
結婚生活を始めるためには、様々な経済的負担がかかってきます。そんな時に、初期費用となる引っ越し代や新居を借りるときの費用をサポートしてくれる「結婚生活支援事業補助金」ご存知でしょしょうか?
「結婚生活支援事業補助金」は、「結婚しやすい環境を作ることを目的」とした国や自治体が行っている補助金です。経済的な理由で結婚を躊躇しているのであれば、こちらの制度をぜひ検討してみてください。
こちらの記事では各自治体が実施している「結婚生活支援事業補助金」の3つのポイントについてわかりやすく解説しています。
INDEX
結婚資金と住居の悩み
結婚したいと思っていても、経済的な理由によって「結婚に踏み切れない」「希望の年齢での結婚は無理」と感じている方、また結婚資金そのものが結婚の障害となってしまうケースは多いのではないでしょうか?
実際にアンケートを行ったところによると、40%以上の方が結婚資金を確保するために悩み、またその半分の人達が、結婚を始める住居のことで悩んでいることがわかりました。
「結婚資金」「結婚を始める住居」の2つの悩みは、「結婚生活支援事業費補助金」のサポートによって、解決できる可能性があります。
結婚すると利用できる「結婚新生活支援事業費補助金」
「結婚新生活支援事業費補助金」は、結婚をすることによってかかってくる経済的負担を軽くするために設けられました。新婚の新生活を始める時の引越費用や、新居の家賃などの費用を、地方自治体が支援してくれる新婚世帯が利用できる制度です。
平成30年より、「少子化対策」ひとつとして「結婚新生活支援事業費補助金」が設けられるようになり、地域少子化対策重点推進交付金の一事業として実施されています。
目的
地域少子化対策重点推進交付金は、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」のための、地域の実情に応じたニーズに対応する地域独自の先駆的な取組を行う地方公共団体を支援することで、地域における少子化対策の推進に資することを目的としています。
参照:地域少子化対策重点推進(強化)交付金 子ども・子育て本部・内閣府
結婚新生活支援事業補助金の3つのポイント
結婚を考えているのであれば、すぐにでも活用したい「結婚新生活支援事業補助金」ですが、住んでいる市区町村で「結婚新生活支援事業補助金」を実施されていることが大前提となります。
行われていない市区町村もあり、東京都では残念ながら行われていませんので、東京にお住まいの方は利用できません。また、待っていても「結婚新生活支援事業補助金」が自動的に支給することはなく、対象者がきちんと申請する必要があります。
【3つのポイント】
①返済する必要がない補助金上限30万円が支給される
②結婚生活にともなる「住まいに関する費用」の援助
③住んでいる自治体が実施している場合のみ利用可
3つのポイントからなる「結婚新生活支援事業補助金」を詳しく理解して、新たな新婚生活に補助金を活用していきましょう。
ポイント1:返済する必要がない補助金上限30万円が支給される
「結婚新生活支援事業補助金」の一番のメリットは、返済しなくてもよい補助金30万円が支給されるということです。しかし、「30万円支給されるのか?」「条件はあるのか?」は、気になるところではないでしょうか?
