
少子高齢化となり、人口が減少していく難しい局面の中で、地方自治体では地方創生に向けた取り組みが行われています。
地方創生を目指すにあたって、インターネットを介して行われるクラウドファンディングは全国からの資金調達に加えて、全国的に宣伝ができると言うメリットがあるのをご存知でしょうか?
こちらの記事では、地方創生へ向けたクラウドファンディングの解説と同時に、ふるさと投資について、ご紹介していきます。
地方創生の資金調達法のふるさと投資型のクラウドファンディングを知りたい方は、ぜひご覧にください。
INDEX
地方創生の取り組みとは?
地方創生とは、東京圏の過度に集中する人口を改善し、地域がそれぞれ住みよい環境を確保ししていくことで、活力ある日本社会を維持することを示している言葉です。
人口減少や超高齢化社会という課題に対して、各地域が政府と一体になって自律的で持続ができる社会を創生すること目指しています。
◆4つの基本目標
・稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする
・地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる
・結婚・出産・子育ての希望をかなえる
・ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる
◆2つの横断的な目標
・多様な人材の活躍を推進する
・新しい時代の流れを力にする
地方創生へ向けたクラウドファンディング
地方創生に必要となるものには、観光資源の保護や弱者の救済があげられますが、ビジネスにおいて不可能な分野を埋めてくれるのが、クラウドファンディングです。
プロジェクトを支援する形のクラウドファンディングは、個人を中心に小規模資金を広く集めて、資金の支援者となったものは必ずしも金銭のリターンを目的しないという、資金調達が可能となります。
インターネットがプラットフォームとして行われ、全国的となる幅広い支援者からと特定のプロジェクトのマッチングという点に着目されたシェアリングエコノミーということになるでしょう。
クラウドファンディングが地方創生に向いている理由
地方創生は、高齢化社会や時代に沿った街づくり、出生率の向上などの人々が充実した生活を送るための課題を解決することを目的としています。
もしも、インターネットを介したクラウドファンディングが行われれば、課題解決に向けた必要な資金を全国から調達することに加えて、全国に地域の存在を知ってもらう良い機会となるでしょう。
このようなクラウドファンディングは、むしろ地方創生に向いており、民間の創意工夫を積極的に促せば、地域の自立した資金循環も持続可能となるのです。
地方創生をクラウドファンディングで行う3つメリット
地方創生に向けたプロジェクトを行うことで得られる3つのメリットには、資金調達に加えて、宣伝や販売促進となるプロモーション、さらにはSNSの反応を確かめるテストマーケティングができるという3つのメリットがあります。
クラウドファンディングの類型
クラウドファンディングの種類はひとつではなく、その類型は寄付型、購入型、投資型の3つに分けることができます。
寄付型は寄付であるために対価を求めるものではありません。
購入型は物やサービスを購入するといった違いがあり、投資型は資金支援者が金銭的リターンを求める形となります。
類型 | 寄付型 | 購入型 | 投資型 |
調達方法 | ウェブサイト上で寄付を募り、寄付 者向けにニュースレターを送付する | 購入者から前払いで集めた代金を元に製品を開発し、購入者に完成した製品等を提供する等 | 運営業者を介して、投資家と事業者との間で匿名組合契約を締結し出資する等 |
対価 | なし | 商品・サービス | 事業の収益 |
主な資金提供先 | 先被災地・途上国等の個人・小規模事業 等 | 被災地支援事業、障碍者支援事業、音楽・ゲーム制作事業等を行う事業者・個人等 | 音楽関連事業、被災地支援事業、 食品、酒造、衣料品等 |
資金調達規模 | 数万円程度 | 数万円~数百万程度 | 数百万円~数千万程度 |
1人あたりの投資額 | 一口1円~(任意) | 一口1,000円程度~ | 一口1万円程度~ |
ふるさと投資型のクラウドファンディング
最近ではふるさと納税に続いて、地域創生への足がかりとなるクラウドファンディングを活用したふるさと投資が注目を浴び始めています。
クラウドファンディングという大きな枠組みの中で、ふるさと投資は地域資源の活用やブランド化などの地方創生や地域活性化を進める事業がクラウドファンディングを活用するのです。
個人が一口1~5万円程度の小口投資を行い、投資を受けた地域事業者は3~10年を目処として出資金を運用していきます。
その見返りとして、投資先の業績に応じた分配金や製造商品、特産品、宿泊券などの特典が出資者は得ることができるのです。
すでにこのような取り組みは、日本全国の公共団体が中心となり、地場産業や地域の街づくりを目指したクラウドファンディングの募集が行われています。
次に、具体的なふるさと投資のプロジェクト例に続いて、千葉県で実施されているふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業をみていきましょう。
ふるさと投資のプロジェクトの事例を紹介
ふるさと投資では、プロジェクトによって地場産業を担うもの、地域に集客する施設を整備するもの、特産物や地域試験を生かしたもの、復興や災害復旧をめざすもの、再生エネルギー設備の整備するものなど、各方面から地方創生に向けてアプローチしているふるさと投資があります。。
地場産業を担う企業の再生・事業継続の支援プロジェクト
ふるさと投資には、地場産業を担う企業の再生や事業継続を推し進めていく、下記のようなプロジェクトをが設けられています。
◆大阪府大阪市
・現代サラリーマンの甲冑!真田幸村スーツで大阪の縫製業界を盛り上げる
◆兵庫県神戸市
・神戸生まれの奇跡のローファーファンド
◆愛媛県今治市
風で織るタオルファンド
地域に集客する施設を整備するプロジェクト
地域の活性化には、人を集客することは欠かせないこととですが、地域に集客する施設を整備するためのプロジェクトは、下記のようなプロジェクトが設けられています。
◆鳥取県八頭町
・鳥取をもっと楽しくするコミュニティーハウスをつくりたい!
