ホストタウン等緊急対策事業で使える訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」の5つの要点を徹底解説

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ホストタウン等緊急対策事業 補助金

2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されるにあたり、開催地域を中心としたインバウンド環境整備が進められています。
東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに訪日した外国人旅行者が日本での時間を快適に過ごすことができるようになりました。
また開催地域の経済を活性化させて国内を活気づけるという目標のためにも、観光案内所や観光拠点、飲食・小売店等に外国語表記の看板やメニューを設置するなどした多言語対応やキャッシュレス決済システムを導入した環境整備を実施しています。

こうした取り組みは1998年に開催された長野オリンピックで、地元の小中学校が参加国や地域を応援した取り組み「一校一国運動」をモデルにしたものであり、オリンピックに向けての事前合宿の誘致や参加国・地域との交流事業などを担う自治体を「ホストタウン」として登録することから、総じて「ホストタウン構想」と称されおり、国がホストタウン構想を実現させることを緊急的に実施している事業であることから、このような一連の事業を「ホストタウン等緊急対策事業」と題して、国を挙げた取り組みが進められています。

ホストタウンとして登録した自治体は、ホストタウン等緊急対策事業を実施するために必要な費用の一部を国から支援してもらうことが可能であり、その支援制度が「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」という補助金制度になります。

本記事では「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」(ホストタウン等緊急対策事業)について、詳しく解説いたします。

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金について

ホストタウン等緊急対策事業 補助金

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金とは、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催にあたり、競技会場・選手村・ホストタウンが所在する市区町村が一体となって実施するインバウンド受入環境整備を支援し、これまで外国人観光客に対する受入環境整備があまり進んでこなかった地域を中心に、インバウンド対応を緊急的に支援することを目的とした補助金制度です。

※インバウンド=外国人の訪日旅行のことを指します。この言葉には外から中に入るといった意味合いがあります。

この補助金制度は、国内の外国人旅行者数6,000万人を実現することを目標に掲げ、外国人観光客が訪日した時に観光地までスムーズに移動できるように多言語化された看板を設置するなどして、滞在時の時間を快適に過ごすことができるような環境整備を実施することを目的としており、外国人観光客が快適に過ごせることを実現することにより、観光地や宿泊施設の稼働率や生産性を高め、その地域の経済を活性化させることを目指しています。

具体的に、国が消費拡大に向けてインバウンド対応を実施したい主な場所は以下になります。
・空港
・港
・鉄道、駅
・バスターミナルの拠点
・タクシーなどの交通サービス
・宿泊施設
・飲食店、小売店

上記の場所においてインバウンド対応を実施することで、外国人観光客がストレスなくスムーズに目的地まで移動できるようになります。
また、外国人観光客の滞在時に食事やショッピングをする際にも、看板やメニューが多言語化されていたり、キャッシュレス決済のシステムが導入されていることによってストレスが減り、その地域での消費拡大に繋げることができます。

例えば、日本人が海外旅行に行った場合、観光する地域を事前に調べて赴いたとしても、滞在中は慣れない環境で行動することになりますから、街中や観光地の看板がその地域の言語しかなければ、観光自体がとても不安に感じてしまうと思います。
そういった際に、日本語やローマ字表記の分かりやすい看板やメニューが設置されているととても安心かつ親切に感じ、よりサービスを利用しようという購買意欲も湧いてきます。

ホストタウン等緊急開発事業は、日本を訪れてくれた外国人観光客の方々にもこうした気持ちで日本を楽しんでもらえるようにするための取り組みですので、今後のより良い日本の発展の為の素晴らしい取り組みだといえます。

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の概要

ホストタウン等緊急対策事業 補助金

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催地域等のインバウンド環境整備を緊急的に支援することを目的としています。

