そのファクタリングは本当に適正?手数料が決まる5つの仕組み

ファクタリング

ファクタリングは短期で資金調達がしたいという経営者が多くいるというサービスの性質上、なぜここまで多額の手数料がかかり割引きされてしまうのかと言う事を全く理解せずに契約してしまうケースがとても多いです。

  • ファクタリング手数料が適正か否か
  • なぜ多額の手数料が必要なのか
  • 売掛金が割り引きされてしまう理由は何か
  • 手数料が変動するのは何故か
  • 適正手数料を提示してくれる会社を見分けるポイントは何か

ファクタリング手数料を相場通りの適正価格で取り引きを行う為には、上記5点はしっかりと契約前に理解しておく必要があります。この記事ではファクタリング手数料に関して事前に必ず知っておくべき基礎知識を紹介していきます。契約前に知っておくべき事項ばかりなので、しっかりと理解してからファクタリングサービスの申し込みをするようにしましょう。

2社間と3社間で大きく違う手数料

ファクタリング契約で最も主流となっているのが一括ファクタリングと呼ばれるものです。実際に中小企業の方が売掛金を売って現金を得る為の手段として用いられている一般的なものですが、一口に一括ファクタリングと言っても2種類の方法に分けられます。

  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング

一括ファクタリングでまとめて現金が手に入る事で中小企業の資金調達として非常に重宝されていますが、2社間と3社間では大きく手数料が異なります。それぞれの違いと手数料相場からまずは紹介していきましょう。

2社と3社の比較

一括ファクタリングで利用される2社間と3社間の比較をしていきます。どちらもメリットとデメリットがありますが、手数料の面では2社の方が遥かに高額です。それぞれの違いを紹介していきましょう。

2社間 3社間
手数料 6%~40% 1%~5%
通知 されない される
現金化スピード 最短即日 審査が長い
口座 変更なし 変更の可能性あり

2社間と3社間で大きく手数料に違いがある理由はリスクの違いです。利用者が売掛先から一旦売掛債権を回収し、そのままスライドする形でファクタリング会社へ売掛金を支払うという2社間ファクタリングの性質は、常にリスクが介在する事になりますので貸し倒れリスクを回避する為にも手数料は高額に設定しなければいけません。

3社間ファクタリングの場合は、売掛先に通知されてしまうというデメリットは当然ありますが、売掛先が直接ファクタリング会社へ売掛金を支払う形になりますので2社間に比べてリスクが低いのです。審査も長く大手メガバンクがサービス提供している影響もあり、比較的手数料は抑え目に設定されています。

手数料が安いから3社間で!という考え方は危険

上で説明したように2社間と3社間ではリスクが大きく違いますので手数料相場が全く異なります。資金調達を即日できる2社間は貸し倒れリスクが高いという事でファクタリング会社からの手数料がとても高くなります。手数料はできるだけ抑えたい…それならば3社間で…!と手数料だけを基準にして取り引き方法を決めてしまうのは早計です。

3社間取引は売掛先の合意が得られないと資金調達ができない

これが最大のデメリットです。100%の確率で合意が得られるとは限りませんし、ファクタリング会社に売掛金を売買する事で売掛先(クライアント)が良い顔をしない可能性もあります。2社間取引では売掛先の意向は全く関係なく資金調達をする事が可能ですが、3社間では売掛先も交えた打ち合わせが必須になりますので、売掛先が不信感を持つ可能性がある点が最大のデメリットとなります。

手数料の安さも大切ですがそれよりも大事にしてもらいたいのはそれぞれのメリットとデメリットを判断し、どちらの取り引きが現状の企業運営において大切であるかという点です。3社間では売掛先に不信感を抱かせてしまう可能性が少なくないという事は理解しておかないと今後の売掛先との取り引きにも影響を与える可能性がありますので覚えておきましょう。

適正な手数料か否か判断する為の基礎知識

2社間と3社間で大きく手数料が異なる理由を上記で紹介していきましたが、ここからは手数料が決まるまでの仕組みを紹介していきたいと思います。100社以上あると言われているファクタリング会社はそれぞれ手数料が異なります。その手数料が何故その価格になっているのか、手数料が決まるまでの仕組みをしっかりと理解しておく事で適正価格でファクタリング契約を締結する事が可能です。

  1. 手数料の詳細
  2. 年商で変わる相場
  3. 優良会社を見極める
  4. 売掛先の総合判断
  5. 交渉で手数料を抑える

適正手数料でファクタリング契約を締結する為には手数料が決まるまでの上記5点をしっかりと確認しておく必要があります。決して少なくない額が引かれてしまう手数料ですから、なぜその金額がかかるのかという事をしっかりと知識として覚えておく必要があります。以下で一つずつ詳細に説明していきましょう。

ファクタリングの手数料内訳

2社間と3社間で大きく手数料が違うという事は上記で説明してきましたが、ファクタリング利用前にまずしっかりと理解しておきたい点は手数料の内訳です。買取債権額を100万円とした時の手数料の一般的な内訳は以下のようになります。

  • ファクタリング会社の取り分(7万円)
  • 登記費用(8万円)
  • 紹介料(3万円)
  • 印刷代(2万円)

ファクタリング手続きをする上で絶対に欠かせない登記費用に多くの費用が必要になっている事が分かるかと思います。登記費用とは「債権譲渡登記および抹消登記事務代行報酬」と「債権譲渡契約書作成事務代行報酬」です。印刷代は債権譲渡契約書、登録免許税であったり登記事項証明書交付であったりといった諸々です。事務手続きの費用や日当などもここに含まれます。

