起業 助成

起業・開業時にとても役立つ助成金または補助金の4つを徹底紹介

助成金

起業時の資金調達方法で、融資と並び人気なのが補助金や助成金の獲得です。

原則的に返済不要で、うまく活用できれば、起業時の強力な資金調達方法になる可能性があります。

一方で、補助金・助成金は日本には数千種類あると言われ、起業家にとって何が良いものなのか、また調べるのに時間がかかりすぎてしまいます。

そこで今回は下記の4つになります。

・キャリアアップ助成金
・創業・事業承継補助金
・小規模事業者持続化補助金
・地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】

この4つの助成金、補助金に絞って徹底紹介していきます。

キャリアアップ助成金

起業 助成

「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など「非正規雇用労働者」の企業内でのキャリアアップ等を促進するための助成金です。

「キャリアアップ計画」について

①「キャリアアップ計画」とは?
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載するものです。

② キャリアアップ計画作成に当たっての留意点
(1) 3年以上5年以内の計画期間を定めてください(※)。
※ 5年間の計画期間満了後も引き続き取組を計画される場合、変更届ではなく、当該計画期間満了後に新たなキャリアアップ計画を作成し提出することが必要です。

(2) 「キャリアアップ管理者」を決めてください。
(キャリアアップ管理者になるには、キャリアアップに関して知識、経験のある人となっています。事業主や役員、人事部長等がいいでしょう)

(3) 「有期契約労働者等のキャリアアップに関するガイドライン」に沿って、おおまかな取り組みの全体の流れを決めてください。

(4) 計画対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組みなどを記載してください。

(5) 計画の対象となる有期契約労働者や無期雇用労働者の意見が反映されるよう、有期契約労働者等を含む事業所における全ての労働者の代表から意見を聴いてください。

キャリアアップ助成金を受給するに当たっての条件

起業 助成
キャリアアップ助成金を受給するに当たって、細かい条件が制定されています。
その内容を確認しましょう。

支給対象事業主(全コース共通)

■雇用保険適用事業所の事業主であること
■雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主であること
■雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働
局長の受給資格の認定を受けた※事業主であること

上記の3点が条件です。

キャリアアップ助成金の概要

起業 助成

キャリアアップ助成金の概要はどんなものでしょうか。
まず、概要をコース別に説明します。

①正社員コース
就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成されます。

②健康診断制度コース
有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に助成されます。

③賃金規定等共通化コース
有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用した場合に助成されます。

④諸手当制度共通化コース
有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に助成されます。

⑤選択的適用拡大導入時処遇改善コース
労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、基本給を増額した場合に助成されます。

⑥短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成されます。

⑦賃金規定等改定コース
すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を増額改定し、昇給した場合に助成されます。

創業・事業承継補助金

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事業承継補助金とは、創業・事業承継補助金は中小企業庁が始め、株式会社電通によって実施される補助金で、創業及び事業継承に必要な経費の一部を補助してくれる制度です。

対象となる企業は、経営の世代交代に伴って、経営革新などを実施する企業です。

申請が認められれば、該当する事業を行っても、事業承継補助金を経費に充てられるので、事業継承・M&Aなどが行いやすくなります。

補助対象者

(1) 公募開始日(平成30年4月27日)以降に創業する者であって、補助事業期間完了日までに個人開業又は会社(会社法上の株式会社、合同会社、合名会社、合資会社を指す。)・企業組合・協業組合・特定非営利活動法人の設立を行い、その代表となる者。

(2) 事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れる者。

以上、の二点の条件を満たす必要があります。

2種類に分かれている事業承継補助金

事業承継補助金は、親族内承継や外部人材招聘など経営者交代による承継が対象となる「Ⅰ型:後継者承継支援型」と、M&A(業務再編・事業統合)を契機に経営革新を行う方を対象とした「Ⅱ型:事業再編・事業統合支援型」の2つに分かれています。

先ほどご紹介した補助対象者の要件に加えて、支援型によって追加されている補助対象者の要件があります。

また、補助金額なども変わっていますので、それぞれの概要をまとめました。

①Ⅰ型:後継者承継支援型
経営者交代による承継の後に新しい取組をおこなった方が補助されます。

〈補助対象者〉

■日本国内で事業を営む中小企業、小規模事業者等、個人事業主、特定非営利活動法人であること。

■地域経済に貢献している中小企業者であること

■継承者が、次のいずれかを満たす事業者であること

・経営経験がある
・同業種に関する知識がある
・創業、承継に関する研究などを受講したもの

②Ⅱ型:事業再編・事業統合支援型
事業再編・統合の後に新しい取組をおこなった方が補助されます。

〈補助対象者〉

■本補助金の対象事業となる事業再編・事業統合にかかわる”すべての被承継者”と”承継者”が、日本国内で事業を営む中小企業、小規模事業者、個人事業主、特定非営利活動法人であること

■地域経済に貢献している中小企業者等であること

■継承者が現在経営行ってない、または事業を営んでない場合、次のいずれかを満たすもの
であること

・経営経験がある
・同業種に関する知識などがある
・創業、承継に関する研修などを受講したもの

小規模事業者持続化補助金

起業 助成
小規模事業者が、商工会議所の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3を補助します。補助上限額:50万円となっています。

