フラット35 バリアフリー

バリアフリーに特化したフラット35Sの技術基準を2つ解説

ローン

フラット35には、フラット35Sというバリアフリーに特化したプランがあるのをご存じでしょうか。

体の不自由な方や小さなお子さまのいる住宅を、バリアフリー設備の整った家に建設したりリフォームする方も多いですよね。
そんな時に、バリアフリーに特化した住宅ローンがあれば便利ではないでしょうか。

ご家庭の技術基準次第で、フラット35Sという商品を選択することができます。
ですがどれでも良いというわけではなく、長期固定金利型住宅ローンでも基準にあった商品を選ばないと損をしてしまうことになります。

中でもフラット35は、様々なローンの種類がありますので、ご家庭の基準にあった損をしないローンの組み方ができるでしょう。

では、バリアフリーに特化したフラット35Sの、金利プランについての審査基準を2つ詳しく解説します。

バリアフリーに特化した「フラット35S」

フラット35 バリアフリー

バリアフリーに特化した金利プランと冒頭でお話ししていますが、まずはフラット35の技術基準に満たさなければなりません。

住宅金融支援機構が、独自に定めた技術基準は通常の民間の住宅ローンの技術基準よりも厳しいものとなります。
ですが、その技術基準を満たせば、メリットの多い住宅ローンを組むことができます。

フラット35Sはフラット35の基準にプラスして、特定の技術基準を満たした家にのみ適用される金利プランとなっています。

フラット35Sのプランにすれば、フラット35からさらに一定期間0.25%も金利が引き下げられます。

フラット35Sの金利プランにも、2種類あって「金利プランA」と「金利プランB」に分かれています。
この2つは、それぞれ基準が異なりどちらか片方の加入となります。

2つのプランの違いは、融資金利は0.25%の引き下げで変わりませんが、プランAは当初から10年間金利が引き下げられプランBは当初から5年間の金利引き下げが適用されます。

審査の対象となる住宅

フラット35 バリアフリー

それでは、さっそくフラット35Sの技術基準を順番に見ていきましょう。
さきほど述べたように、審査の対象となる住宅はプランAとプランBで異なります。

どちらのプランも特定の技術基準が4項目ありますが、そのどれかに満たしていれば新規で借入ができますので、どれにあてはまるか確認しておきましょう。

金利プランA

金利プランAでは、特定の技術基準が4つあり1つ目は省エネルギー性です。
省エネルギー性では、認定低炭素住宅・住宅事業建築主基準・一次エネルギー消費量等級5の住宅・性能向上計画認定住宅が基準に満たす必要があります。

2つ目は、耐震性です。耐震等級3の住宅であることが基準です。

3つ目は、今回の記事のメインでもあるバリアフリー性です。高齢者等配慮対策等級4以上の住宅であることが必須となります。
ですが、このバリアフリー性は共同住宅の部分は、等級3以上でも良いとされています。

4つ目は、耐震性と可変性です。こちらは、長期優良住宅である必要があります。

以上の4つの技術基準を、どれか一つでも満たしていればフラット35Sの金利プランでローンを組むことができます。

金利プランB

次は、金利プランBの技術基準です。項目は同じですが、内容が少し変わります。

省エネルギー性では、断熱等性能等級4の住宅か一次エネルギー消費量等級4以上の住宅のどちらかが満たしていれば良いです。

耐震性の技術基準は、耐震等級(構造躯体の倒壊防止)2以上の住宅です。

バリアフリー性では、金利プランAよりも等級が低く設定されており、高齢者等配慮対策等級3以上の住宅となっています。

耐久性と可変性では劣化対策等級3の住宅で、なおかつ維持管理対策等級2以上の住宅が技術基準です。
金利プランBの耐久性と可変性の技術基準は、共同住宅のみ一定の更新対策が必須となります。
一定の更新対策とは、躯体天井高を2.5m以上確保することと、間取りを変更する際の壁や柱がないことです。

バリアフリー性の詳しい基準

フラット35 バリアフリー

先ほど、金利プランAと金利プランBのバリアフリー性についての技術基準を解説しました。
ですが、等級4や等級3以上という説明だけでは分かりにくいでしょう。そこで、もう少し詳しく基準をご紹介します。

一般の住宅には、お年寄りや体の不自由な方にとって不便な段差などがあります。
ですので、まず階段には手すりを設置しこう配と形は安全なものであることが必要です。

次に、通常の通路では介助用の車いすが通れないので、最低でも78cm以上の幅がある住宅となります。

また、部屋の敷居ごとに数ミリ程度の段差がある住宅も多いのですが、こちらも転倒して怪我をしないように平面であることが条件です。

他にも、浴室や脱衣所に手すりがついていることや、出入り口も介助用の車いすが通れるほどの幅(75cm以上)が確保されていることなどがフラット35Sの技術基準となっています。

フラット35Sは中古住宅にも適用できる

フラット35Sの借入は、新築住宅だけでなく中古住宅にも適用されるのをご存じでしたか?

