消費者金融で発生してしまう過払い金の仕組みや3つの請求方法を解説

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ローン 過払い金

テレビCM等で「過払い金」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、どうして過払い金が発生するのかという、過払い金についての仕組みをご存じの方は、意外と少ないのではないでしょうか。
消費者金融などのカードローンやキャッシングを利用している人が、貸金業者に対して必要以上に利息を支払っているという事態は実際に起こっており、そのお金は本来、借主が支払う必要がないお金のため、きちんとした手続きを取ることで、返還請求することが可能です。

ですが、過払い金の返還請求をする際には、まず自分に過払い金が発生しているのかを知る必要があります。
カードローンやキャッシングを利用している方が、過払い金の仕組みを詳しく知ることで、どのようにして過払い金が発生するのかを理解することができるため、自分にも過払い金が発生しているのかを知るきっかけになり、自分に過払い金が発生していた場合、返還請求を行うための行動を取れるようになります。

本記事では、「過払い金の仕組み」についてや「過払い金を返還請求する方法」について解説します。

ローン等を利用して発生している可能性がある「過払い金」とは

ローン 過払い金

過払い金とは、カードローンやキャッシングなどで、貸金業者に支払い過ぎていた利息のことを指し、利息制限法という法律で定められた利率を超える高利の借り入れをした借主が、法律上、借入金の返済は終わっているのに、返済を続けたため払いすぎた金銭のことを指します。

通常、貸金業者からお金を借りる場合、借りた金額に対しての「利息」が発生します。
貸金業者も商売としてお金を貸していますから、例えば100万円を借りた場合、借りた金額の100万円を返せばいい、というわけではなく、借りた金額の100万円に対して数%の金額を、お金を借りた対価として上乗せして支払う必要があります。
この「借りた金額に対して、業者にお金を借りた対価として上乗せして支払う必要があるお金」のことを「利息」といいます。

そして、貸金業者が顧客から受け取ることができる利息の金額は、あらかじめ「利息制限法」という法律で定められています。
利息制限法で定められた利息の上限金額は、「借り入れ元金に応じて年利15%~20%」が上限となっており、この上限を超えた利息は無効となります。

では、利息の上限があらかじめ利息制限法で定められているのであれば、利息を支払いすぎることはないはずで、そもそも過払い金が発生するということ自体がおかしいことではないか、という疑問が生まれると思いますが、過払い金が発生することには以下の理由があります。

過払い金が発生する仕組みとなる「グレーゾーン金利」

ローン 過払い金

過払い金については上記で説明した通りなのですが、では何故、法律で利息上限が定められているにも関わらず、過払い金が発生するという事態が起きるのでしょうか。
その理由については、「グレーゾーン金利」について詳しく知ることで、理解することができます。
そして、先にお伝えしておきますと、「グレーゾーン金利」は、2006年12月に改正貸金業法が国会で成立し、2010年6月に改正貸金業法が完全施行されたことによって、すでに廃止されており、現在では法改正されたことにより出資法の上限金利が改正されています。

グレーゾーン金利とは、「利息制限法」と「出資法」という法律で定められている上限金利の間に存在する金利帯のことを指します。
先程、利息上限は「利息制限法」という法律で定められていると解説しましたが、利息制限法以外にも「出資法」という金利を規制する法律が存在します。

利息制限法とは

利息制限法とは、貸金業者が、借主が返せないほどの高金利を設定できないように、金利の上限を定めた法律です。
(定められた上限)
・10万円未満=20%
・10万円以上~100万円未満=18%
・100万円以上=15%
(違反した場合の罰則)
利息制限法に違反した際の罰則はありません。

出資法

出資法とは、出資金の受け入れや金利などを規制する法律で、正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関する法律」といいます。
(定められた上限)
・29.2%
(違反した場合の罰則)
10年以下の懲役、もしくは3,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