補助対象者

商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」が、補助の対象者となっています。

■小規模事業者の定義

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

■「商業・サービス業」、「宿泊業・娯楽業」、「製造業その他」の考え方

区分 考え方
商業・サービス業 ・他者から仕入れた商品を販売する(=他者が生産したモノに付加価値をつけることなく、そのまま販売する)事業

・在庫性・代替性のない価値(=個人の技能をその場で提供する等の流通性がない価値)を提供する事業

※自身で生産、捕獲・採取した農水産物を販売するのは「商業・サービス業」ではなく「製造業その他」に分類

宿泊業・娯楽業 ・宿泊を提供する事業(また、その場所で飲食・催事等のサービスを併せて提供する事業も含む)<日本標準産業分類:中分類75(宿泊業)>

・映画、演劇その他の興行および娯楽を提供する事業、ならびにこれに附帯するサービスを提供する事業<日本標準産業分類:中分類80(娯楽業)>

製造業 ・自者で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含む)を生産する事業 

・他者が生産したモノに加工を施したりするなどして、更なる価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)

その他 「商業・サービス業」、「宿泊業・娯楽業」、「製造業」の定義に当てはめることが難しい事業

(建設業、運送業等)や、区分が異なる複数の事業を営んでいるなど判断が難しい事業

■補助対象者の範囲

補助対象となりうる者 補助対象にならない者
・会社および会社に準ずる営利法人

(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)

・個人事業主(商工業者であること)

・医師、歯科医師、助産師

・系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)

・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)

・一般社団法人、公益社団法人

・一般財団法人、公益財団法人

・医療法人

・宗教法人

・NPO法人

・学校法人

・農事組合法人

・社会福祉法人

・申請時点で開業届を出していない創業予定者

・任意団体  等

申請から補助金受領までの基本的な手続きの流れ

①経営企画書・補助事業計画書の作成

②地域の商工会議所での補助事業者の要件を満たしているかなどの確認を受けるとともに、事業支援計画書などの作成・交付を依頼

③送付締め切りまでに日本商工会議所へ申請書類一式を送付

④日本商工会議所による審査、採択、不採択の決定

以下、採択の場合
⑤交付決定後、販路開拓の取り組み実施

⑥所定の期限までに実績報告書などの提出

⑦日本商工会議所による報告書などの確認

⑧報告書等の不足・不備がないことの確認が終わり次第、補助金を請求・受領(精算払い)

地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】

起業 助成

「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)」は、中小機構と各都道府県の公共団体・金融機関等が共同出資し組成される地域独自の官民ファンドです。

地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者等は、ファンド運営会社(各都道府県の中小企業支援機関等)に対象事業が採択された後、そのファンド運用益から資金の助成を受けることができます。

中小機構と地域自治体が共同出資!無利子で資金調達が可能

ファンドという名前ですが、これは無利子の融資です。すごいですよね。無利子なので、助成金とも呼ばれています。

このファンドの財源は、中小機構と都道府県(都道府県庁、地方銀行など)が地域中小企業応援ファンドへ出資しています。

貸付期間は10年!採択事業はさまざま

起業 助成
地域中小企業応援ファンドという名前ですが、地域名により「えひめ中小企業応援ファンド」「こうち産業振興基金」など名称は少しずつ異なります。

平均的な貸付期間は10年です。これまで採択(審査通過)された事業はさまざまですが、やはり地域の特色を生かし活性化するものが多い印象です。

2種類のファンドと2種類の型がある

このファンドには、地域の中小企業を対象とした地域中小企業応援ファンドだけでなく、中小企業者と農林漁業者が連携する事業を支援するファンドも用意されています。
・地域中小企業応援ファンド
各地の農林水産物や伝統技術を活用する、商品開発や販路開拓への取り組みを支援します。

・農商工連携型地域中小企業応援ファンド
中小企業者と農林漁業者が連携する商品開発・販路開拓の取り組みを支援します。

地域中小企業応援ファンドは以下2つの型に分かれてる

スタート・アップ応援型

【地域密着型の新たな事業へ取り組む】

チャレンジ起業応援型

【地域資源を活用した創業または経営革新】

概要 民間の投資会社が運営するファンドに対して中小機構が出資することで地域資源の活用を取り組む中小企業への投資機会を拡大する 地域資源を活用することで創業または経営革新をし、城外新市場への新規事業の株式公開を目指すまたは成長途中の中小企業者
対象者 中小企業者・創業者

中小企業者・創業者の支援機関

NPO法人など

中小企業者と農林漁業者の連携体

中小企業者と農林漁業者の連携体支援機関

NPO法人と農林漁業者の連携体など

いくら助成されるのか

各都道府県のファンドの規模は40億円~100億円程度です。この中から毎年20~30ほどの事業が採択されています。

返済期間は10年ですので、助成額は公表されていませんが、あまり高額な融資額ではなく、数百万円~1千万円ほどではないかと推測されます。

参考までに、平成30年のきょうと元気な地域づくり応援ファンドでは助成限度は300万円で助成率は2/3でした。

まとめ

起業 助成
ここまで起業・開業時にとても役立つ助成金または補助金の4つを紹介してきました。

なかでも起業や創業時におすすめなのは、やはり無利子で融資を受けられる地域中小企業応援ファンドです。

助成金や補助金は、起業時の強い味方である一方で、計画的な活用が大切だと言えるでしょう。

また、起業時のアドバイスを得意とする専門家を活用することで、補助金の情報を得ることができ、さらに経営者だけではわからないスタートアップ時の悩みも共有することができます。検討を試みても良いと思います。

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