これまで補助金を申請するには必要書類を用意して記載し、郵送か直接提出しなければいけませんでしたが、2020年からは補助金を電子申請に変わります。
補助金は積極的に申請してほしいですが、必要書類が多く印刷や準備が大変でしたね。
面倒な作業をする必要がなくなり、インターネットを利用した新しい申請方法「Jグランツ」やメリット・使い方などを紹介します。
Jグランツとは?
時間がかかっていた申請書作成はインターネットで簡単・スムーズに作成できるようになった方法が「Jグランツ」です。
Jグランツを利用すると、補助金情報の収集から申請までの作業、補助事業完了後の手続きまで全てインターネットでできます。
紙が大幅にいらなくなるため、ペーパーレスになり管理するファイル等もスッキリします。
GビズIDとは?
1つのID・パスワードでいろんな行政サービスにログインできるサービスです。
補助金・助成金を利用しようと検討している事業者の方にはとても便利なサービスなので、登録しておくだけでも良いと思います。
補助金電子申請は「gBizID(GビズID)」というサイトから、IDを取得しましょう。
電子申請のメリット4つ
補助金を申請する際に、電子申請を利用すると4つのメリットがあります。
・申請書の作成ミスが減る
・必要書類が少ない
・申請の状況を確認できる
・アカウント一つで複数の補助金を申請できる
以下では、それぞれのメリットを細かく解説していきます。
①申請書の作成ミスが減る
電子申請には入力補助機能がついており、入力した文字・数字を自動チェックしてくれます。
数字の計算ミスや入力漏れがあればエラー表示で知らせてくれるため、作成ミスを大幅に減らせます。
紙で申請書を作成して提出後、作成ミスがあれば戻されて、再度やり直さなければなりません。
大変時間がかかるため、電子申請の方が時間もかからずストレスなく申請することができます。
②必要書類が少ない
紙の数が少なくて済み、用意するコストを軽減できます。
補助金を申請しない人は「必要書類が多くて大変だから」という事も理由の一つです。
確かに、補助金を申請するには申請書だけでなく、見積書・申請者情報が分かる書類・その他の証明書等、とにかくたくさんの書類を準備しなければなりません。
電子申請の場合は、申請作業は全てインターネットで行うため、役所で書類を取りに行ったり紛失しないように管理する必要もなくなります。
③申請の状況を確認できる
現在の申請状況・処理状況を、24時間365日いつでも確認することができるようになります。
申請後の採択や実施完了して補助金振り込みなど、補助金の手続きは時間がかかるため、今の状況が気になる人はいつでも確認できます。
④アカウント一つで複数の補助金を申請できる
GビズIDプライムを取得しておくと、1つのアカウントで服酢の補助金を申請することができます。
申請する度に基本情報を入力する手間がなく、パソコンを持っていれば紙よりもラクラクに申請できます。
電子申請できる補助金は何?
既に複数の補助金が電子申請対応できるようになっています。
以下のものが2019年度から既に電子申請できる補助金です。
①ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
②小規模事業者持続化補助金
③サービス等生産性向上IT導入支援事業
④大企業人材等新規事業創造推進支援事業
⑤事業承継補助金
⑥インバウンド需要による地域消費拡大推進事業
⑦アジアDX等新規事業創造支援事業
次の20個が、2020年度新たに電子申請対応する補助金となっています。
①質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業
②技術協力活用型・新興開拓事業
③質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金
④低炭素技術を輪出するための人材育成支援事業費補助金
⑤伝統的工芸品産業支援補助金
⑥皮革産業振興対策事業
⑦JAPANブランド育成支援等事業
⑧商業・サービス競争力強化連携支援事業
⑨産油国石油精製技術等対策事業費補助金
⑩石油ガスの流通合理化及び取引の適正化等に関する支援事業
⑪原子力の安全性向上に資する技術開発費補助金
⑫社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業
⑬原子力産業基盤強化事業
⑭産学融合拠点創出事業
⑮ヘルスケアサービス社会実験事業
⑯地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業
⑰省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
⑱電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金
⑲技術協力活用型・新興国市場開拓事業
⑳商店街活性化・観光消費創出事業
電子申請はどうやってやるの?