下記に訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の概要を記載します。

■公募期間
2020年3月6日~4月24日

■交付決定予定(最短)
4月上旬~6月中旬
※2020年7月末までに補助事業完了

■公募元
観光庁

■補助率
補助対象経費の1/3

■地域要件
①東京オリンピック・パラリンピックの競技会場が所在する自治体
②ホストタウンに登録された自治体
③選手村が所在する自治体

■事業主体
①市区町村
②観光地域づくり法人(DMO)
③協議会等

■補助対象事業者
①地方公共団体
②民間事業者
③協議会等

ホストタウン等緊急対策事業の補助対象となる主な4つの経費を解説

ホストタウン等緊急対策事業 補助金

ホストタウン等緊急対策事業の補助対象となる経費は、下記の4つになります。

①多言語観光案内標識の設置・整備
②地域の飲食店・小売店等におけるインバウンド対応強化の対象経費
③観光案内所
④観光拠点情報・交流施設

それぞれの経費がどのようなものなのか見ていきましょう。

①多言語観光案内標識の設置・整備

多言語観光案内標識の設置・整備にかかる経費はホストタウン等緊急対策事業の補助対象となります。

②地域の飲食店・小売店等におけるインバウンド対応強化の対象経費

地域の飲食店や小売店が下記のようなインバウンド対応強化にかかる経費も対象となります。

・多言語対応、先進的な決済環境の整備
・無料公衆無線LANの整備・購入・設置
・ムスリムなど宗教上又は生活習慣上の理由から配慮が必要な旅行者の受入環境整備に取り組む地域において、受入環境整備に必要な知識・接遇能力の習得を図る学習や研究にかかる費用
(人件費は除く。)
・段差解消、バリアフリー化にかかる経費

③観光案内所

観光案内所では、下記のような経費が対象となります。

・外国人観光案内所における先進機能の整備
(多言語案内・翻訳用タブレット端末、多言語案内・翻訳システム機器)
・無料公衆無線LAN環境の整備
・多言語での情報発信にかかわる整備・改良
(案内標識、掲示物、ホームページ、コンテンツ作成、案内放送)
・外国人案内所の整備・改良
(施設の新築を含む整備・改良・設計・施工)

④観光拠点情報・交流施設

観光拠点情報・交流施設では下記のような経費が対象となります。

・主要な観光地等における観光拠点に関する情報提供や、観光拠点に関連した交流機会(体験・学習等)の提供を目的とした施設での先進機能の整備
(VR機器、デジタルサイネージ、多言語案内・翻訳用タブレット端末、多言語案内・翻訳システム機器)
・無料公衆無線LAN環境の整備、多言語での情報発信に関わる整備・改良
(案内標識、掲示物、ホームページ、コンテンツ作成、案内放送)
・観光拠点情報・交流施設の整備・改良
(施設の新築を含む整備・改良・設計・施工)

補助対象の2つのメニューについて

上記の補助対象の内容には「基本整備メニュー」と「追加整備メニュー」の2つのメニューに分類されており、基本整備メニューが実施される見込みのある場合、又は完備されている場合に、追加整備メニューの経費も補助対象となります。

つまり、追加整備メニューのみの事業実施となる場合には補助対象とはなりません。

基本整備メニューと追加整備メニューの主な内容は以下になります。

「基本整備メニュー」
・店内表示及びメニューの多言語化対応(ホームページも含む。)
・無料公衆無線LAN環境の整備
・キャッシュレス決済環境の整備

「追加整備メニュー」
・多言語翻訳システム機器の整備(多言語案内・翻訳用タブレット端末)
・多様な宗教・生活習慣への対応力強化(啓発事業、視察事業)
・段差解消等の移動円滑化(バリアフリー化)

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の申請時の8つの流れを解説

ホストタウン等緊急対策事業 補助金

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の申請は基本的に下記の8つの流れで申請します。
申請をご検討の方はご参考にしてください。

①事業計画、整備計画の作成
事業計画区域や実施する事業等の計画を具体的に作成します。

②事業・整備計画書の提出
整備計画書を地方運輸局に提出します。
(地方運輸局を経由して観光庁に提出する流れになります。)

