お金を借りようと思った時に、「銀行にするか?消費者金融にするのか?」迷うことは多いのではないでしょうか?
「銀行と消費者金融」は、両方とも貸金業者ではありますが、銀行の方が安心感があり、貸金業者の消費者金融には良いイメージを持つ方が少くありません。
しかし、お金を借りようと思うのなら「銀行と消費者金融」の違いをよく把握して、自身の状況に合った方を選ぶことが大切です。
こちらの記事では、銀行と消費者金融の違いを始めとして、銀行カードローンと消費者金融の違いを比較しながら解説していきます。
「どこからお金を借りようか?」と迷っている方は、ぜひご覧になってください。
INDEX
銀行があっても無くならない貸金業者の消費者金融
テレビのCMでは、毎日のように三井住友銀行や三菱UFJ銀行のカードローンの広告が流されています。
消費者金融でお金を借りることは躊躇しても、銀行カードローンなら簡単な気持ちで利用してみようと考えている方は少くありません。
では、一方の消費者金融で借りる方はいないのでしょうか?
消費者金融も銀行カードローンと同じようにCMや広告が流れており、今でも消費者金融が健在であることが伺えます。
しかし、登録貸金業者数は、平成18年3月から平成31年3月までの6年の間では減少傾向にあります。
14,236業者から1,716業者へと87.9%も減少しています。
貸金業者数が減少した原因として、総量規制という借り入れに制限を設けたことが影響だと言えるでしょう。
減少してしまった貸金業者ですが、今でも多くの人が消費者金融からお金を借りていることに変わりありません。
ではなぜ、「銀行ではなくて貸金業者の消費者金融を選ぶ人がいるのかか?」というと、銀行にはない消費者金融のメリットがあるという事になります。
貸金業者とは?
貸金業者とは、銀行のように預金による資金調達を行わないノンバンクのことを言います。
ノンバンクは消費者や事業者に対して融資を行い、ノンバンクに属する消費者金融は個人に対しての融資を行っています。
また、貸金業を行う場合は登録を受ける必要があります。
貸金業者から借り入れを検討しているのなら、「登録貸金業者情報検索サービス」を利用して、確認してみるとよいでしょう。
最新情報は、財務局や都道府県で確認すると、さらに安心です。
適用される貸金業法と銀行業法の違い
貸金業となる消費者金融と、銀行業を行っている銀行は、お金を融資する点では同じですが、銀行はお金を貸し出す以外のいろいろな業務を行っています。
◆銀行業の扱っている業務(銀行、信用金庫、信用金庫、労働金庫など)
預金・融資・為替・投資など複数の業務を行っている
◆貸金業が扱っている業務(消費者金融、クレジットカード会社など)
預金による資金調達は行っていません。信用供与によるシャドーバンキングです。
また、消費者金融と銀行では、適用されている法律が異なり、貸金業は「貸金業法」が適用され、銀行業は「銀行業法」が適用されています。
貸金業法とは?
消費者金融や貸金業者から借り入れをする時に、定められている法律です。
借金を返済しきれない「多重債務者」が増え社会的問題となり、平成18年に法律が根本的に改定されました。
平成18年に改定された貸金業法の3つのポイントは、次の通りです。
①総量規制が設けられる
②上限金利の引き下げ
③貸金業者に対する規則の強化
銀行法とは?
昭和56年(1981年)6月1日に旧法である銀行法(昭和二年法律第二十一号)を全て改正する形で制定されました。
銀行に関して定められた法律、財務省が管轄となり、銀行業務の公共性、信用意地、預金者保護など、円滑かつ健全に適切な運営を確保するために設けられています。
2017年には「銀行法等の一部を改正する法律」が成立し、「電子決済等第高精度の創設」「オープンAPIの活用」などの内容が加えられています。
総量規制の対象となる消費者金融の特徴
平成22年6月18日に貸金業法が実施され、これによって消費者金融は、総量規制というルールに沿って業務を行うようになります。
【総量規制の3つのルール】
①個人向け貸し付けの限度額は年収の1/3まで
②既に年収の1/3以上の借り入れがある場合は、追加で借りることはできない
③安定した収入を持たない専業主婦などは借りるのに旦那の承認が必要となる
貸金業である消費者金融は、「総量規制」に沿ってお金を貸し出さなければなりませんが、銀行業が適用となる銀行は、「総量規制」の対象外になったのです。
その結果、消費者金融や信販会社、またはクレジット会社などは「総量規制」の対象となるために。お金を借りる時には年収の1/3までしか行なえません。
消費者金融でお金を借りる時には年収の1/3までしかできないということになります。
【総量規制によって利用できない場合】
◆多額の借り入れを希望する場合
◆安定した収入がない場合
◆専業主婦は、収入がないため銀行カードローンのほうが借りやすい
銀行カードローンと貸金業者の消費者金融を比較
銀行カードローンと貸金業者の消費者金融と比較しすると、適用される法律、借入額、金利、審査スピートが異なっています。
次に、「どのような違いがあるのか?」を表にまとめましたので確認してください。
