15の資金調達方法のメリットとデメリットや調達スピード

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資金調達 メリット デメリット

起業したい、新しく事業を始めたい、今行っている事業を拡大したい…起業家や経営者の方が頭を悩ませることが多いのが資金調達の問題です。既にいくつもの会社を起業したり、経営しているなど豊富な経験があれば資金調達もスムーズに行う事が出来るでしょうが、駆け出しの場合にはこの資金調達が一番の大きな課題となります。

しかし、どんな資金調達方法があるのかや、どれだけの選択肢があるのかということはご存じない人は実はかなり多いのです。この記事では、経営者ならば知っておいて損はない資金調達の方法について、そしてメリットやデメリット、調達スピードについて詳しく解説していきます。

  • エクイティ・ファイナンス(株式発行)による資金調達
  • デット・ファイナンス(負債)による資金調達
  • アセット・ファイナンス(資産)による資金調達
  • その他の方法での資金調達

資金調達の方法は大きく分けると以上のような種類に分けることが出来ます。自社に最も適していると思われる方法や、状況に合わせて資金調達方法を検討しましょう。

エクイティ・ファイナンスによる資金調達

エクイティ・ファイナンスとは、企業が「新しい株式の発行」によって資金を調達する方法です。エクイティ(equity)とは株式のことで、エクイティを増加させるという資金調達方法のため、このような名称となっています。エクイティ・ファイナンスで資金調達を行うと、貸借対照表の資本は増加します。

1:ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタルとは、複数の投資家から集めた資産を使い、将来大きな利益を生み出しそうなベンチャー企業・スタートアップ企業に投資を行うことで大きな利益を得ることを目的とした投資ファンドのことです。

ベンチャーキャピタルは大きなリターンを得て、出資してくれた投資家達に利益を分配しなければいけません。そのため、投資を行うのはIPO(株式上場)やM&A(事業売却)などのエグジットにより大きく利益を得られる可能性がある企業のみに限られます。

ベンチャーキャピタルからの出資は資金を提供してもらう代わりに自社の株を渡すというもののため、資金を返済する必要がないということがメリットです。まずここが融資との大きな違いでしょう。

しかしながら、資金の代わりに株式を渡すということはつまり、会社の経営方針や方向性に口出しをされることになるということです。ベンチャーキャピタルが保有する株式の割合が大きくなればなるほどそれは強まるため、自分の思ったように経営することが出来なくなってしまうというリスクがあります。

ベンチャーキャピタルによっても出資先企業とどのような関わり方をするかは異なりますので、自分の考え方と合うベンチャーキャピタルを探す必要があります。

調達額の相場:1000万円~数億円

調達スピード:3ヶ月〜

2:コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)

コーポレートベンチャーキャピタルとは、投資を本業としていない企業が立ち上げが投資ファンドのことです。

ベンチャーキャピタルは成長性のあるベンチャー企業ならばどんな業種でも出資を行いますが、コーポレートベンチャーキャピタルが出資対象とするのは、自社との事業シナジー効果が期待出来る企業のみとなります。

コーポレートベンチャーキャピタルの母体となっている大企業から出資を受けられる、リソースの提供を受けられる、出資を受けることで信用力が向上するなどのメリットがありますが、ベンチャーキャピタルと同じように経営に口出しされてしまう可能性があったり、大企業の名前が取引に悪影響を及ぼしてしまう可能性も考えられます。

調達額の相場:数千万~数十億

調達スピード:3ヶ月〜

3:エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、ベンチャー企業やスタートアップ企業に投資を行っている個人の投資家のことです。ベンチャー企業やスタートアップ企業はまだ企業としての実績を残せておらず、社会的な信用も低い存在ですが、そんな企業に出資をしてくれることから「エンジェル」と呼ばれています。

ベンチャーキャピタルやコーポレートベンチャーキャピタルの場合、利益や事業シナジー効果が優先となるため投資決定には時間がかかりますが、エンジェル投資家の場合は個人なので、その人が事業に興味を持ったり、経営者や起業家に対して好意を持つなどして「出資してもいい」と思ったらそこで投資決定となるため調達スピードは早くなります。

また、エンジェル投資家として活躍している人の中には豊富な経験を持つ起業家や経営者も少なくありません。良いエンジェル投資家と巡り合うことが出来れば、経営ノウハウを教えてもらったり、豊富なネットワークを利用して貢献してくれたりと、様々なメリットがあります。

デメリットとしては、出資額は基本的に大きくないということや、人によっては経営に口出しをしてくる場合もあります。ベンチャーキャピタルにしろエンジェル投資家にしろ、「人間」と付き合っていくことになりますので相性は非常に重要であるということは忘れずに覚えておきましょう。

