ジェトロ 補助 金

海外展開を支援するジェトロの取り組みと3つ補助金を解説

補助金

グローバル社会となった現代では、海外の情報は欠かすことができません。
また、海外への輸出や展開などに関しても、自身の情報や力量だけでは到底追いつくものではないでしょう。

ジェトロこと日本貿易振興機構は、そのような海外への輸出や展開を行う中小企業などに対して、手助けをしている機関です。
日本の貿易の発展や拡大のための支援や活動を行うとともに、様々なマーケット情報を提供してくれています。

こちらの記事では、ジェトロの行っている5つの取組みと、3分のつの補助金について解説していますので、ぜひご覧ください。

ジェトロ(日本貿易振興機構)の概要

ジェトロ 補助 金

ジェトロこと日本貿易振興機構は、2003年に日本貿易振興機構法に基づいて、日本振興会を引き継いだ機関です。

貿易や投資促進、発展途上国研究を通じて、日本貿易のさらなる発展に貢献することを目的として設けられました。

70ヶ所を超える海外事務所を始めとして、本部(東京)、大阪本郡、アジア経済研究所、国内事務所などの国内拠点のネット枠を通じて、農林水産物や食品の輸出、中小企業などの海外展開支援、調査や研究などを行っています。

◆名称 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
Japan External Trade Organization(JETRO)

◆設立 2003年10月1日
代表者 理事長 佐々木 伸彦

◆所在地 〒107-6006東京都港区赤坂1丁目12-32アーク森ビル(総合案内6階)
Tel : 03-3582-5511(総合案内)

ジェトロの5つの取り組み

ジェトロ 補助 金

農林水産物や食品の輸出や中小企業の海外展開支援などに貢献しているジェトロでは、主に5つの取り組みを実施しています。

外国企業に対する誘致活動などの海外展開、日本の農林水産物および食品輸出、中小企業などの海外展開などの支援、さらには調査や研究で海外ビジネス情報を広く提供しています。

次に、日本と海外を直接つなぐ架け橋として貢献している5つの取り組みについて、詳しくみていきましょう。

①外国企業に対する誘致活動などの海外展開支援

外国企業に対する誘致活動や日本においての拠点設立や事業拡大を支援しており、特に高い付加価値の創出、新たな技術やビジネスモデルおよび生産性向上に貢献する事業などに誘致を行っています。

スタートアップの海外展開の支援としては、世界各地のエコシステムと直結した展示会への出展支援、ブートキャンプ、メンタリングなどの派遣前の個別集中研修などの提供です。

・セミナーやウェブサイトを通じた情報発信
・インキュベーションオフィス(IBSC)の提供
・自治体との連携強化
・海外展開に意欲のあるスタートアップを支援
・世界各地のエコシステムの活用など

②日本の農林水産物および食品輸出の支援

「2019 年に農林水産物・食品の輸出額1 兆円」という政府目標に基づいて、地方創生に貢献しています。

国内外のネットワークを最大限活用し、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)のプロモーションと連動をながら、品目別輸出団体等と連携、さらには関係省庁等と一体となり、オール・ジャパン体制での農林水産物・食品の輸出などの取り組みを行っています。

・全国に輸出相談窓口を設置
・ワンストップで情報提供
・海外企業との商流構築機会
・輸出に向けた個別支援
・海外における日本産農林水産物・商品のブランド構築を推進など

③中小企業などの海外展開支援

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大きな需要や経済連携での拡大が見込まれる海外市場において、中堅および中小企業などの販路開拓や拠点設置など、現地進出企業が円滑に活動を行えるように、日本企業の海外展開を支援しています。

個別企業のニーズに応じてきめ細やかにサポートやグローバル人材の活躍、越境EC の活用、フロンティア市場の開拓、知的財産の活用、日本の魅力発信などを行っています

・情報提供による海外展開支援
・国内から海外までの一貫支援
・グローバル人材の活躍・育成支援
・海外におけるEC販売プロジェクト(JAPAN MALL事業)
・日本の魅力発信
・フロンティが市場へのビジネス展開支援など

④調査や研究で海外ビジネス情報を広く提供

ジェトロ 補助 金

調査や研究を通じて、最新の海外ビジネス情報を日本企業に広く提供し、ビジネス環境改善や通商政策に貢献しています。

調査や研究には、国内外の拠点、海外の地域・産業調査等に豊富な知見を持つ人材、現地政府・企業・研究機関・国際機関とのネットワーク、アジア経済研究所における研究成果の蓄積などが活用されています。