グレーゾーン金利の理解を深めよう

まず、グレーゾーン金利を詳しく理解するためには、この「利息制限法」と「出資法」について理解する必要があります。
上記の通り、定められた利息上限金額が異なる、2つの金利を規制する法律が存在し、本来貸金業者に適用される利息制限法には罰則がなく、実質、金利が高く設定されている出資法の上限金利内で金銭貸借を行えば刑事罰が科されないことになるため、貸金業者は利息制限法の金利ではなく、より利益を出すことができる出資法の上限金利で取引を行っていました。
そうした背景によって、法的に見た際に、2つの法律の間に存在する金利の差額「灰色の金利」が存在しているという状況になりました。

つまり、この2つの金利を規制する法律の狭間に存在する、金利の差額(灰色の金利)が「グレーゾーン金利」です。

「出資法上限金利29.2%」-「利息制限法上限金利15%~20%」=「グレーゾーン金利」

このグレーゾーン金利が存在することで、借主は通常支払う利息よりも多く利息を支払わなければならない状況になり、多くの人が多重債務という借金漬けの状態になってしまいましたが、当時は貸金業者が一定の条件を満たせば、グレーゾーン金利での貸し出しは可能とされていました。

利息制限法の上限金利を超えた場合、本来その金利は無効になるはずですが、当時は貸金業規制法で定められていた「みなし弁済」という規定が存在し、この「みなし弁済」という規定は、一定の条件を満たしていれば、利息制限法の上限金利を超える利息も有効とみなされていました。

(みなし弁済の条件)
・貸出時に契約書を交付すること
・借主が納得して利息を支払っていること
・受取証書を交付すること

当時は「みなし弁済」という規定が存在したせいで、本来支払う必要のない利息も合法化されている状況になっていて、上記の条件は断ることが可能ですが、切羽詰まった状況の借主は、なんとしてもお金を借りる必要があるため、借主にとって不利な条件となる「みなし弁済の条件」を受け入れざるを得ないという状況が起こってしまっていたのです。

ですが、2010年に法改正が施行されたことにより、現在では利息制限法で定められた金利を上回った場合に刑事罰が科されることになりましたので、貸金業者は利息制限法の範囲内の金利での取引をするしかない状況です。

そのため、法改正が施行された2010年6月以降の貸金業者からの借入に関しては、過払い金が発生することはありませんが、それ以前に借入をした方は法改正前の金利での取引になりますから、過払い金が発生している可能性があります。

では、ここからの記事では、法改正前に借入をしたことがある方自身が過払い金が発生しているのかを調べる方法や過払い金の返還請求を実施する方法を解説していきます。

過払い金が発生しているか調べる手段

ローン 過払い金

過払い金が発生しているか調べるためには、まず以下の2点に該当しているか確認する必要があります。

①利息制限法の上限金利を超えた金利の利息を支払っている。
②2010年6月17日以前(法改正前)に消費者金融やクレジットカードでのキャッシング(カードローン)を利用している。

この2点に該当している方は過払い金が発生している可能性が高いので、取引した貸金業者の金利が利息制限法の金利を超えていないかを確認しましょう。

この時点で注意が必要なのは、利息制限法が適用されるのは、あくまでも「消費者金融等から借り入れをするカードローンやキャッシング」が対象であり、クレジットカードのショッピングローンは対象外になります。
ショッピングローンは借金ではないので「割賦販売法」という法律の範疇になりますので、注意して下さい。

そして、「過払い金の時効は10年」です。
最後に取引をした日から10年以内であれば、過払い金が返ってくる可能性がありますので、一度自身の状況を確認してみましょう。

自身に過払い金が発生していることが判明した場合には、以下の方法を用いて過払い金を返還請求することが可能です。

過払い金請求する具体的な3つの方法を解説

支払いすぎた過払い金は、以下の3つの方法を実施することで返還請求して取り戻すことができます。

・自分自身で過払い金請求を行う
・司法書士に過払い金請求を依頼
・弁護士に過払い金請求を依頼

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

自分自身で過払い金請求を行う

ローン 過払い金

自分自身で請求を行うメリットは専門家に依頼した際に発生する報酬を支払わずに済むことですが、業者との交渉など、素人にとっては難易度が高い事柄も自分で行う必要があるため、法律の知識がない方にとっては難しい方法だといえます。

