3つの事業から成り立っている日本政策金融公庫の仕組みを解説

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公庫

政府が100%出資している政府系金融機関である日本政策金融公庫。
通称として、「公庫」や「日本公庫」とも呼ばれています。
小規模事業者や起業者などに事業資金を融資し、企業だけではなく教育ローンのための融資も設けています。
このような日本政策金融公庫の仕組みをご存知でしょうか?
日本政策金融公庫の中には、3つの事業があり、その事業同士が力を合わせながら役割を発揮しているのです。
こちらでは、日本政策金融公庫の3つの事業と、その仕組について解説していきます。
日本政策金融公庫で融資を検討している方には、知っておいて欲しい情報です。

日本政策金融公庫のご紹介

公庫

政府の金融機関となっている日本政策金融公庫は、「セーフティネット機能の発揮」「日本経済成長・発展への貢献」「地域活性化への貢献」という役割を目的に設立されました。
民間の金融機関で融資を受けられなかった方や創業される方、中小企業や小規模事業者、農林水産業者などを支援するために融資を行い、銀行よりも融資が受けやすく、低金利などの貸し付け条件が良いことが特徴となっています。
上場はしていませんが、「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行」「国際金融等業務の政策金融機関」が合併・配合し発足した、国が100%出資している金融機関です。

日本政策金融公庫の歴史

公庫

日本政策金融公庫の歴史はそれほど長くはなく、政府系の金融機関の統廃合によって、2008年10月1日に設立された機関です。
以前は、小口の事業資金や教育資金は国民生活金融公庫が行い、中小企業者の長期融資には中小企業金融公庫が行っていましたが、複雑で使にくいということから、日本政策金融公庫が設立したことによって統合されたのです。
基本的な業務内容としては、前進機関であった「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」が行っていた業務を引き継いだ形となっています。

日本政策金融公庫の仕組み

2008年に発足した日本政策金融公庫は、「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」の業務を引き継ぎ、「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3つの事業が、各役割の業務を行っています。
また、3つの事業以外にも、重点的な取り組みとして、「創業支援、新事業育成支援、海外展開支援、6次産業化・農商工連携支援、ソーシャルビジネス支援、就農・農家参入支援、事業承継支援、事業再生支援、国の教育ローン」などの多くに力を注いでいます。
その他にも、日本政策金融公庫のサイトでは、経営お役立ち情報や金利の情報、ビジネスマッチング、セミナー情報など、働く人達を支援する役立つ情報を提供し続けています。

日本政策金融公庫の3つの事業

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日本政策金融公庫の柱となる「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3つの事業について解説していきます。
それぞれがどんな役割と特徴を持っているのかみていきましょう。

国民生活事業

「国民生活事業」は、事業を営んでいる方なら誰もが利用することができます。
起業を考えている方を始めとして、食料品店、工務店などの地域に密着した企業やベンチャー企業、新事業のパイオニアとなりえる企業まで、いろいろな職種の小規模事業者の方が融資などの支援を受けています。

【融資の特徴】
・約9割が従業員9人以下の小規模事業者が利用
・小口融資主体
・担保に依存しない融資を推薦している

「国民生活事業」は経営支援サービスも提供しており、「経営に役立つ財務診断サービス」「各地でのセミナー開催」「創業計画書の作成のアドバイスなどの創業サポート」が利用できるようになっています。
さらに、小規模事業者以外にもお子さまのいる家庭に向けての教育ローンも提供しています。

中小企業事業

中小企業を応援している「中小企業事業」では、中小企業者への長期固定金利の融資を取り扱っています。
製造業を中心として、幅広い業種に利用されている「中小企業事業」です。

【融資の特徴】
・約8割が20人以上、約9割が資本金1,000万円以上の中小企業が利用
・平均融資金額は約1億200万円
・融資の約5割が5年以上。返済計画の立てやすい固定金利

「中小企業事業」が行っている経営支援サービスには、「経営に役立つアドバイス」「ビジネスパートナー探し」「企業経営に役立つトピックス」を提供しています。

農林水産事業

「農林水産事業」は、天候の影響が受けやすく、投資回収に時間がかかってしまう農林漁業者への融資です。
また食の安全の確保、農食連携を支えるために食品産業向けての融資も提供しています。
セーフティネットでは、自然災害や家畜伝染病、農産物の価格下落などの経営が悪化した時の支援を機動的に行っています。
「農林水産事業」が行っている経営サービスでは、「農業経営アドバイザーとなる職員による相談」「年2回のアグリフードEXPO開催」「情報誌AFCフォーラムでの情報提供」などです。
アドバイスと情報提供、EXPO開催など、いろいろな経営サービスを提供しています。

危機対応等円滑化業務

日本政策金融公庫では、3つの事業以外に「危機対応等円滑化業務」を設けており、主務大臣が認定した金融秩序の混乱や大規模災害等の危機発生となった時に、危機対応業務と同時位、危機に対処するために必要な資金供給を業務として行っています。

教育ローンも利用できる日本政策金融公庫

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「国民生活事業」では、次世代を担う子どもたちへの教育についても「国の教育ローン」という形での支援を提供しています。
中小企業者や小規模事業者だけではなく、お子さまがいる家庭でも利用できる「教育ローン」は知っておきたい制度のひとつです。

