電気自動車の充電インフラ整備補助金を申請可能な3事業を徹底解説

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充電 インフラ 補助 金

電気自動車自体(Electronic Vehicle)は、それほど新しいものではありません。しかし世界的なCO2削減の動きの中で、近年、注目度が高まっています。
例えば、米国のTESLA社は2019年10月に中国での生産を開始しました。日本においても、日産のリーフやトヨタのプリウスなど実用化がすすめられています。
世界的なCO2削減の中で、日本においても電気自動車の普及が政策目標になっています。日本政府は、2030年までに電気自動車の販売シェアを20%~30%まで引き上げ、2050年までにガソリン車の新規販売を実質0%にする目標を掲げています。
こうした政策目標を実現すべく、日本政府は電気自動車の充電インフラ設備の設置に対する補助金などの施策を推進しています。
現状、電気自動車の販売シェアは政策目標に比べて小さい状況ですが、技術は着実に進歩しており、近い将来、急激な普及が見込まれます。その際には、駐車施設を持つあらゆる民間施設は、充電インフラ設備の設置に迫られることとなります。
ここで、政府が施行している補助金が対象とする3事業には、駐車施設を持つ民間施設の殆どが網羅されます。そのため、駐車施設を持つ方々は、自費での資金調達計画の前に、補助金制度について確認するようにしましょう。
以下では(1)~(3)の構成で、電気自動車の普及状況と今後の見通しを示しつつ、充電インフラ整備で助成される補助金の概要、そして補助金の対象となる3事業を解説します。

ぜひ、電気自動車の充電インフラ整備補助金の申請に役立ててください。

電動自動車とは

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まず前提として、電気自動車(EV)の定義を抑えておきましょう。
ガソリン自動車がガソリンをエンジンで燃焼させ車を駆動させるのに対し、電気自動車は電動モーターを用いて車を駆動させます。
プラグインハイブリッドカー(PHEV)も電気自動車の一つと言えるでしょう。プラグインハイブリッドカーは、コンセントからの差し込みプラグで直接バッテリー充電が可能なハイブリッドカーです。そのため、以下では電気自動車とプラグインハイブリッドカーの両方を「電気自動車」と定義して説明を進めていきます。

電気自動車の特徴

まず、電気自動車の特徴について説明します。

①地球環境へのやさしさ
一番の特徴は、地球環境にやさしいことです。
電気自動車は走行中にCO2や排気ガスを排出しないため、地球環境の改善に役立ちます。

②エネルギー効率の高さ
エネルギー効率がガソリン車よりも高いことも電気自動車の特徴です。
安価な夜間電力を利用して自宅で充電することで、燃料費をガソリン自動車よりも低く抑えることができます。
また、減速時のエネルギーを電力に変え蓄電する回生ブレーキの仕組みもあります。
このように、エネルギー効率はガソリン自動車と比べて約3倍効率的です。

③走行性能の向上
電気自動車は、ガソリンをエンジンで燃焼・爆発させないため走行中とても静かです。また、エンジンルームが不要なためスペース効率が高く、走行時の安定性や加速力といった走行性能はガソリン車よりも向上しています。

電気自動車普及のための政策目標

経済産業省が2018年8月にまとめた「自動車新時代戦略会議」の中間整理によると、政府は電気自動車の普及に向け、以下のような販売台数の目標を掲げています。

①2030年までに、乗用車の新車販売に占める次世代自動車(電気自動車ほかハイブリッド車、燃料電池車含む)の販売割合を50%~70%にまで引き上げる。特に、新車販売に占める電気自動車およびプラグインハイブリッド車の販売割合は20%~30%とする。

②2050年までに、世界で販売する日本車のガソリン車の割合を、実質0%まで引き下げる。

電気自動車の普及状況と今後の見通し

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電気自動車の販売台数は着実に増えていますが、現状ではまだ小さな割合に留まっています。
一般社団法人 次世代自動車振興センターの調査によると、2017年時点で電気自動車の販売シェアは0.55%(約2.4万台)、プラグインハイブリッド車の販売シェアは0.78%(約3.4万台)に過ぎません。

そして、日本で電気自動車の普及が伸び悩む理由としては、下記の4点が挙げられます。

①販売価格の高さ
②1回の充電で走行できる距離の短さ
③充電時間の長さ
④充電インフラ設備の少なさ

販売価格の高さ

電気自動車は、ガソリン車と比べるとまだ割高です。
下記に日本の代表的な電気自動車の価格を紹介します。

・日産LEAF S          405万円(40kWh)
・日産e-NV200G LEAF/100  315万円(40kWh)
・三菱i-MiEVX         295万円(16kWh)
・三菱MINICAB MiEV      215万円(16kWh)

電気自動車の価格は、搭載されている蓄電池の容量に比例します。
そのため今後、蓄電池の燃料効率が高まることで、販売価格の低下が予想されます。

1回の充電で走行できる距離の短さ

1回の充電で走行できる距離が短いことも、普及を妨げる理由の一つです。
例えば日産リーフ(40kWhバッテリー車)では、カタログ上フル充電により400㎞(JC08モード)走行可能です。一方でトヨタのミニバンであるアルファードは、満タン給油で1,000キロ以上の走行が可能です。
ただし、電気自動車の充電当たりの走行距離は着実に伸びています。
例えば、リーフの1充電あたりの走行距離は、2010年当時では約100マイル(160㎞)程度でした。
そのため、走行距離の問題も徐々に解消されるでしょう。

