コロナ中小企業休業補償

休業補償となる中小企業向けコロナ関連の3つの特例措置を解説

新型コロナウィルス給付金等

新型コロナウイルス感染症の拡大によって7都道府県に緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請や学校の休業、施設などに休業要請が行われるようになりました。

すでに日本経済も、新型コロナウイルスによる多大な影響を受け始めると同時に、企業では休業やテレワークへの移行を余儀なくされ、資金繰りに悩んでいる企業も増えています。

政府では、このような新型コロナウイルス拡大の影響を受けた中小企業に対して、休業補償や給付金などの支援策を打ち出しています。

数多くの支援策がありますが、今回は中小企業に向けたコロナ関連の休業補償や休業手当関連の支援制度をまとめました。

コロナウイルス感染症によって休業を余儀なくされた事業主や資金繰りにお悩みの方は、ぜひご覧になってみてください。

日本でも拡大し始めた新型コロナウイルス感染症

コロナ中小企業休業補償

新型コロナウイルスは、2019年12月以降に中国湖北省武漢市を中心に発生し、短い期間で世界200以上の国や地域に広がり、今も各地で感染者が増え続けています。

4月13日現在では、日本の感染者数は7,000人を超えました。
また、米国では50万人以上、スペインやイタリアでは15万人以上の感染者数となり、全世界では、180万人もの感染が確認され、死者は11万人以上と全世界を震撼させています。

現在のところは、感染経路や治療方法などが解明していないため、世界各地の研究機関が新型コロナウイルスの研究や調査を進めています。

新型コロナウイルス感染症は、厚生省労働省や国立感染症研究所で最新情報が発表されています。

参照:新型コロナウイルス感染症について|厚生労働省
参照:コロナウイルスとは|国立感染症研究所

厚生労働省のコロナ関連の3つの対応策

コロナ中小企業休業補償

世界集に猛威を奮っている新型コロナウイルスへの対応策として、厚生労働省では、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」がまとめられました。

経済対策には、感染拡大防止策、医療提供体制の整備、治療薬、ワクチン開発に飛鳥な費用、雇用の維持や就職支援、生活の支援、事業の継続支援などが盛り込まれています。

大きく分けての3つ対応策は、下記の通りとなっています。

①感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発
②雇用の維持と事業の継続
③強靭な経済構造の増築

また、相談できる機関として、各都道府県労働局に特別労働相談口を設けました。
コロナウイルス感染症に伴い影響を受けられた中小企業などで、至急を要することがあれば、特別労働相談口の方でご相談になってみてください。

次に、支援策となる3つの助成事業を解りやすく紹介していきます。

参照:新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口一覧|厚生労働省

雇用調整助成金の特例措置

コロナ中小企業休業補償

雇用調整助成金とは、経済上の理由によって事業の縮小を余儀なくされた時に、事業主が雇用を続けるために休業手当に必要となった費用を助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症に伴い、雇用調整助成金は特例措置を設けその内容が拡充しています。

◆特例措置の期間   令和2年4月1日~令和2年6月30日まで

特例措置の対象者

雇用調整助成金の特例措置の補助対象となる事業主は、下記の通りとなります。

なお、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども特例措置の対象となります。

◆新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主

特例措置の内容

コロナ中小企業休業補償

雇用調整助成金の特例措置の内容は、令和2年4月1日から下記の下線部分が拡大されています。
(令和2年4月14日現在)

「対象の大幅な拡充」「受給要件の更なる緩和」「活用しやすさ」のそれぞれの3つの分野において拡大されています。

【対象の大幅な拡充】
※令和2年4月1日から令和2年3月30日までの休業等に適用
① 休業手当に対する助成率を引き上げ(中小企業4/5、大企業2/3)
② 解雇等行わない場合、助成率の上乗せ(中小企業9/10、大企業3/4)
③ 教育訓練を実施した場合の加算額の引き上げ(中小企業2,400円、大企業1,800円)
④ 新規学卒者など、雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6ヶ月未満の労働者も助成対象
⑤ 1年間に100日の支給限度日数とは別枠で利用可能
⑥ 雇用保険被保険者でない労働者の休業も対象に

【受給要件の更なる緩和】
※休業等の初日が令和2年1月24日以降のものに遡って適用
⑦ 生産指標の要件を緩和(対象期間の初日が令和2年4月1日から令和2年6月30日までの間は、5%減少)
⑧ 最近3ヶ月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象
⑨ 雇用調整助成金の連続使用を不可とする要件(クーリング期間)を撤廃
⑩ 事業所設置後1年以上を必要とする要件を緩和
⑪ 休業規模の要件を緩和

【活用しやすさ】
※休業等の初日が令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用
⑫ 事後提出を可能とし提出期間を令和2年6月30日まで延長
⑬ 短時間一斉休業の要件を緩和
⑭ 残業相殺制度を当面停止
⑮ 申請書類の大幅な簡素化