自分で貸金業者に過払い金請求をする場合は以下の流れになります。

①取引履歴の請求
過払い金請求を行うには、まず過払い金の計算を行う必要があるため、過払い金の計算に必要な取引履歴を貸金業者から取り寄せる必要があります。
自身が取引をしている貸金業者に問い合わせをして「取引履歴を送ってほしい。」と伝え、取引履歴を手に入れましょう。
この際に業者から取引履歴の送付理由を聞かれますが、「過払い金請求をするために必要です。」と返答せずに、「自身の支払い状況を把握しておきたいため。」という理由にしておいて下さい。
実際に過払い金請求を行う際に、業者と交渉・和解する必要があるため、この段階で業者が借主にとって不利な話の内容にもっていくことがないように注意を払っておきましょう。

②過払い金の算出
業者から取り寄せた「取引履歴」と「過払い金計算ソフト」(インターネットから無料ダウンロード)を用いて、過払い金の計算を行います。
利息制限法に基づいた引き直し計算を行い、過払い金の金額を正確に算出しましょう。
正確な金額を算出しておかないと、業者側が支払いを拒否する可能性もありますから、間違えないように計算する必要があります。

③過払い金請求の実施
過払い金の金額を把握することができたら、貸金業者に連絡し過払い金請求を行います。
請求する時は貸金業者に「過払い金返還請求書」を提出する必要があるので、その書類に記載する必要がある項目を以下にまとめています。

「過払い金返還請求書に記入すべき項目」
・日付
・請求先の貸金業者名、代表名
・自分の名前
・住所
・電話番号
・算出した過払い金の金額
・振込口座名、口座番号
(過払い金返還請求書には、特に指定された書式がないため、自身で作成しましょう。)

以上の項目を記載した書類を作成し、送った証拠が残るように必ず「内容証明郵便」で送付しましょう。

※「内容証明郵便」で送付しないと貸金業者に無視されてしまう可能性があります。

④和解交渉
過払い金請求書を送付すると、後日貸金業者から連絡があります。
取引履歴で算出した過払い金の内容や自身の主張を、貸金業者に伝えましょう。
貸金業者は極力お金を払わなくて済むように、借主にとって不利な内容での和解を促してくると考えられるので、あらかじめ交渉に備えて主張する内容を準備しておきましょう。
この交渉段階に自信をもって挑むためにも、正確な過払い金の算出を行っておくことがとても重要です。

⑤過払い金の返金
交渉により、過払い金の返還額が決定したら、その金額を貸金業者に支払ってもらいます。
個人で過払い金請求を行う場合は、業者と話が拗れてしまうケースがあるため、業者に不当な扱いを受けた場合は裁判・訴訟なども視野に入れておく必要があります。

司法書士に過払い金請求を依頼

ローン 過払い金

司法書士に過払い金請求を依頼した場合、司法書士から業者に「受任通知」を送付してくれるので、この受任通知によって業者は借主に取り立てをすることができなくなるため、業者からの取り立てがストップします。
司法書士に請求を依頼することで、自分で請求を行うよりもスムーズに話が進みますし、過払い金額の計算等、自分で行うには面倒な手続きや作業など全て司法書士が行ってくれるため、請求をすることのストレスはかなり低いといえます。
ですが、司法書士に過払い金請求を依頼するには、当然報酬を支払わなければいけませんので、依頼する際の費用がいくらかかるのか事前にしっかりと話し合いをして確認をするようにしましょう。

1社あたりの債務が140万円を超える場合には、残念ながら司法書士に過払い金請求を依頼することはできませんので、この条件に該当する方は、弁護士に依頼することを検討しましょう。

司法書士が行うことができるのは、総債務額140万円以下の法律相談・交渉・訴訟になります。

(司法書士に依頼した際にかかる費用)
・相談料
・着手金
・成功報酬

必要な経費は司法書士によって変わってきますが、過払い金請求を司法書士に依頼した際にかかる費用相場はおよそ25万円前後です。
無料相談を実施している司法書士など、営業スタイルは様々ですので、司法書士に過払い金請求を依頼することを検討している方は、インターネット等で司法書士の情報を集めましょう。

