
L2テックなど最新のエコ技術が進んでいますが、様々な会社の職場で省エネ機器を導入し、エコを心がけるところはまだ少ないのではと思います。
これから省エネ機器の導入を検討している人には、その取り組みを支援し補助金を支給してもらえるため、負担を軽減できるチャンスです。
そもそもL2テックって初めて聞く人が多いのではないでしょうか。
本記事で解説する補助金を知ってもらうために、まずはL2テックの説明からお話していきたいと思います。
INDEX
そもそもL2テックって何?
L2テックとは、CO2排出が極めて少ない先導的な低炭素技術です。
先導的とは、設備や機器などに適用された要素技術に先導性が認められることと、短期間で効率が上昇していることです。
低炭素技術とは、設備や機器に最高効率と言われる「L2テック水準」を持つ技術のことを言います。
つまり、エネルギー消費量削滅や二酸化炭素の排出削減をするための技術や機器のことで、省エネを進めるための技術のことです。
お店に行くと省エネ家電製品などが多く見かけますね。
近年は先導的な低炭素技術の水準を満たし、環境省が認証した「L2テック製品」としての普及が進んでいます。
補助金を活用して職場を省エネ化
毎月の電気代やエネルギーコストは企業者の悩みの一つだと思います。
皆さんの職場の電気機器は長年からの古いものを設置しているところが多いのではないでしょうか。
実は新しい電気機器に買い替える方が節電ができ、毎月のコストが以前より安く済むことができます。
LEDや省エネなどと書かれている最新のエコ機器を設置すれば大幅に削減することができるのでおすすめです。
近年は技術の発展がどんどん進み、お手頃価格で購入することもできるようになってきました。
ですが、職場に省エネ機器を導入したくても導入費用が高額なため、なかなか手が出せないという人も多いです。
そんな時は補助金を活用して、コストを大幅に軽減できます。
L2テックの補助金とは?
L2テックの補助金は、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金。
L2テック導入実証事業や地球温暖化防止活動促進事業とも言われています。
L2テック製品を普及させるため、先導的な機器や商品化する初期段階の機器を使い、便利さや効果を持続させながらCO2排出量を削減する技術を導入します。
その際、企業者が負担する経費の一部を支援するといった制度です。
最大15億円貰える補助金
補助金を申請して条件を満たしていれば、導入費用の約2分の1の補助金、最大15億円の補助金を貰うことができます。
L2テックなどの省エネ導入を検討している企業者は積極的に活用してほしい補助金です。
対象設備
節電や省エネの機器が対象ですが、具体的にはどのような機器が補助対象になるのかを確認していきましょう。
例えば、
・LED照明
・高効率空調
・高性能ボイラー
・産業ヒートポンプ
・冷凍冷蔵庫
・業務用給湯器
・変圧器
・無電極ランプ
・レーザー加工機
・取出成形機
・低炭素工業炉
・高効率コージェネレーション
などがあります。
設備導入の事例
自分の業種ではどんな機器を設置するべきか、実際にかかる導入費用や費用に対する補助金額はいくらなのでしょうか?
