
テレビ番組では様々な放送が行われていますが、視聴覚障がい者が放送を視聴し理解するためには、字幕番組はもちろんこと、解説番組や手話番組は欠かすことができません。
しかし、字幕番組、解説番組、手話番組を制作するためには、字幕の付加等を行う費用が必要となり、番組制作を躊躇してしまうケースは多いのではないでしょうか?
そのような時は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が実施している「令和2年度字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金」をご活用ください。
「令和2年度字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金」は、字幕番組、解説番組及び手話番組を制作する放送事業者に対して支援している助成金です。
こちらの記事では、資金調達として役立つ、字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金と放送ネットワーク整備支援事業費補助金を詳しくご紹介していきます。
INDEX
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の概要
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金は、視聴覚障がい者がテレビジョン放送を視聴するために不可欠な字幕番組、解説番組及び手話番組の制作に必要な資金を支援しています。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が予算の範囲内で必要な助成措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障がい者の利便の増進を図ることを目的として設けられました。
助成金交付対象の経費に対して、その一部を助成金として交付しています。
対象番組
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の対象となる番組は下記の通りとなります。
◆令和2年4月1日(水)以降の交付決定日から令和3年3月31日(水)までの間に、制作かつ放送される視聴覚障がい者向け放送番組(字幕番組、生放送字幕番組を含む、解説番組、手話番組)です。
視聴年齢制限付き番組、在京キー5局の字幕番組であって生放送番組でないものは除かれますので、ご注意ください。
「生放送字幕番組」とは?
・字幕が付与された生放送番組を指します。
「視聴年齢制限付き番組」とは?
・当該番組を視聴可能とするために視聴契約時における年齢確認を必要とする放送番組及び、視聴可能年齢を受信機に登録し、かつ、暗証番号を設定することにより、登録された年齢未満の者の視聴の排除を可能とするため、視聴年齢制限の情報を付加して放送される放送番組を指します。
「字幕番組」とは?
・テレビジョン放送において送られる音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をいいます。
「解説番組」とは?
・テレビジョン放送において送られる静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組をいいます。
「手話番組」とは?
・テレビジョン放送において送られる音声等の内容を聴覚障害者に対して手話翻訳映像で見ることができる放送番組をいいます。
助成条件
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成条件は、下記の通りとなります。
◆字幕、解説音声及び手話を付与するための追加的な経費をスポンサー等が負担していないこととします。
・ただし、在阪準キー4局の字幕番組(生放送字幕番組を除く。)については3分の1を上限として、スポンサー等からの経費負担が認められています。
助成金対象経費
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成金交付の対象となる経費は、下記の通りとなります。
◆助成金交付の対象となる経費は、助成対象事業を実施するために必要な経費のうちNICTが予算の範囲内で助成を行うことが適当であると認めるものとなります。
助成限度額
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成限度額は、下記の通りとなります。
◆字幕番組、解説番組及び手話番組を制作する放送事業者等に対して、字幕等を付与するための追加的な経費の額の2分の1の額を限度
・ただし、在阪準キー4局の字幕番組(生放送字幕番組を除く。)にあっては6分の1の額を限度とします。
公募期間
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の公募期間は下記の通りとなります。
令和2年1月20日(月)~令和2年2月19日(金)17:00(必着)
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の申請手続きについて
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の申請を行う際には、申請方法、提出添付書類、提出先をよく確認して申請してください。
申請方法
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金を希望する事業者は、申請期間内に「字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金交付要綱」所定の助成金交付申請書に必要事項を記入して、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)に提出します。
