資金調達した日本政策金融公庫に一括返済請求される理由と対処法

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日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫の融資は、国民一般や中小企業者などの支援を目的として設けられているので、他の金融機関よりも低金利で審査も通りやすい資金調達法です。

起業して間もない方にとっても、日本政策金融公庫では重要な資金調達先となるでしょう。

ただし、金融機関と同じく日本政策金融公庫のおいても計画通りに返済することは大前提であること忘れてはいけません。

もしも、日本政策金融公庫の返済を怠り滞納を続ければ、債務者である会社が期限の利益を失い、借入金の一括返済請求となってしまうのです

こちらの記事では、日本政策金融公庫で滞納から一括返済の流れと同時に、返済できない場合の対処法、さらには一括返済となってしまった具体的な項目を解説していきます。

日本政策金融公庫の返済方法

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫の返済は、原則として預金口座振替での返済です。

日本政策金融公庫の事業の預金口座振替取扱金融機関にある借主の預金口座から、約定日ごとに返済金を口座振替によって融資を返済していきます。

また、日本政策金融公庫から返済方法について変更の連絡があったときは指示に従い、預金口座の解約をする場合には、早めに連絡を行いましょう。

約定日の直前に変更があった場合には、次回約定分までは変更前の口座からの振替になることもあります。

滞納から一括返済までの流れ

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫で調達した資金の返済ができなくなってしまったからと言って、すぐに一括返済を請求されるわけではありません。

日本政策金融公庫からの取り立てが行われ、それでも滞納が続き返済ができなくなると保証企業が代位弁済し、最後に保証企業から債務の一括返済が請求されます。

次に、滞納をしてしまってから一括返済の請求までの流れをみていきましょう。

1.日本政策金融公庫からの返済請求

返済が滞ると日本政策金融公庫から督促の電話がありますが、政府系の金融機関であるために厳しい取り立てではなく、温厚な態度で返済を促してきます。

数日間ほどの滞納で、すぐに支払いをすれば、それ以上の問題はありません。

問題は、滞納が長く続くことです。

滞納が続くと督促の電話と同時に、督促状が頻繁に債務者に届くようになります。

2.保証人による弁済

日本政策金融校から融資を受ける際には、保証協会や保証会社、さらには経営者などが保証人となっています。

もしも、借主である債務者が返済できなかった場合には、上記の保証人が借主の代わりに日本政策金融公庫に代位弁済をすることになります。

その後は、代位弁済をした保証人から借主である債務者に対してお金を請求するという流れになります。

この時に、保証人が主債務者に対して求償する権利となる「求償権」が発生します。

3.代位弁済履行通知書とは?

保証人が借主に代わって代位弁済したという内容の通知書となります。

「代位弁済履行通知書」が届いたのなら、借主は日本政策金融公庫に返済するのではなく、代位弁済した保証会社に対してお金を返済しなければなりません。

代位弁済の時期は、ケースによって異なりますが、滞納してから数ヶ月経った頃と考えておいてよいでしょう。

4.保証企業からの一括返済が請求

債務者は保証会社に代位弁済されたと当時に、期限の利益を過失してしまいます。

◆期限の利益とは?
期限が到来しない限りは債務の履行をしなくても良いという利益

このような期限の利益が無くなることで、分割返済する権利が失われてしまい、債務者は保証会社からの債務の一括返済が要求されるのです。

一括返済を放置すると強制執行に

一括返済は上記のような流れで進んでいきますが、一括返済の請求を放置していると強制執行となる可能性が出てきます。

保証会社や債権譲渡を受けた債務回収会社から法的な処置として、裁判所に訴訟を起こし判決となれば、強制執行もありえます。

強制執行になれば、会社の資産(預貯金、売掛金など)が差し押さえられてしまい、もしも会社が破産を余儀なくされると経営者が会社の保証人となっていたのなら、経営者も会社と同時に自己破産となってしまうかもしれません。

返済できない場合の対処法

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫への返済が難しい状況になり、そのまま放置してしまうと上記のように最終的には一括返済を請求され強制執行となる恐れがあります。

そうならないために、返済できなくなった時にはどのような対処をとればよいのでしょうか?

