
新型コロナウイルス感染症の防止対策をしながら経済活動を進めていくには、今までとは違うビジネスモデルにチェンジしなければなりません。
その際には、3密回避を前提に顧客と直接会わずに提供するサービスとなる「非対面型サービス」の普及が不可欠となるでしょう。
しかし「非対面型サービス」を導入するには経費が必要となるために、資金調達に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで、こちらの記事では、東京都で実施している「非対面型サービス」を導入する際に利用できる非対面型サービス導入支援事業について詳しくご紹介していきます。
都内で「非対面型サービス」の導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
INDEX
必要となった非対面型サービス導入
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、企業ではマスクの着用やシールドの仕切りを設けることにより、飛沫感染などの防止対策を講じています。
さらに、社会的距離の確保をするために、リモートワークや遠隔テレビ会議などの非対面化サービスが定着しつつあります。
新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大してしまった現在では、非対面型サービスの導入は欠かすことができない重要な課題となっています。
非対面型サービス導入支援事業の目的
新型コロナウイルス感染症拡大により、新しい生活様式に対応した「非対面型サービス」の導入が重要となった今、東京都中小企業振興公社は「非対面型サービス」に取り組む中小企業に対して支援を行っています。
非対面化型サービス導入支援事業は、都内の対面型サービスを導入する際にかかる費用の一部を助成することを目的として設けられた助成事業です。
非対面型サービス導入支援事業の概要
東京都内の中小企業に対して行っている非対面型サービス導入支援事業は、顧客と直接会わずに提供される非対面型サービスの導入に対して、必要となる経費の一部を補助している助成事業です。
次に、助成対象者、申請受付期間、助成対象経費、助成額ついて、詳しく紹介していきます。
助成対象者
非対面型サービス導入支援事業の助成対象となるものは、東京都内で令和2年3月31日現在において、都内に登記簿上の本店又は支店があることに加えて、対面型の事業を実施している中小企業者(会社および個人事業者)となります。
◆東京都内の中小企業者(会社・個人事業主)
申請受付期間・助成対象期間
非対面型サービス導入支援事業の申請受付期間および助成対象期間は下記の通りとなります。
◆申請受付期間(申請できる期間)
・令和2年6月18日~7月31日まで(郵送・必着)
◆助成対象期間(助成対象となる契約・取得・実施・支払いを実施すべき期間)
・令和2年5月14日~10月31日まで
助成対象経費
非対面型サービス導入支援事業の補助対象の経費は、下記の通りとなります。
◆インターネット販売サイトの制作等、非対面型サービスの導入に係る経費の一部
・備品購入費、備品リース費、委託・外注費、販売促進費
①助成対象として決定を受けた取組を実施するための必要最小限の経費
②助成対象期間内(令和2年5月14日から10月31日まで)に発注又は契約、取得、実施、支払いが完了する経費
③助成対象(使途、単価、規模、数量等)が報告書類(写真、帳簿類等)により確認が可
能であり、かつ、非対面型サービスの導入に係るものとして明確に区分できる経費
④財産取得となる場合は、所有権(ソフトウエアの場合は著作権)等が助成事業者に帰属
する経費
⑤委託内容を主要業務とする業者に直接委託・契約するもの
なお、 申請者が対外的に自社の通常業務とうたっている業務を外部委託した場合の経費は助成対象になりませんので、ご注意ください。
助成額
非対面型サービス導入支援事業の助成率と助成限度額は下記の通りとなります。
◆助成率
・助成対象と認められる経費の3分の2以内(千円未満は切捨て)
◆助成限度額【助成金として交付されうる最大額】
・200万円(申請できる助成金の下限額50万円)
なお、助成金の支払いは、助成事業を完了し、公社の検査・審査を終えた後となりますので、お気をつけください。
非対面型サービス導入支援事業の対象事業
非対面型サービス導入支援事業の助成対象となる事業は、下記の①と②のいずれにも該当するものとなります。
①令和2年3月31日現在、東京都内で実質的に「対面型サービス」【顧客と直接顔を 合わせて提供しているサービス】を行っていること
②令和2年3月31日現在「対面型サービス」で提供しているサービス・商品を活用し て、5月14日以降に「非対面型サービス」【顧客と直接会わずに提供するサービス】 を行うこと
助成対象事業の例
非対面型サービス導入支援事業のの対象事業となるイメージは、下記のような事業の類型と事例となりますので、ご参照ください。
事業の類型 | 事例 | |
A | オンライン一方型 | 劇場などがオンラインを利用し演目を有料配信するサービス |
B | オンライン双方型 | オンライン英語塾のマンツーマンレッスン |
C | ネットショップ型 | インターネットによる通信販売 |
D | ロボット活用型 | 配膳ロボット、受付ロボット、荷運びロボット |
E | 自動販売機設置型 | 自動販売機での販売 |
