日本政策金融公庫 飲食店

日本政策金融公庫から飲食店開業の融資を受ける7つのポイントを解説

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫から、飲食店を開業するための融資を受けたいと考えている人に向けて、7つのポイントをご紹介します。

最初の3つは「準備に必要なこと」
① 自己資金について
② 無金利での借り入れ、譲渡を検討する
③ クレジットカードの使用状況を整理する

続く4つは「融資を有利に受ける4つのポイント」
① 飲食店の勤務経験がある
② 創業後の計画をしっかり立案する
③ 認定支援機関の活用
④ 専門家の協力を仰ぐ

これら7つのポイントを解説しながら、日本政策金融公庫から融資を受けるための知識を身につけていきましょう。

準備に必要な3つのこと

まず最初に、日本政策金融公庫から飲食店開業に向けた融資を受ける際、準備に必要な3つのことについて解説していきます。

飲食店を開業するとなると、それなりにまとまった資金が必要になります。
それこそ、1000万円〜といった金額になることが一般的です。
そのため、融資を受けることによって開業のハードルを下げることを検討するものだと思いますが、当然融資を受けることで開業に関する問題が全て解決するわけではありません。

そして、誰でも簡単に融資が受けられるわけでもありませんし、全額融資を前提に資金繰りを検討してしまうと、事業が破綻してしまう恐れもあります。

ですから、資金計画や開業に向けての準備についてはしっかりと情報を得て、理解しておく必要があります。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

必要なこと① 自己資金について

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まず1つ目の必要なことは「自己資金について」の考え方です。

日本政策金融公庫から融資を受ける場合、自己資金もある程度準備しておく必要があります。
仮に自己資金が不要で融資を受けられるとしても、数千万円の事業をフルローンで開業しようとすること事態にかなりのリスクがあります。
基本的には、ある程度の自己資金を用意することが前提です。

どの程度自己資金があれば有利かという閾値はありませんが、一般的に「融資金額の20〜30%程度」の自己資金を準備することが望ましいとされています。

つまり、1000万円の融資であれば、200〜300万円程度の自己資金があると、融資を実行してもらえるということになります。

ここで、より融資を受けやすい状況を目指そうとするならば、200万円よりも300万円を用意しておいた方が有利になります。
少ない自己資金でも融資が受けられるかもしれませんが、確実に融資を勝ち取りたいのであれば、可能な限り自己資金を用意するようにしましょう。

融資を有利に受けるためにも、自己資金が必要だということですね。

また、融資金額は「自己資金がどのくらいあるのか」によって上限が設定されます。
日本政策金融公庫が出している制度の概要によると、自己資金の9倍程度まで融資を受けることが可能となっておりますが、実際には3倍〜5倍程度が一般的になっているようです。

3倍〜5倍をベースに考えていくと、3000万円の融資を受けたいと考えている場合、600万円〜1000万円の自己資金が必要になります。
もしも、手持ちの自己資金が300万円しかないとすると、3000万円の融資を受けるためには「300万円足りない」状態だということですね。

この不足分は、「知人、親戚などから融資してもらう」「開業までの期間で積立貯金する」といった形で、用意するしかありません。

このように、自己資金をどの程度用意できるのか、そしてどの程度の融資金額を想定しているのかについては、しっかりと考えておく必要があります。

② 無金利での借り入れ、譲渡を検討する

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先ほどの自己資金のお話になりますが、無金利の借り入れや譲渡してもらうことも視野に検討すべきです。

闇雲に貯金や積立などで資金が準備できるまで開業を延長することは、理想的ではありません。
無金利で借り入れできる相手を探したり、開業後の事業を応援してくれる人や組織から譲渡してもらったりすることも不可能ではありませんから、まずは調べてみてください。

現在であれば、クラウドファンディングなども有効に活用することができる時代になっていますので、不足分の資金を調達する方法はいくつか検討してみるべきでしょう。

必要なこと③ クレジットカードの使用状況を整理する

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3つ目の必要なことは、クレジットカードの使用状況を整理するということです。
盲点ではありますが、これまでクレジットカードをどのように使用してきているかというポイントが、融資に影響することがあるのです。

ですから、融資の申請を行う前に、一度「クレジットカードの使用状況」を整理し、確認しておきましょう。
詳しい個人情報は「CIC」で確認することができます。
CICとは、信用情報機関の略称であり、割賦販売や消費者ローン等でクレジット機能を利用するユーザーに対する信用情報を取り扱う団体です。

クレジットカードを利用して、過去に問題を発生させた人や、何か注意の対象とされている場合は、CICの情報欄に記載されてしまいます。
この情報は、日本政策金融公庫も閲覧可能となっているので、必ずチェックされてしまいます。
一度、ご自身で確認してみることをおすすめします。