次に、返済できなくなった場合の対処法について詳しく説明していきます。

日本政策金融公庫で返済額を変更する

返済ができない、もしくは返済が厳しくなってきたと感じた時点で日本政策金融公庫の担当者に相談することが先決です。

滞納前に相談することをおすすめしますが、発生後出会っても支払う意志さえあれば柔軟に対応してくれる可能性が大きいです。

毎月の返済額の変更や、返済期限の猶予がもらえたり、分割払いを受け入れてもらうなど、返済計画をリスケジュールしてもらえるかも知れません。

ただし、事業計画や返済計画の見直しをして理解して貰う必要があり、相談が遅すぎるとその条件は厳しくなります。

ファクタリングの活用

資金繰りの中に未回収の売掛金があるのならば、ファクタリングを活用して売掛金を買い取ってもらうのもらうのも一つの方法です。

一般的には売掛金は、1ヶ月から2ヶ月経ってから回収できますが、ファクタリングの専門業者に未回収の売掛金債権を買い取ってもらえます。

ただし、売掛金よりも手数料が取られるために、金額は少なくなります。

ビジネスローンを利用する

ビジネスローンを利用しての返済も一つの方法となりますが、あくまでも一時しのぎにすぎません。

ビジネスローンに頼りすぎると、現在の資金繰りよりも悪化してしまうことがあるので注意してください。

知人や親戚からの借入

親しい間柄となる親や親戚、友人などからお金を借りるのも返済を滞納させない方法です。

状況を理解してもらえることに加えて、返済日や利子などが話し合いによって柔軟に決めることができます。

ただし、借りたお金を返せないとトラブルが発生する可能性があります。

それでも返済できないときの最後の対応

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫への返済計画の見直しができず、さらには上記のような借入方法もできなかった場合には、最後の手段として、個人再生、自己破産の2つのやり方が考えられます。

次に、個人再生、自己破産を詳しくみていきましょう。

個人再生

裁判所から個人再生が認められると、再生計画認可決定確定日から3年間の分割払いになり、5年間を超えない範囲で弁済期間を延長してもらえます。

場合によっては、債務を減額してもらえる可能性も出てきます。

自己破産

自己破産は裁判所に申し立てを行い、免責の許可がおりれば借入金の返済義務を免除されるて手続きです。

そのためには、換価可能となる財産を換価可能な財産を換価する必要があります。

また、その後7年間は自己破産はできなる、ブラックリストに登録される、官報に公告されるなど、多くのデメリットがあります。

連帯保証人がいる場合には、連帯保証人も自己破産となってしまうことを覚えておきましょう。

一括返済請求となる具体的なケースをご紹介

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫での滞納や一括返済請求の流れ、返済できない場合の対処法についてみてきましたが、こちらでは具体的なケースについて、借入金の契約書を元に解説していきます。

「どのような場合に一括返済を請求されるのか?」を確認する意味でもチェックしておいてください。

借主の支払停止

「借主が支払いを停止したとき、借主に破産手続開始、民事再生手続開始もしくは、会社厚生手続開始の申立があったとき、または借主が清算に入ったとき」

借主の支払停止は、債務者に支払い能力が無くなることに加えて、債務の支払いができないことを周囲に示すことをさしています。

このような支払停止や破産手続きなどが開始された場合には一括返済することになりますが、借入金を全額弁済する資金はないと考えられます。

手形交換所の取引停止処分

「借主が手形交換所の取引停止処分を受けたとき」

会社のほとんどが手形交換所を利用していますが、借主が手形交換所の取引停止処分を受けた場合も、その対象となります。

借主の所在がわからない場合

「借主が住所変更の届け出を怠るなど、借主の責めに帰すべき事由によって、公庫において借主の所存が明らかでなくなったとき」

日本政策公庫が、借主の所在が把握できない時には、両者の信頼は成り立たないと考えられ、一括返済を請求されます。

期限通りに弁済しなかった場合

会社の指定した口座から返済の引落ができなかった時には、その時点で契約違反とみなされてしまいます。

このような状況でも、一括返済の要因の一つとなるので、気をつけてください。

借主に仮差押、競売、租税公課の滞納

「借主に仮差押、差押もしくは競売手続きの開始があったとき、または借主が租税公課を滞納して保全差押を受けたとき」

仮差押などの強制執行の準備に入ったのなら、債務者の信用は毀損していることになり一括返済しなければなりません。

仮差押えは、債務者に気付かれないように進められていき、債権者との関係が良好でない場合には、仮差押えの可能性も少なくありません。

借主が資金使途以外に使用した場合

「借主が本借入金を日本政策金融公庫が認めた資金使途以外に使用したとき、または借入後に長期にわたり使用しなかったとき」

融資は、設備投資や開業資金など、必要な目的のために融資を受けることになっていますが、日本政策金融公庫に説明した内容と違う目的で使用した融資は、基本的には一括返済の対象となります。

借主や連帯保証人の契約違反

「借主または連帯保証人が本契約の一にでも違反したとき」

日本政策金融公庫と債務者および連帯保証人との間に契約を結びますが、その契約に違反した場合には、一括返済の対象となります。

まとめ

日本政策金融公庫 一括返済請求

日本政策金融公庫の返済を滞納から一括返済までの流れに加えて、返済できない場合の対処法、最後の対応の仕方、一括返済となる具体的なケースについて詳しく解説してきました。

日本政策金融公庫は、銀行などの金融機関と比較すると、低金利で審査の通りやすい融資ですが、返済を怠ってしまったり、放置してしまうと、一括返済の請求となるような法的措置が取られる可能性があります。

もしも、日本政策金融公庫への返済が難しいと感じてきたら、滞納する前に早めに担当者と相談をして、返済方法などの見直しを検討してもらうことをお願いしてみてください。

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