「いいアイディアはあるんだけど、資金が無くて企業出来ない」そんな風に思っている人は数多く存在しているのではないでしょうか?その中でも本気でビジネスにつなげていきたい、という人は是非ピッチコンテストやビジネスイベントに参加してみましょう。
ピッチとは、資金調達を行いたいベンチャー企業やスタートアップの経営者・起業家がベンチャーキャピタル(VC)や投資家に向けて短時間で効果的なアピールを行うことを指します。
そしてピッチイベント(ピッチコンテスト)とは、複数の企業がそんなピッチで競い合うコンテストのことです。ピッチコンテストで優勝すればメディアに取り上げられる機会も急激に増えるため、資金調達につながるだけでなく自分の会社や事業、提供しているサービスの知名度も高くなったりと、非常に大きなメリットがあります。
実際、ベンチャー企業やスタートアップ企業がニュースに取り上げられるきっかけで多いのが「ピッチコンテストでの優勝」です。資金を得るだけではなく宣伝も出来るという、起業家には最高の場所といえるでしょう。
ピッチイベントやビジネスコンテストでは一部アイディアが公開されていたりすることもあるため、これから起業しようと考えている人だけでなく、既に会社を経営している人の参考にもなるはずです。
ピッチイベント・ビジネスコンテストとは
ピッチイベントやビジネスコンテストなど様々な呼び方がありますが、いずれもベンチャー企業やスタートアップ企業がベンチャーキャピタルや投資家に対して自社のアピールを行うために設けられた場です。
- 資金調達
- パートナー企業を見つける
- サービスについての認知を広める
ピッチの目的は出資者を探すという「資金調達」だけが目的ではありません。他にも以上のような目的があります。
ピッチイベントには様々な企業が参加するため、自社では行うことが出来ないことをパートナー企業と提携することによってサービスを強化出来る可能性もあります。コーポレーションベンチャーキャピタルは現在、数多くの大企業が立ち上げているため、事業シナジー効果を生み出すことが出来るとみなされれば大企業からのバックアップを受ける事ができるかもしれません。
また、ピッチイベントにはメディアが出席していることも多く、大きなイベントならばニュースやプレスリリースで取り上げられたり、優勝したらイベントページに掲載されたりと自社のサービスについての認知を拡大することが出来ます。
そして最大の目的とも言えるのが資金調達でしょう。どんなに素晴らしいアイディア、画期的な技術を持っていたとしても資金がなければどうすることも出来ません。立ち上げたものの、サービスを打ち出す事ができないという会社も数多く存在しているのです。しかし、ピッチコンテストで優勝したり、ベンチャーキャピタルや投資家の目に止まれば資金を得ることが出来、ビジネスを展開していくことが出来るようになります。
更に、出資を受けるということはただ資金調達が可能となるだけでなく、経験豊富なベンチャーキャピタリストや投資家による経営アドバイスを受けることが出来たり、幅広いネットワークやリソースを活用することが出来るなどのメリットも発生します。ピッチイベントは起業家にとって非常に重要な場所なのです。
13のピッチイベント・ビジネスコンテスト
それではここからは資金調達したいと考えている起業家がチェックしておくべき13のピッチイベントやビジネスコンテストについてご紹介させていただきたいと思います。
1:Industry Co-Creation (ICC) サミット
毎回、総勢900名以上が参加し200名以上が登壇するIndustry Co-Creation (ICC) サミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ということがコンセプトになっているピッチイベントです。
参加者同士が朝から晩まで真剣にビジネスについて語り合うことが出来る場となっているため、志ある起業家から良い刺激を受けることが出来るしょう。年2回の開催となっているため、タイミングを合わせて参加しやすいのではないでしょうか。
開催日 | 2020年2月17日・18日・19日・20日 |
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開催場所 | グランドハイアット福岡 など |
スポンサー企業 | IBM、リクルートマネジメントソリューションズ、マイクロソフト、indeed、ラクスル、レクサス、mixiグループ、住友生命など |
WEBサイト | https://industry-co-creation.com/ |
2:TechCrunch Tokyo
TechCrunch Tokyoは国内でも最大規模と言われるイベントです。メルカリの山田親太朗氏、サイバーエージェント藤田晋氏などが過去の登壇者として知られています。スタートアップバトルでは100万円の優勝賞金の贈呈も。力試しをしたいという人にとっても最高の環境ではないでしょうか。
しかし、一番大きいのはTechCrunchに掲載されるということでしょう。2005年にシリコンバレーでスタートしたTechCrunchはどの業界に対しても大きな影響力を持ったメディアであるため、TechCrunchに掲載されるということは非常に大きなメリットがあります。
開催日 | 例年11月中旬 |
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開催場所 | 渋谷ヒカリエ ヒカリエホールA・B |
スポンサー企業 | トヨタ、富士通、バンダイナムコ、VISAなど |
WEBサイト | https://jp.techcrunch.com/event-info/techcrunch-tokyo-2019/ |
3:IVS Launch Pad
