北海道札幌市内、食関連の新開発・輸出仕様食品を製造・衛生管理などの各種認証を取得する取り組みをするために必要な資金調達ができる方法があります。
本記事では「ハンズオン型食品開発」をメインに、北海道の食関連事業者向けの補助金を3つ解説します。
概要・対象者・対象事業・対象経費・最大補助金額なども含めて解説するため、ぜひチェックしてみてください。
INDEX
北海道の食関連事業者向けの補助金を3つ紹介
北海道の食関連事業者向けの補助金は以下の3つです。
①ハンズオン型食品開発
②輸出仕様食品製造支援補助金
③食品認証取得補助金
以上の3つは、新商品開発・衛生管理の認証取得などに取り組む食関連事業者を支援する補助金です。
食べ物を取り扱う事業をしている中小企業者もしくは個人事業主はぜひチェックしてほしい補助事業です。
それでは、以下で3つの概要についてを解説していきます。
①ハンズオン型食品開発
北海道の様々な魅力がある農畜水産物を活用して、アドバイザーが具体的なアドバイスをしながら新商品開発を支援します。
札幌市内の中小企業者・個人事業主で、商業流通を目的に明確で具体的な販路がある加工食品の新商品開発をする取り組みに対して、補助金として支援してくれます。
ハンズオン型食品開発の具体的な目的は以下の2点です。
①北海道の農畜水産物の付加価値向上を進めること
②札幌市の食関連産業の振興を図ること
ハンズオンって何?
ハンズオンって聞き慣れない言葉ですが、ビジネス分野・コンサルティング業界用語の一つです。
企業買収・投資をする際に、その後どれくらいマネジメントに携わるかという時に使う言葉です。
また、コンサルティングファームから派遣されたコンサルタントが、クライアント企業の経営に直接計画の相談に加わる時にも使う言葉です。
自ら社長・社外取締役などを派遣して、経営に深く関わるスタイルが「ハンズオン」。
逆に買収先・投資先のマネジメントに任せることを「ハンズオフ」と言います。
②輸出仕様食品製造支援補助金
札幌市内に本社を持ち、輸出仕様食品の販売をしている事業者向けの補助金です。
札幌の食品を海外へ販売することを促進させることが目的で、海外現地ニーズを捉えた輸出仕様食品を開発して海外に流通する取り組みに対して、補助金として支援してくれます。
輸出仕様食品って何?
輸出仕様食品とは、パッケージ・風味・価格帯・食品・賞味期限・保存方法・輸送方法・構成成分・表示成分が海外の消費者・流通業者・海外監督機関それぞれの基準に適している食品のことを言います。
③食品認証取得補助金
HACCP・ISO・FSSC・ハラール認証・健康食品GMPなど食品の製造品質・衛生管理の各種認証取得する取り組みに対して支援してくれます。
また、取得に向けて社内体制構築を検討している人に対しても補助対象です。
国内外での販路を拡大することが目的です。
①ハンズオン型食品開発補助金の条件
まずは、ハンズオン型食品開発補助金の条件について解説します。
ハンズオン型食品開発は、札幌市内に本社を持っている食関連事業者はもちろん、条件がいくつかあるため解説していきます。
対象者
以下のいずれかに当てはまり、且つ全ての基準に満たす人が対象です。
①札幌市内に本社を持つ食関連事業者
②さっぽろ連携中枢都市圏域内に本社を持ち、札幌市内に事業所を持っている食関連事業者
事業所については支店登記などは必要ではありませんが、事業所に常勤取締役がいることが必要です。
以下の9つは「全ての基準に満たす人」です。
①本社を設立してから1年以上経過して、事業を継続して実施する見通しがあり、事業を実施するための資金・人員・環境などが整っていること
②直近2ヶ年連続で、一般財団法人さっぽろ産業振興財団が実施している「食品開発補助金」を受けていないこと
③補助対象商品の開発を、自社・他企業で前年から継続して取り組んでいるものではないこと
④事業が終わった後、4年間、事業にかかる売上高などの事業成果を報告すること
⑤一般財団法人さっぽろ産業振興財団・札幌市が行っているアンケートに協力すること
⑥4年間、商品パッケージ・チラシ・ホームページの商品情報などに、「食品開発支援(札幌市補助)」を記載すること
⑦一般財団法人さっぽろ産業振興財団が開催する中間報告会・最終商品確認会などに出席すること
⑧市税を滞納していないこと
⑨反社会的勢力と関係を持っていないこと
ハンズオン型食品開発補助金の申請を検討しているのであれば、いま一度、上記の条件を確認してみてください。
対象事業
札幌市内の中小企業者・個人事業主が、北海道の農畜水産物を活用して、商業流通を目的に明確で具体的な販路が決まっている加工食品の新商品開発に取り組む事業です。
どんな経費をいくらまで補助される?