・日本企業の海外ビジネスに資する調査活動
・各種媒体やセミナーを通じての情報提供
・国内外政府への政策提言
・アジア経済研究所を設置

⑤日本と海外を直接つなぐ架け橋として貢献

日本再興戦略に基づいて、地方創生の実現に向けて支援を行っています。

ジェトロが有する国内外の政府や自治体・企業とのネットワーク、対日投資や海外展開の経験・ノウハウを最大限に活かしており、日本の地方と海外を直接つなぐ架け橋として貢献し、より具体的な支援策を提供しています。

・地方自治体の外国企業誘致
・地域資源を活かしたたインバウンド振興支援
・地元農林水産物・食品の輸出を支援
・国内外の地域同士のビジネス交流
・海外ビジネスに取り組む地元企業を支援

これらのように、ジェトロでは日本の貿易の手助けとなる様々な支援を行っているのです。
次に、ジェトロが行っている3つの補助金をみてみましょう。

外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)

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外国出願費用の助成は、中小企業などの戦略的な外国出願を促進するために設けられた助成事業です。

外国出願にかかる基礎の出願となる特許、実用新案、意匠、商標の費用の半額を補助しています。

利用条件

外国出願費用の助成を申請するには、下記の条件に該当している必要があります。

・日本国内に主たる事業所を有する中小企業者(中小企業支援法第2条第1項第1号 から第3号までに規定された要件に該当する企業)、又はそれらの中小企業者で構成されるグループ(中小企業者が3分の2以上を占め、中小企業者の利益となる事業を営む者)であること。
なお、中小企業者には法人格を有しない個人事業者を含まれます。
地域団体商標に係る外国特許庁への商標出願については、事業共同組合等、商工会、商工会議所、NPO法人を含みます

・外国特許庁への出願業務を依頼する国内弁理士等(選任弁理士)の協力が得られる中小企業者、又は、自ら同業務を現地代理人に直接依頼する場合には、同等の書類を提出できる中小企業者

・本事業実施後のフォローアップ調査に対し、積極的に協力する中小企業者

・暴力団関係企業、違法な行為又は不正な行為を行った中小企業者、その他ジェトロが不適当と判断する中小企業者でないこと

補助対象経費

外国出願費用の助成の補助対象となる経費は下記の通りとなります。

・外国特許庁等への納付出願料
・代理人費用
・翻訳費等

補助率・上限額

  
外国出願費用の助成の補助率と上限額は下記の通りとなります。

◆補助率    
助成対象経費の2分の1以内(千円未満の端数は切り捨て)

◆補助上限額
1中小企業者あたり300万円以内(ジェトロと地域実施機関にて採択した助成金合計)

◆1申請案件に対する補助金の上限額
・特許 150万円
・実用新案、意匠、商標 60万円
・冒認対策商標     30万円

なお、冒認対策商標登録出願とは、第三者による抜け駆け(先取り)出願(冒認出願)の対策を目的とした商標登録出願です。

中小企業等海外侵害対策支援事業(サポート型模倣品対策支援事業およびセルフ型模倣品対策支援事業)

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中小企業等海外侵害対策支援事業は、海外での模倣品調査及び一部の権利行使等費用に対して支援を行っている助成事業です。

外で知的財産権の侵害を受けている中小企業等に対し、模倣品・海賊版の製造元や流通経路の特定、市場での販売状況等の現地調査を手配をしています。
そのにかかった調査および経費の一部を補助しています。

補助の対象と要件

中小企業等海外侵害対策支援事業は、海外で産業財産権の侵害を受けており、模倣品対策支援事業の支援を希望する中小企業者等が対象です。

また、申請者は下記のすべての要件に該当していることが必要となります。

・中小企業支援法に基づく中小企業の要件を満たす法人であること又は「中小企業者で構成されるグループ」(構成員のうち中小企業者が2/3以上を占めるもの)
※「地域団体商標」に関する係争については、商工会議所、商工会、NPO法人等も対象。

