夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

ペアローンで住宅ローン資金調達するメリットとデメリット3つ解説

ローン

夫婦がマイホームを購入して住宅ローンを借りる時、いくらまで借りられるか?も気になるところです。
借りられる金額は、年収と返済負担率で判断し、主に年収によって借入れできる金額が変わります。
夫婦2人の年収で住宅ローンを借りる方法は以下の3つです。

①ペアローン
②連帯保証
③連帯債務

そこで、当記事ではペアローンの特徴やメリットとデメリットをにあわせて、5つの注意点について解説します。

夫婦で家の購入を購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ペアローンの特徴

夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

住宅ローンには様々な種類があり、それぞれ向き不向きがあります。
ペアローンとは、共働き夫婦でどちらも安定した収入がある場合、2人の収入を合わせた金額をもとに住宅ローンを組むことができる種類の一つです。
ペアローンの特徴は、夫婦それぞれ別々の住宅ローンを組みます。
つまり、同じ1軒の家を建てるために2つの住宅ローンを組むということです。
住宅ローンが別々になるため、夫婦が各自それぞれの住宅ローンに債務を負うことになります。
また、お互いが相手の住宅ローンの連帯保証人になるということも特徴です。

ペアローンのメリット3つ

夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

ペアローンを組むと以下のようなメリットがあり、夫婦2人ともお得です。

①借入れできる金額が増える
②住宅ローン控除が夫婦で受けられる
③売却で特別控除3,000万円を控除できる

それでは、それぞれのメリットについて一つ一つ解説していきましょう。

①借入れできる金額が増える

ペアローンの最大のメリットは夫婦それぞれで住宅ローンを組めるので、借入れできる金額が増える点が最大のメリットです。
収入面の問題で、高額なローンを1人で融資を受けられない場合などに有効になってくるでしょう。

②住宅ローン控除が夫婦で受けられる

住宅ローン控除を契約者全員、つまり夫婦それぞれで受けることができるのも大きなメリットです。
住宅ローン減税は、毎年12月末の住宅ローン残高の1%が控除されますが、最大40万円までというルールがあります。
要するに、4,000万円以上の残高は全て控除額が同じになってしまうのです。
ペアローンを利用すれば、夫婦それぞれ4,000万円の借入れをした際、お互いに最大40万円の控除があるので、最大80万円の控除を受けることができます。

③売却で特別控除3,000万円を控除できる

特別控除3,000万円というものがありますが、初めて聞く人もいるのではないでしょうか?これは、将来売却する時、物件を売った際に得ることができる利益について3,000万円までは税金がかからないというものです。
ペアローンでは物件を共有名義にする必要があり、将来売却した時に特別控除3,000万円を夫婦2人から控除することができます。
つまり、夫婦両方から控除できるため、合計で最大6,000万円控除できます。

ペアローンのデメリット3つ

夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

ペアローンを利用すると、多くのメリットがありますが、逆に以下のようなデメリットがあります。

①事務手数料が2倍
②団体信用生命保険で片方しか適用されない
③返済リスクが大きくなる

ペアローンを利用する際には、デメリットもしっかりと把握してから、利用を検討するようにしましょう。

それでは、それぞれのデメリットについて見ていきます。

①事務手数料が2倍になる

ペアローンは夫婦それぞれで契約することになるため、住宅ローンの事務手数料・登記手数料が2人分かかってしまいます。
そのため、一人でローンを組む際と比べると2倍の手数料がかかってしまうのです。

②団体信用生命保険で片方しか適用されない

ペアローンを組んだ後、万が一名義人のどちらかが亡くなった場合、団体信用生命保険によって亡くなった方の住宅ローンは完済されます。
しかし、団体信用生命保険は片方でしか適用されないため、残った方の住宅ローンは今まで通りに返済し続けていくことになります。
1人で住宅ローンを組んだ場合は全て完済されます。
ペアローンを組む際は将来的なリスクも覚えておきましょう。

③返済リスクが大きくなる

借入れできる金額が増えるのがメリットですが、もちろんたくさん借りれば返済リスクも大きくなることも忘れないようにしましょう。
将来、メリットがデメリットに変わってしまわないように、きちんと相談しながら返済計画を立てていきましょう。

・妻は今は働いているけれど、将来妊娠・出産で退職するか?働き続けるか?
・ずっと同じ収入を継続できるか?
・子どもの教育費など大きな出費になる時にどうなるか?
・老後の資金は貯金できるか?