ハンズオン型食品開発補助金は、大前提として、上記の条件に当てはまる場合に補助されます。
そして、条件に当てはまった場合、どんな経費をいくらまで補助してもらうことができるのかを解説していきましょう。
ハンズオン型食品開発の対象経費
事業実施するために実際にかかった以下の経費を補助します。
申請する際に、証明になる書類(カタログ・見積書・専門家との契約書など)が必要になるため、紛失しないように気を付けてください。
①原材料・消耗品費
試作に必要な原材料・消耗品・書籍の購入など。
②報償費
外部専門家・技術指導員にかかる技術指導費・コンサルタント費。
③通信・運搬費
切手・宅配料などの経費。
④機器リース費
実験装置・測定機器・その他の設備・備品などのリースにかかった経費。
⑤機器購入費
機器・設備などの購入に必要な経費。
ただし、パソコン・プリンター・コンピュータ周辺機器・デジタルカメラなどの汎用物品は対象外です。
取得価格が50万円以上の機器などがある場合、事業が終わった後に「機器装置等保有状況表」と設置状況が確認できる画像を提出しましょう。
⑥委託費
各種調査業務・各種試験・検査分析・試作・商品パッケージのデザイン・作成について外部に委託する経費。
⑦旅費・交通費
自社従業員の旅費・交通費・
⑧モニター調査費
モニター調査などに必要な経費。
モニター調査とは、開発過程の商品の調整を目的として、従業員で行うアンケート・試験販売などのことです。
対象外の経費
逆に、以下の経費は補助金として支援されません。
①消費税・地方消費税
②土地・建物の購入や借り上げ料にかかる経費
③施設などの改造費・既存設備・機械の使用料・固定資産税・水道光熱費
④食糧費・接待費・会食費などの個人消費的経費
⑤支出が確認できない経費
ハンズオン型食品開発補助金の補助率と最大金額
ハンズオン型食品開発補助金は、対象経費の2分の1以内を補助率として、最大300万円まで支援されます。
また、機器購入費は、経費総額の3分の2以内で150万円以下となります。
しかし、補助件数は5件程度となっているので、審査が厳しめかもしれません。
ハンズオン型食品開発の必要書類
ハンズオン型食品開発を申請するには、以下の必要書類を提出しましょう。
①補助金交付申請書
②申請者概要・企業パンフレット
③事業計画書
④誓約書
⑤証明書(札幌市内に本社を持っていない人のみ)
⑥申請者の商業登記簿謄本
⑦直近2期分の決算報告書の写し
⑧直近の市町村税の納税証明書
「⑥申請者の商業登記簿謄本」は申請日から3ヶ月以内に取得した原本を用意しましょう。
取得は法務局でできます。
法人の場合は商業登記簿謄本ですが、個人事業主の場合は開業届の写しを提出してください。
「⑦直近2期分の決算報告書の写し」は個人事業主の場合、直近2年分の確定申告書の写しを提出しましょう。
②輸出仕様食品製造支援補助金の条件
次は、輸出仕様食品製造支援補助金を解説します。
幌市内に本社を持ち、輸出仕様食品の販売をしている事業者向けの補助金です。
札幌の食品を海外へ販売することを促進させることが目的となっているので、海外に流通させる取り組みを事業としている場合には支援されます。
以下では、輸出仕様食品製造支援補助金の要件を解説するので、確認しておきましょう。
対象者
