資金調達を成功させるピッチ資料に必要な9つのファクター

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ベンチャー企業やスタートアップ企業の経営者や起業家にとって、自社の事業を拡大し会社を成長させていくために欠かすことが出来ないのが資金調達です。

始めての起業ならばベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資なしに自己資金で賄うことは難しいでしょうし、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資してもらうということはビジネスのためのネットワークを広げることにつながったりと、ただ資金を調達する以上の大きなメリットがあります。

大企業が自社とのシナジー効果を狙うコーポレーションベンチャーキャピタル(CVC)を立ち上げたりと、第4次ベンチャーブームと言われる現在はベンチャー企業やこれから起業を考えている起業家にとっては追い風が吹いている状況とも言えます。

しかしもちろん、ベンチャーキャピタルもエンジェル投資家も、出資を申し込んできた全ての企業に投資を行う訳ではありません。出資を行うのは数多ある企業の中でも「将来的に大きく成長する=莫大な利益・価値を生む」可能性がある企業のみです。

ピッチでは、ごく短時間の間に自社事業の魅力を伝えなければいけません。「ピッチスキル」は起業家には欠かすことの出来ない能力の一つなのです。

この記事では資金調達を成功させるピッチの条件やピッチ資料に必要なファクターについて詳しく解説していきたいと思います。

そもそも「ピッチ」とは?

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家には数多くの企業から出資の依頼が舞い込んでいるため、1人1人と面談をする時間は必然的に少なくなります。短い時間で効果的に自社をアピールする…それが「ピッチ」です。

複数の企業がピッチを競う形式のものはピッチコンテストと呼ばれ、ピッチコンテストには数多くのベンチャーキャピタリストや起業家が集まり、将来有望なベンチャー企業発掘のため目を光らせています。

どんなに素晴らしい革新的なアイディアや技術があっても、ピッチスキルがいまいちではせっかくの自社事業を効果的にアピールすることが出来ません。

日常的な生活の中ではピッチやスピーチで人に何かを伝えるということはほとんどありませんよね。しかし、起業家になればピッチを行う機会は毎日のようにあります。ピッチが得意な人もいれば苦手な人もいるでしょうが、必要な条件や資料を揃え、何度もピッチを行いさえすればピッチスキルはいくらでもアップさせることが出来ます。要はコツを掴みさえすればいいのです。

ピッチの特徴

ピッチがプレゼン(プレゼンテーション)やスピーチと一体何が違うのかと言われれば、それは「時間」です。この時間こそが、ピッチ独特の特徴を生んでいるのです。

あなたが今、自分の会社に出資をお願いするという状況にあるとしましょう。「投資家と食事会に行って出資について話す」時と「エレベーターの中でたまたま会った投資家に出資について話す」時では明らかにアピールの仕方が変わりますよね。ピッチはまさに後者で、短時間で効果的に投資家の印象に残る、「出資したい」と思うようなアピールを行われなければいけません。

逆に言えば、ピッチスキルを上達させることは起業家にとって数々のチャンスを生み出し物にすることにつながります。忙しい投資家が駆け出しの起業家と食事会の約束を取り付けてくれることはそうないでしょうが、コンテストやイベントでばったり会った時にピッチで上手くアピールすることが出来ればそれが大きな仕事のきっかけになるかもしれないからです。

特徴その1「起承転結がある」

ピッチで与えられる時間は長くて3分です。この短い時間で人の興味を惹きつけるためには起承転結で上手に構成する必要があります。起承転結がはっきりしている話しはわかりやすく、シンプルで、印象に残ります。

シンプルだからこそ誤魔化しは利かないため事前に相手にどのようなことを伝えなければいけないのかということは予め煮詰めておきましょう。

特徴その2「伝えるべきことがはっきりしている」

何よりも大切なのがこの、伝えるべきことが明確かどうかということでしょう。どうすれば自分のピッチを聞いているベンチャーキャピタルや投資家からお金を出してもらうことが出来るかということがピッチの明確な目的です。

  • どのような問題を解決するのか
  • どのような解決策なのか(サービス)
  • 今どの程度ユーザーが居て、増加率はどの様になっているのか
  • 今後の事業計画
  • 創業チーム

ベンチャーキャピタルや投資家が知りたいと思っているのは主に上記の5項目です。中でも、その時の状況によって変化することが少ない「どのような問題を解決するのか」「創業チーム」はかなり注目されています。

資金調達を成功させるピッチ資料に必要な9つのファクター

短時間で重要なことのみをギュッと凝縮してシンプルに伝えなければいけないピッチだからこそ、ピッチ資料は大切です。一体度のような構成にすればベンチャーキャピタルや投資家たちから注目してもらうことが出来るのでしょうか?

