
福岡市、北九州市につぐ、第3の都市となっている福岡県久留米市。
九州の交通を結ぶ重要拠点の役割とともに、ブリヂストンやムースター、アサヒシューズなどの企業城下町として発展してきました。
また、筑後川と耳納連山を保有している自然にも恵まれた住みやすい地域です。
そのような福岡県久留米市では、市内の事業を営む方をサポートするために様々な助成事業が実施されています。
返済のする必要のない助成金や補助金は、生活のゆとりや事業の運営を支援してくれる貴重な存在となってくれるでしょう。
こちらの記事では、2020年の福岡県久留米市で活用できる助成金や補助金をわかりやすく一覧としてまとめてありますので、見逃してしまわないようにチェックしてみてください。
地域商業空き店舗対策事業
地域商業空き店舗対策事業は、空き店舗を活用した新規事業者に対して、商工会議所・商工会が行う改装費等補助事業への支援を行っている助成事業です。
平成26年7月より生活必需品を主に取り扱う新規事業者への支援を始め、平成31年度からは、補助金対象区域内で事業承継を行う場合には、事業承継を行う上で必要な改装費等に対しても支援を開始しました。
補助対象条件
地域商業空き店舗対策事業の補助対象となる条件は下記の通りとなります。
・卸売・小売業、生活関連サービス業、飲食サービス業で社会的または政策的見地からふさわしい業種を営もうとすること。
・その場所で長期的に営業しようとすること。
・商店街(会)活動を理解するとともに積極的に取り組もうとすること。
補助対象者
地域商業空き店舗対策事業の補助対象となるものは下記の通りとなります。
◆対象区域内にある空き店舗に新たに入居しようとする者。対象区域からの移転や増床は対象となりません。
◆補助対象区域の店舗で営業を行っている事業者からの事業承継により自ら事業を行おうとする者で、次の①から②までの要件を全て満たすもの
①福岡県事業承継支援ネットワークの事業承継診断を受けていること。
②①の事業承継診断の結果をもとに福岡県事業承継支援ネットワークの指導を得て作成した事業承継計画に基づき実施される店舗の改装等であること。
なお、補助金の申請時に事業承継計画を提出となります。
補助対象経費
地域商業空き店舗対策事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・店舗の改装費、及び当該店舗で使用する備品の購入費
ただし、申請前に行った改装・購入した備品については対象外となり、用地取得費や造成費及び建築手続き費その他これらに類する費用も除かれます。
補助金の額
地域商業空き店舗対策事業の補助金額は下記の通りとなります。
・補助率 補助対象経費の1/2(千円未満切捨て)
・補助限度額 限度額50万円
なお、買い物支援対策に寄与する生活必需品を主に取り扱う小売業者については、補助限度額を100万円となります。
ワークライフバランス推進助成金
ワークライフバランス推進助成金は、労働者のワーク・ライフ・バランスに向けた環境整備に取り組む企業に対して支援を行ってる助成事業です。
補助対象となる事業を行う場合に、必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象事業
ワークライフバランス推進助成金の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆代替要員確保助成
・育児・介護休業取得後の復帰を促進するための代替要員配置
◆環境整備助成
・ワーク・ライフ・バランスや多様な働き方を実現するための取り組み
補助対象者
ワークライフバランス推進助成金の補助対象となるそれぞれの要件は下記の通りとなります。
【代替要員確保助成】
◆対象事業主に関する要件
・常時雇用する労働者の数が1人以上49人以下であること
・労働者災害補償保険及び雇用保険の適用対象であること
・市内に事業所があること
・(育児休業取得の場合)福岡県子育て応援宣言企業であることまたは事業実施の報告までに宣言登録を行うこと
・( 介護休業取得の場合)福岡県介護応援宣言企業であることまたは事業実施の報告までに宣言登録を行うこと
・市税の滞納がないこと。
・申請する対象経費について、国、地方公共団体、特定独立行政法人、その他営利を目的としない法人の助成金等の交付を受けていないまたはは受けようとしていないこと
・国等から運営に係る助成金等の交付を受けている公共性または公益性のある団体でないこと
・暴力団もしくはその統制下の団体でないこと。
・当該申請年度において、同一の事業所で本助成金(代替要員確保助成)の受給をしていないこと
◆育児・介護休業者に関する要件
・市内の事業所に勤務している
・育児・介護休業終了後には、原職等に復帰する
・雇用保険に加入している
◆代替要員に関する要件
・新たに雇い入れまたは新たに派遣により確保する者である
・育児休業取得者または介護休業取得者と同じ事業所に勤務している
・雇用保険に加入している
【環境整備助成】
◆対象事業主に関する要件
・久留米市内に事業所のある中小企業等の事業主であること
・労働者災害補償保険及び雇用保険の適用対象であること
・福岡県子育て応援宣言企業及び福岡県介護応援宣言企業であることまたは助成金申請時までに宣言登録を行うこと
・市税の滞納がないこと
・申請する対象経費について、国等の助成金等の交付を受けていない又は受けようとしていないこと
・国等から運営に係る助成金等の交付を受けている公共性又は公益性のある団体でないこと
