日本政策金融公庫の、コロナウイルス特別貸付制度に受かりたくないですか?
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃から、様々な機関でコロナウイルスの融資が受けられるようになりました。
日本政策金融公庫もその一つです。ですが、日本政策金融公庫で融資の申請が通った人の確率は50%未満です。
申請に行った10人のうち、5人以上は融資の審査に通っていないことになります。
では、何故融資の審査に受からないのか知りたい方も多いでしょう。
そこで、本記事では「新型コロナウイルス感染症特別貸付」に受からない2つの理由を詳しく解説します。
審査に一度落ちてしまった方のために、落ちた後にすることもご紹介しています。
それでは、融資が受からない理由を順番に見ていきましょう。
INDEX
日本政策金融公庫の仕組み
まずは、日本政策金融公庫がどんな場所で、どのような仕組みになっているのかを知りましょう。
これから起業を起こすうえで、もっとも大切なのは何か分かりますか?
もちろんアイデアも大切ですが、一番重要なのは起業を起こす資金。
初めて経営をする方や業歴が浅い方は、銀行から融資を受けることは難しいでしょう。
ですので、日本政府が出資している機関に申請をします。それが、今回ご紹介している「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は「日本公庫」ともいわれており、政府が100%出資している金融機関となります。
主に、中小企業・農林水産業・国民一般に対して支援する目的として平成20年に設立されました。
民間金融機関への補完を理念にかかげ、何らかの理由で銀行の融資を受けられない事業者も申請が通るようになっています。
日本公庫で融資を受けるメリットは、低金利で借りられること。もう一つは、初めての融資の場合に実績がつくので銀行などの審査が通りやすくなることです。
新型コロナウイルス感染症特別貸付を詳しく紹介
では次に、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」がどのような制度か解説します。
日本では、緊急事態宣言で全国民に「外出自粛要請」や「休業要請」が発令されました。この影響で様々な会社がダメージを負っています。
そこで、中小企業向けに資金繰りの支援策として「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の制度が発表されました。
この制度は、新型コロナの期間で売上が減少している企業や今後売上が回復し成長の見込みがあると判断された企業に融資をおこなうものです。
基準としては、
1.最近1か月の売上が昨年の同期と比較して5%減少している企業
2.業歴3か月以上1年1か月未満は最近1か月の売上高が過去3か月の売上高より5%減少している企業
が審査対象となります。
融資の限度額は、中小企業が3億円で国民事業が6000万円です。
使い道は、コロナウイルスで影響した設備資金と運転資金のみとなっています。
返済期間はそれぞれ異なっており、設備資金が20年以内で運転資金が15年以内です。どちらも措置期間は、5年以内と決められいます。
そして、新型コロナウイルスの支援として実質無利子・無担保で融資が受けられます。
どういうことか簡単に説明すると、通常の融資とは違い特別枠に設定されているので、申請から3年間は金利が0.9%引き下げられます。(4年目以降は基準利率)
ここで覚えておかなければならないのが、実質無利子となっていますが融資を受けた後は一度日本公庫に利息を含んだ返済が必要だということです。
後日改めて金利の利息が返金される仕組みとなっていますので、それだけ忘れないように注意しておきましょう。
また、新しく旅館・飲食店・喫茶店を営業している事業主の方のための制度「衛生環境激変特別貸付」も発表されています。
この3つにあてはまる方は、そちらも活用できるでしょう。
日本政策金融公庫の融資が受からない人とは
それでは、新型コロナウイルス感染症特別貸付が日本公庫で受からない人の特徴を見ていきましょう。
審査に受からない人でも、前提として上記の基準に該当している人として解説を進めていきます。上記の二つどちらかにも満たしていない企業は審査対象とはなりませんので、ご注意ください。
条件を満たしていない場合
まずは、審査対象以外の条件を満たしていない場合です。
日本金融公庫では、ハードルは低いのですが信頼ができる企業や今後返せる見込みのある企業に融資をしています。(その他の金融機関でも同様です。)
ですので、公共料金や税金の未納または遅延がある場合に審査から落ちてしまいます。
さらに、審査では事業主の過去2年間のローンとクレジットカードの返済の情報も確認されます。
ここで、信用が取れない限り審査から落ちてしまうでしょう。
過去2年分なので、近々の返済でしっかり返せていても2年のうちに何度も滞納していると条件としては不利になります。
次の条件は、創業資金総額の20%から30%ほど自己資金が少ない場合です。
日本政策金融公庫では、実際に支援してもらいたい融資の額より最低でも20%から30%の自己資金がなければ審査ができません。