◆岐阜県高山市
・飛騨高山にコワ―キングスペースをつくります!
◆神奈川県鎌倉市
・「かまくら想い」プロジェクト始動!
◆奈良県明日香村
・明日香村 古民家活用おもてなしファンド
特産物や地域試験を生かしたプロジェクト
地域の特産物や地域試験を生かしたプロジェクトは、下記のようなものが設けられています。
◆岡山県西粟倉村
・西粟倉村共有の森ファンド
◆三重県伊賀市
・伊賀産山田錦仕込み 半蔵ファンド2015
◆島根県三郷町
・幻の果実 ポポーをみんなに食べてもらいたい!
復興や災害復旧・再生エネルギー設備の整備プロジェクト
復興や災害復旧をめざすものや再生エネルギー設備の整備を目指すプロジェクトには、下記のようなものがあります。
◆広島県広島市
・広島市豪雨災害・緊急支援プロジェクト
◆熊本県南関町
・くまもと県民発電所 幸せファンド
◆宮城県仙台市
・ベガルタ仙台 被災地の人々1000人を試合へ招待したい
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業は、千葉県の地域資源を活用した独創的な技術やアイデアによる新たな事業展開や起業・創業を支援するために設けられた事業です。
クラウドファンディングを活用した資金調達により新事業を行う中小企業に対して、初期費用の一部を助成しています。
補助対象者
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の補助対象者は、下記の通りとなります。
◆中小企業者(組合、NPO法人、個人事業主を含みます)の方
◆現在は事業を営んでいないものの、創業の具体的な計画がある方
補助対象事業
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆県内の地域資源を活用した新事業の展開、商品及びサービスの開発を行うもの
◆地域の社会的課題の解決を目的としたもの(ソーシャルビジネス)
◆その他、地域経済の活性化に特に資するものとして知事が認めるもの
補助対象経費
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
◆クラウドファンディング仲介業者へ支払う初期費用
◆ウェブ制作費用 ・PR費用 ・試作品作成費用 等
補助額
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の補助率と限度額は下記の通りとなります。
◆投資型CF:1/2(1件当たりの上限額 50万円)
◆購入型CF:1/2(1件当たりの上限額 25万円)
補助要件
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の要件は下記の通りとなります。
◆当該事業の年度末までに、中小企業者等が実際に支払った経費であること
(審査会での採択後に実施する事業を対象とします)
◆当該事業の年度末までに、クラウドファンディング仲介事業者のウェブサイトにおいて募集を開始すること
なお、資金調達の目標金額に到達できなかった場合でも補助金を返還する必要はありません。
注意事項
千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業の補助申請前に、下記のことを確認してください。
◆補助対象費用の積算は適正か
・実際の費用が申請書類に記載された予定金額を超えた場合、超過部分は補助の対象外。
◆クラウドファンディング仲介事業者との打ち合わせは実施したか
・利用するクラウドファンディング仲介事業者が決まっていない場合は補助の対象外
◆千葉県の採択後、年度内にクラウドファンディング仲介事業者のホームページでの資金調達を開始できる内容か
・年度末までに資金調達を開始できない場合は補助の対象外
まとめ
地方創生に向けたクラウドファンディングの解説を始めとして、クラウドファンディングの類型、ふるさと投資型のクラウドファンディング、千葉ふるさと投資(クラウドファンディング)活用支援事業などを紹介してきました。
地方創生に向けた取り組みを行うには、資金調達や宣伝、販売促進などのメリットや波及効果が得られるクラウドファンディングが向いています。
事業の運営や継続の資金調達には融資などが一般的ですが、地方創生に向けた取組を行っているのなら、ふるさと投資型のクラウドファンディングも視野に入れておきましょう。
魅力的なプロジェクトを全国に発信するとともに、資金を調達できるクラウドファンディングに挑戦してみてください。