
保険のことについて、あなたはどのくらいご存知でしょうか?
目的によって加入する保険は違ってきます。
まずはどのような保障が自分に必要なのかを検討したうえで、加入する保険を選ぶのが良いと思います。
一口に保険といっても、ご自身の健康に関わることから、お子様の将来、家の事など、その種類は様々です。
ここでは保険の以下7種類と、その特徴についてご紹介いたします。
①医療保険
②がん保険
③死亡保険
④学資保険
⑤個人年金保険
⑥傷害保険
⑦介護保険
①医療保険
医療保険には、国が運営する制度である「公的医療保険制度」と民間の保険会社が販売している「医療保険」という保険商品の2つがあります。
単に医療保険というと、両方を混同しているケースも珍しくありません。
基本的に「国の医療保険制度」をベースとして、そこに上乗せしたり、民間の医療保険でないと受けられない保障・サービスなど付加したりする場合に、「民間の医療保険」でカバーするイメージを持っておくといいでしょう。
一般的な医療保険では、「入院給付金」と「手術給付金」をメインに保障しています。
入院給付金
入院給付金とは、病気やケガの治療のために入院した際に給付されるお金です。
基本的に、1日あたりの金額が設定されており、入院日数に応じた給付金が支払われます。
〇入院給付金の計算式
入院給付金=1日あたりの給付金額×入院期間(日数)
また、入院日数に応じた給付金が支払われるのではなく、入院するとまとまった一時金が受け取れる「入院一時金」タイプの保険商品もあります。
手術給付金
手術給付金とは、病気やケガの治療のために手術を受けた際に給付されるお金です。
一般的に「1日あたりの入院給付金×約款所定の給付倍率」で給付額が決まりますが、手術の種類によって給付倍率が変わる商品もあれば、手術を受けたのが入院か外来かで給付倍率が変わる商品も存在します。
〇手術給付金の計算式
手術給付金=1日あたりの入院給付金×約款所定の給付倍率
健康なときこそ、加入のタイミング
健康状態に問題がないなら、今が加入のタイミングかもしれません。
なぜなら、医療保険に加入した時点での健康状態によっては、希望する保障を受けられない可能性もあるからです。
②がん保険
がんと診断され、通院、入院、手術などの治療を受けた際の経済的な負担を保障する保険です。給付金には次のようなものがあります。
1)診断給付金:がんと診断されたときにもらえる一時金。治療給付金と呼ばれることもあります。
2)入院給付金:入院日数に応じてもらえる給付金。支払日数に制限がないため、入院が長期に及んでも入院した日数分を受け取れます。
3)手術給付金:がん治療の手術を受けたときにもらえる給付金。入院給付金日額の10倍、20倍、40倍で設定されることが多いです。
4)通院給付金:通院しながらがん治療を行う際にもらえる給付金。退院後にがん治療のため通院した場合でも、給付されることが多いです。
5)先進医療特約:高額な治療費がかかる先進医療に備えるもの。技術料に応じて一時金がもらえます。
6)女性特約:卵巣がん、子宮頸がんなど、女性特有のがんに備えるもの。手術を受けたときに一時金や給付金をもらえます。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費支払いの自己負担を軽くする制度です。
病院や薬局で支払う金額が一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額が、後で払い戻されます。
自己負担がさらに軽減されるとき
高額療養費制度には、自己負担額をさらに軽減するための仕組みがあります。
以下の様な場合は、医療費の負担額をさらに軽減することができる可能性があります。
①1ヵ月間で複数の医療機関を受診した場合
②1ヵ月間に同じ世帯の複数人が医療機関を受診した場合(世帯合算)
③直近12ヵ月間で3回以上高額療養費制度を利用した場合(多数回該当)
④1年間で公的医療保険と介護保険の両方を利用した場合(高額医療・高額介護合算療養費制度)
高額療養費の時効
高額療養費の払い戻しを受ける権利は、診療を受けた月の翌月の初日から2年で消滅します。
③死亡保険
加入者(被保険者)が亡くなった際、遺族の経済的な負担を軽減するための保険です。既にご説明したように、定期保険・養老保険・終身保険の3つの型を基本としています。
