銀行融資の短期と長期は何が違う?資金調達時に使い分けるべき2つのケース

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会社を円滑に経営していく上で必要になってくるのが運転資金や事業拡大に必要な資金の調達です。銀行などの金融機関から融資してもらうというのが一般的な方法ですが、銀行融資は【短期融資】と【長期融資】の2種類あるというのをご存知でしょうか?

借入期間が1年以内の融資が短期融資、借入期間が1年を超える融資を長期融資と呼んでいます。

借入方法を誤った方法で申請を出してしまうと、審査に通らない・返済期日に支払いが出来ない・必要以上に高金利になってしまう等のリスクを負ってしまう可能性があります。

短期融資と長期融資のそれぞれのメリットとデメリットや特徴などをしっかり理解した上で、上手に使い分ける事がより良い資金調達です。それぞれの理解度をこの記事で深めていきましょう。

短期融資と長期融資の違い

銀行から事業資金調達の為に融資を受ける場合、金額や使途によって借入期間が設定されます。平均的な相場としては、運転資金として借りる場合は7年間、設備投資などで借りる場合は10年以内というのが一般的です。

短期と長期では融資方法が違うなどの異なる点がありますので、まずはそこから説明していきましょう。

方法

短期と長期の最も異なる点は融資方法です。それぞれでどのように融資方法が違うのかを解説していきましょう。

短期融資

銀行から短期で借入する場合は手形貸付という方法が利用されるのが一般的です。これは約束手形を担保に融資を受ける手法の事で、最初に契約しておけば後は借り入れる際に手形を振り出すだけで完了して手続きが簡略化されるメリットがあります。

短期融資は複数回に渡り融資を繰り返す事が多いという特徴がある為に、手続きを簡略化するこの手法が採用されているのです。返済方法は、一括・分割が用意されています。

長期融資

銀行から長期で借入する場合は証書貸付という方法が利用されるのが一般的です。連帯保証人を用意する事が原則的には必要になっており、借用証書にも自社の署名と捺印に合わせて、保証人の署名と捺印が必要になります。利息や返済計画などが記載された返済予定表が作成されますので、その通りに返済していく事になります。

このように短期と長期では融資方法が全く異なる手法が利用されているのが特徴です。基本的には短期融資を利用した場合は一括返済を求められるケースが多く、一括で返済できる財務状況にないと判断されると、審査に通過しないという事が考えられます。

審査

短期と長期は融資方法だけでなく、融資審査においても大きな違いがあります。融資の通過しやすさが全く違うという事です。

短期融資

短期での借入は基本的に短期的な運転資金の確保として利用される事が多いです。つまり返済の目処が完全に経っている状態で一時的な資金繰りを理由に利用するケースが多いので、比較的審査は通りやすいです。

長期融資

短期とは違い長期の場合は、高額なまとまった金額を長期間に渡って借り入れる事になりますので、今後の会社の経営状態や資金の使途などを事細かく調査されます。短期と比較すると格段に審査が厳しく、審査に要する時間も長いです。

このように短期と長期では融資審査に通過するかどうかがかなり変わってきます。

銀行からの長期融資はまとまった資金を長期間で返済していく形になりますので、会社が長年に渡って利益を生み出し返済する事が出来るかどうかを細かく審査されますが、短期の場合は一括返済の目処が経っている場合が多いので、多少経営状況が悪く赤字経営でも審査に通過する場合が多いです。

短期融資と長期融資を使い分ける時

短期融資と長期融資の違いは上記で説明した通りですが、一体どのような時に短期と長期を使い分けるのが良いのでしょうか。

企業が銀行に融資を依頼する時の大半は、運転資金の確保や事業拡大や設備投資でまとまった金額が必要になる場合なので、基本的には長期融資を利用する時が多いでしょう。

長期融資ではなく短期融資を利用する場合はどんな時なのでしょうか?ここからは使い分けるべき方法やケースについて紹介していきます。

短期融資が向いているケース

1年以内で返済しなければいけない銀行からの融資を短期融資と言います。具体的にどのようなケースで利用する事が多いかを以下で説明していきましょう。

  • 決算資金
  • 賞与資金
  • 季節資金
  • つなぎ資金

一般的に短期融資が向いているケースは以上の4点です。

決算資金

法人税、株主配当金、役員賞与など、決算時期には毎年多額の資金が必要になります。この時期に必要になるお金を決算資金と言います。支払いサイクルなどが影響して手元に現金がない時などに短期融資を利用し、決算資金を賄うという訳です。

賞与資金

従業員に対して年に数回支払うボーナスなどがこれに当たります。ボーナス時期ではなくても会社の業績が上がった時の特別給の支払いなど、従業員に対する賞与資金の調達に短期融資を利用するケースは非常に多いです。

季節資金

季節によって大きく売上や利益が変わってしまう業種やサービスは多くあります。繁忙期に返済する見込みがある場合、繁忙期以外の運転資金を確保するという名目で短期融資を利用するケースは非常に多いです。

