緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

資金調達として役立つ緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)2つの事業ポイントを紹介

補助金

新型コロナウイルス感染症拡大によって、音楽や演劇、伝統芸能の公演などの分野においては、公演の延期や中止を余儀なくされています。

今後においても、多くの人々が集まる公演の開催の見通しが立たずに不安を感じている事業は少なくないはずです。

経済産業省ではこのような状況を踏まえて、緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)を設けて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、公演の延期や中止を被った主催事業者を支援しています。

ライブ公演の開催及びその収録映像を活用した動画の制作・配信の費用に対して補助金が交付されていますので、資金調達の一つとしてご活用ください。

こちらの記事では、緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の内容、2つの事業のポイント、補助対象経費などについて、詳しく紹介していきます。

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)は特定非営利活動法人映像産業振興機構が事務局として実施している助成事業です。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、予定していた公演を延期、中止した法人を支援するために設けられました。

音楽、演劇等の国内における公演及び当該公演を収録した動画の全部又は一部の海外向けのデジタル配信、日本発のコンテンツのプロモーションに対して、費用の一部の補助を行っています。

補助金を交付することにより、日本発のコンテンツ等の海外展開を促進し、「日本ブーム創出」を通じた「関連産業の海外展開の拡大」及び「訪日外国人等の促進」等を目的としています。

補助対象となる分野

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の補助対象となる分野は下記の通りとなります。

◆コンテンツ全般(文化芸術基本法(平成13年法律第148号)第8条から第11条に定める文化芸術分野)のうち、公演を実施する分野を対象としています。

◆音楽
・ポップス/ロック、歌謡曲/演歌、アニメ、ジャズ、クラシック

◆演劇
・演劇、ミュージカル、舞踊

◆伝統芸能
・歌舞伎、雅楽、能楽、文楽、組踊

◆芸能
・落語、漫才、講談、漫談、浪曲、歌唱

対象となる申請者

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の補助対象となる申請者は下記の通りとなります。

◆国内で今後、日本発のコンテンツ ( 音楽、演劇等のほか、伝統芸能を含む芸能 ) の公演の主催者となる法人

・新型コロナウイルス感染症のまん延の影響により2020年2月1日から2021年1月31日までに予定していた国内外の日本発のコンテンツの公演を延期・中止した主催者に限ります。

・日本発のコンテンツとは、下記の①または②に該当するものをいいます。

①日本国民(特別永住者を含む。以下同じ。)が著作権の全部または一部を有しているコンテンツ
例:音楽コンサートの場合には、セットリストの楽曲を作詞・作曲それぞれでカウントし、過半数を日本国民が行っている等

②日本国民がその実演に主体的に関与しているコンテンツ
例:主役、演出家または舞台監督が日本国民の場合や出演者の過半数が日本国民
ただし、伝統芸能、芸能分野のコンテンツにおいては、上記の制限はありません。

また、形式的に上記の例示に該当する場合においても、ただちに「日本発のコンテンツ」に該当すると判断されるわけではなく、公演の広報内容等諸般の事情を考慮し、審査委員会において「日本発のコンテンツ」該当性が判断されます。

③申請者は以下が該当される方となります
・日本の法令に基づき 設立された法人(非営利法人を含む)
・地方自治法で定められた地方公共団体

④主催者とは、チケット券面上の主催者ではなく、主要な費用を負担し当該公演のリスクを負っている法人をいいます。

・共同出資(製作委員会を含む)の場合には、本補助金の申請者となる主催者について、出資者全員の合意が必要となります。

補助額

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の補助率と補助上限額は下記の通りとなります。

◆補助率  対象経費の2分の1

◆補助上限額  1件あたり5,000万円まで
・なお、下限額は定められておらず、少額の案件についても対象となります。

補助対象事業の2つの事業ポイント

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の補助対象となる事業は下記の通りとなります。

◆日本発のコンテンツの海外展開の促進というこの補助金事業の目的に沿った、「国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施」、その「収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信」事業

・交付決定日以降に実施する事業が対象となり、法令または公序良俗に反する事業は対象になりません。

・公演実施時点における新型コロナウイルス感染症に関する政府、都道府県等の方針・要請等および業種ごとの感染拡大予防ガイドライン等に反しない事業に限ります。

◆2つの事業ポイント
①「国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施」
②「収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信」

次に、「国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施」と「収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信」について、詳しく解説していきます。

国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施について

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施については、下記の通りとなります。

◆有料の通常公演に加えて、以下の公演も対象になります。

・リアルタイムフル配信による無観客の公演(遠隔の複数スタジオをオンラインで同時接続するリアルタイム公演も含む)
・鑑賞料(入場料や視聴料)が無料の公演
・延期・中止した公演と必ずしも同一内容である必要はありません

(対象外となる公演)
・商業施設等への集客を目的とする公演
・企業・団体の社員・職員の福利厚生を目的とする公演 等

・新型コロナウイルス感染症の感染状況に鑑み、以下のとおり、無観客公演の「リアルタイムフル配信」の要件が緩和されていますので、よくご確認ください。

例外1:生配信の一部に収録映像を使用
・2020年8月26日以降に開催される公演につき、実演時間(例えば、音楽公演であれば演奏・歌唱時間)の過半数が生配信映像を使用する場合には、配信の一部に収録映像を使用する場合においても対象事業として認めます。