支給対象期間

雇用調整助成金の特例措置の支給対象期間は、下記の通りとなります。

◆休業又は教育訓練の初日が2020年1月24日~2020年7月23日の場合
◆支給限度日数  1年間で100日まで

中小企業と大企業の助成金額

雇用調整助成金の特例措置の助成内容は、中小企業と大企業によって助成率と加算額が異なり、中小企業の方が、より多くの支援が受けられます。

助成の内容は、下記の表にまとめましたので、ご参考になってください。

助成内容のポイント 中小企業 大企業
①休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額の助成 助成率
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主 4/5 2/3
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主で、かつ解雇等をしていないなど上乗せの要件を満たす事業主 9/10 3/4
②教育訓練を実施したときの加算 加算額
教育訓練が必要な被保険者の方に、教育訓練(自宅でインターネット等を用いた教育訓練含む)を実施 2,400円 1,800円

なお、対象労働者1人1日当たり 8,330円が上限です。(令和2年3月1日現在)
助成額は、前年度の雇用保険の保険料の算定基礎となる賃金総額等から算定される平均賃金額に休業手当支払率(休業の場合は60%以上、教育訓練の場合は100%)を掛け、1日当たりの助成額単価を求めます。

小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援「労働者に休暇を取得させた事業主向け」

コロナ中小企業休業補償

新型コロナウイルス感染症拡大の防止策として、学校などの臨時休校が要請されました。

小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援は、これらよって伴う保護者の所得の減少などを補ったり、企業で働く従業員の収入減少を補助します。

こちらでは、「労働者に休暇を取得させた事業主向け」の支援を紹介しています。

◆適用日  令和2年2月27日~3月31日の間に取得した休暇

『対象となる休暇取得の期限を延長し、令和2年4月1日から6月30日までの間に取得し
た休暇等についても支援を行う予定です。
※雇用保険被保険者に対しては、労働保険特会から支給、それ以外は一般会計から支給』

補助対象

小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援の補助対象となるものは、下記の要件に該当する方となります。

ただし、正規、非正規および雇用保険の加入有無は問われません。

(対象事業主)
①または②の子の世話を行うことが必要となった労働者に対し、事業主が、労働基準法上の年次有給休暇とは別に、有給の休暇を取得させて、さらに賃金が全額支給した事業主。

①新型コロナウイルス感染症に関する対応として、臨時休業等をした小学校等(※)に通う子ども
※小学校、義務教育学校(小学校課程のみ)、特別支援学校(全ての部)、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園等

②新型コロナウイルスに感染した等の子どもであって、小学校等を休むことが必要な子ども

支給金額

小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援の支給金額は下記の通りとなります。

◆休暇中に支払った賃金相当×10/10(大企業・中小企業ともに同様)
◆上限額  日額:8,330円

時間外労働等改善助成金の「特例コース」

コロナ中小企業休業補償

時間外労働等改善助成金(テレワークコース・職場意識改善コース)は、コロナウイルス感染症拡大の防止策として、通勤や出社で防ぐためにテレワークを実施した企業を支援している助成金です。

なお、本年度の時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)については、受付を既に終了していますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、既存のコースの要件を簡素化した上で、時間外労働等改善助成金に特例なコースを新たに設けています。

◆実施期間  令和2年2月17日~令和2年5月31日

『特例コースについては、令和2年2月17日(※)以降に行った取組については、交付決定を行う前であっても、特例として助成の対象とすることとする』

テレワークコース、職場意識改善コースのそれぞれの「特例コース」の内容をみてみましょう。

テレワークの「特例コース」

テレワーク「特例コース」の対象事業主、取組内容、要件、支給金額は下記の通りとなります。

◆対象事業主
・新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主

◆取り組み内容
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更 等

◆要件
事業実施期間中にテレワークを実施した労働者が1人以上いること

◆支給金額
・補助率  1/2
・限度額  1企業当たり100万円

職場意識海鮮の「特例コース」

職場意識海鮮の「特例コース」の対象事業主、取組内容、要件、支給金額は下記の通りとなります。

◆対象事業主
・新型コロナウイルス感染症対策として休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主

◆取り組み内容
・就業規則等の作成・変更
・労務管理用機器等の購入・更新 等

◆要件
事業実施期間中に新型コロナウイルスの対応として 労働者が利用できる特別休暇の規定を整備すること

◆支給金額
・補助率:3/4
なお、事業規模30名以下かつ労働能率の増進に資する設備・機器等の経費が30万円を超える場合は、4/5の助成となります。
・限度額  50万円

まとめ

コロナ中小企業休業補償

中小企業の休業補償として利用できるコロナ関連の3つ助成事業について、解説してきました。

コロナ関連の「雇用調整助成金の特例措置」や「時間外労働等改善助成金」のように、すでに募集が終わった事業を復活させて特例措置が設けられました。
要件の緩和や拡充ており、さらに特例措置は、今後も拡大されていく予定とも言われています。

また、「小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援」は、コロナ対策に伴い新たに設置され、事業者と雇用者の双方を支援する助成事業となっています。

コロナウイルスによって、様々な影響を被っている事業多いと思いますが、これらの助成事業を活用して、コロナウイルスによる経済的な困難を乗り越えてください。

コロナウイルスによる影響を最小限におさえて、一刻も早い経済活動の復帰を願っております。

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