新型コロナウイルス感染の対策として小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等が臨時休業し、休校延長の発表がありました。
長期間の休校になることによって問題の一つが、学校給食の休止の対応についてです。
学校側・学校給食を作る人・保護者に影響が出て、不安や困難に思っている人が多くいます。
そこで、本記事では新型コロナウイルスによる休校に伴う給食の対応の解決策となるフードバンクや補助金について紹介していきます。
休校による学校給食の休止への対応
学校給食休止になると学校給食関係事業者に様々な影響を受けてしまいます。
学校が再開した後も学校給食を提供するために、学校給食関係事業者には補助金が支給できるようになりました。
それが「学校臨時休業対策費補助金」と言います。
新型コロナウイルスの影響を受けている中小企業者・小規模事業者に対しても補助金で支援したり、需給の状況・原材料費や輸送費を見直すように呼びかけています。
学校給食休止に伴う保護者の負担を軽減
学校給食に関する事業者だけでなく、給食費を支払っている保護者も影響を受けています。
「休校になった時、休校期間の学校給食費はどうなるの?」と思いますが、休校期間分の学校給食費は返還してくれます。
学校側は給食費を返還し、保護者の負担にならないように対応するようにと言われています。
また、学校側が保護者に学校給食費を返還する時にかかった経費を補助してくれます。
学校給食の安全・安心を確保
学校が再開した後も新型コロナウイルスの感染に気を付け、万全の衛生管理をしなければならないでしょう。
感染防止するために、学校給食調理業者の衛生管理の徹底と改善をするために職員研修したり、設備を購入する際にかかる経費を支援してもらうこともできます。
学校臨時休業対策費補助金の目的
学校臨時休業対策費補助金は「学校給食費返還等事業」と「衛生管理改善事業」の2つに対して補助金を支給してもらえます。
では、「学校給食費返還等事業」と「衛生管理改善事業」について具体的に解説します。
学校給食費返還等事業
学校側が休校によって学校給食休止になったため、保護者に休校期間分の学校給食費を返還する等をし、その際にかかった経費を支援する事業(補助事業)に補助をします。
つまり、保護者の給食費の負担を軽減するようにしましょう。
衛生管理改善事業
学校給食休止により契約変更をした学校給食調理業者に、職員研修・衛生管理の設備の導入費を補助金として支援してもらえます。
休校が終わり、学校給食が再開した後も新型コロナウイルスの感染に気を遣った衛生管理を徹底したり、環境を改善しましょう。
未利用食品活用緊急促進事業に補助金を支給
新型コロナウイルスの休校になってしまい、学校給食で活用する予定だった食材・食品が使われなくなってしまいます。
お店で販売して売れれば良いのですが、廃棄しなければならなくなります。
まだ食べられるのに廃棄するのはもったいないですよね。
そんな時はフードバンクへ寄付する方法と、飼料・肥料等にして再利用してもらう方法があります。
フードバンクって何?
そもそもフードバンクとは、流通できなくなった食料品を企業へ寄付し、生活が貧しい人に無料で配る活動を行っている所です。
包装の傷みや品質の問題によって市場で売ることができなくなったり、やむを得ず廃棄しなければならないような食材・食品はフードバンクへ寄付し、もったいない食料品を増やさないようにできます。
フードバンク活動が困難になっている
売れなくなった・利用されなくなった食品は廃棄されることが多く、フードバンクを知っている人は少ないかもしれません。
フードバンク活動として「大量の物を扱う」という特徴があります。
なので食品を保管するための大きな倉庫を用意したり、食品を集めて必要な人へ届けるための運送費用がどうしてもかかってしまいます。
固定費が高額になってしまい、まだ認知度が低いため、活動を促進する資金が不足してしまっていることが問題となっています。
活動と届ける人のためにもフードバンクへ寄付することを検討してみてください。
フードバンク活用の促進対策
フードバンク活用の促進対策は、廃棄を増やさないためとフードバンクへ寄付する活動を広めるための対策です。
補助金を活用することによって、利用するところがなくなった食材・食品をフードバンクへ寄付する際にかかる輸配送費を支援してもらえます。
再生利用を促進対策
再生利用を促進対策補助金は、使われなくなった食材・食品を飼料・肥料等にして再生利用する方法です。
事情等でフードバンクへ寄付する食品の活用が困難な場合はこちらがおすすめです。
飼料・肥料等にして再利用するために必要な輸配送費と、再生利用事業者に支払う処理費を支援してもらえます。
最大金額はいくら?