以下のいずれかに当てはまり、⑤からの条件を満たす事業者が補助金支給されます。
①札幌市内に本社を持ち、輸出仕様食品の販売をしている北海道内の企業・協同組合
②ただし、販売者は北海道内に本社を持つ中小企業・協同組合に対し、輸出仕様食品を委託製造させなくてはいけない
③本社は必ずしも登記上の本店でなくて良いが、本社に常勤取締役がいること
④開業届を提出している
⑤直近2ヶ年連続で、一般財団法人さっぽろ産業振興財団の「輸出仕様食品製造支援事業補助金」を受けていない
⑥補助対象商品の開発を、自社・他企業で前年から継続して取り組んでいないこと
⑦グループ企業・代表者が同一の事業者、工場が同一の事業者などによる類似事業の複数応募になっていないこと
⑧市税を滞納していないこと
⑨反社会的勢力と関係を持っていないこと
どんな経費をいくらまで補助される?
以下の経費の2分の1以内を補助率として、最大200万円まで支援してもらえます。
①製造費
②機器費
③輸出関係費
④海外マーケティング費
③食品認証取得補助金の条件
最後は、食品認証取得補助金の条件と対象経費・最大補助金額を解説します。
食品認証取得補助金は、HACCP・ISO・FSSC・ハラール認証・健康食品GMPなど食品の製造品質・衛生管理の各種認証取得する取り組みに対して支援してくれる制度なので、取得を検討している方はぜひ活用してください。
対象者
以下のいずれかに当てはまり、④からの条件全てを満たしている中小企業・個人事業主が対象です。
①札幌市内に本社を持ち、食品製造業者・食関連企業・飲食店・食品店頭販売店
②北海道内に本社を持ち、札幌市内に工場を持つ食品製造業者・食関連企業
③必ずしも登録上の本店でなくて良いが、事業所に常勤取締役がいること
④設立後1年以上で、事業を継続して実施する見通しがあり、資金・人員・環境が整っていること
⑤直近2ヶ年連続で同じ補助金を受けていないこと
⑥グループ企業・代表者が同一の事業者、工場が同一の事業者など複数応募していないこと
⑦事業終了後、4年間、事業成果・認証取得後の状況を報告すること
⑧一般財団法人さっぽろ産業振興財団・札幌市内が行っているアンケート調査などに協力すること
⑨一般財団法人さっぽろ産業振興財団が開催する中間報告会議・最終報告会議などに出席すること
⑩市税を滞納していないこと
⑪反社会的勢力と関係を持っていないこと
どんな経費をいくらまで補助される?
以下の経費の2分の1以内を補助率として、最大200万円まで支援してもらえます。
①認証審査費
②報償費謝金
③研修費
④旅費
⑤機器購入費・修繕費
まとめ
以上、当記事では「ハンズオン型食品開発補助金」をはじめとする、食品関連の補助金を紹介しました。
今回紹介した、3つの補助金の特徴をまとめると、
■ハンズオン型食品開発
・北海道札幌市で加工食品の新商品開発をする事業者向け
・アドバイザーからアドバイスを受けながら新商品開発ができる
■輸出仕様食品製造支援補助金
・輸出仕様食品の販売をする事業者向け
・札幌の食品を海外へ販売することができる
■食品認証取得補助金
・健康と衛生管理の各種認証取得する事業向け
・販路を国内から海外まで広めることができる
となります。
食品関連の補助金の申請を検討しているのであれば、上記3つの補助金も視野に入れてみてください。