販路 開拓 補助 金

販路開拓強化支援補助金の対象経費14項目の詳細を解説

補助金

新規に販売先を開拓するということは事業を運営していくために、販路開拓は資金調達と同じように欠かせない業務のひとつだと言えます。

しかし、販路開拓は容易なことではなく、起業家の44.7%が開業時、販路開拓に苦労した、というデータもあります。

そして、今でも起業家の44.8%が販路開拓に苦労しているというデータもあり、開業時とほぼ同じ割合で起業家を悩ます種となっています。

この記事では国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金の概要、6つの評価及び採択基準、補助対象経費14項目を詳しく紹介していきます。

中小企業庁地域産業資源活用事業の概要

販路 開拓 補助 金

中小企業庁が管轄している「国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金」の「地域産業資源活用事業」は、地域における優れた資源(農林水産品、鉱工業品、鉱工業品の生産に係る技術又は観光資源等)を活用した商品の開発や販路の開拓などに係る経緯費一部を補助してくれる制度です。

それにより、地域の中小企業者・小規模企業者による、より優れた商品づくりなどの実現を目指して、地域の活性化を図ることを目的とします。

補助対象事業

中小企業庁地域産業資源活用事業の補助対象事業は、中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に従って行われる、中小企業者による地域資源を活用した商品やサービスの開発や、その販路開拓等の事業を対象とします。

応募資格

中小企業庁地域産業資源活用事業の応募資格は以下のように定められています。

地域産業資源活用事業計画の認定を受けた中小企業者であることが応募資格者です。

以下の場合は補助対象から除かれます。
・大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている方
・暴力団、及びその構成員、または反社会的組織に属する者に関わりのある方

応募書類

応募書類としては、国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金(地域産業資源活用事業)計画書、補助事業計画書、経費明細表、認定事業に係る商品・役務の売上計画及び事業実施後の実績値についての書類、直近1年間の貸借対照表、損益計算書などを提出する必要があります。

また、地域産業資源活用事業の応募書類は、電子メールの場合10MBを超えないようにする必要があります。

補助率・補助額

中小企業庁地域産業資源活用事業の補助率・補助額は、補助対象経費の1/2以内、補助上限額500万円となっています。

ただし、4者以上の共同申請案件の場合、2/3以内(1回目)、1/2以内(2~3回目)、補助上限額2,000万円となります。

中小企業庁地域産業資源活用事業の6つの評価及び採択基準

販路 開拓 補助 金

中小企業庁地域産業資源活用事業の評価は基本的に応募書類で決まってきますが、ヒアリングや現地調査なども評価方法の一つして実施されることがあります。

また、以下6つに掲げる評価基準に基づいて外部の有識者によって評価を行い、各自治体などの意見を鑑みて採択が決まります。

①認定計画との整合性

・事業内容は認定計画の内容と整合しているか、などが審査されます。

②事業実施の確実性

事業を実施するにあたりその確実性が問われます。
特に財務状況の審査は慎重に行われますので注意が必要です。

・補助事業を行うために十分な能力があるか
・財務状況等は問題ないか
・中小企業の会計に関する指針などに拠った信頼性の高い書類が用意されているか
・事業実施における課題、対応などが明確か

③事業内容の妥当性

事業内容の妥当性としては、目指す事業の成果が妥当であり、その実現が期待できるかどうかが重要になります。

・事業内容や目標、遂行方法が具体的でしっかりとした現実性があるか
・市場におけるニーズや市場規模などをよく考えられた計画であるか

④事業の先進性・優位性・モデル性

事業の先進性や優位性、モデル性はその事業に先進性や新規性がるかどうかが審査において重要になってきます。
また、モデル性として、他の事業者の励みにもなる事業内容であることが大切です。

・開発や販路開拓を行う商品やサービスに独自性があって、競合商品などと明確な差別化が施してあり、地域のブランド化によって地域経済に貢献できる見込みがあるか
・全国的にモデル事業となっていて、他の事業者の取り組みにおける参考となるか

⑤事業の収益性

収益性とは企業の稼ぐ力です。補助金を受け、より収益が上がる見込みがなければいけません。
事業の計画は慎重に、時には大胆に進めていくことが必要になってくるかもしれません。

・事業の計画において収益が上げられる事業内容であるか
・明確に顧客ターゲットを絞れているか
・補助額に対する売上規模等を想定できているか

⑥政策的意義

中小企業庁地域産業資源活用事業の政策的意義は各都道府県や自治体から積極的に支援をされてることが前提です。

・平成30年度または平成31年度に認定を受けた事業計画であり、ふるさと名物応援事業補助金の交付決定を受けていないか
・商品の生産などを行う地域の自治体が「ふるさと名物応援宣言」を出しており、申請した内容が「ふるさと名物応援宣言」と一致しているか

