資金調達につながる伝統的工芸品産業支援補助金5つの計画に基づく事業を紹介

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伝統的工芸品産業支援補助金

日本の伝統的工芸品産業は、長い歴史とともに伝統的技術や技法を伝承することはもちろんのこと、国民生活にとっても心の豊かさと潤いを与えてくれます。

経済産業省では、大切な伝統工芸品産業の技術、技法の保護や保存だけではなく、産業活動として運営し発展し伝統的工芸品産業の振興を図る目的として、伝統的工芸品産業支援補助金を設けました。

伝統的工芸品の製造事業者、販売事業者、産地組合、支援者(自治体、団体、デザイナー、プロデューサー、バイヤー等の伝統的工芸品に携わる方)方々が利用できる補助金となっていますので、ぜひご活用ください。

こちらの記事では、伝統的工芸品産業支援補助金をわかりやすく解説していきます。

伝統的工芸品産業支援補助金

伝統的工芸品産業支援補助金
伝統的工芸品産業支援補助金では、各産地における伝統的工芸品の原材料確保対策事業、若手後継者の創出育成事業、観光業など異分野や他産地との連携事業、国内外の大消費地等での需要開拓などに対して支援を行っています。

「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の規定に基づき経済産業大臣が指定した工芸品の組合、団体及び事業者等が実施する事業に必要な経費の一部に補助金を交付することにより、伝統的工芸品産業の振興を図ることを目的としている事業です。

補助金交付額

伝統的工芸品産業支援補助金の交付額の上限と下限は下記の表の通りとなります。

下限額 原則50万円
補助率2/3の場合、 補助対象経費75万円、補助金交付額50万円。
補助金申請額が50万円以下である場合、費用対効果の観 点から十分な理由があれば、補助対象とすることを検討されので、各経済産業局にあらかじめご相談下さい。
上限額 原則2,000万円
補助率2/3の場合、 補助対象経費3,000万円、国庫補助金2,000万円
補助金申請額が2,000万円以上である場合、必要性につい て十分な理由があれば、補助対象とすることを検討されので、各経済産業局にあらかじめご相談下さい。

各種計画に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

伝統的工芸品産業支援補助金の各種計画に基づく事業は、下記の1~5のいずれかに該当する事業です。

・補助対象者は事業により異なりますが、伝産法の規定に基づき各種計画の認定を受けた組合、団体及び事業者等となります。

・各種計画の認定を受けていない組合、団体及び事業者等については、本補助金申請の1ヵ月前までに次の①~⑤に該当する計画の申請を行ってください。

・補助対象者は、各種計画の作成及び事業の遂行に責任を持ち得る日本に拠点を有する者であることが必要です。また、組合・団体・グループ等の場合、その構成員の意思が十分に反映されている組織であることが必要となります。

1.振興計画(伝産法第4条)に基づく事業

2.共同振興計画(伝産法第7条)に基づく事業

3.活性化計画(伝産法第9条)に基づく事業

4.連携活性化計画(伝産法第11条)に基づく事業

5.支援計画(伝産法第13条)に基づく事業

次に、各種計画に基づく事業について、詳しく解説していきます。

1.振興計画(伝産法第4条)に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

振興計画(伝産法第4条)に基づく事業の対象となる事業は、下記の通りとなります。

①後継者育成事業
イ:後継者・従事者育成事業
・製造者の従業員・後継者の育成を図るための事業

ロ:若年層等後継者創出育成事業
・新たな人材を発掘するための事業
(既に当該工芸品の製造・販売に従事している者は対象外)

②技術・技法の記録収集・保存事業
・伝統的な技術・技法を記録・保存するための事業

③原材料確保対策事業
・伝統的な原材料を安定的に確保するための事業
(原材料の購入は対象外)