・リアルタイムフル配信の案件同様、交付額事後調整の対象外とします。

・交付決定日以降に収録した、当該採択案件のための映像素材の制作費用も対象経費とします。ただし、他の対象経費同様、審査委員会において費用の合理性の判断がなされます。

・交付決定日前に収録した映像素材も、上記の割合の範囲内で使用することはできますが、その費用は補助対象外経費となります。

例外2:完全事前収録
・2020年10月5日以降に新たに申請する公演につき、以下のすべての条件を満たす場合には、特別に公演の全編に事前収録映像を利用することを認めます。

・新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止を目的として、無観客リアルタイムフル配信の実施回避を会場から求められている場合。

・理由書の内容が妥当であると審査委員会で判断された場合。
・対象となる公演は、2020 年 10 月 5 日以降に新たに申請する公演に限ります。
・交付決定日以降に収録する場合に限ります

収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信について

収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信については、下記の通りとなります。

◆内容
・動画は、コンテンツの内容をプロモーションするという観点から、実演(例えば、音楽公演であれば MC 等ではなく、演奏・ 歌唱)に関する収録映像を使用する必要があります。

◆本数
・1申請につき1本以上制作・配信することが原則です。

・ただし、海外展開のための効果的なプロモーションを実施する観点から、次の場合はこの限りではありません。

①同一演目の公演を同じ会場で複数回実施した場合
・特定の回の公演の収録映像を使用した動画の制作・配信をもって、各申請について動画を制作・配信したとみなします。

②同一演目の公演を複数の会場で実施した場合
・複数の会場の公演の収録映像を組み合わせた動画または特定の回の公演の収録映像を使用した動画の制作・配信をもって、 各申請について動画を制作・配信したとみなします。

・制作・配信する動画の本数に上限はありません。

◆時間
・動画の長さは最低5分以上(上限なし)とします。
なお、その他に動画を制作・配信する場合には、その長短は問いません。

・動画は、過半数の時間を公演の収録映像が占める必要があります。
ただし、ライセンス契約等のやむを得ない事情により困難な場合には、例外が認められることがあります。
収録映像が一切使われていない動画は認められません。

◆掲載情報(本補助金を利用して制作された全てのプロモーション動画が対象)
・公演名・日時・場所の情報およびロゴマークを動画内に掲載する必要があります。
なお、同一演目の公演を複数回実施した場合には、各回の日時・場所をすべて掲載する必要があります。

・出演者のプロフィール、あらすじなどの掲載も可能です。なお、コンテンツの分野によってはコンテンツの内容を伝える字幕の掲載も推奨されます。

・動画内に掲載するすべての情報は、展開先の国・地域の公用語(ワールドワイドの場合は英語のみでも可)で表記する必要があります。
ただし、海外展開のためのプロモーションの観点から有効である場合には、日本語の併記も可能です。

・動画内における各情報の掲載方法(秒数、サイズ、位置等)は問いません。

◆配信方法・期間(本補助金を利用して制作された全てのプロモーション動画が対象)
・動画は、展開先の国・地域の居住者が無料で視聴できる媒体(会員登録が必要な場合も含む)で配信する必要があります。

・動画の配信期間は、配信日から1年以上とします。ただし、ライセンス契約等のやむを得ない事情により困難な場合には、例外が認められることがあります。
一切配信しないことは認められません。

それぞれの補助対象経費

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の「国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施」と「収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信」のそれぞれの補助対象経費は、次の通りとなります。

補助対象外費用となるものもありますので、事前によくご確認ください。

国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施についての補助対象経費

国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施の補助対象となる費用は、下記の表の通りとなります。

補助対象経費 内容
出演関係費 出演費
制作関係費 演出関係費、権利使用料、舞台制作費、舞台スタッフ費、運搬費、交通費・宿泊費、保険料(当該公演に係るものに限る)、公演広告・宣伝費(媒体費・制作費いずれも対象、ただし公演実施費用の10%が上限) 
会場関係費 会場施設使用料、付帯設備費、施設維持費(自社所有の場合の会場のみ)、減価償却・固定資産税相当費用(自社所有の場合の会場のみ)
運営関係費 運営スタッフ費、チケット販売関係費(払戻し手数料を含む)、光熱水料、ライブ配信費  、感染予防対策費 (新型コロナウイルス感染症への感染の有無を確認するための検査費を含む)、映像収録費

収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信についての補助対象経費

収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信についての補助対象となる経費は、下記の表の通りとなります。

補助対象経費 内容
映像制作配信費 映像制作費、映像編集費、翻訳費、字幕・吹替費、権利使用料、配信費、広告・宣伝費(動画制作・配信費用の 20%が上限)
申請・報告に関する費用 書面作成代行費(行政書士等)、経理書面確認費(税理士、公認会計士)

まとめ

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)

緊急事態宣言に伴うイベント関連の対応措置(J-LODlive補助金)の内容と、「国内で今後、日本発のコンテンツの公演を実施」と「収録映像を活用して制作したプロモーション動画を海外に発信」の2つの事業のポイント、それぞれの経費について、詳しく解説してきました。

新型コロナウイルス感染症拡大によって、音楽や演劇、伝統芸能では、公演の延期や中止による影響を及ぼされていますが、ご紹介した補助金を活用すれば、ライブ公演の開催及びその収録映像を活用動画の制作、配信等にかかる経費を低く抑えることができます。

資金調達の一つとしても活用することができる補助金となっていますので、これを機会にコンテンツ制作に力を入れてみてはいかがでしょうか?

この記事をシェアする