死亡保険の種類
⑴定期保険
死亡保険のうち、保険期間(保障される期間)が10年、20年、あるいは60歳まで、65歳まで…と定められている保険を、定期保険といいます。
保障される期間は定まっていますが、後にご説明する終身保険と比べて保険料が安くなります。
商品やプランによっては、保険期間の満了時に更新することで、保障を継続できる場合もあります。
⑵終身保険
死亡保険のうち、保険期間(保障される期間)が被保険者(保障の対象になる方)の一生涯にわたるものを、終身保険といいます。
保障が一生涯続くため、定期保険と比べて保険料は高くなります。もし解約する場合は、解約払戻金というお金を受け取ることができます。
⑶定期保険特約付終身保険
定期保険と終身保険を組み合わせた死亡保険です。
終身保険を主契約として、そこに特約として定期保険を上乗せする契約となります。
終身保険で一生涯の保障に備えつつ、高額な保険金が必要な期間は定期保険で手厚く備えることが可能です。
④学資保険
子どもが生まれると気になるのが教育資金。教育資金の確保のため、学資保険を活用する方も多いかと思います。加入を検討していても、そもそもいつから入ったらいいのか迷っている方もいるでしょう。
学資保険の目的
学資保険は教育費を積み立てることを主な目的としていいますが、契約者である親が死亡したり、高度障害状態となった時には、以後保険料を支払わなくても学資金が受け取れる点は最大のメリットといえるでしょう。
学資保険の保障内容
学資保険の主な保障内容としては、次のようなものが挙げられます。
●満期保険金/満期祝い金
契約満期時に受け取れる保険金。学資保険の中でメインとなる保障で、受け取れる金額は最も大きい。
●入学祝い金/学資祝い金
主に小学校~大学に進学する際、入学時の祝い金として一時金が受取れる。
また、これらの保障には下記のような特約を付加することができるのが一般的です。
●保険料免除特則
契約者(多くの場合、保護者)が死亡もしくは高度障害状態となった場合に、保障内容はそのままで保険料の支払いが免除される特約。
●育英年金
契約者(多くの場合、保護者)が死亡もしくは高度障害状態となった場合、1年に一度、育英費用として決まった金額の保険金を受けることができるという年金形式の特約。
学資保険加入の時期
学資保険は、将来教育費が重くなる時期に備えて保険料を積み立てていく保険です。
中学や高校の入学時や18歳から22歳など設定した時期に学資金や満期保険金として受け取りますが、子どもが生まれてすぐなど、早く始めれば保険料の払込期間が長くなるため、それだけ月々の負担は抑えられます。
⑤個人年金保険
公的年金以外に年金の積み立てをしようと思った時、まず頭に浮かぶのは「個人年金保険」ではないでしょうか。
個人年金保険とは
個人年金保険は、保険料の払込期間(一般的には60歳まで)に保険料を納めることで、契約時に定めた年齢に達した時点から一定期間または一生涯にわたって年金が受け取れる貯蓄型の保険です。
個人年金保険の特徴
個人年金保険は年金の受け取り期間によって「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3つに分けることができます。
〇確定年金
被保険者の生死にかかわらず、一定期間年金を受け取ることができます。
死亡した場合は遺族に支給されます。受け取り期間を60歳からの10年とした確定年金保険が最も一般的です。
〇終身年金
被保険者が生存している限り、一生涯年金を受け取れます。
保険料は確定年金より高めですが、長生きするほどコストパフォーマンスが良いと言えます。
〇有期年金
被保険者が生存している限り、10年または15年といった一定期間年金を受け取れます。
満額受け取れば年金額は確定年金よりも多くなりますが、早く亡くなると元本割れもありえます。
そのため有期年金では支給開始からしばらくは遺族に年金を支払う保証期間付きのものが一般的です。
個人年金の種類とそれぞれの特徴
・確定年金 生死に関わらず受け取ることができる
被保険者の生死にかかわらず、一定期間年金を受け取ることができます。
死亡した場合は遺族に支給される。受け取り期間を60歳からの10年とした確定年金保険が最も一般的です。退職から公的年金支給年齢までのつなぎとして活用する人が多いです。
商品ラインナップも豊富です。
