新型コロナウイルスの拡大により外出自粛を呼びかけています。
外出自粛の影響であらゆる業種の会社では様々な影響を及ぼしており、中にはテレワークを緊急導入する職場も増えています。
そこで今回、新型コロナウイルス感染対策のテレワークの助成金がスタート。
対策を進んでいない事業主におすすめで、労働環境改善に助成金が活用できます。
本記事では、テレワークの助成金について解説していきます。
テレワークコースとは?
テレワークとは、新型コロナウイルス感染症対策を目的としてテレワークを新たに導入する中小企業事業主を支援します。
働き方改革促進支援助成金に新たに、新型コロナウイルス対策の取り組みを行う事業主へ支援する助成金です。
時間外労働等改善助成金の一つ
働き方改革促進支援助成金は複数あります。
その中の一つが時間外労働等改善助成金で、さらに時間外労働等改善助成金には2つのコースがあります。
1つは職場意識改善特例コース、2つはテレワークコースです。
2つのコースの違いは?
時間外労働等改善助成金には職場意識改善特例コースとテレワークコースがありますが、自分の職場にはどちらを選ぶのが良いのかハッキリしない人もいるでしょう。
どちらも新型コロナウイルス感染症対策のために労働環境を改善する取り組みを支援する助成金ですが、違いは休暇できる環境にするか、在宅勤務にするかです。
職場意識改善特例コースは休暇制度を見直して、従業員が安心して休暇がとれる環境に改善すること。
テレワークコースはテレワーク用通信機器を導入・就業規則などを新たに作成・変更する取り組みです。
特別休暇制度の環境を整備するなら職場意識改善特例コース。
会社に勤めさせないで在宅勤務にさせるならテレワークコースを選ぶのが良いですね。
助成金の対象者は?
テレワークコースは以下の2つが主な条件です。
①助成金対象の取り組みを行う
②テレワークを行った労働者が1人以上
どちらも事業実施期間中に行ってください。
事業実施期間は令和2年2月17日~5月31日までです。
これら2つの条件をさらに詳しく解説していきます。
対象の事業主
新型コロナウイルス感染症対策が目的でテレワークを新たに導入する中小企業事業主が対象です。
対象の中小企業事業主
テレワークコースは、労働者災害補償保険に適用の中小企業事業主限定の助成金です。
・小売業の従業員が50人以下
・サービス業の従業員が100人以下
・御売業の従業員が100人以下
・その他の業種は300人以下
以上の従業員数を満たしている中小企業が対象です。
対象の取り組み
助成金を申請するには
①テレワーク用通信機器を導入・運用
②就業規則・労使協定などを作成・変更
③労務管理担当者の研修
④従業員の研修・周知・啓発
⑤外部専門家のコンサルティング
などの取り組みを行うこと。
テレワークを導入することに関する経費を支援してもらえます。
パソコンなどの購入費は対象外
「テレワーク用通信機器を導入する」とありますが、パソコン・タブレット・スマートフォンの購入費用は対象外になるため気をつけてください。
支給される助成金額
以上の対象者で取り組みを実施し、1人以上の従業員がテレワークを行えば、最大100万円で対象費用の2分の1を支給してもらえます。
テレワークを導入するについての不安
テレワークを導入するには導入費用がある程度かかります。
費用が高くてなかなか実施しにくいと考える事業主も少なくありません。
また、オフィス以外の場所できちんと仕事を進めることができるか?
セキュリティが心配…など不安を抱く人も多いでしょう。
仕事を進めることができるか?
