
新型コロナウイルス感染症が徐々に拡大し、国内の感染者数は1万1千人を超え、死亡者数は277人にも及んでいます。(2020年4月22日時点)
政府では外出自粛や休業要請など防止策に加えて、給付金や融資などの経済対策も講じていますが、新型コロナウイルスに伴う影響は、企業のみならず生活する上でも様々な影響がで始めているのではないでしょうか?
特に、子育て中の方にとっては、学校の休校とテレワーク、職場の休業などの不安は増すばかりです。
そこで、こちらの記事では子育て中の方たちに支給される児童手当1万円に上乗せとなる特別臨時給付金紹介をいたします。
併せて、児童手当を受け取るための申請方法や所得制限の確認方法などを詳しく解説しています。
児童手当を再確認する意味でも子育て世代の方は、ぜひご覧になってください。
コロナ対策で児童手当1万円上乗せへ
コロナウイルス感染症の拡大に伴い、政府は2020年4月7日に新型コロナウイルス感染症緊急対策に、子育て世代の支援を設けました。
支援策には、子育て世代に対して現在行われている児童手当に1万円を上乗せするという経済政策が盛り込まれています。
コロナウイルス支援策の給付金には申請する必要が多い中、児童手当1万円の上乗せは唯一申請する必要なく支給される給付金です。
次に、児童手当1万円上乗せの支援策である特別臨時給付金について、詳しくみていきます。
特別臨時給付金の対象者
特別臨時給付金の支給対象者と対象児童は、下記の通りとなります。
◆支給対象者
・対象児童に係る令和2年4月分(3月分を含む)の児童手当(本則給付)の受給者
◆対象児童
・児童手当(本則給付)の令和2年4月分の対象となる児童(3月分の対象となる児童含む)(約1480万人)
・3月31日までに生まれた児童が対象となる
・年度末の3月に休校となった小中学校が多かったため、今回の1万円支給は4月に高校生となった場合も含まれます。
支給時期
特別臨時給付金の支給時期は自治体によって多少異なりますが、ほとんどの自治体は6月以降に児童手当に上乗せして口座へ振り込まれます。
2020年4月分の児童手当を受け取る世帯に5月以降に、市区町村から案内のチラシが送られる予定となっています。
特別臨時給付金は、今回1回限りとなっていますが、今後の新型コロナウイルス感染症拡大によっては回数が増えることも考えられるでしょう。
特別臨時給付金の対象外となるもの
コロナウイルス感染拡大の支援策として設けられた特別臨時給付金は、児童手当を受けている方が対象です。
児童手当対象外となる高額所得者には支給されません。
また、臨時特別給付金は所得制限内で支給されている10,000円~15,000円となる満額支給の方が対象です。
5,000円の特例支給者は対象となりませんのでご注意ください。
児童手当の所得限度額を確認
児童手当は、所得に制限が設けられており、高額所得者は児童手当の対象外となります。
所得制限限度額は、下記の表の通りとなっています。
なお、児童を養育している方の所得が下記の額以上の場合、法律の附則に基づく特例給付(児童1人当たり月額一律5,000円)を支給しています。
【所得制限・限度額の目安表】
扶養親族等の数
所得制限限度額(万円)
収入額の目安(万円)
扶養親族等の数 | 所得制限限度額(万円) | 収入額の目安(万円) |
0人 | 622.0 | 833.3 |
1人 | 660.0 | 875.6 |
2人 | 698.0 | 917.8 |
3人 | 736.0 | 960.0 |
4人 | 774.0 | 1002.1 |
5人 | 812.0 | 1042.1 |
( 平成24年6月分の手当てより)
上記の収入額の目安は、給与収入のみでの計算となっています。
児童手当限度額の注意事項
児童手当限度額を確認するには、下記のことに気をつけてください。
◆所得税法に規定する老人控除対象配偶者または老人扶養親族がいる方の限度額(所得額ベース)は、上記の額に当該老人控除対象配偶者または老人扶養親族1人につき6万円を加算した額となります。
◆扶養親族数の数が6人以上の場合の限度額(所得額ベース)は、5人を超えた1人につき38万円(扶養親族等が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは44万円)を加算した額となります。
児童手当制度の紹介
児童手当とは、子ども・子育て支援の適切な実施を行うために、児童を育てている保護者に政府から支給される手当てのことを言います。
家庭などや生活の安定の力となり、次世代を担っていく子どもの健やかな成長を目的として設けられています。
・支給対象
児童手当の支給対象は、子どもが中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の間、児童を養育している方に支給されます。
・支給時期
原則として、児童手当が支給されるのは、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当てが支給されます。
例:6月の支給日には、2~5月分の児童手当が支給となる。
支給額
児童手当の支給額は子供の年齢や人数によって異なっており、下記の表の支給額がそれぞれ支給されます。
ただし、児童を養育している方の所得が所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額一律5,000円を支給となります。