・調査及び権利行使等実施国において、対象製品に関する特許権、実用新案権、意匠権、商標権を保持しているか、ライセンス許諾を受けていること。

・対象国における権利侵害の可能性を示す証拠があること
※例:製品サンプル、写真、取引伝票、カタログ、侵害品を掲載したウェブ画面のコピー、その他権利の抵触性を示す資料、事情説明書

・ジェトロ以外の機関から同様の助成を受けていないこと。

・調査・摘発後実施後3年の間に権利行使などの進展があった場合は、ジェトロに対する報告義務を負えること。

・ジェトロと常に連絡を取れる担当者を置けること。

・原則、ジェトロ本部(東京)にて面談の機会を設けること。

・本事業において、1社につき過去3回補助を受けていないこと。

補助対象経費

中小企業等海外侵害対策支援事業の補助対象となる経費は、主に下記の現地代理人費用(調査会社)が対象となります。
なお、国・地域によっては実施できない可能性もありますのでジェトロに相談してみてください。

◆模倣品の製造元や流通経路等を把握するための侵害調査

◆調査結果に基づく、模倣品業者への警告文作成、行政摘発、取り締り

◆調査結果に基づく、税関登録、税関差止請求等、模倣品販売ウェブサイトの削除申請

補助率・上限額

 
中小企業等海外侵害対策支援事業の補助率と上限額は下記の通りとなります。

◆補助率  3分の2
◆上限額  400万円

中小企業等海外侵害対策支援事業(冒認商標無効・取消係争支援事業)

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中小企業等海外侵害対策支援事業は、海外で現地企業に不当な方法及び不当な意図で商標権を出願又は権利化された中小企業者等に対して支援を行っています。

相手方の出願又は権利を取り消すため自ら提起する係争活動に係る経費の一部を補助しています。

補助の対象と要件

中小企業等海外侵害対策支援事業は、海外で現地企業等に冒認出願された場合に、相手方の権利を取り消すために冒認商標無効・取消係争支援事業の助成を希望する中小企業者等が対象となっています。

申請するためには、申請者は下記のすべての条件に該当していなければなりません。

・中小企業支援法に基づく中小企業の要件を満たす法人であること又は「中小企業者で構成されるグループ」(構成員のうち中小企業者が2/3以上を占めるもの)
なお、「地域団体商標」に関する係争については、商工会議所、商工会、NPO法人等も対象となります。

・対象国で取り消そうとする冒認商標と同一・類似の商標権を日本国内で有していること。
なお、商標が同一又は類似及びその商標を使用する商品・役務が同一又は類似であること。

・ジェトロ以外の機関から、 同一の冒認商標取消に要する費用につき同様の補助を受けていないこと。

・本事業終了後3年の間に判決、和解などの係争に係る進展があった場合は、ジェトロに対して報告義務を負えること。

・ジェトロと常に連絡を取れる担当者を置けること。

・原則、申請者又は弁護士等の代理人と、ジェトロ本部(東京)にて面談の機会を設けることができること。

・冒認商標により、申請者に何らかの被害が生じている又は生じる可能性が高いこと。

・冒認商標が無効・取消になった後、申請者自身で当該国に出願又は事業活動を行う意思があること。

・冒認商標への対応策が十分に検討されていること。

補助対象経費

中小企業等海外侵害対策支援事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。

◆冒認商標を取り消すための、異議申立て、無効審判請求、取消審判請求に要する費用
◆上記の項目に要する弁護士、弁理士等の代理人費用(和解金・損害賠償金は含まず)

補助率・上限額

 
中小企業等海外侵害対策支援事業の補助率と上限額は下記のとおりとなります。

◆補助率   3分の2
◆上限額   500万円

まとめ

ジェトロ 補助 金

海外展開や輸出の支援を行っているジェトロ(日本貿易振興機構)が実施している5つの取組みと、3つの補助金について詳しく解説してきました。

海外の展開や輸出には、個人では担うことができないことが数多く存在しています。
ジェトロでは、そのような事業を展開している中小企業に対して、様々な面からのサポートを行ってくれています。

補助金においては、外国出願費用の援助や、中小企業等海外侵害対策としての模倣品対策、冒認商標無効・取消係争など、数多く助成事業を設けての支援を行ってくれています。
海外で困ったことが起きたら、ぜひ一度ジェトロで相談してみてください。

ジェトロは、海外ビジネスを行う事業にとって力強い味方となってくれるでしょう。

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