私たちは1日にどのくらい水を使っているかご存じですか?
日本人ひとりが一日に使う水の量は約220リットルだと言われています。
東京都内で使われる水のうち、家庭で使う水は全体の約70%で、家庭から出る下水で一番水を汚すのは食器を洗う際に使われる界面活性剤や油等を排出する台所です。
下水道は、し尿などの処理をはじめとして、大雨などで水があふれ出ないようにすることや公衆衛生の向上、などを目的として設置されます。
この記事では、下水道の整備時に受けられる補助金以下3つを紹介していきます。
①南アルプス市の下水道関係の補助金・助成金制度
②東京都都市整備局の市町村下水道事業都費補助金
③郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金
①南アルプス市の下水道関係の補助金・助成金制度
南アルプス市では、下水道に関する助成金の「排水設備設置助成金」、「水洗便所設置費助成金」を実施しています。
排水設備設置助成金制度の補助額は最大30万円が支給され、水洗便所設置費助成金では最大20万円が支給されます。
また、生活扶助世帯に対する補助金もありますのであわせて紹介していきます。
排水設備設置助成金
排水設備設置助成金制度は、宅内配管から公共マスへの接続工事に係る経費の一部を助成するもので、助成限度額は30,000円で、供用開始日(各年度末に告示)から3年経ったものです。
新築では対象になりませんので注意してください。
・排水設備設置助成金制度の補助率などは以下の表をご覧ください。
区分 | 補助率 | 助成限度額 |
供用開始告示から1年以内 | 1/10 | 30,000円 |
供用開始告示から2年以内 | 1/20 | 15,000円 |
供用開始告示から3年以内 | 1/30 | 10,000円 |
供用開始告示から年数が低いと助成額が増えます。
水洗便所設置費助成金
下水道が通っている区域内で、汲み取り式便所を水洗便所に改造するときに係る下水道工事を行う際に支給されます。
対象になるのは供用開始日から3年間で、2階のトイレにおいては助成対象外となります。
・改造工事
区分 | 助成限度額 |
1か所の改造工事につき | 70,000円 |
2か所上の改造工事を同時につき | 200,000円 |
2か所を同時に改造するときの方が、助成限度額が高いことが分かります。
生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金
生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金の概要は以下の通りです。
⑴目的
生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金制度の目的は、現在、生活扶助世帯のトイレが汲み取り式だった場合に、水洗便所に改造するために係る費用の一部を補助するということです。
⑵補助対象工事
生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金制度の補助対象工事は、汲み取り式から水洗便所に改造する工事で、便所の改造にあたり排水施設を設置する工事です。
⑶補助内容
生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金制度の補助内容は、便所の改造工事や排水設備の工事を実施したときにかかった費用の全額を補助してくれる内容となっています。
お問い合わせ
南アルプス市の下水道関係の補助金・助成金制度のお問い合わせ先は以下の通りです。
〇お問い合わせ先
〒400-0395 山梨県南アルプス市小笠原 376
南アルプス市役所 下水道課
電話番号:055-282-6409
FAX:055-284-4889
注意点や補足
申請後はまず測量などから入りますので、工事の着工までには約1年ほどかかります。
また、下水道への接続の工事は責任技術者の資格保持者が在籍している業者で、市が指定した業者以外は工事をしてはならないと定められています。
②東京都都市整備局の市町村下水道事業都費補助金
東京都都市整備局の市町村下水道事業都費補助金は、都内の市町村が下水道事業によって下水道を整備したときにかかる経費について補助を行います。
補助対象事業費としては、交付金等の交付基本額、補助対象となる事業費の全額、交付対象事業等の公共下水道処理場建設に充てた起債のうち、起債元金償還金があります。
主な補助率は、交付金等の国費率が2分の1及び3分の1の場合、補助対象事業費の100分の2.5を限度として補助されます。
補助対象事業
下水道補助金の補助対象事業は以下の通りです。
⑴公共下水道事業
・給水や排水を目的として作られる水路の設置、改修ならびにそのために必要な実施設計、その他委託費(測量設計費)、用地の取得等
・ポンプ場の設置及び改修に係る費用のうち、沈砂池などに必要な施設やポンプ室などの揚水に必要な施設の設置や用地の取得
・処理場施設の設置や改修に係る費用のうち、以下の施設の設置などに必要な用地の取得に対して補助金が交付されます。
①除塵機やスクリーン処理に必要な施設及び脱水機、焼却炉など
②沈砂池、沈砂除去装置、及びポンプ室等の施設並びに量水施設
③沈殿池その他沈殿処理に必要な施設
④曝気槽施設その他活性汚泥処理に必要な施設
⑤消毒槽、薬品注入施設その他消毒に必要な施設
⑥導入管渠、吐口その他導水及び放流に必要な施設
⑦下水処理に必要な電気施設及び冷却、加温、洗浄等のための給排水施設
⑧汚泥濃縮槽、汚泥ポンプ、汚泥管その他送排泥に必要な施設
⑨消化槽、加温施設、ガス貯留槽その他汚泥消化に必要な施設