④需要開拓事業
・伝統的工芸品の普及啓発・販路拡大をするための事業

⑤意匠開発事業
・新商品開発に向けた事業

補助対象者

振興計画(伝産法第4条)に基づく事業の補助対象となる者は、下記の通りとなります。

◆特定製造共同組合等

・特定製造協同組合等とは、指定地域において、当該伝統的工芸品を製造する事業者の1/2を超える者がその直接又は間接の構成員となっているもの。

補助対象経費

伝統的工芸品産業支援補助金

振興計画(伝産法第4条)に基づく事業の事業ごとの主な補助対象経費は、下記の通りとなります。

①イ:後継者・従事者育成事業
・研修講師謝金、研修講師旅費
・研修旅費(産地外研修分)
・研修教材等諸費(テキスト、材料購入、研修借室料、アルバイト賃金 等)

①ロ:若年層等後継者創出育成事業
・研修講師謝金、研修講師旅費
・研修旅費(産地外研修分)
・職員旅費(事務打合せ旅費)
・研修教材等諸費(テキスト、材料購入、研修借室料、アルバイト賃金 等)
・広報費(募集案内作成費・外注費、

②技術・技法の記録収集・保存事業
・企画会議費(委員謝金、委員旅費、会場費、会議費)
・資料収集費(文献等購入費、作品購入費、文献等借料)
・記録フィルム等、記録文献作成費(調査旅費、報告書作成費、原材料収集・分析・調査費、外注費)

③原材料確保対策事業
・企画会議費(委員謝金、委員旅費、会場費、会議費)
・研究会費(研究員謝金、研究員旅費、会場費、会議費)
・原材料開発研究調査費(調査旅費、報告書作成費、原材料収集・分析・調査費、外注費)

④需要開拓事業
・企画会議費(委員謝金、委員旅費、会場費、会議費 等)
・展示会開催等事前準備費(マーケティング調査費、事務打合せ旅費、印刷・広報費、映像資料等作成費、翻訳費 等)
・展示会開催等事業費(出展旅費、会場費、設営・装飾費、実演旅費 等)
・展示会等成果検討費(検討委員会謝金、成果アンケート調査用紙印刷費 等)

⑤意匠開発事業
・企画会議費(委員謝金、委員旅費、会場費、会議費 等)
・意匠開発費(マーケティング調査費、事務打合せ旅費、専門家外注費(デザイン費等)、新商品試作費 等)
・求評会開催等事業費(出展旅費、会場費、印刷・広報費、外注費 等)
・求評会等成果検討費(検討委員会謝金、成果アンケート調査用紙印刷費 等)

補助額

振興計画(伝産法第4条)に基づく事業の事業ごとの補助率は、下記の通りとなります。

①後継者育成事業
イ:後継者・従事者育成事業   [補助率:1/2以内]
ロ:若年層等後継者創出育成事業 [補助率:2/3以内]

②技術・技法の記録収集・保存事業 [補助率:2/3以内]

③原材料確保対策事業 [補助率:2/3以内]

④需要開拓事業 [補助率:2/3以内]

⑤意匠開発事業 [補助率:2/3以内]

・「イ:後継者・従事者育成事業」においては、伝産法第2条により指定された地域(以下、指定地域)又は製造協同組合等において、伝統的工芸品の製造を行う従事者数が60名以下、又は企業数(事業所数)が20社以下の場合は、補助率2/3以内。

2.共同振興計画(伝産法第7条)に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

共同振興計画(伝産法第7条)に基づく事業の対象となる事業は、下記の事業となります。

①需要開拓等共同展開事業

②新商品共同開発事業

補助対象者

共同振興計画(伝産法第7条)に基づく事業の補助対象となるものは、下記の通りとなります。

◆特定製造協同組合等及び販売事業者・販売協同組合等

「販売事業者」とは、伝統的工芸品を販売する百貨店・専門店・小売店等となります。

補助額

共同振興計画(伝産法第7条)に基づく事業の補助率は下記の通りとなります。

①需要開拓等共同展開事業 [補助率:2/3以内]

②新商品共同開発事業   [補助率:2/3以内]

