医療 施設 等 施設 整備 費 補助 金

施設整備等に活用できる医療施設等整備補助金の14事業を解説

補助金

コロナウイルス感染症拡大でも医療の重要性が問いただされる事になりましたが、人々の診療にあたって医療施設や整備などは欠かせない存在です。

しかし、へき地医療の確保や、臨床研修医の研修環境の整備を行うには多大な費用がかかってしまうため、それらの施設の整備を整えていくことは大変なこととなるでしょう。

国では、そのようなへき地医療の確保や研修環境の整備などに対して補助を行っている医療施設等整備補助金が設けられています。

これらの施設整備を検討しているのなら、医療施設等整備補助金をぜひご活用ください。

医療施設等整備補助金は、事業数が多く複雑となっていますが、こちらの記事ではわかりやすく解説していきます。

病院の整備にかかわるコスト

医療 施設 等 施設 整備 費 補助 金

病院で安心して医療を行っていくには、医療機器やシステムの導入はもちろんですが、病院等の建物の整備も欠かすことができません。

医療施設の老朽化によって施設の安全が損なわれたり、火災発生時に必要なスプリンクラーが整備していなければ、入院患者が安心して医療受けられなくなってしまいます。

また、へき地医療の確保や研修環境の整備も、生活や医療の発展には欠かせない存在となるでしょう。

しかし、へきち医療の確保や研修施設などの整備は、医療機器やシステム導入のように診療と直接関わりのない施設の整備は後回しになりがちです。

さらに、診療報酬の実質的な切り下げや診療報酬の消費税非課税による病院の負担、診療未払い金などによっての経費の負担などにより、病院の経営が厳しいものに追い込まれている病院も少なくありません。

へき地医療の確保や研修施設には補助金の活用

安心で安全な病院の施設整備を行うには、高額な経費がかかってしまいます。

経費を削減するために、施設ごとの創意工夫として、臨床工学技士の活用、グループ病院感の共同購入や情報交換も行われていますが、医療機器や施設の経費を賄うまでにはならないでしょう。

そのような時には、医療関連費用を補助してくれる「医療施設等施設整備費補助金」を活用してみてはいかがでしょうか?

「医療施設等施設整備費補助金」は、1979年より国が設けているへき地医療の確保および、臨床研修医の研修環境の充実を目的とした補助金です。

対象となる事業の際に、必要となる経費の一部を補助してくれています。。

病院の施設の整備、へき地診療の確保、研修医の研究環境の充実を検討しているのなら、「医療施設等施設整備費補助金」を活用することをおすすめします。

医療整備に活用できる医療施設等整備費補助金

医療 施設 等 施設 整備 費 補助 金

医療施設等整備費補助金は、へき地医療の確保と、臨床研修医の充実等を図ることを目的として設けられている補助金です。

対象となる14の事業を実施する際に、必要となる経費の一部を補助しています。

次に、医療施設等整備費補助金が行っている14の事業について、見ていきましょう

①へき地診療所施設整備事業

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へき地診療所施設整備事業は、「へき地保 健医療対策事業について」基づいて行う下記の事業となります。

◆都道府県が行うへき地診療所(国民健康保険直営診療所を含む)その医師住宅等の新築、買収、増築、改築(老朽度が著しいため、診療行為に支障を来たしているものに限る)及び改修(既存のへき地診療所の改修は除く)に係る施設整備事業

◆次に掲げる者が行うへき地診療所及びその医師住宅等の新築、買収、増築、改築(老朽度が著しいため、診療行為に支障を来たしているものに限る) 及び改修(既存のへき地診療所の改修は除く。)に係る施設整備事業に対して都道府県が補助する事業

市町村等(地方独立行政法人、特別区及び地方公共団体の組合を含む)、日本赤十字社 、社会法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会、社会福祉法人北海道社会事業協会、その他厚生労働大臣が適当と認める者が対象です。