⑩汚泥脱水機、汚泥乾燥機、汚泥焼却炉その他汚泥の処理に必要な施設
⑪防臭、防塵、暖冷房、換気等に必要な施設及び構内排水施設
⑫水質試験室、作業員控室、擁壁の施設
⑬実施設計、その他委託費(測量設計費等)
⑵都市下水路事業
給水・排水を目的とする水路の設置にあたっては、上幅1メートル以上の設置、地下に設けた水路にあっては内径又は内法0.7メートル以上の設置と定められています。
補助対象事業費及び補助率
⑴下水道補助金の補助対象事業費及び補助率は交付対象事業の場合は、交付金の基本額で、補助率は2分の1または3分の1の場合に予算の範囲内で、補助対象事業費の100分の2.5を限度として補助されます。
⑵市町村単独事業の場合は、補助対象となる事業費の全額で、補助率は補助対象事業費の100分の2.5を限度として補助されます。
〇補助対象事業費
・交付対象事業等の場合は、交付金等の交付基本額(国庫補助金の場合は補助基本額)
・市町村単独事業の場合は、補助対象となる事業費の全額
・交付対象事業等の公共下水道処理場建設に充てた起債のうち、起債元金償還金
〇補助率
交付対象事業等の場合
・交付金等の国費率(補助率)が2分の1及び3分の1の場合、補助対象事業費の100分の2.5を限度として補助します。
・交付金等の国費率(補助率)が10分の5.5の場合、補助対象事業費の100分の2.25を限度として補助されます。
市町村単独事業の場合、都は予算の範囲内で、補助対象事業費の100分の2.5を限度として補助されます。
交付申請
下水道補助金の交付申請にあたって、市町村が補助金の交付を受けようとするときは、補助金交付申請書に工事設計書を添付することが必要です。
また、その他に知事が必要とみなした書類などについても要求があれば、提出する必要があります。
内容の変更
市町村が下水道補助金の交付決定を受けた後に補助事業の内容を変更するときには、知事の承認を受けなければいけません。
ただし、その内容が軽微である場合は承認されなくても変更できます。
しかし、その後のトラブル回避のために、軽微な変更も念のため担当者に相談した方がいいでしょう。
財産処分の承認
補助金等交付財産の財産処分については、知事の承認が必要な場合とそうでない場合があります。
⑴知事の承認が必要な場合
補助事業者等が都の補助事業等により取得した財産を、補助金等の交付の目的に反して使用、譲渡、交換、貸し付け、又は担保に供しようとするときは、原則としてあらかじめ知事の承認が必要です。
⑵知事の承認が必要ない場合
地方公共団体が、下水道補助事業に係る資源がその地域において十分に足りている、との判断の下に行う施設又は設備についての財産処分であって、補助事業完了後10年以上の期間を経過したものです。
③郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金
郡山市上下水道局では、高齢者世帯が汲み取り式便所や浄化槽から下水道への接続工事を行う際に、一定の条件を満たした世帯に対して、係る経費の一部を補助します。
特徴としては、これまで紹介してきた下水道補助金が世帯の年齢制限がない、または、市町村に対しての補助でしたが、この補助金は65歳以上の方で構成される個人世帯が対象となっており、法人に関しては補助の対象外になることが挙げられます。
補助金の概要
郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金の概要は以下の通りです。
〇補助対象地域は、湖南地区特定環境保全公共下水道事業により供用開始となった区域が対象です。
〇補助対象者は、65歳以上の方だけで構成された世帯の方となります。また、市税の滞納などが無い方も補助対象者として認められます。
〇補助対象経費は、公共下水道に接続するときにかかる工事費や汲み取り便所の撤去にかかる費用です。
〇補助金額は、工事にかかる10分の2が補助され、限度額は20万円となります。
申込み方法
郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金のお問い合わせは以下の通りです。
申し込みにあたり、補助申請をするときは下水道工事を依頼する前に郡山市が指定する下水道工事事業者へ、補助制度を利用することを伝えてください。
また、下水道工事が始まってからの申請はできませんので注意が必要です。
お問い合わせ
郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金のお問い合わせは以下の通りです。
〇お問い合わせ先
郡山市 上下水道局お客様サービス課
〒963-8016
福島県郡山市豊田町1-4
電話番号:024-932-7666
Fax:024-939-5821
まとめ
ここまで、下水道の整備時に受けられる3つの補助金「南アルプス市の下水道関係の補助金・助成金制度」「東京都都市整備局の市町村下水道事業都費補助金」「郡山市特定環境保全公共下水道接続補助金」を紹介しました。
中でも、南アルプス市の生活扶助世帯に対する水洗便所設置費補助金は係る費用の全額を補助してくれるものなので、で水洗便所に変えたいと思ってる生活扶助世帯の方にとっては朗報ですのでおすすめします。
東京都の芝浦水再生センターでは、ろ過施設等で処理水の微細な汚れの除去をしたり、次亜塩素酸ナトリウムを注入して芝浦水再生センター内の機械設備の洗浄やトイレの洗浄水などに利用しています。
下水道には、私たちが使った水を集め、水再生センターに運び、きれいな水にして川や海に戻す役割があります。
下水道補助金を活用して私たちの暮らしを縁の下で支える下水道管の整備を一層進めて行くことがとても大切です。