
河川の環境を守ることのひとつとして、単独処理浄化槽の家やくみ取り式トイレの家を合併処理浄化槽に換えことがあげられます。
下水処理並の処理能力がある合併処理浄化槽に換えることで、水の汚れを8分の1に減らすことができるのです。
環境省は、河川をきれいにし二酸化炭素削減効果を高めるために「令和2年度二酸化炭素排出抑制事業補助金(省エネ型浄化槽システム導入推進事業)」設けました。
し尿や台所、お風呂、洗濯などで発生した排水を処理し川への影響を少なくする合併処理浄化槽を設置換えに対して支援を行っている補助金です。
この機会に、単独処理浄化槽やくみ取式トイレから合併式処理浄化槽へ設置変えを行い、川の水質汚濁防止の協力を検討してみてください。
先進的製品となる省エネ型浄化システムのメリット
集合住宅等や設置されている中・大型浄化槽の処理工程では様々な機械設備が必要となりますが、それらの省エネ化は遅れをとっています。
改正建築基準法が定める旧・新構造基準に基づき設置された60人槽以上の合併処理浄化槽、並びに平成12年度から販売が始まった初期型の性能評価型浄化槽を、現代最高水準の省エネ技術を用いた先進的製品へと交換することで、遅れを取り戻す大きな省エネ効果が期待されます。
また、単独浄化槽を合併処理浄化槽への換えることで、し尿や台所、お風呂、洗濯などの家庭で発生したすべての排水処理ができ、川への影響を8分の1にまで減せます。
さらに、地下浸透した場合には、地下水の浸透ますの詰まりも軽減できるという数多くのメリットが得られるのです。
◆大きな省エネ効果への期待
◆生活排水の河川への流失を最小限に抑える
◆単独浄化槽に比べて汚れが8分の1に削減できる
◆地下水の浸透ますの詰まりを軽減できる
省エネ型浄化システム導入推進事業の紹介
2020年度の省エネ型浄化システム導入推進事業は、環境省から「一般社団法人 全国浄化槽団体連合会」に依頼され公募が開始されました。
既設中・大型合併処理浄化槽の処理工程におけるエネルギー起源二酸化炭 素の排出抑制を図るために設けられており、地球環境保全及び生活環境の保全に資することを目的とした支援事業です。
対象事業者が、当該浄化槽や高効率な機械設備等を導入する際の経費の一部を補助しています。
交付対象となる事業
2020年度の省エネ型浄化システム導入推進事業の交付対象となる事業は、下記のTYPE1と TYPE2の2つの事業となります。
◆ TYPE1 : 51人槽以上の既設合併処理浄化槽について、エネルギー起源二酸化炭素の排出を抑制できる、各種機械設備を最新型機器(高効率ブロワ等)へと改修する、もしくはインバーター制御装置等を導入する事業。
◆TYPE 2 : 新・旧構造基準型または平成12年より販売された初期モデルの性能評価型の合併処理浄化槽(60人槽以上、ブロワを使用するものに限る)について、構造の刷新やコンパクト化、最新の省エネ技術導入によって高い省エネルギー効果が見込まれるような浄化槽本体の交換事業。
補助対象経費と補助率
省エネ型浄化システム導入推進事業の補助対象経費と補助率は、下記のTYPE1とTYPE2によって違ってきます。
◆TYPE1 : 補助対象事業費の2分の1
・交付額に消費税及び地方消費税相当額は含まれない
◆ TYPE2 : 「一般社団法人 全国浄化槽団体連合会」が定めた工事に要する経費の2分の1
・交付額に消費税及び地方消費税相当額は含まれない
「一般社団法人 全国浄化槽団体連合会」が定めた工事とは、以下に示す工事となります。
①材料[浄化槽本体、原水ポンプ槽]
②仮設工事
③掘削工事
④基礎工事
⑤据付工事
⑥埋戻工事
⑦上部スラブ工事
⑧配管設備工事[二次側のみ]
⑨電気工事費[二次側のみ]
なお、山留め工事や水替え工事、支柱工事費や擁壁工事費、既設浄化槽撤去工事費にかかる費用は補助対象外となりますので、お気を付けください。
申請者の要件
省エネ型浄化システム導入推進事業の申請者(交付決定後、補助事業)の要件は下記の通りになります。
◆民間企業(個人事業主を含む)
◆一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人
◆独立行政法人等(国立大学法人、公立大学法人を含む)
◆都道府県、市町村、特別区、地方公共団体の組合
◆住宅団地の管理組合等
◆学校法人、医療法人、社会福祉法人等
◆その他、環境大臣の承認を得て、全浄連が適当と認める者
以上のいずれかに該当し、必要書類を全て提出することができる浄化槽管理者(所有者)となります。
補助事業の要件
省エネ型浄化システム導入推進事業の今年度補助金は、大きく分けて2種類の事業を交付対象としています。