弁護士に過払い金請求を依頼

ローン 過払い金

司法書士の方には、債務額によって扱える案件に制限があることは先程お伝えしましたが、弁護士に依頼するのであればそのような制限はありませんので、債務額がいくらでも解決のための方法をとってもらうことが可能です。
司法書士に依頼することと同様で、弁護士に依頼することで業者は法律のプロを相手に交渉を行うことになりますから、自分で請求を行うよりもスムーズに物事が進みますし、なによりも自分で請求するよりも返ってくる金額が大きくなる可能性が上がることが一番のメリットだといえます。
面倒な手続きも全て代行してもらえるため、ストレスなく請求を行うことができるでしょう。
弁護士に依頼することで、業者とのやり取りは全て依頼した弁護士が仲介・代行してくれることになり、業者からの書類や通知も弁護士の方に届く形になるため、家族など身近な人に請求の事実を知られたくない方も安心して請求を行うことができます。

(弁護士に依頼した際にかかる費用)
・相談料
・着手金
・成功報酬
・過払い金報酬
・減額報酬

司法書士に依頼するのと同様で、弁護士に過払い金請求を依頼する際には必ず報酬を支払う必要があり、相談料が無料等、弁護士の営業スタイルは様々ですので、費用がいくらかかるのか事前に調べてから相談するようにしましょう。

まとめ

以上、本記事では「過払い金について」や「過払い金の仕組み」及び「過払い金請求する3つの方法」を解説しました。

過払い金とは、文字通り借主が貸金業者に支払いすぎたお金のことを指します。
利息制限法で利息上限額は15%~20%と定められていますが、この金利を超える利息を業者に支払っている借主の方は、過払い金が発生している可能性がある、ということになります。

2010年に法改正が施行され、グレーゾーン金利が廃止されるまでに貸金業者に借金をしていた人の中には、利息制限法の15%~20%の上限金利ではなく、出資法の上限金利の29.2%を支払っている可能性があり、利息制限法で定められた上限金利以上の利息を支払っている方は、その差額を過払い金として返還請求することが可能です。

過払い金請求をする方法は「自分自身で過払い金請求する」「司法書士に依頼する」「弁護士に依頼する」という3つになります。
過払い金請求の主な流れは「取引履歴の請求」→「過払い金の算出」→「過払い金請求」→「貸金業者との交渉・和解」→「過払い金の返還」というな流れになりますが、自分自身で請求する場合は、この工程を全て自分で行う必要があるため、かなりの労力が必要です。
専門家に依頼する際に必要な報酬等の必要経費を安く抑えることはできますが、法律の知識がない素人が、全ての工程において納得のいく結果を出すことは非常に難しいでしょう。
貸金業者もこれまで様々な顧客を相手に交渉をしてきたわけですから、素人だと見抜かれてしまうと、不利な状況にもっていかれることは十分に考えられます。
ですから、費用がかかってしまうとしても、司法書士や弁護士といった専門家に依頼することが無難だといえます。

司法書士や弁護士に依頼することで得られるメリットは、「業者からの取り立てが止まる」「請求に必要なことは全て代行してくれる」「スムーズに物事が進む」といった内容です。
交渉などはもちろんのこと、取引履歴を取り寄せたり、過払い金を算出したりすることも全て代行してくれるため、ストレスなく請求を行うことができます。

支払うべき報酬は、専門家の営業スタイルによって様々ですので、過払い金請求を検討されている方はインターネット等で情報収集を行い、相談する際には必ず事前に必要な金額はいくらなのかを確認するようにしましょう。

過払い金請求が可能な期限(時効)は最後に取引をした日から10年以内です。
この期限を過ぎていなければ返還請求をすることができますので、過去に取引をしたことがある方は一度自身の状況を見直してみることをおすすめします。

消費者金融等のカードローンやキャッシングなどの借金で苦しんでおられる方は、過払い金請求を実施することで、借金の減額・完済をして現状を改善することができるかもしれませんので、是非、積極的に行動を起こしてみましょう。

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