支給される上限金額と受給できる条件を解説していきます。
補助金の上限は一世帯につき30万円まで
「結婚新生活支援事業補助金」の補助金額は一世帯につき上限30万円までとなっています。新生活を始めるときには、賃貸物件への引越しやマイホーム購入などで費用がかさむため、返済のいらない30万円は非常にありがたいサポートです。
ただし、対象となるのは新生活を始める費用に限られており、その費用が30万円に満たなければ、補助金はそれよりも少ない額となってしまいますので、注意しましょう。
補助金30万円を受給できる条件
どなたでも「結婚新生活支援事業補助金」が利用できるのではなく、補助金を受けるためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。
自身の状況が、下記の①から④の要件を「全て満たしているのか?」よく確認しておきましょう。
ここで注意したいのが、②「ご夫婦の所得を合わせて340万円未満の世帯」です。この場合は給与所得控除を差し引いた所得額を指していますので、気をつけてください。
夫婦の所得が340万円ならば、年収に換算するとおよそ530万円程となるでしょう。
①平成31年1月1日からお住まいの市区町村の事業終了日までに入籍した世帯
②ご夫婦の所得を合わせて340万円未満の世帯
※奨学金を返還している世帯は、奨学金の年間返済額をご夫婦の所得から控除
③ご夫婦ともに婚姻日における年齢が34歳以下の世帯
④その他、お住まいの市区町村が定める要件を満たす世帯
ポイント2:結婚生活にともなる「住まいに関する費用」の援助
「結婚新生活支援事業補助金」の対象となるのは、結婚して新生活を始めていく「住まいに関する費用」に対して補助金が支給されます。
どのような費用が対象となっているのか、具体的にみてみましょう。
新居の住居費
「結婚新生活支援事業補助金」の「新居の住居費」というのは、マイホームの購入費用、賃貸の時にかかる家賃を始めとして、敷金、礼金、共益費、仲買手数料が対象となります。
結婚後に引越しをしてマイホームを購入、賃貸物件への引越しのどちらの場合も補助金の対象となります。
賃貸物件の場合には、全ての費用と思われるかも知れませんが、火災保険料、保証会社利用料、鍵交換代金は対象とはなりません。
【マイホームの購入】新居の購入費
【賃貸】新居の家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料
新居の引越し費用
結婚をして新居で生活を始めるための引越し費用も「結婚新生活支援事業補助金」の対象となります。引越業者や運送業者に支払った引越し費用が補助金として支給されます。
・引越業者や運送業者に支払った引越費用
・実家での同居または、どちらかの家に一緒に住む場合も対象となる
ポイント3:住んでいる自治体が実施している場合のみ利用できる
「結婚新生活支援事業補助金」は自治体によって実施している地域としていない地域があるため、住んでいる自治体が「結婚新生活支援事業補助金」を設けている地域でしか利用することができません。
現在では262市区町村で実施されておりますが、住んでいる市区町村で「実施しているか?」を確認するには下記のリンクで調べてみてください。
ちなみに、東京都、福井県、広島県.においては、全ての市区町村で「結婚新生活支援事業補助金」は行われていません。
令和元年度地域少子化対策重点推進交付金(結婚新生活支援事業):子ども子育て本部・内閣府
【結婚新生活支援事業補助金を実施している市区町村】
北海道 | 夕張市 三笠市 深川市 石狩市 今金町 真狩村 神恵内村 妹背牛町 雨竜町 北竜町 沼田町 当麻町 愛別町 天塩町 西興部村 厚真町 むかわ町 音更町 幕別町 |
青森県 | 板柳町 |
岩手県 | 宮古市 一関市 釜石市 八幡平市 矢巾町 金ヶ崎町 平泉町 大槌町 山田町 軽米町 |
宮城県 | 気仙沼市 角田市 東松島市 涌谷町 |
秋田県 | 大館市 湯沢市 上小阿仁村 八峰町 五城目町 |
山形県 | 寒河江市 上山市 長井市 天童市 尾花沢市 中山町 西川町 大江町 真室川町 小国町 白鷹町 庄内町 |
福島県 | 白河市 須賀川市 相馬市 二本松市 田村市 本宮市 国見町 川俣町 大玉村 只見町 南会津町 泉崎村 中島村 棚倉町 三春町 楢葉町 |
茨城県 | 水戸市 日立市 土浦市 那珂市 坂東市 行方市 鉾田市 つくばみらい市 大洗町 城里町 大子町 境町 |