教育ローンの特徴

日本政策金融公庫で行っている「教育ローン」の特徴は、民間の金融機関よりも貸し付け条件が良いことが揚げられます。
最高350万円の融資を年1.76%という低金利で利用できるので、教育資金に困っている方は検討してみるとよいでしょう。
ただし、「教育ローン」の対象となっている学校は限られていますので、事前にチェックしておいてください。

【対象となる学校】
・大学、大学院(法科大学院など専門職大学院を含む)、短期大学
・専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
・高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
・外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校
・その他職業能力開発校などの教育施設

日本政策金融公庫で提供している融資制度の一覧表

公庫

数多くの融資制度がある日本政策金融公庫ですが、以下に主な融資制度をわかりやすいように、「制度・内容 ・限度額」について一覧表としてまとめてみました。
(1)普通貸付
最もスタンダードな融資制度、事業者のほとんどが利用可能
4,800万円まで(特別設備資金は7,200万円まで)
(2)金融環境変化対応資金(セーフティーネット貸付)
取引している金融機関の破綻などで、資金繰りが困難な場合に利用できる融資制度     別枠で、最高4,000万円まで
(3)取引企業倒産対応資金(セーフティーネット貸付)
取引先企業の破綻などで、資金繰りが困難な場合に利用できる融資制度
別枠で、最高3,000万円まで
(4)経営環境変化対応資金(セーフティーネット貸付)
経営の悪化している際、受けられる融資
別枠で、最高4,800万円まで
(5)新規開業資金
事業の新規立ち上げ、もしくは事業開始7年以内に利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(6)女性、若者、シニア起業家支援資金
女性、30歳未満の若者、55歳以上のシニア世代が利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(7)再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
廃業後に再度、事業開始にチャレンジするための融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(8)新事業活動促進資金
経営の拡大、事業転換、第二創業に利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(9)中小企業経営力強化資金
専門家を交えた、中小企業の経営拡大に利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(10)企業活力強化資金
小売業・卸業・サービス業者は店舗の新築やリフォーム設備投資に利用できる融資制度 最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(11)IT活用促進資金
「情報化投資」に活用できる融資制度 最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
(12)地域活性化・雇用促進資金
地方での雇用創出、地域の事業活性化に利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(13)海外展開・事業再編資金
海外進出、海外でのビジネス展開に活用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)
(14)事業承継・集約・活性化支援資金
事業の継承に対して利用できる融資制度
最高7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円まで)

メリットが多い日本政策金融公庫/h2>
公庫

国の金融機関となっている日本政策金融公庫を利用する場合、数多くのメリットを得ることができます。
銀行よりも低金利で、融資が受けられやすいことはもちろんですが、「保証人不要制度がある」「返済期間が長い」「据え置き期間がある」「リスケジュールに柔軟な対応をしてくれるなど、借りる側にとって有利となる貸し付け条件を得ることができます。
その他にも、創業融資の充実、融資の種類が多いので、ご自身にあった制度を見つけやすいこともメリットのひとつとなります。
さrに、事業に関してのアドバイスも行っていますので、起業する方や事業の運営に不安がある方は、相談してみてください。

最後に日本政策金融公庫の概要

公庫

最後に日本政策金融公庫の具体的な概要をご紹介しておきます。
どのような規模の事業となっているのか、ご確認してみてください。
社名 株式会社日本政策金融公庫(略称:日本公庫、JFC)
法人番号 8010001120391
金融機関コード 9932
種類:法律に基づく株式会社(特殊会社)非上場
設立 2008年10月1日
本社所在地 〒100-0004
東京都千代田区大手町一丁目9番4号大手町フィナンシャルシティ ノースタワー
資本金    4兆1,958億円(平成31年3月31日現在)
資本準備金 1兆9,883億円(平成31年3月31日現在)
根拠法 株式会社日本政策金融公庫法
【総融資残高 】
①総融資残高(17兆4,611億円)
②国民生活事業(7兆1,513億円)
③農林水産事業(3兆1,229億円)
④中小企業事業( 5兆3,269億円)
⑤危機対応円滑化業務(1兆8,153億円)
⑥特定事業等促進円滑化業務(447億円)
職員数と支店数 職員数:7,364人(平成30年度予算定員)
支店数:152支店(海外駐在員事務所2ヶ所)
資産など 資本金 4兆1,958億98百万円(2019年3月31日現在)
純利益 764億80百万円(2019年3月期)
純資産 5兆6,142億39百万円(2019年3月31日現在)
総資産 21兆881億77百万円(2019月31日現在)

【主要株主 】
財務大臣 96.72%
経済産業大臣 2.84%
農林水産大臣 0.39%
厚生労働大臣 0.05%
主要子会社 アグリビジネス投資育成株式会社

まとめ

日本政策金融公庫の仕組みについての解説と、利用できる融資制度やメリットなどをわかりやすくまとめてみました。
国の金融機関として設立された日本政策金融公庫は、小規模事業者や中小企業者、さらにはお子さまのいるご家庭の教育の支援を行っている機関です。
銀行よりも良い条件で、借入れることができるので、融資を受ける側にとっては、力強い存在となるでしょう。
数多くある融資制度を提供してくれる日本政策金融公庫は、「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3つ事業から成り立っていますので、ご自身がどの事業に適しているのかを把握してから、資金調達としてお役立てください。

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