③交付申請書の提出
提出した整備計画書が観光庁に認定されたら、交付申請手続きを開始します。
交付申請書を記入・作成して、地方運輸局経由で観光庁に提出します。

④審査
提出した書類を元に審査が行われます。

⑤交付決定通知
審査に受かれば、申請をした補助事業者に交付決定通知が送付されます。

⑥事業実施
交付決定通知が送付され、補助金受給が決定したら、実際に事業を行います。

⑦事業報告
事業内容の進捗状況や、かかった経費を報告します。

⑧補助金受給
補助金が申請した補助事業者の口座に振り込まれます。

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金申請時4つの注意点を解説

ホストタウン等緊急対策事業 補助金

日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金を申請するにあたった注意しなければならない点が4つあります。

・予算に注意
・必ず受給できるわけではない
・交付前の経費には注意
・不正受給には注意

基本的に日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金だけではなく、補助金全てに対しての注意点ですが、申請を検討しているのであれば覚えておきましょう。

予算に注意

あらかじめ予算が決まっているため、予算がなくなり次第応募が打ち切りになる可能性があります。
補助金受給を検討している方はできるだけ早めに申請準備を行いましょう。

必ず受給できるわけではない

申請をしても、必ず補助金を受給できるわけではありません。
申請後には審査がありますので、その審査に受からないということは十分にあり得ます。

交付前の経費には注意

交付決定前に事業を実施しても、かかった経費は補助対象になりません。
必ず交付決定通知が届き補助金受給が確定してから、事業を実施するようにしましょう。

不正受給には注意

補助金の不正受給には罰則があります。
いかなる場合でも虚偽の申請等を行うことは法律で禁止されていますので絶対にやめましょう。

まとめ

2020年にオリンピック・パラリンピックが開催されるにあたって多くの外国人観光客の訪日が見込まれており、その競技会場や選手村、ホストタウン等が所在する地域では、訪日した外国人観光客が滞在時の時間を快適に過ごすことができるように、多言語標識・看板・メニューや無料公衆無線LANなどを設置するなどした、訪日外国人旅行者を受け入れるための環境整備を実施しています。

国(観光庁)はこうした取り組み「ホストタウン等緊急対策事業」の構想を早期に実現するために、外国人旅行者を受け入れる環境整備を行う事業者に対して経済的に支援する補助金制度「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」を実施しています。

つまり、国が事業者を支援して開催地域のインバウンド環境整備を充実させることで、外国人観光客のストレスを減らして日本滞在時の時間を存分に満喫してもらい、その地域での消費拡大から日本やその地域を活性化させようという目的です。
多言語観光案内標識の設置・整備や地域の飲食店・小売店等、また観光案内所や観光拠点情報・交流施設においてのインバウンド対応強化にかかる経費が補助対象となり、補助対象経費の1/3の金額が支給される補助率となります。

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の受給対象であるインバウンド対応強化の内容は多言語標識だけに限らず、観光案内所や観光拠点情報・交流施設自体の整備や改良も含まれており、ホームページやコンテンツ作成などITツールの作成も補助対象であることが特徴です。

また、公募期間は2020年3月6日~2020年4月24日で、あらかじめ決められた予算がなくなり次第、公募は終了となりますので、検討される方は早期の申請が必要となります。

申請時の流れは「整備計画書の作成」→「整備計画書の提出」→「観光庁の認定」→「申請書の作成・提出」→「審査」→「交付決定通知の受け取り」→「事業実施」→「事業報告」→「補助金受給」という流れであり、整備計画書や申請書の提出は直接観光庁に届けるのではなく、地方運輸局を経由して観光庁に提出されることが特徴です。

他の補助金制度と同様で、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の交付決定通知を受けるまでに事業を行った場合の経費に関しては補助対象になりませんので、必ず補助金の交付決定がなされてから、事業を実施するようにしましょう。
また、補助金受給の際には、かかった経費を証明する書類(領収書等)は必ず提出しなければなりませんので、大切に保管しておくようにしましょう。

訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金を活用してインバウンド対応強化を早期に実現し、外国人旅行者の方に日本を思う存分満喫してもらうと同時に、2020年オリンピック・パラリンピックが素晴らしい大会となり、今後の日本の経済が更なる発展を遂げることを心から願います。

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