
エコフィールは、省エネ給湯器の1つで、排ガスの中にある熱を再利用する石油給湯器です。
省エネ・エコ化が注目されている中、エコフィールを導入する家庭も増えてきました。
しかし、エコフィールは導入費用が従来の給湯器よりも高く、断念する方も多いのが現実です。
そこで、ぜひ利用してほしいのが、各自治体が設けている「補助金制度」となります。
導入費用を抑えるポイントの1つともいえるでしょう。
本記事では、エコフィールの基礎知識から選び方・補助金・購入方法について説明します。
・エコフィールの基礎知識
・エコフィールの種類・機能について
・エコフィールの選び方
・エコフィールの補助金について
・エコフィールの購入方法
・エコフィールに関してよくある質問
この記事を読むことで、エコフィールの補助金について知ることができます。
導入・買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
エコフィールとは何か?
エコフィールと聞いて、すぐに回答出来る方も少ないと思います。
エコフィールとは、排ガスの中にある熱を回収して再利用する新しい石油給湯器です。
従来の石油給湯器よりも熱効率が高いため、灯油の使用量を節約することができます。
給湯器の熱源は、石油・電気・ガスの3種類です。
電気を燃料としたものは「エコキュート」、ガスを燃料としたものは「エコジョーズ」と呼ばれています。
エコフィールを含めたこれらの給湯器は、次世代の省エネ・エコ給湯器です。
仕組み
従来の石油給湯器は、冷たい水を熱交換器で温めてお湯をつくっていました。
お湯を沸かすときには、200℃の排熱が発生しますが、それをそのまま捨てていたのです。
一方、エコフィールは、冷たい水を2次熱交換器で加熱した後、発生した排熱を1次交換器でさらに過熱します。
つまり、従来の石油給湯器が捨てている排熱を再利用する仕組みです。
メリット・デメリット
エコフィール最大のメリットは、高い熱交換率です。
200℃の排熱を再利用しているため、従来の熱効率よりも約12%アップしています。
熱効率が高くなると、省エネルギーでお湯を沸かすことができ、灯油代が節約できるでしょう。
また、従来の排気温度は約200℃ですが、エコフィールは約60℃と140℃も違いがあります。
二酸化炭素の排出量も減少するので地球にやさしい給湯器です。
デメリットは、本体価格が高く初期費用がかかる点でしょう。
従来型の石油給湯器は約12万円で購入できますが、エコフィールは約20万円かかります。
ほかの給湯器との違い
熱交換率・排気温度などさまざまな違いがありますが、ほかの給湯器の大きな違いは「熱源」です。
エコフィールの熱源は石油で、灯油を使用してお湯を沸かすボイラーの1種となります。
電気給湯器は深夜電気を、ガス給湯器はプロパンガス・都市ガスを使用する種類です。
熱交換率について
エコフィールの大きな特徴となる熱交換率は、第2次熱交換器と第1次熱交換器の2つが大きなポイントです。
一般的な給湯器には、熱交換器が必ずついています。
しかし、熱交換器が2つあるのはエコフィール最大の特徴です。
2つの熱交換器を使用しているからこそ、排気ガスが蓄えている約200℃の熱を利用して、水を温めることができます。エネルギーの無駄を省いているのです。
灯油の節約量について
従来型の石油給湯器は、1年に約627リットルの灯油を使用するといわれています。
一方、エコフィールの使用量は約548リットルです。年間に約79リットルの灯油を節約することができます。その分だけ、灯油にかかるお金も節約可能です。
エコフィールの種類・機能について
エコフィールの種類と機能をきちんとチェックしていきましょう。
主な種類は、風呂釜・給湯器・暖房風呂給湯器の3種類です。それぞれの特徴について説明します。
■風呂釜
風呂に水を張ってお湯を沸かす釜のことを「風呂釜」といいます。風呂釜の場合は、浴槽にお湯をためることはできませんが、浴槽に入っている水・お湯を温め直すことが可能です。
■給湯器
給湯器とは、お湯を給湯器でつくり、配管をとおって供給するものです。室内設置型・室外設置などさまざまな種類に分かれていますが、給湯器は浴槽にお湯をためることができます。逆にいえば、浴槽に入っている水・お湯を温め直すことができません。
