援補助金に加えて、働くなら滋賀!人材育成助成事業、滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金、滋賀県企業立地促進補助金の補助金情報をみていきます。
起業準備応援補助金
滋賀県が設けている起業準備応援補助金は、滋賀県内で起業予定の方および起業して間もない方に対して支援を行っている補助金です。
起業した事業や市場においての道筋をつけるための取り組みに対して、必要な経費の一部を補助しています。
起業準備者の発掘や育成までの支援を支援機関で共有することで、創業者同士の連携強化と同時に創業支援体制の充実を図っています。
補助対象者
起業準備応援補助金の補助対象となるものは、下記のすべてを満たす事業となります。
- 滋賀県内において起業予定の方、または滋賀県内に主たる事業所を有する起業してから最初の決算を迎えていない小規模事業者
- 事業実施にあたり、県内支援機関による伴走支援を希望する方
なお、県内支援機関とは、市町、商工会、商工会議所、信用保証協会、中小企業団体中央会、プラザ等のことをさしています。
補助対象事業
起業準備応援補助金の補助対象となる事業は、事業化・市場化の道筋をつけるために、新商品・サービスを本格的に市場に導入する前の試作品開発や、ターゲット層の反応を実験する取り組みとなります。
下記のような事業例が対象となっています。
(事業例)
・試作品の製作・実験、サンプル無償配布、試食会の開催、WEB広告掲載、展示会への出展等
補助対象経費
起業準備応援補助金の補助対象の対象となる経費は、次の①~③の条件を全て満たす下記の経費となります。
- 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
- 証拠資料等によって支払金額が確定できる経費
【試作品製作費】
・原材料費
試作品の製作や実験等を行うために必要な材料を購入するため支払われる経費
・借損料
試作品の製作や実験等を行うために必要な機械装置や事務機器、倉庫、敷地等のレンタル料、リース料として支払われる経費
・装置の製造
試作品製作に係る金型等を製造するために支払われる経費
・装置の改良
試作品製作に関し、既存の装置を改良(改変)するために支払われる経費
・加工料
・通信運搬費
郵便代や運搬代等として支払われる経費
【委託費】
・デザイン、設計、外注加工、実験・分析、試作品の開発等を委託する費用
・マーケティング調査(ログ解析等 Web 上でのものを含む)、広報等を委託する費用
【謝金】
・講師等外部専門家謝金
専門的知識を有する専門家に依頼し、指導や相談を受けた際の謝礼として支払われ
る経費。展示会等での通訳に支払われる経費。資料等の翻訳に支払われる経費
【旅費】
・講師等外部専門家旅費
会議への出席や技術指導等を行うための旅費として外部専門家に支払われる経費展示会の会場へ赴く際に協力者に支払われる経費
・従事者旅費
補助対象事業に関する会議への出席または情報収集等を行うための旅費として支払われる経費
【事業費】
・会場費
展示会出展料、展示ブースの装飾等整備に係る経費、什器備品等の借上料
・印刷製本費
チラシやパンフレット、ポスター等の印刷・製本費として支払われる経費
・通信運搬費
郵便代や運搬代等として支払われる経費
・借損料
事務機器等のレンタル料、リース料。ただし、汎用品は除く
・広告宣伝費
新聞(チラシの新聞への折込代を含む)やテレビ、ラジオ、インターネット等で宣伝
すする際に支払われる経費
・ホームページ作成費
・上記のほか、理事長が特に必要と認めるもの
補助額
起業準備応援補助金の補助率と補助限度額は下記の通りとなります。
◆補助率 補助対象経費の2/3以内
◆補助限度額 30万円
働くなら滋賀!人材育成助成事業
働くなら滋賀!人材育成助成事業は、滋賀県内の中小企業などにおける採用後の人材育成の充実を促進するための事業です。
採用後の人材育成の企業による負担を軽減し、離職者の発生を抑えておくこと同時に従業員の定着率やスキルアップの向上を図っています。
人材育成に必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象の人材育成
働くなら滋賀!人材育成助成事業の補助対象となる人材育成は下記の通りとなります。
◆職場を離れて、外部の研修機関が作成したプログラムや社内の担当部署が考案したメニューを受講し、必要な知識やスキルの習得を図るもの(OFF-JT)。
◆申請に基づき県が交付決定をした日から令和3年3月31日までの間に開始し、支払いまで終了したもの。
補助対象となる受講者
働くなら滋賀!人材育成助成事業の補助対象となる受講者は下記の通りとなります。
◆雇用契約締結後3年以内の正規雇用労働者で、出席率が3/4以上の方
補助対象経費
働くなら滋賀!人材育成助成事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
◆受講料、教科書代、講師謝金、会場借上費 など
助成額
働くなら滋賀!人材育成助成事業の助成率と、助成限度額は下記の通りとなります。
◆助成率 助成対象経費の2/3以内
◆助成限度額 15万円
・1助成事業主が年度内に交付申請できる金額
滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金
滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金は、滋賀県内で新事業を立ち上げたいという方が利用できる補助金です。
