高齢化が進む現代において、高齢者の生活の質を向上させる商品の需要が増えるとともに、高齢者の健康で生きがいを感じられる商品の開発も待たれる時代となってきました。
ただし、商品の開発は簡単にできることではなく、時間や労力、さらに経費などが必要となり、これらの商品開発に対して躊躇してしまう企業は多いのではないでしょうか?
新潟県では、「超高齢者社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業」を設けて、県内企業が行う健康ビジネスの創出を目的としている事業に対して支援を行っています。
これらの商品開発に向けて挑戦している新潟県の企業は、返済する必要のない「超高齢者社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業」を商品開発の資金調達につなげいきましょう。
こちらの記事では、「超高齢者社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業」を詳しく紹介していきます。
INDEX
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の公募情報
新潟県の一般法人 ビジネス協議会では、「超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業」の公募を開始しています。
新潟県からの委託を受けて、高齢者の生活の質の向上を図る商品の開発を支援するために設けられた助成事業です。
一次募集に続いて、二次募集が公募されています。
◆申請期間 令和2年7月10日(金)~令和2年8月21日(金)午後5時まで
◆補助対象期間 交付決定の日から令和3年2月28日まで
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業は、新潟県内企業などを対象にして行われており、「高齢者が健康で生きがいを持ち続け、幸せを感じ続けられる商品」の試作品や開発などを支援する事業です。
試作品や開発などに取り組みに必要な経費の一部を補助しています。
補助対象事業
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の補助対象となる事業は下記の取り組みを行っている事業となります。
◆県内企業等による「高齢者が健康で生きがいを持ち続け、幸せを感じ続けられる暮らしに役立つ商品」の試作品等の開発に係る取組
◆商品の分野
医療・介護、食、運動、いきがい、趣味、学習、就労、コミュニティ、生活、住宅、街づくり、IT・ICT関連 など製品・サービスなど
補助対象事業
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の補助対象となる者は、下記の①または②に当てはまる方となります。
①新潟県内に主たる事業所を製品・サービスを開発する次に掲げる要件をすべて満たす者であること。
◆暴力団と関わりがないこと。
◆申請する時点で倒産している事業主ではないこと。
◆新潟県の県税の未納がない者であること。
②企業、研究機関等が連携・協働する次に掲げる要件をすべて満たす共同事業体(コンソーシアム)であること。
◆コンソーシアムは、高齢者の生活の質の向上に資する製品・サービスを開発する者、大学、研究機関、医療機関、福祉施設等で構成すること。
◆コンソーシアムの代表者は、新潟県内に主たる事業所を有し、製品・サービスを開発する者であること。
◆コンソーシアムに参加するすべての者が、次に掲げる要件をすべて満たすこと。
・暴力団と関わりがないこと。
・申請する時点で倒産している事業主ではないこと。
・新潟県の県税の納税義務を有する者にあっては当該県税の未納がないこと。
補助対象経費
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の補助対象となる経費は下記の表の通りとなります。
経費区分 | 内容 |
人件費・謝金 | 職員人件費(事業に従事する者の直接作業時間に対して支払われる人 件費(給与その他手当))、専門家謝金、被験者謝金 |
旅費 | 職員旅費、専門家旅費 |
開発費 | 原材料費、消耗品費、備品費、光熱水費、委託費、外注費、使用料、 賃借料、通信運搬費 |
調査分析費 | モニター調査分析費、マーケティング調査費 |
その他 | 本事業の実施に必要な経費(要事前相談) |
◆補助対象外となる経費
・消費税及び振込手数料
・1品目 50万円以上の物品
・事業内容に照らして当然備えているべき機器・備品等(机、椅子、書類棚等の什器類、事務機器等)
・認証制度の申請等に係る経費(審査料、登録料等)
・商品の販売・広告宣伝に係る経費(印刷費、展出会出展費用等)
・補助事業の実施期間内に支払が完了していない経費
・本事業と関係のない経費
・パソコン・OA 機器等汎用性の高い物品は、ソフトウエアも含め、原則、「リース」による利用とし、特段の理由がない限り、購入は補助対象外。
・原材料費は、本事業で実施する評価・試験・研究に必要なサンプル作製等用のみを対象とし、販売・広告宣伝に係る分は補助対象外。
補助額
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の補助率と補助上限額は、下記の通りとなります。
◆補助率 補助対象経費の1/2以内
◆補助上限 1件あたり150万円
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の応募方法
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の応募は、公募期間内に応募者が提出書類一式を作成し、提出先に郵送または持参によって提出を行います。
電子メールやFAXによる提出は不可となっていますので、お気をつけください。
◆応募者(申請者)
・県内に主たる事業所を有する1企業等による申請の場合は、当該企業等
・コンソーシアムによる申請の場合は、コンソーシアムの代表者
◆提出書類
・各7部(正1部、副6部)
・公募申請書
・申請者及びコンソーシアムに参加するすべての者の概要が分かる資料(会社パンフレット等)
・申請者の貸借対照表及び損益計算書、又はこれに類するもの(直近3期分)