調達額の相場:数百万~1000万円ほど

調達スピード:1週間~1ヶ月ほど

4:第三者割当増資

第三者割当増資とは、新しい株を購入してもらうことで資金を集める方法で、中小企業の資金調達方法としてよく使われる手法です。ほとんどの場合、第三者割当増資はは既に取引のある企業、銀行、自社で働く役職員、従業員など自社との関係者との間で募集されます。

融資ではなく、株を購入してもらうことで資金調達を行う「出資」となりますので返済の必要がないというメリットや、株式を引き受けてもらう株主との関係性の向上、資本金の増加による企業価値・信用力の向上につながります。

しかし、株式数を増やし新たに新株を引き受けてもらうということは既存株主の持株比率が低下することになるため、経営の意思決定に影響する可能性があります。

調達額の相場:企業の目的によって異なる

調達スピード:いくつかの手順を踏む必要があるため時間がかかる

デット・ファイナンスによる資金調達

デット・ファイナンスとは「負債」によって資金を調達する方法です。デット(Debt)とはつまり借金のことで、このことからもわかるように、デット・ファイナンスによる資金調達では返済の必要があります。

5:銀行融資

最もメジャーな方法であるのが銀行融資ですが、起業したばかりのベンチャー企業やスタートアップ企業には銀行は融資を行ってくれません。

ベンチャー企業は数多く存在していますが、その中で生き残り大きく成長するのはほんの一握りであり、9割は事業に失敗し廃業に追い込まれると言われています。銀行側からしたらそのようなリスクを冒してまでベンチャー企業にお金を貸したいとは思いませんよね。

では一体、いつになったら銀行融資を受けられるようになるのかというと、大体創業から3期ほどとされています。また、銀行融資には信用保証協会の保証付き融資と、信用保証協会を挟まない銀行が独自に融資するプロパー融資があります。

審査は決算書、事業方針などの元にして行われますので、銀行融資を受けたいという場合にはタイミングを見て、保証付き融資にするのかプロパー融資にするのかということも含め税理士や会計士と相談しながら検討していくようにしましょう。

調達額の相場:企業の規模によって異なる

調達スピード:1~3ヶ月ほど

6:公的融資

金利も一番低金利で、更に融資実行の可能性が高いのが公的融資です。

  • 日本政策金融公庫
  • 商工会組合中央金庫
  • 地方公共団体の制度融資
  • 信用保証協会保証付き融資

日本政策金融公庫は個人事業主や零細企業への融資に力を入れている機関のため、金融機関に融資を申請したものの断られてしまったという人も借り入れ出来る可能性があります。公的融資を受けられれば、それも信用力の向上に繋がることになります。

ただし、新創業融資制度の場合は創業資金の10分の1以上の自己資金が必要という点や、必要書類が多くなること、1つの支店で受け持つ企業数が多いため、丁寧な対応は期待出来ないなどのデメリットもあります。

調達額の相場:企業や利用する融資制度により異なる

調達スピード:融資制度により異なるが比較的時間がかかる

7:社債(私募債)

あまり知られていない資金調達方法として、少人数私募債があります。社債とは企業が発行できる債券のことで、私募債は社債の一種です。私募債には「少人数私募債」と「プロ私募債」という2種類がありますがここでご紹介するのは50人未満の人に募集をかけ、1億円未満のお金を借りることが出来るという「少人数私募債」です。

少人数私募債の発行対象となるのは経営者の親戚、友人、知人や取引先などの縁故者の場合が多く、担保や保証人もないため借り入れしやすい、手続きが簡単、コストを抑えられるなどのメリットがあります。

ただし、元金は一括で返済する必要があるため、キャッシュフローの改善目的で利用することが出来ないことや、財政状況が悪い場合は発行出来ないなどのデメリットがあります。

調達額の相場:〜1億円未満

調達スピード:1~2ヶ月ほど

8:ビジネスローン

プロパー融資はもちろん、保証付き融資や公的融資も利用することが出来ない…そんな企業のために作られたのが事業資金専用のローンである、ビジネスローンという商品です。

担保、保証人無しで利用することが可能で更に審査も通りやすい代わりに、金利は高く設定されています。

ビジネスローンの場合、限度額が1000万円に設定されている事が多く高額な融資は期待出来ませんが、消費者金融のビジネスローンならば即日融資も可能です。

調達額の相場:~1000万円

調達スピード:最短即日~

9:親族や知人からの借り入れ

学生起業家の場合、家族や親戚、知人や友人から借り入れて事業を開始するということも多いようです。お金を借りる相手が親しい人間ということで審査はありませんし、基本的には利子が無い場合も多く、返済までの期限についても柔軟に決めることが出来ます。

しかし、万が一お金を返すことが出来なかった場合や思い違いでトラブルに発展してしまうなど、場合によっては関係にヒビが入ってしまったり、最悪の場合、裁判沙汰に発展したり絶縁することになってしまうなど、問題が起これば悲惨な結果になってしまうこともあり得ます。