IVS (Infinity Ventures Summit/インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)とはインターネット業界のトップレベルの経営者や経営幹部が一堂に会し、インターネット業界の展望などについて語るというイベントです。
そしてそのイベントではIVS Launch Padというベンチャー企業やスタートアップ企業の登竜門とも呼ばれる、ビッチイベントも開催され、イベントステージでは登壇者の運命を大きく左右する6分間の真剣勝負が行われます。
年に2回開催さますが、招待制のオフサイト・カンファレンスとなっており、誰でも参加することが出来る訳ではありません。過去の登壇者に連絡し、招待してもらうなどするといいでしょう。
開催日 | 年2回開催 |
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開催場所 | 不定 |
スポンサー企業 | docomo、大阪ガス、SOICO、パーソル、住友不動産など |
WEBサイト | https://www.ivs.events/launchpadjp |
4:Morning Pitch
Morning Pitchは毎週木曜の朝7時から開催されているピッチイベントで、ベンチャー企業やスタートアップ企業と大企業の事業提携を目的としています。ピッチを行うのは毎週5社で、大企業やベンチャーキャピタル、メディアなどおよそ100名に対してピッチを行うというもの。
現在までで1200社を超えるベンチャー企業が登壇しています。学生は登壇することは出来ませんが、毎週行われているため参加ハードルとしてはそこまで高くないでしょう。
開催日 | 毎週木曜朝7時~ |
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開催場所 | 新宿野村ビル48階 |
スポンサー企業 | みずほグループ、東急、東京スター銀行、野村不動産グループなど |
WEBサイト | http://morningpitch.com/ |
5:No Maps NEDO Dream Pitch
地域経済活性化や新規産業を生み出し、雇用を創出することを目的として札幌で行われるピッチイベントで、運営は経済産業省、NEDO、No Mapsが行っています。
選考を通過するとメンターからアドバイスを貰え、ブラッシュアップを行ってからピッチするという流れです、。
開催日 | 例年10月中旬 |
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開催場所 | ACU-A(札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45 16階) |
スポンサー企業 | 東京大学、日本ベンチャー学会、国立研究開発法人(過去開催時) |
WEBサイト | https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP2_100107.html |
6:Monthly Pitch
サイバーエージェント・ベンチャーズが運営するMonthly Pitchはその名の通り毎月開催しているピッチイベントで、毎月第2水曜日に開催されています。シードステージ、アーリーステージの起業家、そして著名なベンチャーキャピタルや投資家が集まります。
若い企業が目立るイベントで、何度でも挑戦出来るというのも駆け出しのベンチャー企業・スタートアップ企業にとっては嬉しいものでしょう。アンケートやネットワーキングを通じ、投資家の意見を聞くこともできます。
開催日 | 毎月第2水曜日 |
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開催場所 | 渋谷マークシティ ウエスト |
スポンサー企業 | 株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ、住友不動産、東急不動産など |
WEBサイト | https://monthly-pitch.com/ |
7:国際イノベーション会議HackOsaka
国際イノベーション会議HackOsakaは大阪市が1年に一度開催するピッイベントで、応募要件に設定されたいくつかのテーマに沿った事業がエントリー可能。2020年のテーマは「オープンイノベーションの成功の秘訣」。ちなみに2019年のテーマは「トラベルテック、スマートシティ、デジタルヘルス、フードテック、スポーツテック」となっていました。
国際会議ということもあり、このイベントでは英語でピッチを行う必要があるため英語力に自信のない人にとってはハードルの高いものとなるでしょう。
開催日 | 2020年2月27日(木) |
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開催場所 | コングレコンベンションセンター ホールA、ルーム1~3 |
スポンサー企業 | 日本ベンチャーキャピタル株式会社、ハックベンチャーズ株式会社、阪急電鉄株式会社など(過去開催時) |
WEBサイト | https://www.innovation-osaka.jp/hackosaka/ |
8:INNOVATION LEADERS SUMMIT
株式会社プロジェクトニッポンが運営を行うイベントで、サービス、テクノロジーを有したベンチャー企業と事業展開を行いたい大企業をマッチさせるイベントに近く、資金調達が目的というイベントとは異なります。
駆け出しのシードステージの企業などではなく、今まで何度か資金調達を行いシリーズAまで到達した段階の企業が参加するようなイベントとなっています。
開催日 | 例年10月下旬 |
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開催場所 | 虎ノ門ヒルズ |