など10年以上先のことも相談していくことが重要です。

ペアローンを使う5つの注意点

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控除額が多いのがメリットですが、借入れ金額を増やすということは、返済する負担がその分大きくなることが落とし穴です。
そんな落とし穴にはまらないために、以下の5つの注意点を見ていきましょう。

①複数契約によるトータルコスト
②共有名義の持分比率
③返済の持続性
④死別の場合
⑤離婚の場合

①複数契約によるトータルコスト

住宅ローンを選ぶ基準は、トータルコストが大切です。
金利は低いけれど諸費用が高い住宅ローンは少なくないため、諸費用は必ず確認しましょう。
金利が安いからと言って決定するのはまだ早いです。
マイホーム購入・住宅ローン契約に伴う諸費用は、契約が2つ・登記が2つになったりすると事務手数料・登記手数料が2人分に増額します。
一方、保証料・手数料の中には、「借入額×何%」というところもあります。
借入額が基準ならば、4,000万円×1つの住宅ローンも2,000万円×2つの住宅ローンも必要なコストは同じです。
保証料・手数料の中には、借入額の他に金利水準を加えるところもあります。
ペアローンの場合とそうでない場合など、複数のパターンで予め計算しておき、トータルコストが少ない方を選びましょう。

②共有名義の持分比率

例えば、夫が頭金を支払い、住宅ローンも夫名義で借入れるプランがあります。
この場合、住宅の所有権は夫のものになりますよね。
しかし、もしも妻が「半分は私のものにしたい」言った場合、ペアローンでは可能です。
50%ずつの共有名義にすればOKです。
ですが、頭金も住宅ローンも負担をしない妻が所有権を持つとなると、税法上では「夫から妻への贈与」と半出されて贈与税が発生してしまいます。

贈与税を回避するには、

・相応分の頭金を拠出するか
・住宅ローンを負担するか

どちらかを選べば良いです。

例えば、4,000万円のマンションを頭金1,000万円で、住宅ローン借入3,000万円で購入するとします。
1,000万円の頭金は夫が支払います。
3,000万円の住宅ローンは、夫が2,000万円で妻が1,000万円とペアローンで借入れました。
この場合、贈与にならない共有名義の持分比率は、

・夫4分の3
・妻4分の1

となります。

妻は、住宅に対して住宅ローン負担に相応する4分の1の所有権を持つことになり、その分の住宅ローン控除も受けることができます。
もしも、離婚になった場合は共有資産の住宅を夫は勝手に売却することはできません。
妻も自由に住宅を処分することはできません。

③返済の持続性

住宅ローンは「借りられるか」「返せるか」「返済継続ができるか」が大切です。
ペアローンは、共働きの夫婦で借りるからこそ多額の住宅ローンを借りられますが、20年後・30年後の完済期間まで夫婦共働きができることが前提です。
そのため、キャリアプランとライフプランが重要です。

子どもが産まれたら仕事を辞める、数年後に起業する予定なので準備中などで共働きの世帯年収を根拠にたくさん借入れることは非常に危険です。
夫婦のどちらかが収入が減ったりゼロになったりすれば、破綻してしまう可能性があります。
ライフスタイル・働き方・子どものことなど、夫婦で購入前に話し合っておくことをおすすめします。

④死別した場合

万が一、住宅ローンの契約者が死亡した場合に保険金によって住宅ローンの残高を全て支払うことができます。
夫あるいは妻が単独で契約した住宅ローンは契約者の死亡によって消滅し、住宅は残ります。
片方が亡くなればその人の住宅ローンがなくなり、もう片方は自分の住宅ローンを返済し続けていくことになります。
契約者の死亡により全額が償還される単独住宅ローンとの違いを注意してください。
ペアローンを提供するのは民間金融機関ですが、殆どの住宅ローンでは団体信用生命保険を加入する必要があります。
ただし、病気持ちなどが原因で団体信用生命保険に加入できなければ、住宅ローンもペアローンも契約できません。
その場合は、単独ローンにするか、フラット35など団体信用生命保険加入を条件にしていない住宅ローンを利用するのがおすすめです。

⑤離婚する場合

契約した夫婦が離婚した場合、共有資産の住宅は財産分与の対象ですが、売却するか?そのまま誰かが所有して住むか?今後の返済はどうするか?などを考えなければなりません。
死亡した場合と同じく、想定外の出来事になりますが、念のために離婚した後のことも考えておきましょう。

家を売却する

夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

夫婦が同意した上で住宅を売却する場合、売却したお金で住宅ローンを全て返済できるかがポイントです。
ローンを全て返せて、それでも売却したお金が余ったら2人で分ければ良いと思います。
完済できなければ手元のお金で支払うか、住宅ローン返済を支払い続けていきましょう。

所有を続ける

・誰が所有する?
・誰が住む?
・誰が住宅ローンを返済する?

この3つが考えるべきポイントです。
子どもの教育環境を維持したい場合は、どちらかが所有して賃貸するなど、所有者の自由です。
離婚は新しい人生への道でもあります。
現在持っている家にこだわり過ぎず、2人とって何が最も良い家の利用方法かを冷静に考えましょう。

まとめ

夫婦 住宅ローン ペアローン メリット デメリット

以上、当記事ではペアローンの特徴やメリットとデメリットについて解説しました。
ペアローンは、融資金額を増やすためにも活用できるローンです。
しかし、今回紹介した以下のようなメリットやデメリットをしっかりと理解してから利用を検討しなければなりません。

①借入れ金額を増やせるが、その分返済リスクが大きくなる
②住宅ローン控除・特別控除3,000万円を受けられる
③事務手数料が2倍になるのがデメリット
④団体信用生命保険で住宅ローンが完済されるが、亡くなった方でしか適用されない

デメリットや注意点もしっかりと抑えて、十分な返済計画を立てて利用を検討してください。

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