上記で説明した法律や総量規制の他にも、銀行と消費者金融は違っているのがわかります。
銀行 | 消費者金融 | |
適用される法律 | 銀行業法 | 貸金業法 |
総量規制 | 対象外 | 対象 |
借入額 | 最大の限度額まで | 年収の1/3まで |
金利 | すこし低金利 | 銀行よりは高金利 |
審査スピード | 消費者金融より遅い | 超早い・即日OK |
安心感・印象 | 高い | あまり良くないかも |
消費者金融の上限金利
法律上となっている上限金利には、超過すると民事上無効となる「利息制限法の上限金利」と、超過すると刑事罰が課せられる「出資法の上限金利」の2通りの金利帯があります。
「利息制限法の上限金利」は貸付額に応じて15%~20%、「出資法の上限金利」は改正前には29.2%でした。
これまでの貸金業者の場合では、「出資法の上限金利」と「利息制限法の上限金利」の間の金利帯であっても、一定の条件が満たされると29.2%の高い金利が有効となっていました。
これがいわゆる「グレーゾーン金利」です。
改正により、平成22年6月18日以降の「上限金利」20%に引き下げられて、グレーゾーンはなくなりました。
この後からは、上限金利は「利息制限法の上限金利」である貸付額に応じて15%~20%となります。
【現在の上限金利】
◆借入金額10万円未満の場合→ 20%
◆借入金額10万円~100万円未満の場合 → 18%
(18%~20%の金利での貸し付けは行政処分)
◆借入金額100万円以上の場合 → 15%
(15%~20%の金利での貸し付けは行政処分)
今までの上限金利となる29.2%を、それぞれの借入金額に応じて15%~20%に引き下げられています。
そして、もしも上限金利の20%を超えてしまった場合には、民事上では無効となり行政処分の対象とされます。
もしも、出資法の上限金利を超えている金利帯での貸付をしていたのであれば、刑事罰の対象となる重い罰が課せられるのです。
消費者金融の金利を徹底比較
「上限金利の引き下げ」が設けられたために、金利については大手銀行と消費者金融に、大きな差はなくなってきています。
次に、銀行カードローンと消費者金融の金利を比較してみます。
会社名 | 金利 |
三菱UFJ銀行カードローン | 4.6%~14.6% |
オリックス銀行カードローン | 3.0%~17.8% |
みずほ銀行 | 4.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% |
レイクALSA | 4.5%~18.0% |
アコム | 4.7%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% |
ノーローン | 9.5%~18.0% |
具体的にみても、消費者金融の金利のほうが、銀行の金利よりもわずかながら高いという程度になっています。
消費者金融では、30日間の無利息期間を設けていたり、利息を下げているキャンペーンなどをおこなっているため、実際の金利においても銀行カードローンと大差となることはないでしょう。
審査時間のスピードを比較
銀行カードローンと消費者金融を比較すると、総量規制や限度額、金利は銀行のほうがお得なイメージとなります。
しかし、審査時間については消費者金融の方が圧倒的に有利です。
銀行でも融資の早さを宣伝しているところがありますが、即日融資は難しく、実際には3日以上はかかってしまいます。
「急いで融資を受けたい時」には、貸金業者である消費者金融を選択した方が良いことを覚えておいてください。
銀行と消費者金融の信頼度を比較
最後に、銀行と消費者金融の信頼度を比較してみると、やはり全体的に銀行の方が安心して利用できるということになります。
信用度は目には見えないので、感覚やイメージ的な者となりますが、消費者金融の取り立てや未だに撲滅していないヤミ金融を考えると否定的に取らえられてしまうでしょう。
その反対に、銀行は組織の中で統合や廃止、合併などが行われていますが、企業経営としてはしっかりとした基盤が培われています。
「安心できる所から借りたい」と信頼度を重視してお金を借りたいのなら、信頼の厚い銀行を選ぶと言うことになります。
まとめ
銀行と貸金業者の消費者金融を比較しながら、金利や審査時間の違い、銀行法と貸金業法、総量規制について、詳しく解説してみました。
以前は消費者金融からお金を借入れると、グレーゾーンによって高い金利で貸し出されることがありましたが、改正が行われてグレーゾーンは無くなり、上限金利も引き下げられることになりました。
銀行の金利と比べると、まだ消費者金融の方が高めではありますが、以前のような高い金利での貸付は行われていません。
審査時間の短さや、30日間の無利息期間などのサービスが受けられることが、自身の状況と合っているのなら、消費者金融からの借り入れも検討してみるとよいでしょう。
銀行を利用する場合は、多額の借り入れ、低金利、信頼性をポイントとする時に、
消費者金融を利用する場合には、少額の借り入れ、すぐに借りたい時、短期の借り入れなどに利用状況に合わせるのがベストな方法となります。