今までの仕事環境を大きく変えるため、オフィス以外の環境で仕事をしたことがない人が抱く不安だと思います。
不安な場合は、最初は一部の従業員がテレワークをお試しでやってみるのが良いです。
いきなり大きく変更したり新たに作成して初めてのテレワークをやってみるよりも安心ですし、本格的にテレワークにするかを決めることができるでしょう。
セキュリティについて
テレワークの導入で一番不安な点はセキュリティについてでしょう。
情報漏れなどが発生すれば今後の企業に悪影響を及ぼしてしまい、セキュリティの概念を抱えることは大きな問題です。
そのため、テレワークを導入するにはセキュリティ対策が非常に重要です。
テレワーク導入で必要なこと
テレワークを導入するには、今までのオフィスでは必要なかったものを導入したり、業務などを見直していく必要があります。
テレワーク導入には以下のようなことが必要になります。
①勤怠管理を強化する
②ICT環境を整備する
③就業規則を見直す
④資料を電子化するか?紙の資料をどのように取り扱うかを考える
管理方法や生産性の確認など、様々なものを見直して変更したり新たに導入する必要があるため、時間とコストがかかります。
勤怠管理を強化する
テレワーク導入の際に最も重視すべきことが勤怠管理方法でしょう。
会社の評価や安心してテレワークを行うためにも、勤怠管理を見直して強化していく必要があります。
ICT環境を整備する
ICTとは、コミュニケーションツール・パソコン・FAX・スマートフォンなど、コンピュータを使った情報処理・通信技術のことです。
テレワークはICTを使って仕事を進めるため、ICT環境を整備することも重要です。
従業員同士のコミュニケーションをするためのシステムやツール・テレワーク用のパソコン・安全なネットワーク環境などを導入するのが良いでしょう。
就業規則を見直す
就業規則はオフィスワークを前提に成り立っていることが殆どで、テレワークに適した就業規則に変更する必要もあります。
テレワークをするのに必要な作業机・椅子・専用のパソコン・ネットワーク環境などは、従業員の代わりに事業主が負担する場合もあるため、それらの規則を検討しながら従業員が安心して仕事ができるテレワーク環境にしていきましょう。
資料を変更するかしないか
テレワークを行うには資料を紙ではなく電子化する方がはかどりますが、完全に電子化することは難しいです。
なぜなら預かった紙の資料や領収書など、どうしても紙でなくてはならない資料もあります。
紙をなるべく減らすには、セキュリティポリシーの制定を重視し、紙の資料の取り扱い方法を見直すのが良いです。
紙を無くして電子化することをペーパーレス化と言いますが、日本の会社ではあまりペーパーレス化が進んでいないように思えます。
恐らくセキュリティ対策や導入するコストが高いなどが原因でしょう。
しかし、近年ではペーパーレス化でIT導入を補助する補助金制度も実施しているため、経費の負担を減らして電子化・テレワークを始めることができます。
テレワークに関する助成金
テレワークコースやテレワーク導入について解説してきましたが、他にもテレワーク導入で活用できる助成金・補助金があります。
IT導入補助金
中小企業・小規模事業者がITを導入する経費を、経済産業省から支援してもらえる補助金です。
上記でお話したペーパーレス化にも活用できる補助金です。
現在、新型コロナウイルスの影響で、IT導入補助金も臨時募集しています。
中小企業・小規模事業者が対象で、ITソフトウェア費・IT導入に関する費用を一部補助してもらえます。
ふるさとテレワーク
都市ではなく地方向けのテレワーク助成金です。
サテライトオフィスで仕事をするためにテレワーク環境を整備する時にかかる経費を一部支援してもらえます。
都市部から地方への人や仕事の流れを創出・時間や場所を有効活用するために柔軟な働き方にするなどと言った働き方改革の実現を目的とした事業主におすすめです。
はじめてテレワーク
東京都の補助金「ワークスタイル変革コンサルティング」で実施しているはじめてテレワークは、テレワークを初めてみる事業主にテレワーク導入経費を補助してもらえます。
東京都内の会社に雇われている従業員数2人以上999人以下など、細かな条件があるのが大変ですが、テレワークを始める東京都内の事業主は必見です。
働き方改革の助成金
時間外労働等改善助成金のテレワークコース・職場意識改善特例コースの他にも、働き方改革の助成金が4つあります。
これを機に以下の助成金も検討してみてはいかがでしょうか?
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者の処遇改善・正社員化などと言った、企業のキャリアアップを取り組む事業主に助成金が支給されます。
キャリアアップ助成金には
①正社員コース
②賃金規定等改定コース
③健康診断制度コース
④賃金規定等共通化コース
⑤諸手当制度共通化コース
⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース
⑦短時間労働者労働時間延長コース
の7種類があります。
例えば、有期契約労働者を正規雇用労働者に転換もしくは直接雇用するなら「正社員化コース」。
短時間労働者の週所定ろうどうじかんを延長し、新たに社会保険を適用するなら「短時間労働者労働時間延長コース」がおすすめです。
人材開発支援助成金
従業員に専門知識・技術の習得をさせるために職業訓練を実施した際にかかる訓練費用・訓練期間中の賃金を助成してもらえます。
人材開発支援助成金には
①特定訓練コース
②一般訓練コース
③教育訓練休暇付与コース
④特別育成訓練コース
⑤建設労働者認定訓練コース
⑥建設労働者技能実習コース
⑦障害者職業能力開発コース
の7種類があります。
それぞれの訓練・育成の内容に応じたコースが揃っています。
両立支援等助成金
家庭を持つ女性向けの助成金です。
仕事と家庭の両立ができ、女性が仕事で活躍できるように取り組む事業主を支援します。
65歳超雇用推進助成金
65歳以上の労働者を数多く雇っている事業主を支援する助成金です。
65歳以上の従業員を定年引上げ・定年を廃止などを実施したり、50歳以上定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者へ転換などを実施した事業主が対象です。
まとめ
以上、新型コロナウイルス感染症対策のテレワークコースやテレワーク・働き方改革に関する支援なども含めて解説しました。
テレワークは数々の不安がありますが、助成金を活用することによって事業主の負担を軽減することができます。
新型コロナウイルス感染症をこれ以上増加させないためにも、とくに都会で経営している事業主はテレワーク導入を検討してください。