ここからは資金調達を成功させるためにピッチ資料に必要な9つのファクターについて詳しく解説していきます。

1:タイトル・概要

まずはタイトルと概要です。これは、パッと一言でどのようなサービスなのかがわかるようなものにする必要があります。ピッチは売り込むというより提案するような内容で、専門用語をあまり使わずにわかりやすく、共感を得られるようなものではなくてはいけません。

思わず「おっ」となってしまう、興味をそそられてしまうようなタイトルや概要にすることでピッチへの注目度も高まります。

2:問題

自社の事業がどのような業界の、どのような問題解決に取り組もうとしているのかという部分はベンチャーキャピタルや投資家が注目して見ている部分です。

  • どのような問題か
  • 問題の大きさ
  • 問題の原因
  • 問題解決が必要な理由

問題の本質を理解した上で全体像を簡潔に伝えることで、投資家の興味を惹きましょう。投資家が自社事業に興味を持つかどうかが分かれる、重要なポイントです。

3:解決策

訴えた問題に対し、どのような解決策で解決していくのか、なぜその解決策になったのか、どのような流れでその解決策が問題を解消していくのかを具体的に伝えます。

スライドにアニメーションや動画などを使うとテキストのみのスライドよりも視覚的に訴えかけることができ、効果的です。視覚的にイメージ出来ることで投資家を驚かせたり、共感させたりすることが出来るでしょう。

4:マーケットと成長性

どのようなマーケット(市場)を狙った事業なのかということを伝えていきます。なぜそのマーケットを狙ったのか、顧客層はどのようになっているのか、そのマーケットで今後事業をどのようにして成長させていくのか。

また更に、そのマーケットが成長していく可能性を秘めているのかということについてもアピールする必要があります。既に成長しきってしまっているマーケットや今後の伸びしろがなさそうなマーケットでは、爆発的な成長は見込めません。

どんなKPIを注意して計測しているか、顧客を増やす方法やプロセス、仮説の検証状況などを明確に伝えましょう。

5:未開拓市場かどうか

まだ未開拓のマーケットならば、今後の爆発的な成長も見込むことが出来ます。

狙っているマーケットは未開拓市場なのかどうか、自社にどんな独自性や優位性があり、ライバルとどの様に競い合って生き残っていくことができるのかをアピールしましょう。

6:ビジネスモデル

どんなに魅力的で素晴らしいビジネスモデルであるのか、あなたが思い描くものを伝えましょう。

ベンチャーキャピタルや投資家に「楽観的」だとか「悲観的」だとか思わせることなく、「収益を得ることが出来るビジネスモデル」だということを、算出した現実的な数字を用いて冷静に示します。

7:独自の着眼点

独自性は非常に重要です。ベンチャー企業・スタートアップ企業とはそもそも、今まで世の中に存在しなかった新しい技術や革新的なアイディアで世の中に新しい価値を創造するということを目的とした企業のことです。

他の人にはない自分独自の着眼点、ユニークなアイディア、視点、事実などを披露しましょう。投資家が興味を惹かれるか、成功の可能性があるかどうかなどが投資決定の判断材となります。

8:スケーラブルであるか

1、2、3、4、5…というようにゆっくり段階的に成長するのではなく、1、2、4、8、16、32、64、128、256のように爆発的にユーザーや収入を増やすような急成長する可能性を秘めたものこそ多くのベンチャーキャピタルや投資家が投資したいと思うビジネスモデルです。

希少性の高いスケーラブルなアイディアは価値が高く、全てのベンチャーキャピタルや投資家はこのようなスケーラブルなアイディアを発掘するためにピッチコンテストなどに足を運んだり、送られてくる山のような事業計画に目を通しているのです。

投資家がスケーラブルなアイディア、そしてそれを実現出来ると見込んだ起業家を見つければ、見合った担保が無くとも積極的な投資を行うでしょう。

スケーラブル(スケーラビリティ)とは

スケーラビリティ(scalability)は電気通信やソフトウェア工学などで使われる用語で、ソフトウェアやアプリケーション、機器の「拡張性」のことです。拡張性というのは、今と同じパフォーマンスをどの程度の規模まで維持することが出来るかということを指します。

9:創業チーム

問題の解決策(サービス)は状況が変化すれが変わってしまうこともあります。しかし、それでも変わらないのが「問題」と「人」です。

創業チームメンバーの経歴や今までの実績、専門分野も投資家が注目する部分ですので、如何に優秀なメンバーが在籍しているのかということをアピールしましょう。

起業家だけが優れていても、周りに優秀なメンバーがいなければ事業を大きく成長させ目標を達成することは難しくなります。エンジェル投資家の場合、事業内容はもちろんですが、それ以上に経営者の熱意や器、創業チームの優秀さに惹かれて投資決定することも少なくありません。

また、優秀なメンバーがいるということは投資リスクが低いということ印象つけることにもなります。

まとめ

ベンチャーキャピタルや投資家から資金調達をするためには、ピッチスキルは欠かすことが出来ない重要な要素です。ピッチスキルはピッチというものについて知ること、投資家がピッチでチェックするポイントを押さえることでぐんぐん上達させていくことが出来ます。

ピッチスキルを上達させればいつどんな質問をされてもパッと明確に伝えるべきことを伝えることができ、その分、出資を受けるチャンスにつなげることが出来ます。

自分がどのようなことをアピールしたいかも大切ですが、投資家はどのようなことを知りたいのか、どのようなことに注目しているのかということを念頭に置いてピッチを行うようにしましょう。

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