家 ローン 計算

家を購入時の住宅ローン・無理なく返済できる金額の計算方法の5つの考え方を解説

ローン

家を購入する際住宅ローンの借入を利用するに当たって、注目するべきことについてご存知でしょうか?
いくら年収が高くても、年収の半分を住宅ローンの返済金が占めるようでは、事前審査に通りません。
現在の年収で最大いくらまで借りられるのか、どのように計算するのか、無理のない返済計画を立てるためには、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか?

今回はこのようなことについて次の5つの視点から考察していきたいと思います。

①住宅ローンの組み方について
②年収から見る借入可能金額とは
③返済しやすいローン金額の目安とは
④早期返済には繰り上げ返済が有効
⑤確実に返済できる金額を設定しよう。

それでは、一つ一つ細かく見ていきましょう。

住宅ローンの組み方について

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住宅ローンは家を購入するために利用する借入のことですが、家の購入以外の用途に利用することはできず、途中から住宅ローンを利用することはできません。

但し、注文住宅を建てるために土地を先に購入するようなケースでは住宅ローンを利用することはできます。
実際に住宅ローンをいくら組めば良いのか、どう計算すれば良いのかという点については、一般的に「年収の5倍以内」にするのが妥当とされています。

これは、家計を圧迫する心配もなく、急な出費があっても何とかカバーできる返済額であるからです。

そして、家を購入するときはまず住宅ローンをいくら組めるかを計算し、その範囲内で物件を探します。
なお購入できる物件の価額は「頭金+住宅ローン借入金額」で計算できます。
頭金は購入時に現金で支払う部分で、物件価額から頭金を差し引いた金額を住宅ローンで支払うことになります。

例えば年収600万円のケースで頭金として500万円用意できれば、3000万円の住宅ローンと合計して3500万円までの物件を購入できます。
住宅ローンの借入金額は金融機関の審査により異なり、借入人や物件によって金額が制限されることもあり、必ずしも希望通りの借入できるとは限らず、毎月の返済額が家計を圧迫しないように借りすぎには注意が必要です。

頭金を多く用意すれば高額物件が購入できたり住宅ローンの負担が軽くなったりするため、少しでも多くの頭金を用意しようとすると、家族の傷病など急な出費がある場合に困窮することになります。

このような事態に備えて、生活費の3~6ヶ月分の「生活予備資金」をしっかりと確保し、残りの余剰資金を頭金に充てるのがポイントです。

年収から見る借入可能額とは?

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住宅ローンの借入額は年収の5倍相当額までと既述しましたが、それとは別に毎月の返済額にも注意する必要があります。

一般的に住宅ローンの年間返済額は年収の25%以内が安心・安全ラインであると言われています。

例えば税込年収が300万円の場合、その25%は75万円となり、毎月の返済額は62,500円です。
1,5%の金利で35年の住宅ローンを組むと、返済負担率25%である75万円で借入可能額は約2,000万円になります。

同様に計算すると税込年収400万円の場合は約2700万円、税込年収500万円なら約3500万円、税込年収600万円なら4,100万円の借入が可能です。
但し金利やローンの期間によって借入可能額は変わってきますので注意が必要です。

また、住宅ローンを取り扱う金融機関ごとに独自の審査があり、それを通過しなければ住宅ローンの借入を利用することはできません。

ちなみに以上にご紹介した金額についてはあくまでも目安として認識しておいて下さい。

返済しやすいローン金額の目安とは?

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年収や年齢などによっても大きく異なりますが、毎月無理なく返済していくことができる金額は5~10万円程度であると一般的に考えられています。
この範囲内であれば、生活費や予備費を十分に確保しながら返済を続けていくことができます。

ただ実際の返済可能額は人それぞれでありますので、自分が無理なく返済していくことができる金額に基づいて決めていくと安心です。

例えば賃貸マンションに住んでいる場合、住宅ローンの毎月の返済額と同程度であるならば家を購入しても無理なく返済していくことができるでしょう。
現在家を購入するために毎月貯金をしているなら、購入後にそれを返済に回すこともできます。

その場合には、家賃+毎月の貯金額=毎月の返済可能額となります。

但しマンションを購入した場合には、毎月の返済額以外にも駐車場料金や管理費、修繕積立金などの出費が必要になり、これらの費用だけで数万円かかることもあるため、家賃よりも高くなってしまう恐れがあります。

単純に住宅ローンの返済額だけを想定していると毎月の生活が苦しくなる可能性があるため、家を購入する前にほかの出費についても確認しておく必要があります。

ちなみに一戸建ての家を購入するのであれば、このような余計な出費はかかりません。
元金と金利を合計した住宅ローンの返済だけで済みますので、同じ物件価額であるならばマンションと比べて負担は軽くなるということができます。