この条件は、知人から借入をし満たしていても審査で半年分の普通預金口座を確認されるので自身で資金を貯めておかない限り落ちてしまいますので注意しましょう。
最後の条件はこれら全てを満たしていても、融資の担当者との面接に落ちた場合です。
面接とは具体的に何をするのか気になる人もいるでしょう。
ここでの面接は簡単に説明すれば、新入社員の面接と似ています。
この記事を読んでいる事業主の方は、何度も面接を行ったり見たりしたことがあるでしょう。
融資担当者との面接では、融資を希望するしっかりとした理由や会社の説明が必要です。
また同じ人同士で話をするため、もちろん人柄や態度など全てを見られています。
緊張するでしょうが、硬くならず本来の自分を最大限にだし担当者に想いが伝わるように話をすることが大切です。
個人で申請を行っている
次に受からない人の特徴は、個人で申請を行っている人です。
上記でも説明していますが、書類の審査が通っていても落ちてしまう人は面接が原因となっています。
個人で行く場合、何を聞かれるのかが分からない人がほとんどでしょう。
当日に聞かれたことに対して的確に回答するのはやはり難しいものがあります。ですので、事前に融資専門のエキスパートに相談してみましょう。
新型コロナウイルスで相談所も空きが減っていますが、インターネットから無料診断をおこなっている会社もあるので不安な人は診断してもらうことをおすすめします。
個人で融資を受けた際のデメリット
個人で融資を受けて申請に通った人は既にご存じでしょうが、融資専門の会社を通さずに受けるとデメリットばかりとなります。
一つ目は、金利の優遇が受けられない可能性があることです。融資を受けた後の返済金で心配なのが必ずついてくる金利でしょう。
新型コロナウイルス感染症特別貸付の金利は、機関によりますが1%前後です。この金利を、融資専門の会社を通すとさらに下げることができます。
二つ目は、提出書類を全て自身で作製しなければならないことです。
審査を受ける場合に提出する書類は、事業計画書や創業計画書などたくさんあります。
これらを全て自分で作製するとなると、時間も労力も数倍かかります。
ですが、こちらも専門の会社が作製してくれるので記入漏れもなく手間も省けるでしょう。
三つ目は、一番のデメリットで「融資額が少なくなる」ということです。融資専門の会社を通すことで個人での融資額よりも倍の額を支援してくれます。
日本政策金融公庫の審査は厳しいのか?
審査を受ける前に気になることの1つではないでしょうか?
冒頭でも少し説明していますが、いまのところ日本政策金融公庫で審査に通った人の確率は50%未満です。
数字にしても半分以下なので、審査はかなり厳しいものになるでしょう。
そして、日本政策金融公庫よりも受かる確率が低いのは銀行などの金融機関です。銀行で融資を受ける際には、事業実績がカギとなります。
ですが、日本公庫で受ける際は事業の計画性や人柄を重視されるので銀行よりも融資は受けやすくなります。
日本政策金融公庫に落ちた後にすること
一度審査に行き、落ちてしまった方のも多いでしょう。ですが、まだ諦めてはいけません。実際に落ちた後にできることをご紹介します。審査に通らなかった方は、今からでも間に合いますのですぐに始めましょう。
半年後の申し込みまでに原因を追及
まず、審査に一度落ちても半年経てば再度日本公庫に申請ができます。
ですので、次の申し込みまでに落ちた原因をしっかりと追求し審査に備えることが重要となります。
上記の受からない人の特徴で解説した、公共料金と税金の未納や遅延などが無いかなど改めて確認しましょう。
さらに、面接で何を聞かれ何を話したかを振り返り、相談員に手助けを求めるなどして何がいけなかったのか追及しましょう。
提出した書類に不備がなかったかも、しっかりと見直すこともおすすめします。
その他の機関に申請する
これは最終の判断となりますが、日本政策金融公庫以外に新型コロナウイルスの融資が受けられる機関が存在します。
例えば、信用保証協会は各自治体の窓口から申請ができます。
申請が通れば自治体からの金利優遇も受けられたり、新型コロナウイルスの借入限度額が100%になっているためメリットが多くなるでしょう。
他の機関より、信用保証協会は申請の承諾率が80%と高くなっています。
信用保証協会以外にも、商工組合中央金庫や日本政策投資銀行や沖縄振興開発金融公庫でも新型コロナウイルスの対策支援をおこなっています。
まとめ
日本政策金融公庫で審査が落ちてしまう4つの理由について解説しましたが、いかがでしたか?
・公共料金や税金の滞納(遅延)歴がある
・自己資金が20%から30%以下
・融資担当者との面接で計画性や人柄が伝わっていない
・専門会社に相談せず個人で申請を行っている
日本政策金融公庫に限らず、確率は違えど審査に落ちてしまう理由はこの4つが原因になることがほとんどです。
特に一番重要なのは、何度もお伝えしていますが担当者との面接でしょう。
最終の面接でしっかりと意向を伝えることができれば申請に受かります。
現在申請途中の方やこれから申請に行く方も、この記事を参考に準備を進めていくことをおすすめします。