スポンサー企業 | TOSHIBA、Nikon、パナソニック、RICOH、トヨタなど |
WEBサイト | https://ils.tokyo/ |
9:シニアライフ・イノベーション・チャレンジ
経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト」の連携イベントであり、シニア向けの事業を行うベンチャー企業やスタートアップ企業を対象としているビジネスコンテストとなっています。
入賞すればやSOMPOケアグループの介護サービス現場での実証実験協力を受けることができたり、過去にはサンフランシスコで開催される「Aging2.0 OPTIMIZE 2018」への招待がされたこともありました。
開催日 | 2019年8月23日(前回開催時) |
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開催場所 | 渋谷ソラスタ コンファレンス(前回開催時) |
スポンサー企業 | 東急不動産株式会社、デジタルヘルスコネクト、SOMPOホールディングス株式会社、SOMPOケア株式会社など(前回開催時) |
WEBサイト | http://www.dhconnect.jp/contest/2019/ |
10:SEEDS
渋谷を中心として活動しているSkyland Venturesが運営するSEEDSはスピードMTGのことで、起業のための資金獲得を目指している企業や、事業アイディアや展開についての相談を受けるために実施されています。
現在までで投資を行ったベンチャー企業・スタートアップ企業は40社を超え、運用総額は14億円にもなります。ベンチャー業界では名の知れベンチャーキャピタルです。
開催日 | 毎週平日午前中AM9:00-13:00 |
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開催場所 | 東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル3号館531号 |
スポンサー企業 | – |
WEBサイト | http://www.skyland.vc/seeds/ |
11:Slush Tokyo
2008年、フィンランドで開始された国際的なスタートアップ・カンファレンスの東京版とも言えるSlush Tokyoは数多くのメディアに取り上げられる日本最大級のスタートアップイベントであり、非常に注目度の高いイベントです。
本家フィンランドでは130カ国以上から約2万人の参加者、そして3100社を超えるベンチャー企業・スタートアップ企業を集めました。国際基準のイベントということで、ピッチは全て英語で行われます。
開催日 | 2019年2月22日、23日(前回開催時) |
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開催場所 | 東京ビッグサイト(前回開催時) |
スポンサー企業 | パナソニック、リクルート、JETRO、100BANCHなど(前回開催時) |
WEBサイト | https://tokyo.slush.org/ |
12:TORYUMON
福岡を中心とした学生向けのスタートアップイベントで、社会人は原則として参加することが出来ません。東京ても定期的に開催しており、TORYUMONをきっかけにして知名度を高めた学生起業家も数多く存在しています。
まだ起業について詳しく固めていないという学生は参加しやすいイベントではないでしょうか。
開催日 | 2019年11月1日(前回開催時) |
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開催場所 | fabbit Global Gateway “ACROS Fukuoka”(前回開催時) |
スポンサー企業 | SGインキュベート株式会社、さくらインターネット株式会社、株式会社 西日本新聞社、富士通株式会社など(前回開催時) |
WEBサイト | https://toryumon-6th.studio.design/ |
13:モーニングミートアップ
大企業やベンチャーキャピタル、メディアなどに向けてピッチでアピールすることが可能となっており、「大阪から世界に」をテーマとして大阪イノベーションハブ(OIH)が運営するイベント・プログラムで、新しい事業の創出やスケールアップを図ることを目的としています。
メンター、施設の補助を受ける事ができるなど、ベンチャー企業やスタートアップ企業には嬉しいサポートを受けられます。
開催日 | 毎月第2、4金曜日の朝7時 |
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開催場所 | グランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC7階 |
スポンサー企業 | 主催トーマツベンチャーサポート(株) |
WEBサイト | https://www.innovation-osaka.jp/ja/morning-meet-up/ |
まとめ
以上、13のピッチイベント・ビジネスコンテストについてご紹介させていただきました。年に1、2回開催される大きなイベントに参加して優勝することが出来れば、資金調達が可能となるだけでなく事業の可能性はかなり広がっていくことでしょう。
中には英語のピッチが必要というハードルの高いイベントもありますが、毎週や毎月開催される比較的参加ハードルが低めなイベントもありますので、スケジュールを合わせて参加してみてはいかがでしょうか。
ピッチスキルはピッチを行えばその度にどんどん上達していきます。ピッチスキルが高くなるほどより効果的なアピールが可能となり、出資を受けることが出来る可能性も高くなるため是非積極的に挑戦してみてください。