それぞれの要件は下記の通りとなります。
◆TYPE 1 : 51人槽以上の既設合併処理浄化槽に付帯する機械設備等の改修・導入事業
①補助事業の対象となる機械設備等の要件
原則として、下水道供用区域及び下水道法に基づき策定された予定処理区域以外の地域における農業集落排水施設・漁業集落排水施設を除いた、51人槽以上の既設合併処理浄化槽に設置された(あるいは設置する)電動の機械設備等
②補助事業の要件
上記要件を満たす機械設備の改修・導入によって事業の対象となった機器の合計年間消費電力量を事業前に比して5%以上削減できること。
◆TYPE 2 : 構造基準型または初期の性能評価型で60人槽以上の合併処理浄化槽に係る本体交換事業
① 補助事業の対象となる機械設備等の要件
原則として、下水道供用区域または下水道法に基づき策定された予定処理区域以外の地域における農業集落排水施設・漁業集落排水施設を除く、構造基準型または初期の性能評価型で60人槽以上の既設大型合併処理浄化槽で、ブロワを使用するもの
② 補助事業の要件
上記要件を満たす浄化槽本体を、省エネ型の最新式浄化槽に交換することによって、年間消費電力量を大幅に削減できること。
補助事業者の公募期間
省エネ型浄化システム導入推進事業の公募期間は、下記の通りとなります。
補助事業者公募の期間
TYPE1 : 2020年4月16日 ~ 11月30日
TYPE2 : 2020年4月16日 ~ 10月30日
問合せ先・提出先
省エネ型浄化システム導入推進事業の問合せ先と提出先は下記の通りとなります。
◆問合せ先
お問い合わせの内容を正確に把握する為、原則としてE-mailをご利用ください。
一般社団法人 全国浄化槽団体連合会
TEL: 03-3267-9757 FAX: 03-3267-9789
E-mail: info@zenjohren.or.jp
◆提出先
〒162-0844 東京都新宿区市谷八幡町13番地 東京洋服会館7階
一般社団法人 全国浄化槽団体連合会 宛
君津市:令和2年度合併処理浄化槽補助金制度
君津市では、新築家屋やくみ取り便槽の家屋に合併処理浄化槽を設置する場合、または一般住宅等で単処理浄化槽を合併処理浄化槽に改善する場合には、設置者に対して補助金が交付される「令和2年度合併処理浄化槽補助金制度」が設けられています。
補助対象地域
合併処理浄化槽補助金制度の補助対象となる地域は下記の通りとなります。
◆下水道法(昭和33年法律第79号)第4条第1項に策定された事業計画に定められた予定処理区域
◆ 都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定により定められた区域内の工業専用区域
◆ コミニティ・プラント処理区域
◆ 農業集落排水事業計画区域
交付条件
合併処理浄化槽補助金制度の交付条件は、下記の通りとなります。
◆君津地域振興事務所に設置の届出をして審査期間(10日間)を経過した者、又は建築確認申請をして審査を済ませた者。
◆住宅を借りている者は、賃貸人の承諾を得ていること。
◆工事着工前に申請すること。
◆市で定める申請に必要な添付書類をそろえること。
補助限度額
合併処理浄化槽補助金制度の補助限度額は下記の表の通りとなります。
(合併処理浄化槽補助金一覧表)
設置区分 | 合併処理浄化槽の種類 | 人槽 | 補助限度額 |
新規に設置する場合(建替えを含む) | 合併処理浄化槽2 | 5人槽から50人槽 | 444,000円 |
くみ取便槽又は単独浄化槽から転換する場合 | 合併処理浄化槽1 | 5人槽 | 384,000円 |
6人槽から7人槽 | 441,000円 | ||
8人槽から50人槽 | 549,000円 | ||
合併処理浄化槽2 | 5人槽 | 444,000円 | |
6人槽から7人槽 | 486,000円 | ||
8人槽から50人槽 | 576,000円 |
◆くみ取り便槽を合併処理浄化槽に転換するときは、上の表の補助金の額に撤去費60,000円、配管費100,000円を限度として加算します。
◆単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に転換するときは、上の表の補助金の額に撤去費90,000円、配管費150,000円を限度として加算します。
◆合併処理浄化槽1 とは、放流水総窒素濃度20mg/リットル 以下の浄化槽のことをいい、合併処理浄化槽2 とは、放流水Bod10mg/リットル 以下で、総燐濃度1mg/リットル 以下または総窒素濃度10mg/リットル 以下又の浄化槽のことを言います。
厚木市:令和2年度 合併処理浄化槽設置事業補助金