・新潟県の県税の納税義務を有するコンソーシアムに参加するすべて者の納税証明書(未納がないことの証明用)
なお、提出書類は、できる限りA4サイズに統一するようにしてください。
◆提出先
・一般社団法人健康ビジネス協議会
〒950-0078 新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル9階
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の審査~公表まで
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業は、提出された公募申請書に基づきプレゼンテーション方式により審査が行われ決定されます。
後日、応募者宛書面により採否の通知が送られ、採択者となった方は交付に係る手続きを行うことになります。
また、採択になった場合には、原則として申請者名、取組名、取組の概要が公表されます。
①審査~採択の決定
外部有識者を含む事業審査会にてプレゼンテーション方式の審査が行われ採択者を決定。
②採否の通知
採否の結果について、後日、応募者宛書面により通知。
採択となった者は「超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業費補助金交付要綱」に基づく、補助金の交付に係る手続を行う。
③公表
原則として、採択となった場合には、申請者名(コンソーシアムの場合は、すべてのコンソーシアム参加者名)、取組名、取組の概要等が公表される。
コンソーシアム申請の場合の補助金の執行スキーム
共同事業体となるコンソーシアム申請には、下記のような執行スキームとなりますのでご確認ください。
①補助金の交付を受ける者はコンソーシアムの代表者で、原則として代表者が支出する経費のみが補助対象となります。
②コンソーシアムの代表者以外の者の経費を補助対象とする場合には、購入した証拠書類(見積書、合い見積書、納品書、請求書等)を添付し代表者に対し立替払請求を行うか、代表者とコンソーシアム参加者で委託契約を締結し請求を行うかのいずれかの方法をとってください。
これにより代表者が支出する経費として補助対象とすることができます。
③コンソーシアムの代表者以外の者が備品を購入する場合、物品管理及び固定資産台帳への計上は代表者において行い、貸与の形となります。
応募する際の注意事項
超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業に応募する際には、下記の点にご注意ください。
・当該年度で同一の者が申請者として応募できるのは1件に限ります。なお、同一の者がコンソーシアムの参加者として複数の応募事業に参加することは可能です。
・応募にあたって、提出書類の記載に明らかな不備がある又は必要書類が添付されていない場合は不採択となります。
・代表取締役が同じである会社の同時申請はできません。
・提出された書類は返却しません。
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業
健康ビジネス関連補助金は、付加価値の高いビジネスの創出に向け、今後の超高齢社会の需要を見据えた異業種連携によるマーケット・イン型の商品開発を支援を行っている補助金です。
上記では超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業ついて紹介しましたが、こちらでは医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業をご紹介します。
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業は、医療・福祉現場の業務負担を軽減させる商品に対して行われている助成事業です。
新潟県内企業、医療機関、福祉施設等の連携による医療福祉事業の職場環境の改善を図る取組に対して支援を行い、医療福祉分野における職員充足率の向上を図ることを目的としています。
補助対象事業
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆県内企業、医療機関、福祉施設等が連携して行う医療・福祉現場の職場環境の改善に役立つツールを実装につなげる取組
補助対象者
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業の補助対象となる者は下記の通りとなります。
◆新潟県内に本社または事業拠点を有する協議会会員企業等、又は企業や研究機関等が連携・協同する連携体(コンソーシアム)
補助額
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業の補助率と補助上限額は、下記の通りとなります。
◆補助率 補助対象経費の2/3以内
◆補助上限額 200万円以内/1年
商品例
医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業の対象となる商品例は下記の通りとなります。
アシストスーツ、移乗補助器具、体勢保持補助具、リフト、車いす、測定機器・センサー、
食品、食器、看護服、介護服、ベッド・マットレス・シーツ、オムツ、感染症対策用品、
聴力補助用品、持ち物確認機器、手順誘導機器、音声入力システム、栄養管理ソフト、
勤務管理ソフト 、通信サービス など
まとめ
新潟県内の企業が対象となっている超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業について、公募の内容を始めとして、応募方法、超高齢社会に役立つ商品の試作品等開発支援事業の審査~公表までの流れ、応募する際の注意事項などをまとめてご紹介しました。
また、健康ビジネス関連補助金となる医療・福祉現場の職場環境改善ツール実装支援事業についてもふれています。
超高齢化社会となり、高齢者の生活の質のよくする商品の需要が高まっています。
高齢者が健康で生きがいを持ち、幸せを感じ続けられる商品の開発を検討しているのなら、ぜひこれらの補助金を活用して、商品開発の資金調達として役立ててください。
新潟県内企業による健康ビジネスの創出に挑戦してみましょう。