調達額の相場:人によって異なるが最大で1000万円程度

調達スピード:最短即日~

アセット・ファイナンスによる資金調達

アセット・ファイナンスとは「資産」によって資金を調達する方法です。今ある資産を資金に変えるという方法のため、返済の必要はありません。

10:ファクタリング

ファクタリングとは、自社が持っている売掛債権をファクタリング業者に売却し、早期に資金化する手法のことです。

売掛債権とは取引先企業に提供した商品やサービスの代金を受け取ることが出来る権利のことですが、掛取引ではこの代金を受取るまでに30日から60日ほどの期間が発生してしまうため、その間は手元に資金がない状態となります。ファクタリングではそれを解消することが出来るのです。

ただし、手数料が高かったり、3社間ファクタリングの場合は取引先に「資金繰りに苦しんでいる」と思われてしまうなどのデメリットもあります。

以上のように、ファクタリングは会社経営に切羽詰まった時につなぎのお金を手に入れるための手法とも言えるため、あまりオススメ出来る方法でありません。特に、新規事業のための資金調達方法では避けるべきと言えるでしょう。

調達額の相場:50万円~500万円ほど

調達スピード:最短即日~2週間

11:債権回収

既にいくつかの会社と取引を行っているならば、まだ回収できていない債権があるかもしれません。積極的に債権回収を行えばそれによって未回収分の資金を得ることが出来ます。

債権は何もしなければ一定期間経過すると、消滅してしまいます。取引先が債権回収に応じない場合は内容証明、少額訴訟、民事調停などの措置を取ることも可能です。

調達額の相場:債権による

調達スピード:取引先によるが、時間を掛けるほど回収しにくくなる可能性が高いためなるべく早く回収することを目指す方がいい

12:使わない資産を売る

既に会社がいくつかの資産を保有しているならば、それを売却して資金調達を行うことを検討してみましょう。

有価証券、不動産、ゴルフの会員証などがあります。また、過剰な在庫を抱えるのは管理・保管コストが増え続けるだけになる可能性もあるため、無駄な在庫は売ったり、処分を検討しましょう。

調達額の相場:資産によって異なる

調達スピード:資産によって異なる

その他の方法での資金調達

資金調達 メリット デメリット

その他にもいくつかの資産調達方法があります。調達額はそこまで大きくありませんが、いずれも返済の必要がない方法ですので利用出来そうならば利用してみるのがいいでしょう。

13:ビジネスコンテストなどの賞金

ピッチイベントやビジネスコンテストなどは優勝賞金のあるものも多く、そのようなコンテストで賞金を獲得するというのも一つの選択肢と言えます。様々なコンテストがあるので、自社に適したものを探してみるといいでしょう。

コンテストには著名なベンチャーキャピタルや投資家なども数多く来場していますので、賞金を逃してしまったとしても自社をアピール出来るなどのメリットがあります。

デメリットとしては、調達額は大きくないこと、調達までに時間がかかるということが挙げられます。

調達額の相場:~1000万円程度

調達スピード:2~3ヶ月

14:補助金・助成金

国や自治体から給付してもらうことが出来る補助金や助成金の大きなメリットが返済義務がないということでしょう。

ただし、補助金や助成金を給付してもらうためには審査に受かったり、一定の基準を満たさなければいけません。審査に落ちれば給付を受けられないこと、申請手続きが複雑なこと、実際に資金を調達するまでかなり長い時間がかかることから、他の資金調達方法と同時に行う必要があります。

調達額の相場:数十万円〜3000万円ほど

調達スピード:1年~

15:クラウドファンディング

今、クラウドファンディングで資金調達を行うことが一般化してきています。沢山の人から少しつず資金を調達するというクラウドファンディングでは、インターネット上のプラットフォームを使い、自社の事業や自分のアイディアをアピールしますが、上手くアピール出来れば一瞬にして多額の資金調達が可能になることもあります。

ただし、クラウドファンディングは目標金額に到達しなければ不成立となり出資者に返金されるため1円も資金を得られない可能性があったり、実際にその資金が手元に届くまでには時間がかかるなどのデメリットもあります。

調達額の相場:数十万円〜3000万円ほど

調達スピード:2ヶ月ほど

まとめ

15の資金調達方法にはそれぞれのメリットやデメリットがあるだけでなく、調達額の規模や調達スピードも異なります。一体どんな資金調達方法がいいのかということは自社の成長ステージやこれからの事業計画、黒字化のタイミング、目指している会社の規模などによっても異なりますので、それに合った方法で資金調達を行うことが大切です。

1つの方法だけでなく、いくつかの方法を使い分けている企業も数多く存在していますので、他社を参考にしてみてもいいかもしれません。気をつけたいのは、株式発行による資金調達など、後戻りが出来ない方法もあるということです。資金調達を行う時には、必ず後々のことについてしっかり検討した上で行うようにしましょう。

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