紙よりメリットがたくさんある電子申請は、まず何から始めれば良いのかを解説していきます。
まずはサイトのIDを取得する必要があるため、ID取得方法から説明します。
GビズIDプライムの取得方法
IDの取得方法は以下の手順で行っていきます。
また、ID取得や申請のやり方マニュアルが公開されているため、そちらもチェックしてみてください。
①GビズIDサイトの画面に必要情報を入力する
②GビズIDプライム申請書を作成する
③GビズIDプライム申請書を印刷して押印する
④押印した申請書と印鑑登録証明書を、指定の宛先に郵送する
⑤申請承認のメールが送られてくる
⑥登録申請承認のお知らせのメールが届く
⑦メール内のURLをクリックしてパスワードを設定する
以上でID取得の手続きが完了しました。
設定したID・パスワードは忘れないようにメモしておきましょう。
GビズIDプライム取得は早めに手続きしよう
GビズIDプライムを取得するには2~3週間程度の審査期間があります。
補助金の募集が始まると多くの人が応募するため、電子申請は便利なので手続きする人も多いと思います。
補助金の締め切り日は短めなため、締め切り日が迫ってくるとさらに申請者が増えるでしょう。
締め切り日とID取得が間に合わないということにならないように、補助金申請をする予定の人は余裕を持って手続きすることをおすすめします。
電子申請の3ステップ
補助金を電子申請で行う手順は簡単にまとめると以下のようになります。
①ログイン
②入力
③申請内容を送信
手順をざっくりと説明すると以上になりますが、次の項目からもっと具体的に解説します。
①申請ページに移動
ID取得が完了後にGビズIDをログインすると、現在の申請ステータスや登録済のID情報が表示されます。
それぞれのパソコンによって表示が変わるかもしれませんが、「申請はこちら」をクリックすると申請ページへ移動します。
②応募者のプロフィール等を登録
「応募者のプロフィール」から順に申請内容を入力します。
次に「応募者の概要1」で事業形態・自分の役職・本社所在地・電話番号等を入力し、応募者のプロフィールと概要の入力内容を確認して、OKなら登録をクリックします。
入力ミスがある場合は「編集に戻る」をクリックすると修正できます。
続いて「応募者の概要2」と「応募者の概要2 経営状況」を入力して登録します。
決算書等を元に実績・株主等一覧表・役員一覧業・経営状況表を入力して登録します。
③事業計画についてを登録
応募者のプロフィール内にある「事業計画名等」を入力します。
本事業で取り組む対象分野となる業種・補助事業の具体的な内容等です。
次は、会社全体の事業計画等・事業計画書作成支援情報を入力し、入力内容を確認して登録をクリックします。
④補助金を受給したことがある人
補助金または委託費を受けたことがある人は、その実績説明を入力します。
実績がない人は何も入力しないで登録します。
⑤経費明細表を入力
経費明細表・資金調達内訳を入力して登録します。
入力内容を確認して、間違いがなければ登録をクリックします。
⑥その他の加点項目を入力
当てはまる項目にチェックを入れていきます。
いろいろと出てきますが、会社全体の事業計画・事業場内最低賃金目標の内容は自動的に反映されます。
完了したら登録をクリックして次へ進みます。
⑦小規模事業者は労働者名簿を登録
小規模企業者・小規模事業者が申請する際は、労働者名簿も登録する必要があります。
ただし、従業員がいない場合は入力せず登録してください。
従業員がいるのに労働者名簿を登録していないと、小規模企業企業者・小規模事業者として認められないため注意してください。
労働者名簿に入力した人数と、応募者の概要1の従業員数が一致しているようにしてください。
これで、やっと応募者のプロフィールを登録完了しました。
⑧提出書類を添付
続いては提出書類を添付します。
応募者のプロフィールを全て登録完了すると、提出書類添付が出てくるため、そちらの「作成中」をクリックして添付するページに移動しましょう。
①申請要件
②事業内容
③加点要件
④補足資料
の4つを登録します。
必ずPDFファイルで登録しましょう。
登録方法は、「参照」をクリックして、登録したい資料を選択して登録ボタンをクリックします。
登録した資料を消したい場合は「削除」をクリックすると削除でき、再度登録しなおすことができます。
⑨いよいよ補助金を申請
これで全ての入力が完了しました。
項目を登録完了すると作成状況が「作成済」と表示されます。
全てが作成済になっていれば申請をクリックし、誓約事項に同意して申請をクリックすれば完了です。
申請完了すると受付番号が表示され、番号はメモしておきましょう。
事務局に問い合わせする際に受付番号が必要になるため、忘れないようにしてください。
まとめ
以上、補助金の電子申請について解説してきました。
電子申請のメリットをまとめると、
・コストがかからない
・1回登録すれば複数の補助金を申請できる
入力と登録が大変ですが、紙で申請書を作成して提出する方法よりも簡単です。
1回登録すれば、他の補助金を申請する際に基本情報を入力する手間がなく申請できます。
まだ電子申請できる補助金は限られていますが、近い将来は全てに対応してほしいですね。