中古住宅の場合の技術基準は、新築住宅と同じではなく中古住宅専用の基準が設定されています。

項目は4つですが、省エネルギー性(開口部断熱)・省エネルギー性(外壁等断熱)・バリアフリー性(手すり設置)・バリアフリー性(段差解消)の二種類ずつに分かれています。
基準については、どれか一つに満たしいていればフラット35Sで借入ができます。

まずは、省エネルギー性(開口部断熱)です。開口部断熱では、二重サッシか複層ガラスのどちらかを使用した住宅であることです。

次に、省エネルギー性(外壁等断熱)です。外壁等断熱は、建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅となります。
交付を受けた住宅とは、省エネルギー対策等級2以上か断熱等性能等級2以上の住宅ということです。

バリアフリー性(手すり設置)では、浴室と階段に手すりが設置された住宅です。
そして、バリアフリー性(段差解消)では、屋内に段差がなく平面の床である住宅が基準となります。

フラット35の基準が一部変更される

フラット35 バリアフリー

実は、フラット35は2021年1月から技術基準が変更されることとなりました。

それに伴いフラット35Sの基準も、一部変更されるところがあるので、フラット35とフラット35Sの技術基準が変更された箇所をご紹介します。

まずフラット35ですが、商品の1つ「フラット35リフォーム一体型」が2020年12月末で借入の申し込みが終了します。
今後のフラット35リフォーム一体型で対象となるものには、リフォーム代を含めてフラット35で利用できるようになります。

次にフラット35Sの変更点ですが、金利プランBでご紹介した「省エネルギー性」の基準が変更されます。

変更前は、断熱等性能等級4の住宅か一次エネルギー消費量等級4以上の住宅のどちらかでした。
これが、変更後は「断熱等性能等級4の住宅および一次エネルギー消費量等級4以上の住宅」となります。

どちらか片方で良かったものが両方必要となっていますので、2021年1月以降にローンの借入をする方は注意しておきましょう。

審査に受からない理由と落ちた場合の対策

フラット35では、事前の審査に通っていても今後の審査で落ちる方もいます。
また、住宅金融支援機構が定めた技術基準なので、民間の住宅ローンよりも審査が厳しく宇受かりにくいこともあります。
そこで、審査に受からない理由や落ちたときにどうすれば良いのか対策をご紹介します。

審査に落ちる理由

フラット35 バリアフリー

まず、審査に落ちたときに考えられるものがいくつかあります。

一つ目は、年収に対しての返済比率が合わないことです。フラット35の返済比率は、年収400万円未満ならば30%で、400万円以上なら35%となっています。
これを知らずに、総返済負担率が高ければ審査から落ちてしまいます。

二つ目は、他の金融機関から借入がある場合です。
この借入の額は関係なく、借りる人が多い奨学金の返済やクレジットカードのリボ払いや車のローンなども含まれます。
返済するものが多ければ多いほどフラット35の審査は通りません。

三つ目は、クレジットカードやローンなどの返済歴で判断されたことです。
審査では、しっかりと返済できるかの信用を確認されます。
過去に何度も滞納していたり、返済の遅延があったりする場合は審査に通りにくいでしょう。
もし過去の返済履歴に少しでも不安がある方は、登録機関で履歴を照会できるので確認しておきましょう。

落ちた場合にすること

フラット35 バリアフリー

審査に落ちたときにすることですが、まずは自己資金を増やしましょう。
融資のほとんどは、一度審査に落ちれば約半年は再審査で不利になります。
ですので、その半年の内にできるだけ貯金をして資金を増額させておきましょう。
自己資金を高くするだけでも、審査に有利となってきます。

次に、半年後の審査では同じ金融機関ではなく別の期間に申し込むという手です。
金融機関や審査の担当者が変われば、受かる確率も変わります。
もし、同じ金融機関で落ちているのであれば思い切って場所を変えてみましょう。

最後は上記でも少しお話ししましたが、返済の滞納や遅延があり審査に受からなかった方に向けでの解説です。

個人の信用情報に傷がある方は、最低でも履歴が消える5年は借入ができないでしょう。
5年というのは、中々長く年齢も不安になってきますよね。

早く借りたいからと、金利が高くても借入ができる不動産の担保ローンなどに申請したくもなるでしょう。
ですが、住宅ローンは長く返済していくものなので、金利は低く今後も安定して返済できるところを選ぶのがポイントとなります。

申請期間まで長く感じるでしょうが、その間にも自己資金を増やすなど出来ることはありますので、焦って急がないようにしましょう。

まとめ

今回は、フラット35Sのバリアフリー性をメインにご紹介しました。

・フラット35から特定の基準を満たせばフラット35Sで借入ができる
・フラット35からさらに一定期間0.25%金利が引き下げられる
・金利プランAとBでは基準が異なる
・バリアフリー性は、体の不自由な方が住む住宅ローンに特化している
・中古住宅でも、バリアフリー性の技術基準が適用される
・2021年1月から少し基準が変更される

フラット35Sでは、金利が一定期間さらにお得になります。
民間の住宅ローンよりも、フラット35という長期固定金利型住宅ローンの方が何かに特化したローンのプランが多いでしょう。

ご家庭によっては、メリットとデメリットが出てくるでしょうが、確実にメリットの方があります。
ですので、体の不自由な方と暮らしている方は、一度フラット35Sのプランを検討してみてください。

この記事をシェアする