・暴力団もしくはその統制下の団体でないこと
・当該申請年度において、同一の事業所で本助成金(環境整備助成)の受給をしていないこと
補助対象経費
ワークライフバランス推進助成金の補助対象となるそれぞれの経費は、下記の通りとなります。
◆代替要員確保助成
・育児・介護休業期間中の代替要員賃金等の経費
◆環境整備助成
・事業の取り組みに必要となる費用
補助金の額
ワークライフバランス推進助成金の補助金額は下記の通りとなります。
◆代替要員確保助成
・補助上限額 30万円
・助成率 2分の1
◆環境整備助成
取り組みの事例と助成する金額は下記の表の通りとなっておりますので、ご参考にしてください。
取組事例と助成する金額
取り組み事例 | 助成する金額 | |
1 | 労働者の多様な事情や生活態様に対応した先進的な休暇・休業制度等の導入 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限20万円) |
2 | 職場における働き方の見直しのための研修 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限20万円) |
3 | 働き方の見直しを図るためのコンサルティングの外注 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限20万円) |
4 | 育児・介護・病気の治療と仕事の両立やメンタルヘルス等に関する相談員の配置 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限20万円) |
5 | 仕事と生活をより両立しやすい環境へと整備するためのフレックスタイム制の導入 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限20万円) |
6 | 仕事と生活をより両立しやすい環境へと整備するための在宅勤務の導入 | 取り組みにかかる費用の3分の2(上限30万円) |
雇用調整助成金の特例
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して労働者の雇用の維持を図ったときに、休業手当、賃金等の一部を補助する助成事業です。
雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて雇用調整助成金の特例を実施することになりました。
補助対象事業
雇用調整助成金の特例措置の内容は、休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用となります。
① 休業等計画届の事後提出を可能とします。
・通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年3月31日までに提出すれば休業等の前に提出されたものとします。
② 生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。
・最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。
③ 最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。
・通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。
④ 事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
・令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認します。
補助対象者
雇用調整助成金の特例の補助対象者となる事業主は、日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主が対象となります。
◆「影響を受ける」事業主の例
・ 中国人観光客の宿泊が無くなった旅館・ホテル
・ 中国からのツアーがキャンセルとなった観光バス会社等
・中国向けツアーの取扱いができなくなった旅行会社
補助金の額
雇用調整助成金の特例の補助金額は下記の通りとなります。
◆休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)
なお、 対象労働者1人1日当たり 8,335円が上限です。(令和元年8月1日現在)
・大企業 2分の1
・中小企業 3分の2
・教育訓練を実施したときの加算(額) 1人1日当たり1,200円
・支給限度日数 1年間で100日 (3年間で150日)
久留米市雇用奨励金
久留米市雇用奨励金は、特定求職者雇用開発助成金の支給終了後の高年齢者、障害者、母子家庭の母等・父子家庭の父(児童扶養手当を受けている者に限る)が利用できる助成事業です。
高年齢者、障害者、母子家庭の母等・父子家庭の父(児童扶養手当を受けている者に限る)を引き続き雇用する事業主に対して、賃金の一部を補助しています。
補助対象事業
久留米市雇用奨励金の補助対象となる事業主は、国の助成金の対象労働者のうち、下記に該当する人を久留米市内の事業所に雇用しているものとなります。
・高年齢者(雇い入れ時点で65歳以上)
・母子家庭の母等・父子家庭の父(父子家庭の父は児童扶養手当を受けている者に限る)
・身体障害者・知的障害者・精神障害者
補助対象者
久留米市雇用奨励金の補助対象となるものは、下記の条件をすべて満たす必要があります。