その他にも、公的費用の未払いなども融資に影響します。
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、水道光熱費の支払い状況も確認されます。
この時、もしも水道光熱費の未払いをしてしまっていたり、支払いが遅延してしまっていたりすると、融資に際して評価が下がってしまう原因となります。

注意すべきポイントとして、しっかり押さえておきましょう。

融資を有利に受ける4つのポイント

続いては、日本政策金融公庫から飲食店開業のために融資を受ける際、より有利に融資を受けるための4つのポイントを解説していきます。

ここまでの内容で、自己資金をベースとした融資金額の上限についてや、自己資金の調達について解説してきました。

その上で、飲食店開業に向けた融資を有利に受けるために、ポイントとなる項目を4つピックアップしておりますので、詳しく解説していきましょう。

ポイント① 飲食店の勤務経験がある

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まず1つ目のポイントは、飲食店での勤務経験があることです。
これから飲食店を開業するために資金を融資してもらうわけですから、飲食店が事業的に成功しやすいと判断される材料が多ければ多いほど、融資が受けられやすくなります。

これまでの実務経験を活かして起業できるという点が、信用に繋がっているのです。
異業種から、突然「飲食店で起業します」と言っている人に比べると、かなり信用度が増しますよね。

飲食店もジャンルが様々ありますので、これから開業を予定している飲食店のジャンルと同じ形態の飲食店で働いた経験があるとより良いでしょう。
居酒屋を開業するのなら、地域で人気の居酒屋で働いてみることも効果的です。

もちろん、飲食店だけに限らず、他の理由で融資を受けたい場合にも「過去の業務経験」が融資を有利にしてくれます。

ポイント② 創業後の計画をしっかり立案する

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2つ目のポイントは、創業後の計画をしっかりと立案することです。

当然のことですが、事業計画や創業計画が曖昧であれば、融資を受ける際の信用は低くなってしまいますので、綿密な計画が必要不可欠です。

日本政策金融公庫から融資を受ける際には、創業計画書を作成する必要があります。
その際、事業計画の内容に「裏付け」や「説得力のある事実」が付与されていると、信用度は増します。

まずは、開業した後のプランが明確になっていることが重要になってきます。
可能な限り詳しく、そして明確であり、現実性があるかどうかをポイントにして、計画書を作り上げた後もブラッシュアップしていってください。

ポイント③ 認定支援機関の活用

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3つ目のポイントは、認定支援機関を活用するということです。
認定支援機関とは、政府から認定を受けた正規の機関です。

中小企業や個人事業主が抱える経営の課題や事業の課題について、事業計画・創業計画等で支援を実施している機関になります。

簡単に言うと、これから開業を目指している人に対して、専門家が支援をしてくれる機関だというイメージです。

認定支援機関もいくつかあるのですが、その中でも日本政策金融公庫からの融資実績がある機関に支援を依頼すれば、融資の可能性を高めることが可能です。

政府認定なので、当然信用度も高い機関ですし、飲食店の開業で支援実績があれば、なおさら好条件ということになります。

ポイント④ 専門家の協力を仰ぐ

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4つ目のポイントは、専門家に協力を仰ぐということです。

日本政策金融公庫から融資を受ける際、様々な資料を作成することが必要になります。
指定の窓口で問い合わせれば、担当者が詳しく資料の作成方法を説明してくれるのですが、やはり専門家に協力を仰いだ方が良いでしょう。

当然のことですが、資料に不備があると融資を受けられなくなる可能性が高まってしまいます。
日本政策金融公庫から融資を受けることが初めてであれば、自分で調べた情報よりも、実際に支援実績のある専門家や、豊富な知識を有している専門家に協力していただいた方が確実です。

個人で準備を進めていくと、専門知識不足になるのはもちろんですが、申請までにかなりの時間を要する可能性もあります。

専門家のコンサルティングを受けることで、多少の費用は発生するかもしれませんが、融資を確実に実行していただくためには、検討の余地はあると言えます。

まとめ

この記事では、日本政策金融公庫から「飲食店を開業するために」融資を受ける7つのポイントをご紹介してきました。

全てに目を通してみると、割と「当たり前」だと感じるものも多く含まれておりますが、実際に当たり前のことが多いのです。

融資は、自分の信用度をしっかり伝えて理解してもらうことで、資金を融通していただくことですから、特別なノウハウや裏道のようなものは存在しないのです。
自己資金の準備、創業計画書や事業計画書の作成、クレジットカードの正しい利用、専門家を通した創業後のビジョンなど、開業に向けて親身に取り組む姿勢が重要です。

融資元から、いかに信用してもらえるのかが大切になってきますから、本記事で紹介した7つのポイントをしっかり理解した上で、正しく信用を伝えられる準備を進めてください。

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