次は宿泊業、製造業、運搬業に分けて例にして解説していきます。
宿泊業
宿泊業とはホテルや旅館など、お客様を宿泊する業種ですね。
お客様が快適に過ごしてもらうために、様々な機器を設置しておきたいところです。
・空調設備
・LED照明
・ルームエアコンなど
以上の導入が補助対象になり、これらを導入するには約1億円もかかってしまいます。
全額負担するとなるとかなり厳しい価格ですが、補助金を活用すれば5,000万円支給してもらえます。
費用が半分返ってくるため、活用しない理由はありませんね。
製造業
製造業は物を作るために様々な機器を使い、ガスなどの排出量が多く、エネルギー消費量の削減や低炭素化を進める努力が必要だと言われています。
・低炭素工業炉
・集塵機など
以上の導入が補助対象です。
導入費用は約1億4,000万円に対し、補助金額は7,000万円が支給されます。
運搬業
運搬業ではエネルギー消費量や物流の二酸化炭素排出量などが多く、排出量を削減取り組みがされています。
・LED照明
・空調設備など
以上の導入が補助対象で、約18億円もかかります。
補助金を活用すれば、負担した費用の4億円ほどが返ってきます。
エコ関連の補助金
他にも省エネ・エコの取り組みを支援する補助金制度が多数あります。
次は、その中の3種類も解説していきます。
解説していくエコ関連の補助金は以下の3種類です。
・エネルギー使用合理化等事業者支援事業
・民間建築物における省CO2改修支援事業
・ASSET事業
是非参考にしていただき、自分の職場に合う補助金を見つかればと思います。
エネルギー使用合理化等事業者支援事業
略して、「省エネ補助金」「エネ合」「合理化」とも呼ばれています。
予算は約100億円で最も多く、補助対象の設備も幅広く、エコ関連の補助金の中でも定番です。
事業場単位と設備単位の2つから選ぶことができます。
設備単位は、数少ないLED単体で申請できる全国規模の補助金です。
工場やビルなどの省エネを進め、エネルギー消費量増加の問題を効率的に改善することを目的としています。
そのため、省エネ機器に買い替えたいと考えている企業者に対して、次世代省エネ機器の効果の実証や省エネの取り組みを支援してくれます。
補助対象設備と経費
エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助対象設備は以下になります。
・産業ヒートポンプ
・業務用給湯器
・高効率コージェネレーション
・産業用モータ
・高効率空調
・高性能ボイラー
・低炭素工業炉
・変圧器
・冷凍冷蔵庫
L2テックの補助金と違うのは、LED照明は補助対象外になることです。
大量の照明が必要になる業種には不向きでしょう。
補助対象の経費は、機器や設備の設計費・設備費・工事費です。
補助対象者
エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助対象者は、まず全業種の法人または個人事業主であることは絶対です。
間接補助対象事業は、工場・事業場単位での省エネルギー設備導入事業の場合、システムの入れ替えや製品プロセスの改善などの改修などによって、工場・事業などの省エネ取り組みを行う事業。
設備単位での省エネルギー設備導入事業の場合、既に設置している設備を、補助対象で省エネ効果が高まる設備に新しくしようと考える事業が条件です。
設備単位での省エネルギー設備導入事業は、中小企業者限定になるので注意してください。
補助額と補助率
令和2年度では、最大393億32,363,000円の補助金が支給されます。
事務費は原則として、37億02,114,000円以内の補助金になります。
流石最も人気の補助金で、補助金額は相当な高額です。
補助率は1事業当たり、4分の1、3分の1、2分の1以内となっています。
民間建築物における省CO2改修支援事業
環境省が実施してており、こちらも全国規模の補助金です。
運用改善でさらなる省エネを実現させることを目的に構築して、既に建っている民間建築物などを対象に、二酸化炭素排出量を30%以上削減できる省CO2性が高い機器を導入する事業を支援します。
・民間建築物
・テナントビル
・空き家など
上記を対象に、3つの選択肢が用意されています。
予算額は50億円で高額な補助金額を支給してもらえます。
補助対象設備
民間建築物における省CO2改修支援事業の補助対象設備は以下になります。
・LED照明
・高効率空調
・業務用給湯器
・高性能ボイラー
・換気
・電源
・ガス
・BEMSなどの測定機器
・再生可能・未利用エネルギー利用設備
以上を導入する際にかかる設備費と工事費を一部補助してくれます。
ただし、同じ種類の設備でも対象外になる細かなルールもあるので、そちらもよく確認していきましょう。
対象外の設備は以下です。
・高効率にならない機器(省エネ効果がないもの)
・非常灯
・誘導灯
・太陽光発電など
補助対象者