・対象労働者を久留米市内の事業所で雇い入れていること(雇い入れ時点)
・対象労働者が久留米市民であること(雇い入れ時点)
・対象労働者を労働者災害補償保険および雇用保険に加入させていること
・対象労働者を健康保険および厚生年金保険又はこれと同等の制度に加入させていること
(ただし、任意適用事業所、対象労働者が健康保険および厚生年金保険の加入資格を有しない事業主を除く)
・対象労働者を国の助成金の支給対象期間(最終期)に引き続き、6ヵ月以上雇用していること
補助対象経費
久留米市雇用奨励金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・支給対象期間に支払った賃金
補助金の額
久留米市雇用奨励金の補助金額は、下記の表の通りとなります。
対象労働者 | 支給額 | 支給限度額(注意1) |
重度障害者(身体・知的)
45歳以上の障害者(身体・知的) |
支給対象期間に支払った
賃金総額の 1/3の額 |
30,000円×月数
(最高:18万円) |
45歳未満の知的障害者
精神障害者 |
支給対象期間に支払った
賃金総額の 1/3の額 |
25,000円×月数
(最高:15万円) |
上記以外の人
高年齢者(雇い入れ時点で65歳以上) 45歳未満の身体障害者 母子家庭の母等 父子家庭の父(児童扶養手当を受けている者に限る) |
支給対象期間に支払った
賃金総額の 1/4の額 |
20,000円×月数
(最高:12万円) |
支給額等に変更が生じる場合がございますので、ご了承ください。
注意1 支給対象期間の月数により支給限度額は、異なります。
移住支援補助金および通勤定期利用補助金
移住支援補助金および通勤定期利用補助金は、市内に住宅を新築又は購入(中古住宅を含む。)し、市外から久留米市に移住した方が利用できる補助金です。
直近の過去1年以上、他の市町村に住んでおり、3年以上居住する意思を持って転入することを移住とし、移住した方に補助金を交付しています。
補助対象条件
移住支援補助金および通勤定期利用補助金の補助対象となる条件は下記の通りとなります。
・久留米市内に自己が所有するための住宅を取得(中古住宅を含む。)し、市外から移住された方
・直近の過去1年以上、他の市町村に住んでおり、3年以上居住する意思を持って移住した方
・自治会の趣旨を理解し、地域コミュニティ活動に参加し、及び協力する意思がある方
・本市の市税及び料金等の滞納がない方
・暴力団員でない方、暴力団員及び暴力団との親密な関係がない方
・本市の「空き家活用リフォーム助成事業」への申請をしていない方
補助対象者
移住支援補助金および通勤定期利用補助金の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・平成27年7月1日以降に久留米市内に自己が居住するための住宅を取得(中古住宅を含む購入または新築)し、市外からその住宅の所在地に移住された方(1世帯で1申請)で、基準日が令和元年10月1日以降の方
補助金の額
移住支援補助金および通勤定期利用補助金の補助金額は下記の通りとなります。
◆基本額
・市内に自己が所有するための住宅を取得し、市外から移住された方 5万円
◆加算額
・対象となる加算項目に応じて加算します。
・久留米広域連携中枢都市圏連携協約を締結している下記の市町から移住された方は基本額のみとなります。(大川市、小郡市、うきは市、大刀洗町、大木町)
・中学生以下の子どもと同居しているまたは、出産予定がある世帯[注意1] 20万円
・三大都市圏及び福岡都市圏[注意2]からの移住世帯 5万円
・三世代市内近居(同居含む)世帯[注意3] 5万円
・市内就労者[注意4] 5万円
・加算対象世帯は基本額と合わせ、最大 30万円 の補助金を交付します。
[注意1] 基準日時点で、中学生以下の子どもと同居していることが条件です。また、出産予定の場合は母子健康手帳を受領している方。
[注意2] 三大都市圏及び福岡都市圏について
三大都市圏:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、京都府、奈良県、兵庫県の各市町村
福岡都市圏:福岡市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市、古賀市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町、宗像市、福津市、糸島市
[注意3]三世代について
三世代(親・子・孫)の成立日は転入日時点です。
三世代の子、孫の年齢は問いません(中学生以下でなくても可)。
[注意4]市内就労について
久留米市内の企業などに、常用雇用で週30時間以上就業している、または個人開業している移住者がいる世帯
まとめ
2020年の福岡県久留米市で活用できる5つの助成金や補助金となる「地域商業空き店舗対策事業」「ワークライフバランス推進助成金」「雇用調整助成金の特例」「久留米市雇用奨励金」「移住支援補助金および通勤定期利用補助金」を一覧として解説してきました。
福岡県久留米市では、市民や中小企業に向けて地域商業空き店舗対策、ワークバランス推進、雇用調整助成金の特例、雇用奨励金などを設けて支援を行っています。
返済の必要がない助成金や補助金は、事業にとって力強いサポートとなりますので、見逃さないように積極的に活用してください。
また、久留米市に移住を検討している方に対しても支援補助金が交付されますので、忘れることのないように申請しましょう。