【児童手当金の支給額】
児童の年齢 | 児童手当の額(1人あたり月額) |
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上小学校修了前 | 10,000円(第3子以降は15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
なお、「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をさしています。
必要な添付書類
児童手当を申請を行う時には、認定請求には下記の添付書類が必要となります。
◆請求者が被用者(会社員など)の場合
・健康保険被保険者証の写しなど
◆平成30年5月以降平成31年4月までに認定請求をする方で、平成30年1月1日に今の市区町村に住民票のない方
・前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書(平成29年分)
なお、これらの書類以外にも、請求者名義の金融機関の口座番号がわかるものなど、必要に応じて提出する書類があります。
知っておく必要がある児童手当制度のルール
子育て世代にとって支援となる児童手当ですが、児童手当制度には下記のルールが適用となるので、確認しておきましょう。
(児童手当制度のルール)
①原則として、児童が日本国内に住んでいる場合に支給します(留学のために海外に住んでいて一定の要件を満たす場合は支給対象になります)。
②父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給します。
③ 父母が海外に住んでいる場合、その父母が、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給します。
④児童を養育している未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人に支給します。
⑤児童が施設に入所している場合や里親などに委託されている場合は、原則として、その施設の設置者や里親などに支給します。
児童手当の申請について
児童手当は、子どもが生まれて自動的に支給される訳ではありません。
子どもが生まれたときや他の市区町村から転入した時には、現住所の市区町村に「認定請求書」を提出して申請を行います。
なお、公務員の場合には、勤務先への提出となります。
市区町村の認定を受ければ、原則として申請した月の翌日から児童手当が養育している保護者に支給されます。
申請が遅れると、児童手当の支給も遅れてしまいますので、早めに申請を行うようににてください。
損をしないため15日特例申請
子どもが生まれたり転入した時には、15日以内に申請を行うようにしてください。
児童手当の支給は、原則として翌月分からとなりますが、出生日や転入した日(異動日)が月末に近い場合、申請日が翌月になっても異動日の翌日から15日以内であれば、申請月分から支給されます。
15日以降を過ぎて申請が遅れると、原則、遅れた月分の手当を受けられなくなりますので、お気をつけください。
◆子どもが生まれた時
・出生の日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村に申請する
里帰りの時にも、現住所の市区町村への申請を忘れないようにしてください。
◆他の市区町村に住所が変わった時
・転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に転入先の市区町村へ申請する
児童手当を続けてもらうためには?
6月分以降の児童手当を続けてもらうためには、要件を満たしているかどうかの現状届けが必要となります。
現状届によって、児童の監督や保護、生計同一関係などの児童を引き受ける要件を確認します。
提出がないと児童手当6月分以降の手当てが受けられなくなりますので、お気をつけください。
現況届に必要な添付書類は下記の通りとなります。
◆請求者が被用者(会社員など)の場合
・ 健康保険被保険者証の写しなど
◆その年の1月1日に今の市区町村に住民登録のなかった方
・ 前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書(前年分)
なお、この他にも、必要に応じて提出する場合もあります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の支援策となる特別臨時給付金の解説に加えて、児童手当について紹介してきました。
児童手当に1万円上乗せになる特別臨時給付金は、申請しなくても6月以降の児童手当に上乗せになる給付金です。
大きな額ではありませんが、申請がいらず素早い対応は子育て世代にとって助かる支給となるのではないでしょうか?
特別臨時給付金は、今回1回限りの支給となっておりますが、状況によっては変わってくる可能性もありますので、その後の動きに注意しておきたいところです。
また、特別臨時給付金と同時に、児童手当金を詳しく解説していますので、所得限度額や児童手当の申請方法に疑問や不安がある方は、ぜひご参考になさってください。
新型コロナウイルス感染拡大の影響がこのまま続くと、さらに様々な影響が広がっていくと考えられます。
早くの収束を願うばかりですが、コロナウイルス関連の支援策を上手に活用して今の時期を乗り切ってください。