■暖房風呂給湯器
暖房風呂給湯器は、自動のお湯張り・追い焚(だ)き・給湯すべてが可能になったタイプです。給湯器の力を利用して、浴槽内の空気を暖めることができます。
メーカーによる製品紹介
それでは、メーカーごとのエコフィールを紹介します。
■リンナイ
日本の2大大手メーカーの1つである「リンナイ」は、寒冷地向けにハイブリッド給湯・暖房システムを提供しています。
リンナイの特徴は、充実した機能です。ゆらぎシャワー・水道直圧(すいどうちょくあつ)など、ほかのメーカーにはない機能がそろっています。
■ノーリツ
リンナイと並ぶ大手メーカーの「ノーリツ」は、石油風呂給湯器・石油給湯器の2種類があります。
ノーリツの給湯器は、エコ機能と熱効率が業界トップクラスです。リンナイよりもエコ機能が優れているメーカーといえるでしょう。
■パロマ
パロマは幅広い世代から人気のあるメーカーで、機器の扱いやすさが特徴です。
難しい操作はいらない・お湯が使えるだけでよいと思っている方は、パロマをおすすめします。
エコ給湯器が注目される中、多機能型タイプに人気が集まってきています。
多機能タイプの給湯器には、給湯・風呂の追い焚きだけでなく、浴室のミストサウナ・部屋の床暖房・浴室の乾燥と暖房などが実現可能です。
給湯器をさまざまな場所で活用できるため、たくさんのメリットが生まれます。
エコフィールの選び方
家庭・ライフスタイルに適したエコフィールを選ぶためには、ポイントを押さえることが大切です。それでは早速、チェックしていきましょう。
まず、1番に押さえてほしいポイントが「家族構成」です。
給湯器には、家族の人数で「給湯能力」が変わります。給湯能力は「号数」で表しているので、人数に適した数を選択しなければなりません。
大まかな号数と家族人数は、以下のとおりとなります。
16号:1人暮らし・単身者向け
20号:2人家族
24号:4人家族
灯油・石油タンクの設置について
熱源が灯油のエコフィールは、本体と同時に灯油タンクを設置しなければなりません。
導入する際は、設置スペースが十分かどうか確認しておきましょう。また、石油給湯器の設置が初めての場合は、容量によって消防署に届け出が必要となります。
灯油タンクの容量が200リットル以上の場合は、きちんと届け出をしなければ法律違反となるので注意してください。
エコフィールの補助金について
初期費用を安く抑えることができる補助金とは、どのような制度なのでしょうか。
下記の補助金について細かく紹介します。
補助金・補助制度とは
地球にやさしいエコ給湯器の使用率を上げるために、各自治体では補助金制度を設けています。
補助金・補助制度は、導入を促すことを目的とした内容です。
掲げている条件をクリアすれば、制度を利用することができます。
対象給湯器について
自治体によって、対象給湯器が異なるので注意してください。
たとえば、札幌市の場合、住宅に補助対象機器を設置する方限定で補助金制度に申し込むことができます。
導入費用の一部を補助する制度ですが、「札幌市民であること」などの条件が決められているので要注意です。
補助対象機器は、エコフィールなどエコ給湯器のほかに、太陽光発電・太陽熱利用システムなどがあります。
現在の制度について
エコフィールを含めた自立防災型高効率給湯器の設置・導入補助を、以前までは国も行っていました。
しかし、現在は国による補助金制度が終了しています。補助金制度を利用したい方は、お住まいの自治体から出されている情報を確認してください。
注意点
すべての自治体が補助金制度を設けているとは限りません。
補助を行っていない自治体もありますし、補助金を利用するための条件が細かく決められています。申し込みをする前に、条件を細部まで確認したほうがよいでしょう。
補助対象となる給湯器とは
次の基準を満たした高効率給湯器(エコフィール)が、補助の対象となります。
詳しくは指定機器一覧表をご参照下さい。
(1) 石油(灯油)を燃料とすること。
(2) 潜熱を回収するための熱交換器を備えていること。
(3) 熱効率(給湯)が90%以上であること。
(4) 補助対象エコフィールとして、石油連盟の指定を受けていること。