3.活性化計画(伝産法第9条)に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

活性化計画(伝産法第9条)に基づく事業の事業内容は、下記の通りとなります。

◆活性化事業
一つの産地内において、技術を生かした新商品開発、新たなライフスタイルの提案等による需要開拓、消費者への適正な情報発信、技術・技法の改善、原材料についての研究、従事者の研修等の取組を通じ、伝統的工芸品産業の活性化に資する事業。

・産地の実態に応じ、斬新かつ先進的な取組であって、他の製造事業者等のモデルとなるようなものであり、振興事業等との関連に留意し、効果的に実施されるよう十分に検討しているものであること。

補助対象者

活性化計画(伝産法第9条)に基づく事業の補助対象者となるものは、下記の通りとなります。

◆製造事業者又はそのグループ及び製造協同組合等

「グループ」は、団体規約等を有する任意団体であることが必要です。
「製造協同組合」とは、特定製造協同組合以外の組合となります。

補助額

活性化計画(伝産法第9条)に基づく事業の補助率は、下記の通りとなります。

◆補助率
・活性化事業  2/3以内

4.連携活性化計画(伝産法第11条)に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

連携活性化計画(伝産法第11条)に基づく事業の事業内容は、下記の通りとなります。

◆連帯活性化事業
・複数の産地が連携して実施する上記活性化事業。

補助対象者

連携活性化計画(伝産法第11条)に基づく事業の補助対象となるものは下記の通りとなります。

◆製造事業者又はそのグループ及び製造協同組合等であって、他の伝統的工芸品の製造事業者や他の業種の事業者等と共同して事業を行う者。

補助額

連携活性化計画(伝産法第11条)に基づく事業の補助率は下記の通りとなります。

◆連携活性化事業 [補助率:2/3以内]

5.支援計画(伝産法第13条)に基づく事業

伝統的工芸品産業支援補助金

支援計画(伝産法第13条)に基づく事業の事業内容は、下記の通りとなります。

①人材育成・交流支援事業
中長期的な観点から、総合的かつ効率的な人材育成システムを確立し、後継者の確保・育成を図る事業や、消費者等との交流促進を目的とした事業。

・事業実施にあたっては、振興計画に基づく後継者育成事業等と十分な調整を図ること。

②産地プロデューサー事業
伝統的工芸品産業の振興を支援するために必要な専門的知識・ノウハウ等を有する者が、自ら産地に入り込んで、産地の製造事業者等とともに新商品の企画、需要の開拓、従事者の資質向上等のための取組を行い、産地全体を総合的にプロデュースする事業。

・産地の実態や課題を的確に分析・把握し、産地の製造事業者等と協力しつつ、現代の消費者ニーズ等を踏まえた先進的な取組を実施することにより、従事者の資質の向上、需要の拡大等の効果を具体的に挙げることが見込まれるものであること。

事業対象者

支援計画(伝産法第13条)に基づく事業の事業対象となるものは下記の通りとなります。

◆伝統的工芸品産業の支援事業を実施しようとする事業者・団体等

(例)
①学校法人、第三セクター、NPO 法人等
②プロデューサー、デザイナー、コーディネーター、コンサルタント等

補助額

支援計画(伝産法第13条)に基づく事業の補助率は下記の通りとなります。

①人材育成・交流支援事業 [補助率:1/2以内]

②産地プロデューサー事業 [補助率:1/2以内]

まとめ

伝統的工芸品産業支援補助金

伝統的工芸品産業支援補助金の補助金交付額、5つの計画に基づく事業、それぞれの補助対象者、補助額について、詳しく解説してきました。

伝統的工芸品産業支援補助金は、5つの計画に基づいた事業に対して支援してを行っている補助金です。

各種認定を受けていないのなら、ご紹介した5つの計画に該当する申請を1カ月前までに行い、応募期間をご確認の上で申請するようにしてください。

日本の伝統的工芸品産業の運営や事業に携わっているのなら、これらの補助金を資金調達として生かし、伝統的工芸品産業の継続や発展に役立てていきましょう。

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