税金対策をして活用したい住宅ローン減税制度の7つの要点を徹底解説

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ローン 税金対策

「マイホーム」を購入することは、一昔前であればみんなが目指した目標であり、憧れた夢でありました。

ですが、近年では一般人がマイホームを購入することは同時に、多額のローンを抱えてしまうことになり、多額のローンを抱えた状況から想像される将来の不安を考えると、マイホームを購入する人の数は年々減少傾向にあります。

さらに、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられたことにより、マイホーム購入に踏み切る人の減少傾向は加速の一途を辿っています。

そういったマイホーム購入者の減少を緩和するためにも、国はいくつかの支援策を打ち出し、その一つである「住宅ローン減税制度」は、その期間が「10年から13年」に延長され、これまでより高水準の控除を受けることができるようになりました。

本記事では、一般の方が賢く税金対策をしながらお得にマイホームを購入することができる減税制度、「住宅借入金等特別控除」(住宅ローン減税制度)について詳しく解説します。

住宅借入金等特別控除制度(住宅ローン減税制度)について

ローン 税金対策

住宅借入金等特別控除制度とは、個人が住宅ローンを利用して家やマイホームを購入・リフォームする際に一定要件の元に所得税からの控除が受けられる制度で、通称「住宅ローン減税制度」または「住宅ローン控除制度」と表されます。(以下、住宅ローン減税制度)

※控除とは
本来納めるべき税金から差し引かれることを意味します。
そのため、「控除」という言葉は「減税」という言葉に置き換えることができます。
「控除」=「減税」

住宅ローン減税制度を活用すると、マイホームを取得・購入した時点から6カ月以内にその家に居住し、一定の要件のもとに確定申告を行えば、10年間にわたり年末時点のローン残高に応じて所得税の控除が認められることになります。

日本人の考えで多いのは、ローンを組むことは借金をすることと一緒であり、ローンや借金はあまりいい行動とは考えられないといった風潮がありますが、住宅ローン減税制度をうまく活用すれば、ローンの金利を上回る減税効果を受けられる可能性があるため、ローンや借金をすることが一概に悪い行動とはいえません。

当然、何の計画もなしにローンや借金をして浪費をすることはいい行動とは思えませんが、事前にマイホーム購入時のローンを組んだ時に発生する金利を考えた上で、住宅ローン減税制度をうまく活用することができれば、逆に得をすることができるため、住宅ローンの利用を検討してみる価値はあるはずです。

では、何故住宅ローン減税制度を活用すればローンの金利を上回る減税効果を受けることができるのか、その仕組みを解説します。

住宅ローン減税制度を活用すると大きな節税効果が得られる理由

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(住宅ローン減税制度は所得控除ではなく「税額控除」のため所得控除と比較すると控除額が大きくなる。)
先に結論を書きましたが、所得控除と税額控除では控除される金額に大きな差が生まれるため、この差が生まれる仕組みを理解することが、非常に重要なポイントとなります。

医療費控除やふるさと納税の「所得控除」の仕組み

所得控除とは、課税所得に該当する金額を控除するものを指します。
サラリーマンのように、毎月雇用されている職場から給料を受けとっている方の所得税の計算式は次のようになります。

・年収-給与所得控除=給与所得
・給与所得-所得控除=課税所得
・課税所得×税率=所得税

所得控除の金額の内100%が税金から差し引かれる訳ではなく、その人の収入に応じた税率に応じて、差し引かれる税金の額は変化します。

例) 医療費控除 3万円 税率10%の場合

3万円×10%=3,000円が還付

仮に所得税率が20%であれば、3万円×20%=6,000円が還付されることになります。

住宅ローン減税制度の「税額控除」の仕組み

次に、税額控除とは、課税所得に税率をかけた金額の所得税額から直接控除するものを指します。

・課税所得×税率=所得税
・所得税-税額控除=所得税

税額控除は上記のような計算式になりますから、先程の例と同じ条件だとすれば、税額控除の金額の3万円が全額所得税から差し引かれるという計算になります。

つまり、所得控除の3万円はその人の税率分しか控除されませんが、税額控除の場合は3万円のうち、3万円100%の金額が控除されるということになります。

この計算式の違いにより、所得控除と税額控除では、控除される金額に大きな差が生まれるのです。

ですから、住宅ローン減税制度の活用を検討されているのであれば、まずは自分が納める税金額を把握することが第一歩となります。

住宅ローン減税制度で減税される税額の計算式

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住宅ローン減税制度で控除される税金の計算式は以下になります。