中小企業庁地域産業資源活用事業の補助対象経費14項目の詳細

販路 開拓 補助 金

中小企業庁地域産業資源活用事業の補助対象経費は全部で14種類あり、ここでは、その項目と経費の内容について紹介していきます。

細かい経費も対象になることもあるので、参考にしてください。

経費区分については以下の通りとなります。
①~⑥は経費区分が事業費
⑦~⑩は経費区分が販路開拓費
⑪~⑭は経費区分が試作・開発費

①謝金

補助事業の実施にあたり、必要な指導・助言等を受けるために依頼した専門家等に謝礼として支払われるものが経費となります。

支払単価の根拠が補助事業者が定める規程等により明らかで、その金額が社会通念上妥当なものの必要があります。

②旅費

補助事業を行うにあたっては、販路開拓のために必要となる情報収集や調査などを行うために、会議や打ち合わせなどに参加する時の旅費や、専門家などの助言を受けるために必要な専門家などへの旅費が経費として計上できます。

補助対象となるものは、最も合理的な経路で算出されるものとします。
また、旅費規程等に定める場合であっても原則としてグリーン車やビジネスクラス等の特別に付加された料金は補助対象とならないので注意が必要です。

③借損料

借損料は、補助事業に直接必要となる機器や設備、会場のリース料などとして支払われるものが経費として計上できます。

リースにおいて、補助対象となるものは、リースのための見積書や契約書などが確認できるものが必要です。

また、補助事業の実施期間内でのみ補助されるので、補助期間以前や以後は経費の対象とされません。

④産業財産権等取得費

補助事業に関する特許権、実用新案権などの産業財産権等の取得に要した費用が経費となります。

※注意事項
以下の経費については補助対象とはなりません。
・日本の特許庁に納付される経費
・訴訟を行う場合に要する経費
・補助事業が終わるまでに出願の手続きが確認できない場合は経費として認められません。
・他の制度によって産業財産権等の取得の支援を受けている場合は補助対象外です。

⑤雑役務費

事業を行うにあたり必要な業務や事務をする臨時の雇い入れをした場合の賃金と交通費は経費の対象となります。

臨時の雇い入れをした場合は作業日報や雇用関係の書類を作成しなければいけません。

また、臨時で雇い入れたと確認できない場合は補助対象外となりますので注意が必要です。

⑥委託費

補助事業のを進めていくうえで必要になる調査などを外部業者に委託する時に発生する経緯費が補助対象となります。

ただし、販路開拓費や試作費、開発費に係るものは対象となりませんので注意が必要です。

また、委託内容や金額などが明記された契約書を交わして補助事業に直接かかわりのあることが補助対象の条件となります。

⑦展示会等出展費

販路開拓費として、試作品や新商品などの販路開拓を行うために、展示会に出展するときに係る費用が補助対象経費として認められます。

また、展示会などに出展するときにかかる保険料や運搬費、通訳・翻訳料も補助対象として経費として計上できます。

⑧マーケティング調査費

事業を行うにあたり必要となるユーザーニーズ調査を行うための経費や調査員などに支払う経費は補助対象経費となります。

調査の実施において、アンケート調査の回答者に対する謝礼などは補助対象外となります。

⑨広報費

事業を行うにあたり必要となるパンフレットやポスター、あるいはHPなどを作ったときやの経費は補助対象となります。

広報費は営業活動などを目的としたものについては補助対象ですが、単なる会社のPRに使われた場合は補助対象外です。

⑩委託費

事業を行うにあたり必要となる調査などを委託する場合に支払われる経費は補助対象です。

ただし、試作や開発に要する経費は補助対象外となりますので注意が必要です。

⑪原材料費

事業を行うにあたり必要となる商品などの試作に係る原材料などの購入に要した経費は補助対象です。

原材料費を補助対象経費として計上する場合は、受払簿を作成して、その受け払いを明確にしなけれいけません。

⑫機械装置等費

事業を行うにあたり必要となる機器・設備類の購入、製作、改良、据付、借用又は修繕に関する費用は経費として認められます。

商品などを試作や試作開発する時のみに経費として認定されますが、通常の生産活動に関する機器などは対象外となります。

⑬試作・実験費

事業を行うにあたり必要となる試作品の設計、デザイン、製造や改良などに係る経費は補助対象となります。

⑭委託費

事業を行うにあたり必要となる試作・開発等を委託するために支払われる費用は経費として認められます。

委託内容や金額などが明記された契約書を交わし、委託する側である補助事業者にその成果物が返ってくることが条件となります。

まとめ

販路 開拓 補助 金

ここまで販路開拓の手法や、国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金の「中小企業庁地域産業資源活用事業の概要」「中小企業庁地域産業資源活用事業の6つの評価及び採択基準」「中小企業庁地域産業資源活用事業の補助対象経費の14項目の詳細」を紹介してきました。

販路開拓はメーカーにとって売り上げを伸ばすためにとても大事な業務の一つです。

現在、販路開拓の手法は様々ありますが、インターネットを通じて行う方法も一般的になっています。例えばたくさんの人が閲覧するECモールへの出店も販路開拓の手法としてとても効果的です。

また、ここまで紹介した通り、販路開拓には国からの補助金制度もありますので、こういったお得に販路を開拓できる補助金を使わない手は無いでしょう。

対象となる経費をしっかりと把握し、不備のない書類をそろえて補助金獲得に挑みましょう。

しかし、何でもいいから販路開拓する、というよりは新たな販路を自社のニーズと照らし合わせて開拓していく、ということが重要だと言えます。

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