ファクタリング契約は規模にもよりますが、大体固定費用だけで10万~20万前後は必要になってくるという訳です。高額なファクタリングであればそこまで大きな差はありませんけども、100万円のファクタリングであれば固定費用だけで10%~20%が手数料として取られてしまうという訳です。固定費用+ファクタリング会社の取り分も必要であると考えると大体の手数料相場が見えてくるかと思います。

年商によって手数料相場は変わる

特に2社間ファクタリングに置いては手数料を大々的に公にしている会社はとても少ないです。リスクを含めて債権を買い取るというサービスの性質上、どうしても2社間では手数料が高くなりますし、高い手数料を提示していては利用者が少なくなってしまいますので、正確な手数料を提示している会社少ないです。もしも大々的に表示している会社があったとしても恐らく実際に会って調査した後に提示される手数料は高額になっているというケースが多いかと思います。

しかし手数料が高い事が悪いとは言えません。「2社間の相場はこれ位なのに30%なんて悪徳業者なんじゃ…」とは一概に言えないという訳です。これは色々な会社を自分で比較してみるのが一番いいのですが、それぞれの会社の調査や意向によって手数料は変化していきますので正確な相場は出しようがないという訳です。

5000万円未満 20%~
5000万円~1億円 18%~
1億円以上 15%~

その中でもある程度の指標にしてもいいかなと思うのはファクタリング会社の年商と手数料相場は変化していくという点です。大手メガバンクが運営しているファクタリング会社の手数料が比較的安いのは、年商が高く潤沢な資金を持っているからです。民間企業で年商の低い会社であればある程手数料は高くなる傾向にあります。

しかし大手メガバンクは審査が厳しく、大手企業のファクタリングを中心に請け負っていますので中小企業の細かいファクタリングは民間企業にお願いする事になる事が多いかと思います。会社の年商と手数料相場をしっかり理解しておくと適切なのかどうかを見極める一つの基準にはなるかと思います。

優良企業を見極めるポイント

適切な手数料で取り引きを行う為には悪徳業者ではなく優良企業と取り引きを行う必要があります。悪徳業者の主な特徴を以下で簡単にまとめてみます。

  • 2社間にも関わらず初回から手数料5%
  • 好条件なのに手数料が30%を越えている
  • 契約段階まで具体的な手数料を提示しない
  • 契約に必要な書類の発行代金が相場と違う
  • 契約書が作成されていない

これらに一つでも当てはまる場合は悪徳業者である可能性が高く、適切な手数料でファクタリングを行う事ができないかもしれませんので注意が必要です。最も注意が必要なのは手数料の安さだけを謳ってくる会社です。リスクを考えれば2社間ファクタリングで手数料が5%なんて事はまず考えられません。手数料を安く見せているのは利用者を釣る為の方法ですから、相場よりも安す過ぎる手数料には決して騙されないように注意する必要があります。

悪徳業者は最後の最後、契約段階になるまで具体的な手数料を提示しない企業が多いのも注意点です。具体的な手数料を提示できない理由は悪徳業者で手数料を騙し取りたいと考えているからに他なりません。優良企業は最初に手数料を提示し、相場通りであるかどうかは調査結果次第にはなりますが、手数料を隠したりといった事は絶対にしません。少しでも怪しい素振りを見せたら契約を締結しない事をオススメします。

売掛先の規模や業績で手数料は変わる

ファクタリングは売掛先の業績や規模、債権金額、取引履歴などを総合的に判断して手数料を決めていきます。例えば売掛先が大手企業で潤沢な資金を持っている倒産リスクが少ない会社であった場合、債権金額も大きければファクタリング会社としても貸し倒れリスクが少ない為に手数料は安くなる傾向にあります。

その反面、売掛先の規模が小さく、業績も縮小傾向にある場合は倒産リスクが高く貸し倒れになる可能性が高まりますので手数料は高くなります。しかしながら売掛先が大手企業であっても極端に審査で優遇される事が少ないのがファクタリングの審査でもあります。大手メガバンク直系のファクタリング会社の場合はかなりシビアに判断されますから、その点は大手だから安心とは思わない方が賢明でしょう。

手数料を抑える交渉ポイントを理解しておく

ファクタリング会社はリスクを回避したいと思っています。つまりこのファクタリングにリスクはないという事を書類は数字で訴える必要があり、ファクタリング会社がリスクが少ないと感じてくれればその分手数料を抑える事が可能です。契約締結前に必ず企業調査と面談がありますので、その時に手数料を下げる為の交渉時間はあります。

ファクタリング会社がこの取引にリスクはないなと感じる重要なポイントは、その会社とどれ位の付き合いがあるかという点です。取引先が大手企業であっても1ヶ月しかやり取りがないのであればあまり信用されません。しかし中小企業であっても10年以上の付き合いがある場合などであれば、売掛金を支払わないといったリスクはかなり低く感じますのでリスクは低いとファクタリング会社は感じるでしょう。そういった点を交渉材料に手数料を抑える為の面談をするのがコツです。

まとめ

ファクタリングの手数料は決して安くありません。安くない手数料を支払う訳ですからきちんと適正価格を見極めて、何にどれ位手数料がかかっているのかという事を自分自身でしっかりと理解しておく事で、適切なファクタリング契約を結べるようになります。

目先の手数料の安さや即現金化という事に捉われず、きちんとした適正価格の手数料か否かをしっかりと総合的に判断してから契約は締結するようにしましょう。

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