・2014年4月~2021年12月までの間に入居した場合

控除限度額=年末ローン残高×1%
(上限40万円。住宅取得時の消費税が8%又は10%以外は、上限20万円。)

控除期間は10年間

・2019年10月~2020年12月までの間に入居した場合
控除額=年末ローン残高×1%
(上限40万円)

控除期間は13年間
(消費税が10%に値上げされた期間のため11~13年目も延長される。計算式は同じ。)

上記記載以外の年に購入された場合の計算式は、国税庁のホームページに詳しく掲載されていますので、そちらを参照して下さい。

住宅ローン減税制度申請時に満たすべき要件

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では、次に住宅ローン減税制度の対象となる住宅はどのような住宅なのでしょうか。

住宅ローン減税制度の対象となる住宅は、新築・中古、戸建てや形式を問わず、ほぼすべての住宅が対象となる減税制度で、増改築や大規模なリフォームに対しても利用可能であり、さらに、住宅取得と同時期に実施する土地取得のためのローンも含むことが可能です。

(新築住宅取得時の要件)
・自ら所有し、居住する住宅であること
・新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること
・床面積(登記簿)が50平方メートル以上であること
・床面積(登記簿)の1/2以上が居住用であること
・借入金の償還期間が10年以上であること
・年収が3,000万円以下であること

(中古住宅取得時の要件)
・木造 築後20年以内
・マンション等 築後25年以内
・一定の耐震基準を満たすことが証明されるもの

(増改築・リフォーム時の要件)
・増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
・マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
・家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
・現行の耐震基準に適合させるための耐震改修工事
・一定のバリアフリー改修工事
・一定の省エネ改修工事
・補助金等の額を除いた改修工事費用が100万円超えであること
・居住部分の工事費が全体の費用の2分の1以上であること

住宅ローン減税制度の申請方法

会社員やサラリーマンの方は給与所得であるため、よほど年収が高い方以外は確定申告をする機会はないと思いますが、マイホームを購入する際に住宅ローン減税制度を使うのであれば、確定申告を行う必要があります。

なぜかというと、確定申告を行ってその人が支払うべき所得税を申告しなければ、住宅ローン減税制度による所得税控除を受けることができなくなるためです。

住宅ローン減税制度を活用する手続きの流れは、必要事項を記載した「確定申告書」に「控除額の計算明細書」等、その他の必要な書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出をする必要があります。
(その他の必要書類に関しては事項で詳しく解説します。)

住宅ローン減税制度の申請時に必要な書類

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住宅ローン減税を使う時の手続きの内容は、マイホーム購入の初年度と2年目以降では違いがあり、初年度に関しては確定申告が必要なため、提出書類も多いため、少しややこしく感じるかもしれません。

初年度に必要な書類と2年目以降に必要な書類をまとめましたので、ご覧ください。

(初年度に必要な書類)
・確定申告書A、又は確定申告書B
会社員の場合はA、個人事業主の方はBの用紙を使います。

・金融機関等からの借入金残高証明書
年末時の住宅ローンの残高を証明するための書類です。

・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
税務署や国税庁のホームページから入手可能な書類です。
住宅ローン減税の計算時に用いる書類となります。

・住民票
住民票は、「住民の居住関係を公に証明するもの」で、住民票の写しには「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「住民となった年月日」「届け出日および従前の住所」などが記載されています。