F | セルフサービス型 | セルフレジ、クリーニング店の自動受け渡しボックス |
G | その他 | 上記にあてはまらない取り組み |
申請方法
非対面型サービス導入支援事業の申請は、申請書類を作成して「申請書と添付書類」をまとめて簡易書留などの記録が残る方法で(郵送のみ)で提出します。
申請に必要となる書類
非対面型サービス導入支援事を申請するには、下記の書類が必要となります。
◆申請書
・東京都中小企業振興公社のHPでダウンロード
◆申請費用の根拠資料
・価格表や見積書など
◆登記簿謄本または開業届
・法人:発行後3か月以内の「履歴事項全部証明書」
・個人事業主:税務署の受付印のある「個人事業の開業・廃業等届出書」
◆納税証明書
・法人:直近の「法人事業税」と「法人都民税」の納税証明書等
・個人事業主:直近の「個人事業税」と「住民税」の納税証明書等
◆直近1期分の確定申告書
・法人:税務署の受付印又は電子申告の受信通知のあるもの及び別表1、別表2、法人事業概況説明書
・個人事業主:税務署の受付印又は電子申告の受信通知のあるもの及び第1表
申請先の住所
非対面型サービス導入支援事業の申請は、下記の郵送先に「申請書および添付書類」をまとめて郵送します。
郵送する際には、簡易書留等の記録が残る方法で提出してください。
◆郵送先
・〒101-8691
・日本郵便株式会社 神田郵便局 郵便私書箱第98号
・公益財団法人東京都中小企業振興公社
・非対面型サービス導入支援事業事務局 宛
申請から助成金の受給までの流れ
非対面型サービス導入支援事の申請から、助成金の受給までの流れは下記のような順序を経て進められていきます。
◆ステップ1:申請書ダウンロード・申請書作成・添付書類を準備
◆ステップ2:申請書類を提出(郵送のみ)
◆ステップ3:申請書類の審査
◆ステップ4:交付決定
◆ステップ5:助成対象期間(事業実施期間)
◆ステップ6:実績報告書および経理関係の書類を提出
◆ステップ7:完了検査・審査、助成金額の確定
◆ステップ8:助成金の請求
◆ステップ9:助成金の交付(支払い)
注意!経費の支払い方と交付後に気をつけること
非対面型サービス導入支援事業で経費を支払う時には、原則として金融機関の申請者や名義人または法人名義の口座から振込払いを行うよう注意してください。
また、下記の注意項目を確認して助成対象外とならないように気をつけましょう。
◆法人の場合、個人名義又は個人口座から振込を行った経費は助成対象外
◆関連会社経由等、助成事業者名義の金融機関の口座から直接振り込んでいない場合は助
成対象外
◆クレジットカードによる支払いの場合は、法人カード、もしくは個人カードの場合は代
表者のクレジットカードに限り対象となります。また、クレジットカードによる支払いは、助成対象期間中(令和2年10月31日まで)に、銀行口座からの引き落としが確認できる場合のみ認められます。
◆助成対象経費の支払いとその他の取引は、混合して行わないでください。
◆他の取引と相殺して支払った経費は、助成対象外
◆現金、手形・小切手による支払いについては、以下の条件をすべて満たしたときに限り、
助成対象経費として認められる場合があります。
・現金
(ア)1取引につき、税込10万円以下の支払いで、振込による支払いが困難な場合
(イ)該当経費が明確に区分できる支払先発行の領収書・明細書が提出できること
なお、当該領収書には、宛先(助成事業者名)、領収日、領収金額、金額の内訳、発
行者名・発行者印・所在地・電話番号が必要
・手形・小切手
(ア)自社発行であること
(イ)助成対象期間内に振出し・決済が完了していること
(ウ)当座勘定照合表で決済の確認ができること
◆他社発行の手形や小切手により支払いが行われている経費は助成対象外
◆インターネットバンキングを利用する場合は、振込先名義と口座番号を確認するため、
インターネットの振込完了画面(又は振込履歴)と通帳(又は当座勘定照合表)の写しの
提出が必要
◆契約・支払い確認に係る書類の宛先は、助成事業者名であることが必要
交付後の注意事項
助成金を受給したから全て終了となるわけではなく、助成金交付後には下記の項目について注意しておく必要があります。
①公社職員等による調査等
助成事業の実施状況、助成金の収支、関係書類その他について、立ち入り調査を行い、報
告を求めることがあります。
②関係書類の保存
助成事業者には、令和7年度末まで助成事業に係るすべての関係書類を保存する義務があ
ります。
③成果物(購入品、著作権を持つシステム等)の保管
助成事業による成果物等については、令和7年度末まで保存する義務があります。また、
助成事業が完了した後も、助成金交付の目的に従って効率的運用を図る必要があります。
④財産の管理及び処分
承認を得ずに当該財産の処分を行うと、交付決定取消、返還命令、罰則適用の対象となるこがあります。
まとめ
非対面型サービスを導入するときに支援となる東京都が実施している「非対面型サービス導入支援事業」について、詳しくまとめてみました。
新型コロナウイルス感染症の拡大が広がり、生活様式やビジネスモデルが変わり始め、3密を避けるためのソーシャルディスタンスやリモートワーク、さらに顧客と対面せずに対応する非対面型サービスの導入は欠かせない項目となっていきそうです。
東京都で実施している「非対面型サービス導入支援事業」では、非対面型サービスの導入に取り組んでいる中小企業に対して支援を行っている助成事業となりますので、この機会を逃さないように積極的にご活用ください。