②過疎地域等特定診療所施設整備事業

過疎地域等特定診療所施設整備事業は、「へき地保健医療対策等実施要綱」に基づいて実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行う過疎地域等特定診療所の施設整備事業

◆市町村等が行う過疎地域等特定診療所の施設整備事業に対して都道府県が補助する事業

③へき地保健指導所施設整備事業

へき地保健指導所施設整備事業は、「へき地保健医療対策等実施要綱」に基づいて実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行うへき地保健指導所の指導部門及びその保健師住宅の施設整備事業

◆市町村等が行うへき地保健指導所の指導部門及びその保健師住宅の施設整備事業に対して都道府県が補助する事業

④研修医のための研修施設整備事業

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研修医のための研修施設整備事業は、「研修医のための研修施設整備事業の実施について」に基づき行われる下記の事業です。

◆私立医科大学附属病院、私立歯科大学附属病院又は臨床研修病院の開設者(都道府県、市町村等、独立行政法人国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会及び社会福祉法人北海道社会事業協会を除く。)が行う研修棟の施設整備事業

⑤臨床研修病院施設整備事業

臨床研修病院施設整備事業は、「臨床研修病院研修施設整備事業の実施について」に基づき行われている下記の事業です。

◆私立医科大学附属病院又は臨床研修病院の開設者(都道府県、市町村等、独立行政法人国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会及び社会福祉法人北海道社会事業協会を除く。)が行う臨床研修病院の施設整備事業

⑥へき地医療拠点病院施設整備事業

へき地医療拠点病院施設整備事業は、「へき地保健医療対策等実施要綱」に基づいて実施する下記の事業です。

◆都道府県が行うへき地医療拠点病院の施設整備事業

◆都道府県知事の指定を受けた病院の開設者が行うへき地医療拠点病院の施設整備事業に対して都道府県が補助する事業

⑦医師臨床研修病院研修医環境整備事業

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医師臨床研修病院研修医環境整備事業は、医師臨床研修病院研修医環境整備事業の実施について」に基づき行われている事業です。

◆私立医科大学附属病院又は臨床研修病院の開設者(市町村等、独立行政法人国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会及び社会福祉法人北海道社会事業協会を除く。)が行う医師臨床研修病院研修医環境整備事業に対し、都道府県が補助する事業

⑧離島等患者宿泊施設施設整備事業

離島等患者宿泊施設施設整備事業は、「へき地保健医療対策等実施要綱」に基づき実施する下記の事業です。

◆都道府県が行う離島等患者宿泊施設施設整備事業

◆次に掲げる者が行う離島等患者宿泊施設施設整備事業に対して都道府県が補助する事業
(ア)市町村等(イ)日本赤十字社(ウ)社会福祉法人恩賜財団済生会(エ)全国厚生農業協同組合連合会(オ)社会福祉法人北海道社会事業協会(カ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑨産科医療機関施設整備事業

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産科医療機関施設整備事業は、産科医療確保事業の実施について」に基づき実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行う産科医療機関施設整備事業

◆次に掲げる者が行う産科医療機関施設整備事業に対して都道府県が補助する事業
(ア)市町村等 (イ)日本赤十字社(ウ)社会福祉法人恩賜財団済生会(エ)全国厚生農業協同組合連合会(オ)社会福祉法人北海道社会事業協会(カ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑩分娩取扱施設施設整備事業

分娩取扱施設施設整備事業は、「産科医療確保事業の実施について」に基づき実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行う分娩取扱施設施設整備事業

◆次に掲げる者が行う分娩取扱施設施設整備事業に対して都道府県が補助する事業
(ア)市町村等(イ)日本赤十字社(ウ)社会福祉法人恩賜財団済生会
(エ)全国厚生農業協同組合連合会(オ)社会福祉法人北海道社会事業協会(カ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑪死亡時画像診断システム等施設整備事業