未利用の食品をフードバンクへ寄付または再生利用の行った事業者に対して、最大2億9,820万円までの金額を支給されます。
補助金の対象
実施して補助金を支給してもらうには以下のいずれかに当てはまることが条件です。
①農林漁業者・農林漁業者の団体
②食品関連事業者
④食品関連事業者の団体
⑤法人(公益社団法人・公益財団法人・一般社団法人・一般財団法人・第三セクター・特定非営利活動法人・企業組合・事業協同組合・消費生活協同組合・学校法人・国立大学法人・公立大学法人・公社・独立行政法人・社会福祉法人・社会福祉協議会)
対象外
以下の内容も、実施に必要な場合でも補助対象に含まれないため気を付けてください。
①国から他の助成金・補助金を受けたことがある、または受ける予定がある
②補助対象の経費に含まれる消費税・地方税にかある仕入れ控除税額
酪農家・乳業者に対する支援
学校給食休止になれば、キャンセルされた給食用の牛乳をどうするかも考えなければなりません。
また、学校給食のために納入しておいた生乳をどうするかも重要です。
①生乳は乳製品にして販売する方法
②在庫を飼料・肥料用に変更して販売する方法
③すでに生産してしまった牛乳は廃棄する方法
の3つがあります。
キャンセルされた学校給食用牛乳向けの生乳を長期間保存できる脱脂粉乳等に変更した際、生産者に発生する乳代価格を支援。
学校給食用向けの生乳を脱脂粉乳等へ変更する他、脱脂粉乳等を飼料用へ変更する際、入業者に発生する販売価格を支援してもらうことができるようになりました。
生乳の仕向け変更を対策
学校給食用のために納入予定だった生乳をバター・脱脂粉乳等の乳製品にして販売する場合に活用できる補助金です。
乳製品の確保を支援する「加工原料乳生産者補給金制度」を活用しても発生する価格差を支援と、加工施設へ輸送する費用を支援してもらえます。
募集のページには「脱脂粉乳等に変更することになった時の価格差への支援」と書かれています。
これは、学校給食向け乳価と脱脂粉乳等向け乳価との価格を比べて、足りない脱脂粉乳等向け乳価を補助金として支給されます。
脱脂粉乳等に関する支援
脱脂粉乳等や学校給食用の牛乳の処理をする入業者も支援します。
具体的に、支援する経費は以下になります。
①脱脂粉乳等を飼料用に変更する価格差を支援
②業務用脱脂粉乳等の在庫増加分の保管料等を支援
③飼料用脱脂粉乳等の輸送費を支援
④キャンセル前に既に生産してしまった学校給食用牛乳の処理費を支援
脱脂粉乳を保管する余力がなく、既にある在庫を飼料・肥料用に変えて販売する時にかかる経費を支援します。
業務用に製造した脱脂粉乳等の価格と飼料用に販売した時の価格を比較すると、飼料用に販売した価格が低くなりかなりの価格差が出てしまいます。
そんな時に補助金を活用することで、価格差を支援してもらうことができます。
また、既に生産してしまった学校給食用の牛乳を廃棄する場合の処分費用を支援します。
そもそも食品関連事業者とは?
ここまで解説してきましたが、そもそも食品関連事業者とはどんな事業者か?
食品を買う時に裏側の食品表示を確認する人が多いと思います。
アレルギーや添加物があるか無いかなど、食品に含まれている情報が記載されているのが食品表示ですが、正しい食品表示を記載する事業者が食品関連事業者です。
食品関連事業者は、
①一般消費者に販売する商品を扱う事業者
②業務用食品を扱う事業者
の2種類に分かれており、次の項目から具体的に解説していきます。
①一般消費者に販売する商品を扱う事業者
まず、一般消費者に販売する食品とは以下の2つのことです。
①加工食品・添加物のうち、それぞれ一般消費者に販売されることになっている食品
②生鮮食品のうち、加工食品の原材料にならないもの
以上の食品で、一般消費者に販売する食品を扱う事業者ということになります。
例えば、ドラッグストア・量販店等はこれに当てはまります。
②業務用食品を扱う事業者
まず、業務用食品とは以下の2つのことです。
①一般消費者に販売することになっている食品以外の加工食品・添加物
②生鮮食品のうち、加工食品の原材料になっているもの
以上の食品を扱う事業者のことを指します。
上記の「一般消費者に販売する商品を扱う事業者」とは逆ですね。
市販用ではなく、業務用に販売する商品を扱う事業者です。
例えば、学校給食・産業給食・外食・食品メーカー等、業務用として販売するものです。
まとめ
以上、新型コロナウイルスの休校による学校給食休止の補助金について解説しました。
休校になった分の給食費を返還してくれますし、返還した学校側や給食を作っている事業者にもありがたい制度ですね。
パン・米飯・麺等を扱う業者から入業者まで、学校給食に関係する事業者におすすめの補助金です。
学校が再開した後も安心して給食を提供できるように衛生管理を徹底することも大切です。
フードバンクをこれを機に知った事業者がいれば、補助金を活用してフードバンクへ寄付して人々の助けになるため、ぜひ検討してみてください。