
企業にとって、業務の効率をあげていくことは、運営をスムーズに行っていく上で大切なことです。
そして、効率をあげるためには、経理等のルーティン業務などをIT・IoTツール、顧客などの情報を管理できるクラウドシステムを導入することで可能となります。
しかし、導入にかかる費用に躊躇していないでしょうか?
IT・IoT導入補助金は、そのようなITツールや情報を一元管理するクラウドシステム等を導入時に利用できる補助金となっています。
IT・IoT導入を企業に取り入れることによって、より確かな業務の効率化や生産性向上が実現が可能となるでしょう。
こちらの記事では、IT・IoT導入補助金について紹介するとともに、各自治体で設けているITやIoT導入補助金をご紹介していきます。
業務の効率化を考えている方は、ぜひご覧ください。
INDEX
IT導入補助金は中小企業生産性革命推進事業のひとつ
平成30年度補正予算「中小企業生産性革命推進事業」では、IT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の3つの事業が一体となり、中小企業・小規模事業者のIT化を推し進めています。
IT導入補助金は、多機能および多様なITツールに対応できるように支援を行い、補助金額を増額することにより、業務プロセス、バックオフィス業務を効率よく進めるためのIT化をサポートを行っています。
IT導入補助金でできること
IT導入補助金は、日々行われる経理ルーティン業務を効率化させるITツール、顧客等の情報を管理するクラウドシステム等を導入する際に利用することができます。
具体的な例として、「卸・小売」「宿泊」「保育・介護」「運輸」のそれぞれの場合をみてみましょう。
◆卸・小売の場合
個別のExcelで管理していた受発注管理や在庫管理し、売上管理の連携を自動化することによって、各管理帳簿間での転記、転記ミスの修正がなくなります。
業務時間削減へとつながっていくでしょう。
◆宿泊の場合
宿泊予約サイトへの情報更新を一元管理することによって、業務時間が削減され、顧客対応への注力が可能となります。
◆保育・介護の場合
帳票・書類作成をIT化することによって、書類作成・提出までの時間が短縮されます。
早番・遅番職員の情報共有も円滑に行えるようになります。
◆運輸の場合
効率的な配車を組むことにより、以前よりも従業員1人あたりの勤務時間短縮が実現できるようになります。
地域によって設けられているIoT補助金
地方自治体によっては、IT導入の他にも、IoT導入が設けられている場合があります。
IoT導入とは、ITツールなどと異なり、複数の機械等がネットワーク環境に接続され、そこから収集される情報・データを活用し行われる監視(モニタリング)、保守(メンテナンスサービス)、制御(コントロール)、データ分析(アナライズ)などとなります。
◆IoT導入の活用例
・センサー
・webカメラ
・IoT化に必要な通信機器(ルーター、GPSトラッカー、SIMカードなどの通信用モジュール)など
これらのIT・IoT導入を行うことにより、様々な効率化が行えるようになり運営がスムーズに進めていけるようになります。
次に、実際に募集を行っている各自治体のIT・IoT導入補助金募集要綱を詳しく見ていきましょう。
岐阜県|令和2年度中小企業等IoT導入促進補助金
令和2年度中小企業等IoT導入促進補助金は、「岐阜県第4次産業革命推進プロジェクト」において、岐阜県内企業へのIoT等の導入促進を図るために設けられています。
岐阜県内中小企業者等のIoT導入・活用の際に必要となる活用経費の一部を補助しています。
補助対象事業
中小企業等IoT導入促進補助金の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆IoT等導入計画策定事業
生産性向上や低コスト化、製品、サービスの高付加価値化、新製品、新サービス創出につなげるためのIoT等の導入計画の策定
◆IoT等設備投資事業
生産性向上や低コスト化、製品、サービスの高付加価値化、新製品、新サービス創出につなげるためのIoT等を用いた設備投資
なお、補助対象となる事業は、県内に本社を有するソフトウェア業又は情報処理サービス業に属する企業等と協同した事業となります。
補助対象者
中小企業等IoT導入促進補助金の補助対象となる方は下記の通りとなります。
・県内中小企業、その他知事が適当と認める団体
補助対象経費
中小企業等IoT導入促進補助金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
◆IoT等導入計画策定事業
計画の策定:コンサルティング委託経費、専門家依頼経費
◆IoT等設備投資事業
設備投資:機械装置費、システム開発委託費、専門家依頼経費、クラウド利用費
補助限度額
中小企業等IoT導入促進補助金の補助金額は下記の通りとなります。
◆補助率 補助対象経費の2分の1以内
◆補助限度額
・IoT等導入計画策定事業 上限1,000千円
・IoT等設備投資事業 上限10,000千円
加古川市|IoT導入スタートアップ補助金
IoT導入スタートアップ補助金は、加古川市内の事業者がIoT(インターネット・オブ・シングス関連機器)の導入する際にかかる経費の一部を補助しています。
補助対象事業
IoT導入スタートアップ補助金の補助対象となる事業は下記の要件を満たす事業が対象となります。
・設備を設置する拠点が加古川市内であるもの
・IoTの設備導入によって生産性向上が見込まれるもの
・申請年度3月末日までに設置を行うもの
・申請年度において本補助金の交付を受けていないもの
補助対象者