死亡時画像診断システム等施設整備事業は、「死亡時画像診断システム等整備事業の実施について」に基づき実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行う死亡時画像診断システム等施設整備事業

◆次に掲げる者が行う死亡時画像診断システム等施設整備事業に対し、都道府県が補助する事業
(ア)市町村等(イ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑫有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業

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有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業は、「有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業の実施について」に基づき実施する下記の事業となります。

◆都道府県が行う有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業

◆次に掲げる者が行う有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業に対し、都道府県が補助する事業
(ア)市町村等(イ)医療法人(ウ)社会福祉法人(エ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑬南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業

南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業は、「南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業実施要綱」に基づき実施している下記の事業となります。

◆都道府県が行う南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業

◆次に掲げる者が行う南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業に対して都道府県が補助する事業
(ア)市町村等(イ)日本赤十字社(ウ)社会福祉法人恩賜財団済生会(エ)全国厚生農業協同組合連合会(オ)社会福祉法人北海道社会事業協会(カ)その他厚生労働大臣が適当と認める者

⑭院内感染対策施設整備事業

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院内感染対策施設整備事業は、「院内感染対策事業の実施について」に基づき行われています。

◆医療法(昭和23年法律第205号)第7条の規定に基づき許可を受けた病院及び有床診療所、又は同法第8条の規定に基づき届出をした有床診療所の開設者(市町村等、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会及び社会福祉法人北海道社会事業協会を除く。)が行う院内感染対策施設整備事業に対し、都道府県が補助する事業

医療施設等施設整備費補助金の補助額

医療施設等施設整備費補助金の14事業ごとの補助率と下限額は下記の通りとなります。

①へき地診療所施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 1,000千円

②過疎地域等特定診療所施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 2,500千円(改修の場合には1,000千円)

③へき地保健指導所施設整備事業
・補助率  3分の1(沖縄県は2分の1)
・下限額  1か所につき 1,666千円(沖縄県は2,500千円)

④研修医のための研修施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 1,000千円

⑤臨床研修病院施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 1,000千円

⑥へき地医療拠点病院施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 2,500千円

⑦医師臨床研修病院研修医環境整備事業
・補助率  3分の1

⑧離島等患者宿泊施設施設整備事業
・補助率  3分の1

⑨産科医療機関施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 1,000千円

⑩分娩取扱施設施設整備事業
・補助率  2分の1
・下限額  1か所につき 1,000千円

⑪死亡時画像診断システム等施設整備事業
・補助率  2分の1

⑫有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業
・定額

⑬南海トラフ地震に係る津波避難対策緊急事業
・補助率  2分の1

⑭院内感染対策施設整備事業
・補助率  3分の1

医療施設等施設整備費補助金の対象外費用

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医療施設等施設整備費補助金の対象外となる費用は、下記の通りとなりますのでよくご確認ください。

◆土地の取得又は整地に要する費用

◆門、柵、塀及び造園工事並びに通路敷設に要する費用

◆設計その他工事に伴う事務に要する費用

◆既存建物の買収(既存建物を買収することが建物を新築することよりも効率的であると認められる場合における当該建物の買収を除く。)に要する費用

◆その他の整備費として適当と認められない費用

まとめ

へき地医療の確保や、臨床研修医の環境充実などに活用できる医療施設等施設整備費補助金について、詳しく解説してきました。

医療施設等施設整備費補助金は、1979年から厚生労働省が実施している補助金です。

14もの事業が対象となっていますので、へき地医療の確保を検討している方や、臨床研修医の環境の充実を図ろうとお考えの方は、必要経費が補助される医療施設等施設整備費補助金をご活用ください。

特に、へき地診療所施設、研修医のための指導施設、臨床研修病院施設、分娩取扱施設、院内感染対策施設などの整備を行う際には、補助金事業を確認した上で施設の整備を始めると良いでしょう。

また、医療施設等施設整備費補助金は終了予定は決まっていません。
期限にとらわれずに申請できますので、積極的にご活用ください。

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