注 : 補助対象エコフィールとは、補助金交付対象となるエコフィールを機種毎に指定したものであり、その個別のエコフィールの性能を保証しているものではありません。
平成22年度補助事業の制度変更について
(1) 補助金額が変更
平成22年度の補助金額は 一律 20,000円となります。
機器費分
(本体費用) |
(1台あたり)
一律 20,000円 |
従来機器の基準額105,000円以下(消費税除き)の場合は、
補助金の対象外となり、申し込みできません |
○平成22年度より特殊工事費分の補助金が廃止されました。
○従来機の基準額が105,000円(本体費用、消費税除き)に変更されました。
(2) 申込期間が変更
1.募集期間が昨年度に比べ短縮されました。
2.申込台数が各期毎の補助予定台数に達すると募集は終了します。
3.各期毎に交付申請書の提出期限が定められていますので、所定の提出期限までに 交付申請書を提出しないと補助金を受ける権利を失います。
4.第1期で補助金を受取る権利を失った申請者があった場合、その申請者分の予算は、第2期分の予算に追加されます。
募集期 | 募集期間 | 交付申請書提出期限 | 補助予定台数 |
第1期 | 平成22年4月26日(月)~平成22年6月30日(水) | 平成22年8月31日(火) | 2,750台 |
第2期 | 平成22年7月1日(木)~平成22年9月30日(木) | 平成22年11月30日(火) | 2,750台 |
(3) 手続代行者による申請が変更
1.手続代行者に申請手続きを依頼する場合、機器供給事業者(申請者にエコフィールを 販売した機器販売事業者に当該エコフィールを供給した機器卸売り事業者またはメーカー等)との連名による申請が必要となります。
2.機器供給事業者との連名による申請ができない場合は、手続代行はできません。申請者個人で申請していただくことになります。
3.機器供給事業者は、手続代行者の申請内容が適正であることを確認します。後日、申請内容に虚偽、不正等が認められた場合、手続代行者と共に連帯責任(行政処分等) を負います。
4.申請者(手続代行者に申請手続きを依頼した場合に限る。)は、交付申請書の提出後、「設置工事完了確認書」(様式第7)を別途石油連盟へ提出しなければなりません。
5.「設置工事完了確認書」は、交付申請書の受理後、石油連盟より申請者宛に簡易書留で送付されます。
申請者は、設置工事完了確認書が到着した日から10日以内に必要事項を記入して、石油連盟に提出しなければなりません。期限内に提出いただけない場合は、補助金を受取る権利を失います。
6.「設置工事完了確認書」は、申請者ご本人に申請内容を再確認するためのものです。
7.申請者が個人で申請される場合(手続代行者に申請手続きを依頼しない場合)は、「設置工事完了確認書」の提出は、不要です。
設置工事完了確認書提出期限 | |
第1期 | 書類到着後10日以内、または、平成22年9月10日(金)のいずれか早い日まで |
第2期 | 書類到着後10日以内、または、平成22年12月10日(金)のいずれか早い日まで |
(4) 補助金申込書用紙は「平成22年度」用を使用してください。
「平成22年度補助金申込書」用紙を必ずご使用下さい。
平成21年度の補助金申込書用紙では受理できません。
用紙は次の方法で入手できます。
1. ホームページの「申込書作成システム」で作成
2. ホームページからダウンロードで入手
3. 公募説明資料からコピー
4. 石油連盟に依頼しFAX送信で入手
まとめ
今回は、エコフィールの補助金にまつわる内容を紹介しました。
近年は、エコ化が日々進んでおり、非常の多くの方がエコに意識を持っています。
エコフィールは、灯油でお湯を温める際に発生する排熱を再利用したエコ給湯器の1つです。
従来の石油給湯器よりも熱交換率が高く、少ない灯油でお湯を沸かすことができます。
また、二酸化炭素の発生量が減少するため、地球にやさしい特徴があるのです。
一般的な給湯器よりも初期費用がかかりますが、自治体の補助金制度を利用すれば費用を抑えることができるでしょう。
ただし、補助金制度を設けていない自治体もあるので、ホームページなどできちんと確認することが大切です。