民間建築物における省CO2改修支援事業の対象者は、建築物を所有している民間企業で、省CO2性が高い機器を導入しようと検討している企業者です。
補助額と補助率
最大5,000万円まで支給してもらえます。
補助率は2分の1です。
以前の補助額は2,500万円までで、補助率3分の1まででしたが、上限額が上がって活用しやすい補助金制度になっています。
ASSET事業
正式名称は「先進対策の効率的実施によるCO2排出量大幅削減事業設備補助事業」で非常に長い名称なのが特徴的です。
既に設置している設備を新しくするために、先進的で高効率な低炭素機器を導入しようと検討している事業者を支援します。
具体的な取り組みとは、以下の3つになります。
・L2-Tech認証製品を導入
・L2-Tech認証製品以外でCO2削減効果がある機器を導入
・先進対策以外の自主的対策
以上の取り組みをすることによって、CO2排出量を削減させる目標を目指して排出量を調整しながら、産業・業務両部門のCO2排出量を効率的に大幅に削減するのが目的です。
補助対象設備
ASSET事業の対象設備は以下になります。
・高効率空調
・業務用給湯器
・LED照明
・断熱効果があるものなど
以上の設備がL2テック認証製品、もしくはL2テック認証製品以外でCO2削減効果がある機器であることが条件です。
これらの設備費と工事を一部支援してもらえます。
対象外の設備
逆に補助対象外になる設備も確認しておきましょう。
先にまとめて回答すると、CO2排出削減効果がない機器はもちろん、L2-Tech非認証の製品には補助金が支給されません。
L2-Tech非認証の製品とは、
・一般高性能パッケージエアコン
・一般断熱ガラス
・一般LED照明
などが当てはまります。
同じ「高性能」や「LED」などと書かれてある製品でも、L2-Tech認証されている製品でなければ補助金が支給されないため注意してください。
また、産業・業務用以外の低炭素機器も対象外です。
・ルームエアコン
・太陽光発電
などがそうです。
補助対象者
ASSET事業の対象者は上記でもお話した通り、L2テック認証製品を導入などCO2排出量を削減させる取り組みをしようと考えている事業者が対象です。
補助額と補助率
ASSET事業の補助額は単年度で最大1億円、複数年度で2年で2億円貰えます。
補助率は導入する製品によって変わってきます。
ASSET事業対象製品の場合、本体や直属機器なら2分の1、付帯機器なら3分の1です。
その他の低炭素製品の場合、本体・直属機器・付帯機器どちらも3分の1です。
では、ASSET事業対象製品やその他の低炭素製品とは具体的にどのような製品なのでしょうか?
次の項目に続きます。
ASSET事業対象製品とは?
ASSET事業対象製品とは、
・ガスヒートポンプ
・パッケージエアコン
・高温水ヒートポンプ
・温水機
・蒸気ボイラー
・LED照明
などが当てはまります。
その他の低炭素製品とは?
その他の低炭素製品とは、
・L2-Tech認証の窓ガラス、断熱効果があるもの、BEMS
・蒸気発生ヒートポンプ
・木質ボイラー
・工業炉用バーナー
などです。
自分が導入しようと思っている製品や補助率も確認しながら計画することをおすすめします。
補助金申請に困ったらコンサルティングがおすすめ
補助金は確かに便利で積極的に活用してほしいですが、補助金申請をするには書類作成や説明会に出席など手続きが大変です。
とくに金額が大きい補助金はその分難易度が高いです。
さらに、補助金には申請期間があり約1ヶ月ほどしかありません。
書類用意して期間内に申請できたのに採用されず、補助金が貰えなかったら無駄手間になってしまう。
などと考えるとなかなか手が出しにくいかと思います。
そんな悩みの解決策は、補助金・助成金専門のコンサルティングに相談するのがおすすめです。
申請する際の書類作成や資料収集をサポートしてくれて、事業者の負担を大幅に軽くすることができます。
サポートしてもらうことによって、補助金の審査の採用率が高くなり、補助金を貰いやすくなるのもポイントです。
申請後のフォローも受け付けているところが殆どなので、初心者でも安心して相談できます。
コンサルティングのサイトが多数でてくるため是非検索してみてください。
まとめ
以上、L2テックや省エネに関する補助金について解説してきました。
以下の4種類の支援を紹介してきまして、自分に合った制度は見つかったでしょうか?
・二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
・エネルギー使用合理化等事業者支援事業
・民間建築物における省CO2改修支援事業
・ASSET事業
数千万から数億円までかなり高い補助金額が支給され、導入費用は数億円もかかってしまうことも驚きです。
他にもエコを目指し、CO2排出量を削減させる取り組みや取り組みを支援する補助金制度が多数あります。
これを機に、まだ省エネ機器の導入を考えてなかった方も是非検討してみてはいかがでしょうか?