申請書類は、NICTの窓口へ直接持ち込む方法または、郵送での受付を行っています。
・郵送の場合、送付用の封筒等の表面に「字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金申請書在中」と朱書きすることを忘れないようにしてください。
・助成金交付申請書(別紙)(様式1-1)については、郵送と併せて電子メールでの送付となります。
なお、補助金申請システム(Jグランツ)での申請が可能となっています。
Jグランツでの申請は、JグランツのWebページで行えますが、申請にはGビズIDのgBizIDプライムが必要となりますので、ご注意ください。
添付書類
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金に必要な添付書類は下記の通りとなります。
①申請者の営む主たる事業を示す書類
②助成対象事業計画書
③財務の状況を示す書類
提出先
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の申請する際の提出先は、下記の通りとなります。
〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1
・情報通信研究機構 デプロイメント推進部門
情報バリアフリー推進室(担当:小倉 浩嗣)
電話: 042-327-7207
FAX: 042-327-5706
メール: jimaku@ml.nict.go.jp
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)は、総務省が実施している被災情報や避難情報など、国民の生命・財産の確保に不可欠な情報を確実に提供することを目的に設けられた補助金です。
予備送信設備、災害対策補完送信所、緊急地震速報設備等の整備を行う地方公共団体、民間テレビ・ラジオ放送事業者等に対し、整備費用の一部補助を行っています。
補助対象事業
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆都道府県、市町村、都道府県若しくは市町村の連携主体、第三セクター法人、地上基幹放送事業者等又は一般社団法人等が所有し、災害発生時に地域において重要な情報伝達手段となる放送ネットワークについて、放送停波による情報遮断の回避といった防災上の観点から、予備送信所の整備若しくは自然災害の影響を回避することを目的とした送信所の移転若しくは補完送信所の整備、予備放送設備の整備、自然災害に関する迅速かつ確実な情報提供のための設備の整備を行う事業。
補助対象者
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)の補助対象者となるものは、下記の通りとなります。
◆都道府県、市町村、都道府県若しくは市町村の連携主体
◆第三セクター法人、地上基幹放送事業者等又は一般社団法人等
補助対象経費
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)の補助対象となる経費は、下記の表の通りとなります。
交付対象経費区分 | 内容 |
施設・設備費 | ・次に掲げる施設・設備の設置等に要する経費 (ア)送信所 ①局舎 ② 鉄塔 ③ 外構施設 ④ 受電設備(電力引込み送電線を含む。) ⑤ 送受信アンテナ ⑥ 送受信機 ⑦ 中継回線設備 ⑧ 伝送用専用線(専用線引込み線及び端末装置を含む。) ⑨ 電源設備 ⑩ 監視制御・警報・測定装置 (イ)予備送信設備(中継局放送を行う場合に限る。) (ウ)予備番組送出設備(中継局放送を行う場合に限る。) (エ)緊急地震速報設備 (オ)緊急警報放送設備 (カ)緊急割込放送設備 (キ)その他事業を実施するために必要な経費 ・附帯施設(大臣が別に定 める施設・設備)の設置に要する経費 ・附帯工事費 |
用地取得・道路費 | ・前項の施設・設備を設置するために必要な用地の取得 及び道路の整備に要する経費(土地造成費を含む) ・附帯工事費 |
企画・開発費 | ・ソフトウェア購入費(ライセンス費を含む) ・その他事業を実施するために必要な経費 |
補助額
放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)の補助率と補助額は下記の通りとなります。
◆1件あたり100万円を下限
◆補助率
・都道府県、市町村、都道府県若しくは市町村の連携主体
補助対象経費の2分の1に相当する額
・第三セクター法人、地上基幹放送事業者等又は一般社団法人等
補助対象経費の3分の1に相当する額
まとめ
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の概要を申請手続きについて、また放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)の紹介をしてきました。
視聴覚障がい者にとって、字幕番組、解説番組、手話番組は必要不可欠な番組と言えます。
番組を積極的に制作していくためにも、字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金を資金調達の一つとしてご活用ください。
なお、申請期限は限られていますので、期限を見逃すことのないように申請することをおすすめします。
また、放送ネットワーク整備支援事業費補助金(地上基幹放送ネットワーク整備事業)では、予備送信設備、災害対策補完送信所、緊急地震速報設備等の整備を行う地方公共団体、民間テレビ・ラジオ放送事業者等に対し、整備費用の一部補助を行っています。
いざという時のために、補助金を利用して整備してみてはいかがでしょうか?