栃木県 | 栃木市 鹿沼市 日光市 小山市 大田原市 益子町 那珂川町 |
群馬県 | 沼田市 安中市 下仁田町 甘楽町 中之条町 嬬恋村 昭和村 |
埼玉県 | 鴻巣市 吉見町 長瀞町 美里町 |
千葉県 | 千葉市 野田市 佐倉市 市原市 四街道市 山武市 いすみ市 栄町 横芝光町 長生村 白子町 |
東京都 | 該当なし |
神奈川県 | 湯河原町 愛川町 清川村 |
新潟県 | 新潟市 十日町市 |
富山県 | 小矢部市 射水市 入善町 |
石川県 | 七尾市 小松市 羽咋市 川北町 津幡町 内灘町 中能登町 |
福井県 | 該当なし |
山梨県 | 韮崎市 |
長野県 | 上田市 岡谷市 諏訪市 須坂市 千曲市 東御市 小海町 立科町 下諏訪町 飯島町 松川町 高森町 喬木村 木祖村 朝日村 池田町 松川村 坂城町 高山村 信濃町 小川村 |
岐阜県 | 高山市 中津川市 美濃市 山県市 本巣市 海津市 神戸町 |
静岡県 | 静岡市 島田市 焼津市 藤枝市 下田市 御前崎市 牧之原市 東伊豆町 小山町 吉田町 |
愛知県 | 弥富市 |
三重県 | 熊野市 いなべ市 紀北町 紀宝町 |
滋賀県 | 彦根市 草津市 湖南市 高島市 東近江市 豊郷町 |
京都府 | 南山城村 |
大阪府 | 枚方市 泉佐野市 寝屋川市 和泉市 藤井寺市 岬町 太子町 |
兵庫県 | 神戸市 三木市 高砂市 川西市 加東市 稲美町 上郡町 佐用町 |
奈良県 | 五條市 川上村 |
和歌山県 | 和歌山市 紀の川市 由良町 |
鳥取県 | 北栄町 |
島根県 | 川本町 吉賀町 |
岡山県 | 井原市 真庭市 和気町 矢掛町 |
広島県 | 該当なし |
山口県 | 長門市 美祢市 平生町 |
徳島県 | 美馬市 |
香川県 | 善通寺市 琴平町 |
愛媛県 | 八幡浜市 大洲市 上島町 久万高原町 愛南町 |
高知県 | 室戸市 安芸市 南国市 香南市 香美市 奈半利町 田野町 いの町 佐川町 日高村 津野町 大月町 |
福岡県 | うきは市 嘉麻市 那珂川市 岡垣町 遠賀町 鞍手町 糸田町 川崎町 大任町 |
佐賀県 | 嬉野市 基山町 |
長崎県 | 諫早市 壱岐市 雲仙市 南島原市 東彼杵町 川棚町 波佐見町 |
熊本県 | 荒尾市 玉名市 玉東町 高森町 水上村 |
大分県 | 日田市 宇佐市 九重町 玖珠町 |
宮崎県 | 国富町 綾町 |
鹿児島県 | 垂水市 薩摩川内市 いちき串木野市 姶良市 東串良町 瀬戸内町 |
沖縄県 | 石垣市 南城市 恩納村 |
結婚の補助金の手続きの仕方
「結婚新生活支援事業補助金」の補助金を受給するためには、手続きに従って申請する必要があります。申請方法は、各自治体によって違ってきますので、自治体のホームページや窓口などで確認してください。
「結婚新生活支援事業補助金」の手続きの例として、「神奈川県湯河原町」の申請手続きを見てみたいと思います。
まずは、「必要書類」を準備してから、「町役場で申請手続き」を行います。
申請書へ捺印が必要ですので、認め印の準備も忘れないようにしてください。シャチハタは不可となります。
補助申請書
申請時の必要書類
・ ★婚姻届受理証明書または婚姻後の戸籍謄本
・ ★夫婦の所得証明書
・【住居費(取得)の場合】売買契約書及び領収書の写し
・【住居費(賃貸)の場合】賃貸借契約書及び領収書の写し
・【住居費(賃貸)の場合】住宅手当支給証明書(給与所得者全員分)
・【引越費用の場合】引越費用に係る領収書の写し
・【貸与型奨学金を返済した場合】返済額がわかる書類の写し
・【婚姻を機に離職し,申請時に無職の場合】離職票の写し
・口座が確認できるもの(預金通帳またはキャッシュカード)の写し
(★印は湯河原町の公簿で確認できる場合は省略可)
まとめ
結婚の新生活のサポートをしてくれる「結婚新生活支援事業補助金」について、受給条件や対象となる費用、実施している自治体など、「結婚新生活支援事業補助金」を利用するための3つのポイントをわかりやすく解説してみました。
結婚を始める際の「住居の費用」を援助してくれる補助金は、経済的負担が多くなる結婚したばかりの時期には、とても助かる制度となっています。
結婚での住居に関しての経済的な負担のため結婚を躊躇しているのなら、ぜひ「結婚新生活支援事業補助金」を活用してください。2人の結婚を後押ししてくれる国や自治体の制度を上手に利用して、幸せな結婚生活を始めましょう。