つなぎ資金

会社の収入と支出の時期に差があったり、入金日より先に支払日がきてしまって一時的に資金が必要になる場合も短期融資が効果的です。大きな事業が決まったものの、多額の支払いが入る前の出費資金が足りないという場合も短期融資を利用する事が非常に効果的です。

1年以内に返済できる見込みがある場合は短期融資が非常に効果的ですが、上記のようなケースで利用する場合がとても多いです。

経営していく中で、売上はあるのに手元に現金がないという状態は良く陥ります。支払いサイクルと入金サイクルの問題なので避けては通れぬ道ですが、そういった時のつなぎ資金として短期融資は非常に大きな効力を発揮してくれます。

長期融資が向いているケース

1年を越える借入期間が設定される場合を長期融資と言いますが、つなぎ融資という側面がある短期融資とは異なるケースで重宝されます。長期融資に向いているケースを紹介していきます。

  • 設備資金
  • 運転資金
  • 赤字資金

基本的には会社が経営上必要となる資金のほとんどが長期融資に該当しています。設備資金は例えば工場であれば新しい機械やそれに伴う人材確保の為に多額の資金が必要になり、飲食店であれば新店舗をオープンする為にはまとまった資金が必要になります。

運転資金は人件費や経営を続けていく上で必要になってくる家賃などの支払いです。基本的に売上が低下して赤字を補う為に長期融資を利用するという側面があり、長期間で返済していくので融資審査は厳しくなっていきます。

短期融資と長期融資のメリットデメリット

短期融資と長期融資の特徴や資金調達時に向いているケースなどを紹介してきましたが、ここからはそれぞれのメリットとデメリットを解説していきます。利用時に注意すべき点も合わせて紹介していきますので、自社の財務状況と合わせてどちらを利用すべきか検討していきましょう。

短期融資のメリットデメリット

短期融資で資金を調達する時のメリットとデメリットを以下でまとめて紹介していきます。

メリット

・継続して利用可能
・安定して資金を確保しやすい
・利息負担が少ない

デメリット

・一括返済しなければいけない
・審査が容易とは言え100%ではない

短期融資はつなぎ資金としてはかなり優秀で便利です。借り換えにより継続して借りる事が出来る為、例えばつなぎ資金として1000万円を年利1%で借りたとします。1年後に1010万円を返済してすぐにまた1000万円を借りれば、10万円の支払いのみで常に資金を調達する事が出来るという訳です。

このようにする事で安定した低利息の資金を確保しやすいというメリットがある一方、まとまった資金を一括返済しなければいけないというデメリットもあります。

長期融資は分割なので月々の支払いを抑える事が可能ですが、短期融資は基本的には一括返済が原則です。つまり一括で返済するように資金を計画的に使っていかなければいけません。一括返済が出来ると判断されなければ審査も通過しませんので、その点もデメリットであると言えます。

長期融資のメリットデメリット

続いては長期融資のメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

メリット

・月々の返済額を抑えられる
・多額の資金を調達できる
・計画的な借り入れを行う事ができる

デメリット

・金利が高い
・担保や保証人が必要
・審査が厳しい

企業が資金を調達する時は運転資金や新規事業資金などである場合が多いので、多額のまとまった資金が必要になるケースが多いです。例えば数千万円の資金を短期融資で借りると、まとまって1年後に返済しなければいけませんが、これは大変ですよね。

長期融資であればまとまった額であっても、現実的に返済できるような月々の借り入れ表を作ってくれますので、一括でまとまった資金を返済する必要がないというメリットがあり、計画的な事業展開を行って事が可能になります

デメリットとしては金利が高く審査が厳しいという点です。数年から十数年かけて多額の資金を返済していく形になりますので、長期的な会社の安定が求められます。そうなると銀行からしても貸し倒れリスクを抑える為に綿密な審査を行います。

少しでもリスクがあると判断されれば審査は通過しませんし、担保や保証人が必ず必要になるというのもデメリットであると言えるかもしれません。支払いを保障してくれる信頼できる人間が近くにいなければ基本的には銀行融資は審査を通過するのはかなり厳しいです。

まとめ

銀行融資の短期と長期のそれぞれの違いや特徴について解説してきましたが参考になりましたでしょうか。基本的な融資は長期融資、つなぎ資金として利用するのが短期融資と考えておくと良いかもしれません。

短期融資はきちんとした目的が決まっていて、一括で返済できる目処がないと利用できませんので基本的には長期融資です。しかし短期融資は一度審査がおりると後から融資を受けるのが楽になるというメリットがあり、デメリットや注意点はあるものの短期融資も使い方一つでとても重要な資金調達方法になっていきます。

それぞれで融資方法や支払いなども違います。短期と長期、どちらが自社にとってベストな資金調達方法なのかは吟味して利用するようにしましょう。

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