・建物・土地の登記簿事項証明書
建物や土地の登記した記録を書面にしたものです。
建物・土地の取得年月日、所有者、持分割合、面積などを確認するために使います。

・建物・土地の不動産売買契約証のコピー
不動産会社と契約した書類のコピーを用意します。

・源泉徴収票
会社員の方であれば、年末もしくは年明け頃に会社から発行される書類です。

・その他必要な場合のみ、申請者の状況に応じて必要な書類
(長期優良住宅建築等計画認定通知書のコピー等)

※「申請者の状況に応じて必要な書類」に関しては、詳しくは「国税庁のホームページ」で確認することができます。

(2年目以降の必要書類)
・住宅借入金等特別控除証明書
税務署から発行される書類です。
2年目以降は確定申告ではなく、年末調整でこの用紙を使用します。

・金融機関からの借入金の年末残高等証明書
住宅ローンを借りている金融機関から発行される書類です。
年末のローン残高がいくらになるのか、予想される残高等が記載された書類です。

必要な書類の解説は以上になりますが、不明点があれば、「国税庁のホームページ」に詳細が記されていますので、そちらも参照してみましょう。

国税庁ホームページ

住宅ローン減税制度を活用してローン金利を超えた節税効果を受けるための2つの方法

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住宅ローン減税制度をうまく活用し、節税効果を受けるためには2つの方法があります。

・10年間ローンを組む
・繰り上げ返済をしない

これらの方法について一つ一つ見ていきましょう。

「10年間」ローンを組んだほうが得をする。

住宅ローン減税制度は10年間、ローン残高の1%が返ってくるという仕組みの制度です。
住宅ローンの金利が1%以下であれば、ローンの金利よりも返ってくる税金の金額の方が上回る計算式になります。

ですから、1%以下の金利でローンを10年以上組めるという方は、現金で購入するよりも、ローンで購入するほうが得をすることになります。

繰り上げ返済をしない

住宅ローン減税制度の控除額は年末時のローン残高×1%という計算で決まるため、繰り上げ返済をしてローン残高を減らさないほうが控除額は大きくなるため、繰り上げ返済をしないほうが得だといえます。
※住宅ローン減税制度は「ローン残高×1%がキャッシュバックされる制度である。」という本質を十分に理解しておきましょう。

まとめ

住宅ローン減税制度は、個人がローンを組んでマイホームを購入した際に、ローン残高の1%の金額が所得税からの控除によりキャッシュバックされる制度です。
正式には「住宅借入金等特別控除」といい、税率によっては現金でマイホームを購入するよりもローンを組んだほうが結果的に得をすることができます。

住宅ローン減税制度の控除の仕組みは、医療費控除やふるさと納税のような「所得控除」の仕組みではなく「税額控除」という仕組みのため、所得控除よりも大きな金額の控除を受けられることが可能です。

「所得控除」
控除額3万円 税率10%の場合
3万円×10%=3,000円しか返ってこない。
「税額控除」
控除額3万円の100%の金額3万円がまるまる所得税から控除される。

上記のような控除金額に大きな差があるため、税額控除である住宅ローン減税制度を活用することで、金利を上回る控除を受けられることができます。

住宅ローン減税制度は、「所得税からの控除」という性質のため、申請をするにはサラリーマンの方でも「確定申告」を行うことが必要です。
必要事項を記入した確定申告書とその他申請者の状況に応じた必要書類を合わせて、地域の税務署に提出しましょう。

また、マイホーム購入初年度と2年目以降では、必要書類の内容など、手続きに違いがありますので、事前に手続きの内容を確認しておく必要があります。

住宅ローン減税で得をするためにも、住宅ローンの金利1%以下で10年間ローンを組むべきという点と、年末ローン残高を減らしてしまう繰り上げ返済はしないほうがいいという点をしっかりとおさえておきましょう。

住宅ローン減税制度の対象となる家には、ほぼすべての家が該当するため、購入する家について悩む必要はあまりないといえます。

住宅ローン減税制度をうまく活用して、賢くマイホームを手に入れてはいかがでしょうか。

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