対象となる小規模事業者が行う新事業に対して、事業化、始業課段階にある事業を自ら行う場合において、必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象者
滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金の補助対象となるものは、小規模事業者のうち、下記のすべての要件を満たすことが必要です。
◆県内に本店が所在する小規模事業者であること。
◆補助対象事業を実施しようとする前年度以前に中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の承認を受けていない小規模事業者
・経営革新計画の承認を受けた場合においては、承認を受けた計画期間が満了しており、承認を受けた計画と異なる新事業を実施する小規模事業者であること。
◆補助対象事業を実施しようとする前年度以前に滋賀の新しい産業づくりチャレンジ計画認定事業実施要綱に基づくチャレンジ計画の認定を受けていない小規模事業者
・滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補助金の交付を受けていない小規模事業者
・チャレンジ計画の認定を受けた場合においては、認定を受けた計画期間が満了しており、認定を受けた計画と異なる新事業を実施する小規模事業者
・チャレンジ計画の認定を受け、かつ滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補助金の交付を受けた場合においては、計画期間が満了しており、認定を受けた計画と異なる新事業を実施する小規模事業者であること。
◆みなし大企業に該当しない小規模事業者であること。
補助対象事業
滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金の補助対象となる事業は、下記の新商品等市場化事業と、販路開拓事業となります。
◆新商品等市場化事業
①新商品・新技術・新役務の市場化に関する事業
・新商品・新技術・新役務の商品化のための試作、改良、実験、品質検査事業
・新商品・新技術の商品化のためのデザイン等の改善事業
・新商品・新技術・新役務の求評事業
◆販路開拓事業
①展示会への参加
・販路開拓のための展示会等への参加
②調査・広報等
・販路開拓等に関する調査、指導、研修事業
・新商品等の販路開拓等のための広報事業
補助額
滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金の補助率と補助限度額は、下記の通りとなります。
◆補助率 2/3以内
◆補助限度額 30万円以内
滋賀県企業立地促進補助金
滋賀県企業立地促進補助金は滋賀県内への新規立地や再投資等の促進を図る補助金です。
滋賀県内の経済の活性化および県民の生活の向上に設けられました。
滋賀県内で新たな設備投資にともなう人材確保や操業環境の改善などの取り組みに対して、必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象者
滋賀県企業立地促進補助金の対象事業となるものは、新たな設備投資を計画している下記のいずれかの事業者が対象となります。
◆製造業
◆地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(平成19年法律第40号)第17条に規定する、地域経済牽引事業の承認を受けた事業者
◆道路貨物運送業・倉庫業(特定地域のみ)
(設備投資要件)
・土地取得費を除く、投下固定資産額10億円以上の設備投資(中小企業者のとき同2億円)
・設備投資に伴う地元常用雇用者の5人以上の増加(中小企業者のとき同2名以上)
補助対象事業
滋賀県企業立地促進補助金の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
- 人材確保・人材育成に関する取組
- 通勤環境の改善に関する取組
- 職場環境・働き方改革に関する取組
補助対象経費
滋賀県企業立地促進補助金の補助対象となる経費は、下記の通りとなります。
◆広告宣伝費、印刷製本費、資料購入費、情報掲載料、出展料、受講料、専門家謝金、専門家旅費、旅費、リース料、人件費、委託料、消耗品費
なお、人件費、消耗品費は特定のものに限られます。
補助額
滋賀県企業立地促進補助金の補助率と補助限度額は下記の通りとなります。
◆補助率 対象経費の最大1/2
◆補助限度額(単年度)
- 人材確保・人材育成の取組 200万円(300万円)
- 通勤環境の改善に関する取組 500万円(750万円)
- 職場環境・働き方改革に関する取組 200万円(300万円)
なお、( )内は複数の事業者による共同事業の場合の限度額となります。
まとめ
滋賀県で実施している起業準備応援補助金を始めとして、働くなら滋賀!人材育成助成事業、滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金、滋賀県企業立地促進補助金を解説してきました。
これらの返済の必要がない補助金は、起業したての方や中小企業の方にとって資金調達の大きな支援となります。
特に、起業準備応援補助金や滋賀県小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金などは、起業資金としての支援となりますので、起業時には欠かさず申請するようにしましょう。
また、滋賀県では、働くなら滋賀!人材育成助成事業、滋賀県企業立地促進補助金などの独自の政策も実施しているので、同時に確認してみてください。
ただし、公募や申請期間は限られていますので、その期間を見逃さないようにすることも忘れないようにしましょう。