早期返済には繰り上げ返済が有効

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できるだけ利息の負担を軽減したいのなら、住宅ローンを早く返済してしまうのが効果的です。
返済期間が長ければ長いほど利息の支払回数も増えて、トータルでの返済額が高くなってしまいますが、早期返済には繰り上げ返済が有効なので、無理のない範囲で検討してみましょう。

繰り上げ返済とは、まとまった現金を用意することができたときに、それを住宅ローンの返済に充当することを言います。
借入金額のすべて、もしくは一部だけでも充当することができれば、本来の返済には含まれている利息がかかりません。
繰り上げ返済した金額のすべてが元金の返済に充てられて、返済期間を短縮化することができるのです。
元金を減らすことができればそれに比例して利息も減るために、トータルでの返済額も節約することができます。

住宅ローンを早く返済してしまうために毎月の返済額を多めに設定する人がいますが、これでは急な出費があったときに余裕がなくなってしまいます。

毎月の返済額は無理をしない範囲にしておいて、余った分は貯金するなどして、まとまった現金を用意することができた段階で繰り上げ返済に回していくのが賢明な方法であると言えます。

確実に払える金額を設定しよう。

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住宅ローンの返済は一時的なものではなく、何十年という長期間にわたって続くものなので、その間ずっと家計に影響を与え続けます。
そのため日々の生活を圧迫しないためにも無理のない金額設定が欠かせないものとなります。

一度住宅ローンを組んでしまえば、そう簡単には契約内容を変更することはできませんので、契約する前にしっかりと返済計画を立てておくことが大切です。
余裕ができればその都度繰り上げ返済を行い、トータルでの返済額を抑えることもできます。
年収や毎月の生活費などとの兼ね合いも考え、無理なく返済することができる金額に留めておきましょう。

住宅の購入額は年収の5倍は本当に妥当か?

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一般的に「住宅購入額は年収の5倍」と言われていますが、これはかなり大雑把な数値です。
これを当てはめると、税込年収500万円の人は2,500万円までの家を購入することができる、つまり住宅ローンも2,500万円まで借りられることになります。

しかし、毎月の収入を500万円÷12ヶ月=約40万円として、手取りは約8割=32万円

2,500万円を仮に金利2%・35年返済で借りると、毎月約92,000を35年間返済し続けることになります。

これが果たして妥当と言えるでしょうか。

35年間の間には、子どもの学費など、住宅以外の部分にお金がかかる時期が必ず発生します。
その時期でも住宅ローンの支払額は減りませんから、生活が苦しくなる場合もありそうです。
そのような予測を踏まえ、住宅ローンの借入額は、あくまでも「安定して返せる額」にすることが大切です。
「安定して返せる額」という観点から計算すると、住宅ローンの毎月の返済額は、月額の20%以下に抑えたいものです。

借入額に変換すると、年収500万円の人なら、毎月8万円ほど返済すると仮定すれば、35年ローンで約2,000万円、年収の約4倍が住宅ローンの借入額として安心できる範囲と言えます。

また、住宅ローンを貸し出す側である金融機関でも、住宅ローンの年間返済額の年収に占める割合(「返済負担率」と言います)を、おおむね25~40%程度としており、「フラット35」では、税込み年収400万円未満の場合は返済負担率30%以下という計算基準を公表しています。

まとめ

家 ローン 計算

年収ギリギリまで借りることも出来るけれど実際は、審査基準に達していれば、返済負担率を超えていても住宅ローンの審査に通ることはあります。
金融機関によっては「年収の7倍まで可能」など、独自の調査結果に基づく基準で計算しているからです。

では実際に、現在の年収で借りられるギリギリの額まで借りたとすると、どのようなことが起こるのでしょうか?

仮に年収の7倍まで借りられるとすると、税込年収500万円の人なら、3,500万円の物件まで検討出来る計算になります。
住宅ローンの借入額が増やせるので、検討していたより良い物件を購入できる可能性が高まるものの、当然ながら支払額も高くなり、状況次第では毎月の返済が滞るというリスクも発生します。

また、住宅ローンの借入額を増やすとその分購入する物件の額も上がるため、家を購入した後に発生する固定資産税や、仲介手数料、登記費用、住宅ローン融資手数料、火災保険料など、物件に付随する費用も値段が上がり、必要経費まで手が回らなくなるおそれがあるかもしれません。

住宅ローンの借入額は「無理なく毎月返済できる額」から逆算して計算すること、支払いが必要なのは住宅ローンだけではないことを、心に留めておきましょう。

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