東京駅や日本橋のある東京都中央区は、一流のオフィス街や百貨店が立ち並ぶ都心と呼ばれる地域ですが、中央区で設けられている助成金や補助金をご存知でしょうか?
中央区では中小企業に向けて、技術者の研修や展示会の出展費用など、様々な助成事業が行われています。
中央区で事業を営んでいる中小企業の方は、これらの助成金や補助金を積極的に活用して事業の運営や発展に活かしてください。
こちらの記事では、2020年の中央区で活用できる助成金や補助金を一覧としてわかりやすく解説しています。
中小企業技術者高度研修助成
中小企業技術者高度研修助成は、中央区内の区内の中小企業に勤務し、すでに一定の技術を有している中堅技術者を支援している助成事業です。
中堅技術者がさらに高度な技術を習得するため、専門研修機関等による高度技術研修会に参加する場合、その費用の一部が補助されます。
補助対象企業
中小企業技術者高度研修助成の対象企業となるのは、下記の通りとなります。
・資本金の額若しくは出資の総額が1億円以下の法人
・小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については1,000万円の出資総額
・卸売業を主たる事業とする事業者については3,000万円の出資総額
・若しくは常時使用する従業員の数が300人以下の法人又は個人事業者
・区内に営業の本拠を有すること
・法人の場合は、中央区内に登記上の本店所在地を有すること
・個人の場合は、中央区内に主たる事業所を有すること
なお、小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については50人、卸売業を主たる事業とする事業者については100人となります。
補助対象となる研修
中小企業技術者高度研修助成の補助対象となる研修は、下記の通りとなります。
・製造業等の機械技術をはじめとする技術者の技術力の向上を図ることが目的の研修
ただし、カウンセラー、コンサルタント、アドバイザーなどを生業にしている方がスキルアップのために受講する研修の場合は、対象外となりますのでお気を付けください。
補助金の額
中小企業技術者高度研修助成の補助金額は、下記の通りとなります。
・研修受講料の2分の1
・限度額 10万円まで
中小企業ホームページ作成費補助金
中小企業ホームページ作成補助金は、中央区内の中小企業・個人事業主の方が新たにホームページを作成を行う場合、または既に開設しているホームページを変更する場合に活用できる補助金です。
ホームページを変更する場合に、制作費用の一部を中央区が補助しています。
補助対象者
中小企業ホームページ作成補助金の補助対象となる要件は、一般枠と創業枠に分けられた要件を、それぞれ満たす必要があります。
【一般枠の要件】
・中小企業基本法第2条に規定する中小企業者であること
・区内に事業所を有すること
・過去に本助成を受けて、ホームページを作成・変更したことがないこと
・ホームページの作成・変更前であること
・申請年度内に事業が完了し、実績報告書を提出すること
(風俗営業等に関する法律第2条に規定する営業を行う者を除きます。)
【創業枠の要件】
・区内で中小企業・個人事業主として創業予定の者で、当補助金の申請日から3ヶ月以内に登記簿謄本又は個人事業の開業届出書の写しを提出できる者又は区内で創業して1年未満の中小企業・個人事業主
・過去に本助成を受けて、ホームページを作成・変更したことがないこと。
・ホームページの作成前であること。
・申請年度内に事業が完了し、実績報告書を提出すること。
(風俗営業等に関する法律第2条に規定する営業を行う者を除きます。)
補助対象経費
中小企業ホームページ作成補助金の補助対象となる経費は、一般枠と創業枠で分けられています。
それぞれの対象となる経費は、下記の通りとなります。
【一般枠の経費】
・新規にホームページを作成するための制作経費(既にホームページがある場合は対象となりません。)
・既に開設しているホームページを変更する場合の変更費用
・新規作成の場合は、ホームページ作成ソフト購入費、ホームページ作成教材購入費、ドメイン取得料も含む
【創業枠の経費】
・新規にホームページを作成するための制作経費(既にホームページがある場合は対象となりません。)
・ホームページ作成ソフト購入費、ホームページ作成教材購入費、ドメイン取得料を含む
補助金の額
中小企業ホームページ作成補助金の補助金額は下記の通りとなります。
【一般枠】
・対象経費の総額の2分の1
・限度額5万円(千円未満の端数は切り捨て)
【創業枠】
・対象経費の総額の3分の2
・限度額6万円(千円未満の端数は切り捨て)
高齢者雇用企業奨励金
高齢者雇用企業奨励金は、高齢者雇用を積極的に行う事業主を支援している助成事業です。
働く意欲のある高齢者の方々が、培った知識や経験を生かして、いつまでも働ける就労環境を整備することを目指しています。
中央区では、高齢者雇用を積極的に行う事業主に対して高齢者雇用企業奨励金を支給しています。
補助対象事業
高齢者雇用企業奨励金の対象事業となるには、65歳以上の中央区民を、無料職業紹介所シルバーワーク中央またはハローワークの紹介により、一定期間継続して雇い入れた(週の労働時間が20時間以上のものに限ります)事業主が奨励金の対象となります。
補助対象者
高齢者雇用企業奨励金の補助対象者となる要件は、下記の通りとなります。
・雇い入れ日現在65歳以上の中央区民と、週20時間以上の雇用契約を締結し、実際に一定時間労働させていること