IoT導入スタートアップ補助金の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・加古川市内に主たる事業所を有し、製造業を行う中小企業
・創業から12箇月が経過している者
補助対象経費
IoT導入スタートアップ補助金の補助対象となる経費は下記にあげる経費で、対象年度中に支払いがあるものとなります。
①IoT設備導入に係る機器費用
①に付随して発生する下記の②~⑥の費用
②ソフトウェア費用
③クラウド費用
④外注費・委託費
⑤専門家経費
⑥その他市長が補助対象として適当であると認めるもの
なお、リース契約により導入する際のリース料も対象となります。
補助金額
IoT導入スタートアップ補助金の補助金額は下記の通りとなります。
◆補助率 補助対象経費の2分の1以内
◆補助上限額 10万円(1,000円未満は切捨て)
横浜市|横浜市中小企業設備投資等助成金(IT・IoT導入型)
横浜市中小企業設備投資等助成金(IT・IoT導入型)は、横浜市の中小企業者が、生産性向上のためにIT・IoT(インターネット・オブ・シングス活用関連技術)等の導入及びデータ活用を推進しています。
IT・IoT(インターネット・オブ・シングス活用関連技術)等の導入及びデータ活用を行うにあたって、導入に要する経費の一部を補助しています。
補助対象者
横浜市中小企業設備投資等助成金(IT・IoT導入型)の補助対象となるものの要件は下記のすべてを満たさなければなりません。
・設備等を導入する拠点(本社、支社、工場、研究所(部門)等)が横浜市内にあり、中小企業または個人事業主であること。(みなし大企業は除く)
・IT・IoT等の導入によって生産性向上が見込まれること。
・申請年度の2月末日までに導入及び実績報告を行うこと。
・申請者が市税及び横浜市に対する債務の支払等の滞納がないこと。
・創業から12月を経過していること。
・関連する法令及び条例等を遵守していること。
・横浜市暴力団排除条例に基づき、暴力団でないこと。代表者又は役員のうちに暴力団員に該当する者がある法人でないこと。
・その他市長が適当でないと認める者でないこと
補助対象経費
横浜市中小企業設備投資等助成金(IT・IoT導入型)の補助対象となる費用は下記のとおりとなります。
◆IT・IoT導入に係る機器費用
データ収集や送受信、利活用のための機器費用(各種センサー類、カメラ、GPS、Wi-Fi、LPWA、RFID、パソコン、タブレット、スマートフォン、サーバー等)及びこれらの設置費用
◆ソフトウェア
パッケージソフト、新しく構築されたソフト、カスタマイズしたソフトを問わない
◆クラウド費用
クラウドサービスの利用費用
◆リース料
上記のリース契約に基づいて支払うリース料
◆外注費・委託費
助成事業の実施に必要な機器、システムの開発及び設計、工事に係る外注費または委託費
◆ 専門家経費
導入または活用方法を実証するため、外部事業者(専門家)から技術指導を受ける場合に要する謝金、委託費
◆ その他、市長が助成対象として適当であると認めるもの
補助金額
横浜市中小企業設備投資等助成金(IT・IoT導入型)の補助金額は下記の通りとなります。
◆補助率 対象経費の3分の2
◆補助限度額 20万円
北区|IoT導入チャレンジ支援事業
北区のIoT導入チャレンジ支援事業は、中小企業者が労働生産性の向上のためにIoT等を導入する際に必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象者
北区のIoT導入チャレンジ支援事業の補助対象となるものは下記の条件をすべて満たしている方となります。
・中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条1項に規定する中小企業者のうち、以下の条件を全て満たしている者。
・区内に本社または主たる事業所を有する中小企業、または区内に事業主の住所がある個人事業者。
・区内で引き続き1年以上事業を営んでいること。
・法人都民税(個人事業者の場合は特別区民税)を滞納していないこと。
補助対象要件
北区のIoT導入チャレンジ支援事業の補助対象となる要件は下記の通りとなります。
・補助を受けようとする年度内にIoT等を導入し、経費の支出を行うこと。
・同一のIoT等を対象として、北区以外から経費の補助を受け、または交付決定を受けていないこと。
・IoT等の導入によって労働生産性の向上が見込まれること。
補助対象経費
北区のIoT導入チャレンジ支援事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・センサー及びデバイス(設置費用を含む)
・データを送受信するための装置(設置費用を含む)
・ソフトウェア
・リース料(導入開始年度分のみ対象とする)
・データの蓄積・分析を行うためのクラウド費用
・コンサルタント委託経費 (コンサルタント委託経費のみの場合は、対象外です。)
補助金額
北区のIoT導入チャレンジ支援事業の補助金額は下記の通りとなります
◆補助率 2分の1以内 補助対象経費
◆補助限度額 40万円 ※1,000円未満は切り捨てです。
なお、補助金額が5万円未満のものは対象外です。
まとめ
ITおよびIoT導入補助金について、内容の説明と同時に、地方自治体で実施されている4つのIT・IoT導入補助金をご紹介してきました。
IT・IoT導入によって、企業は効率よく運営を行えるようになり、生産性の向上につなげていける可能性が高くなっていきます。
IT・IoT導入にかかってしまう経費に戸惑っているのなら、IT・IoT導入補助金を利用してIT・IoT導入を進めていきましょう。
地方自治体が行っている岐阜県、加古川市、横浜市、北区がもうけている助成事業も同時に掲載いたしましたので、ご参考になさってください。