充電時間の長さ

燃料である電気の充電に時間がかかってしまうことも問題です。
例えば日産リーフ(40kWhバッテリー)では、6KWの普通充電器を使用して空の状態から満タンまで充電するのに約8時間かかります。
急速充電器の場合も約30分~60分かかります。一方でガソリン車の場合、バスや大型トラックでも満タンまでの給油は約10~15分です。

充電インフラ設備の少なさ

電気自動車の充電インフラは急激に増えており、現在では約1万8千か所あります。これはガソリンスタンドの約6割です。
ガソリン車と比べて1充電当たりの走行距離が短いことや、充電に時間がかかることを考慮すると、より多くの充電インフラの設置が求められます。

電気自動車の普及の見通し

上述のとおり、電気自動車の普及に向けては、まだ課題があります。
一方で、電気自動車の技術は着実に進歩しており、ガソリン車との差も徐々に小さくなっており、販売価格や1充電あたりの走行距離がガソリン車と遜色ないレベルに達した段階で、普及が急激に進むことが予想されます。
従って、政策目標である2030年での販売シェア予測である20~30%も、それほど非現実的ではないと言えます。

充電インフラ普及のための補助金制度について

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電気自動車の課題である販売価格の高さや1充電あたりの走行距離の短さ、充電時間の長さを解決するためには、自動車メーカーによるR&Dが不可欠です。一方で、R&Dの成果が現れる時期を正確に予測することは困難です。
そのため、電気自動車の普及のためには、並行して充電インフラ設備を増やし「エンスト」発生の不安を払拭することが不可欠です。
このような問題意識から、政府は充電インフラ設備の設置費用に対する補助金制度を施行しています。
以下で概要を紹介していきます。
制度の詳細や補助金の申請手続きについては、経済産業省のホームページをご確認ください。

令和2年度「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金」に係る補助事業者(執行団体)の公募について

補助金制度の概要

○補助金名
電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金

○事業目的・概要
電気自動車、プラグインハイブリッド自動車へ電気を供給する充電設備の導入に伴う経費の一部を助成することで、電気自動車等の普及促進し二酸化炭素の排出抑制や石油依存度の低減をはかります。
基本的には「新規設営」を対象としていますが、下記の条件に合致する場合は既存設備の拡充改善も対象となります。
・既設充電設備の利用頻度が高いこと。
・充電渋滞の解消と充電時間の短縮のため、既設充電設備よりも出力の大きい充電設備(50kW以上)を導入すること。

○管轄
経済産業省

○予算・支給額
令和2年度の補助金では、総額8.93億円(業務管理費1.8億円)が予算計上されました。

○補助金の対象事業
当補助金は、大きく3つの事業を対象としています。

(1)高速道路SA・PA及び道の駅等への充電設備設置事業(経路充電)
○事業内容
「高速道路SA・PA等」「道の駅」「空白地域」における電欠防止の観点から、重要な経路充電または電気自動車等の利便性向上に有効と考えられる施設における経路充電のための充電設備設置事業を対象とします。

(2)商業施設及び宿泊施設等への充電設備設置事業(目的地充電)
○事業内容
「商業施設および宿泊施設等」電気自動車等の利便性向上の観点から、特に有効と考えられる施設における目的地充電のための充電設備設置事業を対象とします。

(3)マンション及び事務所・工場等への充電設備設置事業(基礎充電)
○事業内容
・分譲または賃貸の「マンション等」に属する駐車場における基礎充電のための充電設備設置事業を対象とします。
・「事務所・工場等」に勤務する従業員が利用する駐車場や事業者が所有する社有車の駐車場における基礎充電のための充電設備設置事業を対象とします。

補助金対象の3事業について

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上述の通り、当補助金は「経路」「目的地」「基礎」の3事業を対象としています。
この3事業は、自動車を利用する一連の行動を網羅しており、駐車施設を持つ民間施設のほとんどが、3事業のいずれかに該当します。
近い将来、充電インフラの設置が必要になった時に、自費だけで整備するのは大変です。
諦めずに補助金制度を活用可能かどうか確認することが重要です。

経路充電にかかわる事業

「経路充電」は、目的地に向かう途中での充電を意味しています。
具体的には、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ファミリーレストランなどが対象になります。

目的地充電にかかわる事業

「目的地充電」は、目的地での充電を意味しています。
具体的には、テーマパークやショッピングセンターのように大規模な駐車場を持つ商業施設などが対象になります。

基礎充電にかかわる事業

「基礎充電」は、車を保管する車庫や駐車場での充電を意味しています。
具体的には、事業所や工場の駐車施設やコインパーキング、集合住宅の駐車場などが対象になります。

まとめ

充電 インフラ 補助 金

電気自動車は、現状ではガソリン車と比べ、販売価格が高めであることや、1充電当たりの走行距離が短いこと、充電に時間がかかるなどの課題があります。
しかし、技術は着実に進歩しており、ガソリン車との差は徐々に小さくなっています。そのため、近い将来において急激な普及が予想されます。
電気自動車の普及のため、政府は充電インフラ設備の整備費用に補助金を助成しています。当補助金は3つの対象事業を定めていますが、駐車施設を持つ民間施設の殆どが、3事業のいずれかに該当します。
そのため、駐車施設の保有者においては、充電インフラの設置が必要になった際の資金調達手段として当補助金制度が活用可能かどうか、必ず確認するようにしましょう。

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