
みなさんは、住宅を購入する時に得られる補助金を知っていますか?
住宅の購入を検討している方の中には、費用に関する不安がある方もいるのではないでしょうか。
またローンも審査や融資などでも不安は発生するでしょう。
ただし、住宅購入の際、一定の条件を満たすことによって数十万円、場合によっては100万円以上の補助金や減税制度を受けられる場合があります。
今回は住宅購入を検討している方に向けて、購入の際に受けられる補助金や減税制度について解説します。
住宅購入時に受けられる補助金制度とは?
住宅購入時には、さまざまな補助金が受けられる場合がありますが、補助金制度の併用については、同じ補助対象のものについては不可能となることもあるため注意してください。
今回は、非常に多く利用されている住宅購入の際の補助金を紹介します。
それでは、その5点を紹介します。
①すまい給付金
すまい給付金とは、消費税増税に伴う住宅取得時の負担軽減を図るために支給される補助金です。
新築・中古は問わず、その住宅の取得者がそこに住むことや床面積が50m2以上であること、第三者による検査を受けていることなど、一定の基準を満たしていれば申請できます。
消費税率8%の場合は収入が510万円以下であることを条件とし最大30万円、消費税率10%の場合は収入が775万円以下であれば最大50万円の給付金を受けることが可能です。
こちらは住宅ローン減税や省エネ住宅ポイント制度など、他の補助制度と併用もできます。
②地域型住宅グリーン化事業
2019年7月現在、地域型住宅グリーン化事業が実施されており、長期優良住宅や低炭素住宅といった省エネ性や耐久性に優れた木造住宅を新築する際、一定の条件を満たしていれば補助金が支給されます。
条件の中でも特徴的なものとして挙げられるのは、この事業が特定の住宅会社のみによるものではなく、工務店や建材流通会社がグループをつくり、公募によってそのグループが国に採択され、グループに属する中小工務店などが住宅を建てた場合に補助金が出されるということです。
この事業は大きく、認定長期優良住宅であることを要件とする長寿命型と、認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅、ゼロ・エネルギー住宅、もしくは省エネ改修型であることを要件とする高度省エネ型に分かれます。
補助金の支給額は、補助対象経費の1割以内の額となっています。
・認定長期優良住宅もしくは認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅…1戸当たり最大 110 万円(施工事業者の補助金活用実績によっては100万円)
・ゼロ・エネルギー住宅…1戸当たり最大140万円(施工事業者の補助金活用実績によっては125万円)
・省エネ改修型…定額で1戸50万円
また、省エネ住宅以外で、地域木材を過半利用する場合は上限20万円、三世代同居対応要件に該当した場合は上限30万円が加算されます。
③長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム済みの住宅を購入する場合に補助金が買主に還元される、2019長期優良住宅化リフォーム推進事業というものもあり、補助金が受けられます。
・評価基準型(長期優良住宅認定を取得していないが、一定の耐震耐久や省エネルギー性能の向上が認められる場合):最大100万円
・認定長期優良住宅型(長期優良住宅の認定を受けた場合):最大200万円
・高度省エネルギー型(認定長期優良住宅型のうち、さらに省エネルギー性能を高めた場合):最大250万円
さらに、三世代同居対応改修工事を実施した場合は、それぞれの上限金額に50万円上乗せされます。
④ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
ZEH、通称ゼッチとは省エネ性とエネルギーの生産性に特化した住宅のことです。
設置するシステムや条件を満たし、消費エネルギーの削減と新たなエネルギー生産の結果、年間のエネルギー量がプラスマイナスゼロ以下である場合、以下のように補助金が受けられます。
①ZEH(ZEHロードマップのZEH定義を満たしたもの):定額70万円
②ZEH+(再生可能エネルギーの自家消費拡大を目指した高性能なZEH):定額115万円/戸
③ZEH+R(レジリエンスを強化したZEH+):定額125万円/戸
また、1と2と併願できるものとして、先進的再エネ熱等導入支援事業という補助金が追加されます。上限は90万円 / 戸があり、ここにそれぞれの追加補助額が加算されます。
この制度は新築だけでなく改修の際も適用されますが、長期優良住宅化リフォームの補助金とは併用ができません。
⑤エネファーム設置による補助金
家庭用燃料電池システム“エネファーム”を住宅などに導入する場合には、補助金が受けられる場合があります。
指定の補助対象エネファームであることと、6年以上使用することなどが条件で、1台につき8万円の補助金が受けられます。
また、LPガスに対応していることやマンションであることなど条件に合わせて1台につき3万円の追加補助も受けられます。
次世代住宅ポイント制度とは何?