・雇用契約締結にあたって、無料職業紹介所シルバーワーク中央またはハローワークからの紹介を受けていること
・雇用した高齢者を、一定期間継続して(6か月以上)雇用していること
・雇用した高齢者について、本奨励金の交付を受けたことがないこと
・事業主と雇用した高齢者との間に、親族関係等密接な関係がないこと
補助金の額
高齢者雇用企業奨励金の奨励金額は、過労働時間、継続期間によって異なります。
過労時間の違いごとの補助金は、下記の通りです。
【週労働時間:20時間以上30時間未満】
・6か月継続して雇用している場合 2万円
・1年間継続して雇用している場合 3万円
【週労働時間:30時間以上】
週労働時間20時間以上30時間未満の雇用契約の場合でも、労働実績が30時間を超える場合も含まれます。
・6か月継続して雇用している場合 4万円
・1年間継続して雇用している場合 6万円
特定創業支援事業
特定創業支援事業は、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識を習得するために設けられた助成事業です。
中央区では、1か月以上4回以上に渡って、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識を習得を行う、2つの事業を実施しています。
対象事業
特定創業支援事業の出張経営相談(創業相談)と起業家塾を行っています。
◆出張経営相談(創業相談)
・中小企業診断士が希望の場所に出向いての相談
・年度内5回まで利用可能。
◆起業家塾
・起業の意欲がある方を対象に創業に必要な知識が身に付くセミナーを実施
・おおむね秋に開催する予定
補助対象者
特定創業支援事業の出張経営相談(創業相談)の場合には、ご利用事業を営んでいない方で、中央区内で創業予定の方に限られます。
優遇措置
特定創業支援事業の支援を受けた方、中央区内での創業を予定している方は、証明書の交付を受けることができます。
証明書の交付によって、下記の優遇措置を受けることができます。
・会社設立時の登記にかかる登録免許税が以下のとおり軽減されます。
・株式会社または合同会社は資本金の0.7パーセントから0.35パーセントに軽減(株式会社の最低税額15万円の場合は7.5万円に、合同会社の最低税額6万円の場合は3万円に軽減)
・合名会社または合資会社は1件につき6万円から3万円に軽減
・創業2か月前から対象となる創業関連保証の特例が、事業開始6か月前から利用の対象になります。
・国や東京都の創業に関する補助金の申請が可能となります。
中小企業等の展示会への出展費用を補助します
「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」は、中央区の中小企業などの販路拡大を支援するために設けられた事業です。
国内で開催される展示会等への出展する場合に、出展に必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象事業
「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」の補助対象となる事業は、下記の通りとなります。
・中小企業
中小企業基本法第2条に規定する中小企業で区内に本社、本店または主たる事業所を有すること。ただし、風俗営業等に関する法律第2条に規定する営業を行う者を除きます。
・商工団体
区内に存する中小企業等で組織する商工業団体
補助対象となる展示会
「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」の補助対象となる展示会は、下記の通りとなります。
・すでに展示会が終了している場合(事前申請のみ対象となります。)
・中央区が主催し、または共催する展示会
・会場内で製品等を販売することを主目的とした展示会
・補助対象者が企画し、参画し、又は自ら開催する展示会
・広く一般に公開されていない展示会
・他の自治体又は公的機関から補助を受けている展示会
補助対象経費
「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」の対象となる経費は、下記の通りとなります。
・会場使用料(小間料)
・展示装飾に要する経費
ただし、テーブル、パンフレットスタンド、パーテーションなど展示会終了後も長く使用できる備品の購入は対象外となります。
・出品物の運搬に係る経費
ただし、自社運搬の際のガソリン代及び高速道路代、公共交通機関の利用に要する経費は対象外となります。
なお、その他、会社概要、展示品紹介等のパンフレット、ちらし、ポスター、招待状等の印刷費は対象外となりますので、お気を付けください。
補助金の額
「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」の補助金額は、下記の通りとなります。
・対象経費の総額の2分の1
・限度額 15万円まで(千円未満の端数は切り捨て)
まとめ
2020年の東京都中央区で活用できる5つの助成金や補助金となる「中小企業技術者高度研修助成」「中小企業ホームページ作成補助金」「高齢者雇用企業奨励金」「特定創業支援事業」「中小企業等の展示会への出展費用を補助します」を一覧にして解説してきました。
中央区では、事業活性化や商工業等の振興を図るために、情報化支援、販路拡大支援、産業高度化支援、技術者高度研修助成など、中小企業にとって役立つ助成事業が設けられています。
中央区で中小企業を営む方は、見逃さないように助成金や補助金を積極的に利用して事業の継続や発展につなげてください。