・終身年金 生存している限りは一生涯受け取ることができる
被保険者が生存している限り、一生涯年金を受け取れます。保険料は確定年金より高めですが、長生きするほどコストパフォーマンスが良いと言えます。
逆に早く亡くなると元本割れする恐れも。年金受取人が死亡すると同時に支払いは終了し、遺族に年金や死亡保険金が支払われることはないです
老後資金の選択肢の一つとして
。
ひと昔前であれば、高い金利のおかげで貯蓄性の保険は非常に魅力的な商品でありました。
しかしこの低金利時代においては、大きなリターンを期待することはもはや難しくなってきています。
後は税制上の優遇がメリットとして挙げられますが、個人型確定拠出年金も同様のメリットがあります。
⑥傷害保険
傷害保険に加入していれば、予期しえないケガによる治療費や通院費、手術費などを補償してくれます。
基本的な補償として、通院補償、入院補償、手術補償、死亡・後遺障害補償の4つが挙げられます。
たとえば、ケガをした日から180日以内に通院、入院、手術、死亡、後遺障害が生じたときに保険金が支払われるというイメージです。
【傷害保険の基本補償】
●通院補償
ケガの治療のために通院した場合、1日につき所定の通院保険金日額が支払われる
●入院補償
ケガの治療のために入院した場合、1日につき所定の入院保険金日額が支払われる
●手術補償
ケガの治療のために手術した場合、所定の手術保険金が支払われる
●死亡・後遺障害補償
ケガにより死亡したり後遺障害が残ったりした場合、所定の死亡・後遺障害保険金が支払われる
傷害保険が向いている人
⑴スポーツなどアクティブな趣味を持っている人
自転車やバイク、スキーといったスポーツを趣味として楽しんでいる方は、ケガをする危険性が高いと言えるでしょう。いざというときに備えて、十分に加入を検討する余地はあると言えます。
⑵ケガのリスクが高くなる高齢者
誰しも歳を取るにつれて足腰が弱くなり、ケガのリスクは高まっていきます。
そのようなリスクをカバーする意味で、ご年配の方は傷害保険を考えてみても良いかもしれません。
健康上の理由で医療保険への加入を諦めている人
医療保険は加入時に健康告知を設けており、持病がある方は加入しにくいという現状があります。
緩和型医療保険や無選択型医療保険など、「持病があっても入りやすい医療保険」も登場していますが、やはり保険料の割高感は否めません。
そんな健康上の理由から医療保険の加入を諦めている方は、まず傷害保険から検討してみてはいかがでしょうか。
⑦介護保険
介護が必要になった高齢者を社会全体で支えるしくみが介護保険制度です。
介護保険は介護が必要な方に、その費用を給付してくれる保険です。
制度の運営主体(保険者)は、全国の市町村と東京23区(以下市区町村)で、保険料と税金で運営されています。
サービスを受けるには原則1割の自己負担が必要です。ただし、前年度の所得に応じて、自己負担率が2割あるいは3割になります。
保険料の支払いは何歳から?
40歳になると介護保険に加入が義務付けられ、保険料を支払うことになります。
40歳から64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。個別の保険料の決め方には各健康保険組合によって違いがあります。
協会けんぽや職場の健保、共済組合の医療保険に加入している方は、給与に介護保険料率を掛けて算出され、事業主がその半分を負担します。
自己負担の割合
介護保険は必要な人が使えるように、保険料と税金で運営されています。そして、所得により、1割から3割の自己負担があります。
介護保険施行当初は全員1割負担でしたが、現在は所得に応じて1割~3割負担となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで保険の7種類と知っておくべき特徴について紹介してきました。
当然ながら、保険に入るためにはお金が必要になります。そして、お金には限りがあり、ライフステージによって必要なお金も異なります。
まずは、保険に加入する目的を明確にしてみましょう。そうすれば、どの保険が適しているかが見えてきます。
保険を選ぶということは、そういったご自身の将来を思い描く作業そのものです。
必要なときに必要なだけのお金をどう工面していくか、未来の家族の幸せに近づく大切な一歩として、保険を考えていきましょう。