2019年10月の消費税増税に伴い、“次世代住宅ポイント制度”という補助金制度があります。
次世代住宅ポイント制度とは、消費税率10%で新築住宅を取得する場合に受けられるポイント制度です。
これから新築する方、または新築分譲住宅を購入する方で、自らが居住する住宅を所定の期間に契約・着工し、2019年10月1日以降に引き渡しを受けることが条件です。
一定の省エネ性または耐震性などを満たす場合、補助金ではありませんが、さまざまな商品と交換できるポイントが最大35万ポイント付与されます。
付与されたポイントは、以下のものに交換することが可能です。
・ 省エネや環境配慮に優れた商品
・ 防災関連商品
・ 健康関連商品
・ 家事負担軽減に関する商品
・ 子育て関連商品
・ 地域振興に資する商品
自治体によっては独自の補助金制度が制定
各自治体によってはその地方に移住した方向けの補助金を提供しているケースもあります。
住宅を購入する予定の自治体がどのような補助金制度を扱っているのか、市区町村のホームページなどを確認してみましょう。
住宅購入時に受けられる減税制度(住宅ローン控除)
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用する際、取得者の金利負担のため、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除する減税措置です。
住宅ローン控除の上限は消費税8%時、10年間で最大400万円ですが、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合、上限が500万円に引き上げられます。
さらに、すまい給付金との併用によって補助金として援助を受けることが可能です。
住宅ローンの借入れを行う個人単位での申請が必要となるので注意しましょう。
最長10年間も住宅ローン減税が可能!
住宅ローン減税(控除)は、住宅関連の政策として最も有名ではないでしょうか。
しかし有名だからこそ、「最大400万円(一定の住宅は500万円)」の数字がひとり歩きしているようです。
住宅ローン減税には限度額があり、人によって受けられる恩恵が異なるので注意が必要です。
■住宅ローン減税の限度額
①年末の住宅ローン残高の1%(ただし、40万円が上限※)
②納税する所得税額と住民税の一部
※認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、上限が50万円に引き上げられます。
上記2つのうち、金額が小さいほうが限度額となります。
控除期間は最高10年間なので、【上限40万円×10年間=400万円】が最大控除額です。
納めるべき所得税と住民税から控除(減額)される制度なので、支払っている所得税・住民税以上の控除は受けられません。
住宅ローン残高は毎年減っていくこともあり、目一杯控除できる人は少ないのが現状です。
なお、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は住宅ローン残高の上限が50万円に引き上げられるため、10年間で500万円が最大控除額となります。
住宅ローン減税の条件を確認する
住宅ローン減税を受けるためには、限度額だけではなく要件も知っておかなければなりません。
主な要件を紹介します。
・自らの居住用の住宅であり、住宅の引渡しは工事の完了から6カ月以内に入居すること
・床面積が50平方メートル以上であること
・中古住宅の場合、耐震性能を有していること
・住宅ローン借入金の償還期間が10年以上であること
・申込者本人の年収が3,000万円以下であること
購入手続きをする前に、物件面積や住宅ローンの償還期間が要件に外れないよう確認しておきたいですね。
新築住宅は固定資産税減額対策が出来る
固定資産税とは、土地や建物などの所有者にかかる税金です。
実は固定資産税では、新築住宅の減税措置があります。
面積要件を満たした新築住宅は一定期間、建物の固定資産税額が2分の1に減額されるのです。
減税期間は通常3年間ですが、3階建以上の耐火・準耐火建築物は適用期間が5年に延びます。
認定長期優良住宅については7年間まで適用可能です。
さらに、認定長期優良住宅には次のような特例もあります。
・登録免許税の税率が0.15%から0.1%へ引き下げ
・不動産取得税を算出する際の控除額が、1,200万円から1,300万円に増額
(登録免許税の減税は、認定低炭素住宅でも受けることができます)
質の高い住宅に関しては、減税措置も充実していることがわかります。
フラット35の金利を下げる事も可能
フラット35では、親と同居・もしくは近居するために住宅を取得すると金利が引き下げられる「子育て支援型・地域活性化型」の優遇があります。
フラット35において5年間、通常よりも0.25%金利を引き下げることができる制度ですが、連携している地方公共団体に限り利用が可能です。
詳細は地方公共団体により異なりますが、要件を満たすと金利引き下げに加え、補助金を受け取れる場合もあります。
要件の概要は以下のとおりです。
■子育て支援型
・若年子育て世帯が住宅を取得する場合
・若年子育て世帯と親世帯が同居または近居するために住宅を取得する場合
■地域活性化型
・UIJターン(都市圏の居住者が地方に移住する)を契機として、住宅を取得する場合
・地方公共団体が住所を誘導すべき地域に、他地域から移住し、住宅を取得する場合
・地方公共団体を通して売却や賃貸を希望する空き家を取得・賃貸する場合
例えば、東京都墨田区では3世代同居者・近居の住宅取得者は最大50万円を受け取れます。
東京都福生市では、子育て世帯が認定長期優良住宅を取得すると上限10万円の助成金を最長5年受けることが可能です。
これら2つはどちらも地方公共団体独自による要件があり、それを満たしたうえでフラット35を利用するならば金利が引き下げられる、という制度です。
まとめ
今回は、住宅購入の際に使える補助金を紹介しました。
人生の中で、住宅は大きな買い物です。
多額の費用が必要となるものだからこそ、住宅を購入する際は補助金制度や減税制度を上手に利用していきましょう。
また、補助金・減税制度は年ごとに対象となる条件や金額が変動することもあります。
必ずその年ごとに内容を確認して、リアルタイムに使える補助金を市町村などで確認して利用することが重要です。
このような補助金には、期間があります。しかし、その時に知識があるかないかで大きく変わるでしょう。
ぜひ、頭に入れておくと、良いと思います。