厚木市では市街化調整区域の下水道整備区域を除いた区域に在住で、単独処理浄化槽又はくみ取式便所から合併処理浄化槽への設置換えをするご家庭を対象に支援を行っています。
補助金制度をご利用になる方は、工事着手前に申請が必要となりますのでお気を付けください。
補助対象者
合併処理浄化槽設置事業補助金の補助対象となる方は、厚木市に住民登録がある方で、下記の①または②、および③から⑧の全てに該当する方となります。
①『建築物又は建築物の部分の用途の区分』に定める居住の用に供する建築物で、既存単独浄化槽又は汲み取り式便槽から処理対象人員10人以下の合併処理浄化槽へ設置替えをする方。(浄化槽法第5条第1項の規定による浄化槽の設置届出の受理書の交付を受けた方)
②『建築物又は建築物の部分の用途の区分』に定める居住の用に供する建築物で、建替えに伴い、既存単独浄化槽又は汲み取り式便槽から処理対象人員10人以下の合併処理浄化槽を新たに設置する方。(建築基準法第6条第1項に基づく確認を受けた方。なお、建築販売目的で建築する方は対象となりません。)
『建築物又は建築物の部分の用途の区分』
・一戸建ての住宅
・長屋
・共同住宅
・寄宿舎
・下宿
・延べ床面積の2分の1以上を住宅とし、事務所、店舗、その他これらに類する用途を兼ねるもの
③合併処理浄化槽を適正に維持管理できる方。 (浄化槽法で定められた(1)法定検査、(2)保守点検、(3)清掃を確実に行うことができる方。)
④浄化槽法第21条に基づく神奈川県知事の登録を受けている者又は同法第33条に基づく神奈川県知事への届出を行っている者に工事を行わせる方。
⑤同一年度内に補助金交付申請及び市が実施する完成検査を受検することができる方。
⑥市税の滞納のない方
⑦厚木市暴力団排除条例に定められた暴力団員等でない方
⑧設置した合併処理浄化槽を10年以上使用することができる方
補助限度額
合併処理浄化槽設置事業補助金の補助限度額は、下記の表の通りとなります。
また、補助対象となる人槽は、日本産業規格「建築物の用途別によるし尿浄化槽の処理対象人員算定基準(JIS A3302-2000)に基づき算定した処理対象人員(ただし書きによる人員の増減あり)の数となります。
(補助限度一覧表)
区分 | 合併処理浄化槽の規模 | 補助限度額 | 補助限度額 |
本体設置費 | 付帯工事費 | ||
【設置替】 浄化槽法第5条第1項に基づく設置届を要する場合 (単独処理浄化槽からの転換のうち既存単独浄化槽を撤去する場合) |
5人槽 | 581,000円 | 430,000円 |
7人槽 | 724,000円 | 480,000円 | |
10人槽 | 959,000円 | 530,000円 | |
【設置替】 浄化槽法第5条第1項に基づく設置届を要する場合 (単独処理浄化槽からの転換のうち既存単独浄化槽を撤去しない場合) |
5人槽 | 581,000円 | 400,000円 |
7人槽 | 724,000円 | 450,000円 | |
10人槽 | 959,000円 | 500,000円 | |
【設置替】 浄化槽法第5条第1項に基づく設置届を要する場合 (くみ取式便槽からの転換の場合) |
5人槽 | 581,000円 | 300,000円 |
7人槽 | 724,000円 | 350,000円 | |
10人槽 | 959,000円 | 400,000円 | |
【建替】 建築基準法第6条第1項に基づく確認を要する場合 |
5人槽 | 222,000円 | 補助金なし |
7人槽 | 276,000円 | 補助金なし | |
10人槽 | 366,000円 | 補助金なし |
◆本体設置費:浄化槽本体費およぎ本体設置にかかる工事費
◆付帯工事費
・宅内配管工事費(浄化槽への流入管(便所、台所、洗面所、風呂等からの排水)、ますの設置及び住居の敷地に隣接する側溝までの放流管の設置に係る工事費
・既存単独処理浄化槽の撤去にかかる工事費
まとめ
令和2年度の公募が開始された省エネ型浄化槽システム導入推進事業の紹介と共に、君津市と厚木市が行っている令和2年度の合併処理浄化槽設置事業補助金について、詳しく解説してきました。
下水道並みの処理能力がある合併処理浄化槽は、単独処理浄化槽に比べると水の汚れを8分の1も軽減することができます。
し尿はもちろんですが、台所やお風呂、洗濯などの家庭で生じるすべての排水を処理してくれる合併処理浄化槽に転換に協力し、河川の環境を守ってみてはいかがでしょうか。
合併処理浄化槽に転換する際には、令和2年度から補助金の公募が開始されていますので、これらの支援をぜひ活用してみてください。