新たな資金調達として話題となっているクラウドファンディングは、個人でも魅力的なプロジェクトを立ち上げることで資金を集めることが可能となります。
自身のプロジェクトが評価され、資金が集められれば事業の成功へと近づくことができるでしょう。
個人でも資金調達を行えるのがクラウドファンディングの長所と言えるのですが、「いざ始めよう」とすると、コツや選び方がわからず躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで、こちらの記事では、個人でも利用できるクラウドファンディングの進め方や3つのポイントを紹介していきます。
個人でクラウドファンディングを検討している方は、ぜひご覧ください。
INDEX
資金調達が可能なクラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人から資金調達を行う仕組みのことをいいます。
◆クラウド=不特定多数の人
◆ファンディング=資金調達
個人事業主や中小企業が資金調達を行うには、金融機関からの融資が一般的でしたが、最近になってインターネット上で行えるクラウドファンディングが資金調達に加わりました。
インターネットを利用して直接出資者に提案を行い、資金を数多くの出資者から調達し、返礼は自分自身で設定することができます。
やりたかったプロジェクト、新しいアイディアさえあれば、個人でも事業にチャレンジすることができる魅力的な資金調達法と言えるでしょう。
クラウドファンディングの進め方
クラウドファンディングを行って事業を成功へと導くためには、クラウドファンディングを利用する際のポイントなどを知っておくことが大切です。
しかし、その前にクラウドファンディングがどのような流れで行われているのかを忘れてはなりません。
クラウドファンディングは、下記のような流れで進められていきますので、事前に確認をしてプロジェクトの状況と照らし合わせておくようにしましょう。
【クラウドファンディングの進め方】
①自身でプロジェクトの案を練る
②プロフェクトにに適したクラウドファンディングの型を決める
③自身のプロジェクトに適したプラットフォームを選択する
④プロジェクトを紹介・発信するためのランディングページを作成する
⑤プロジェクトの公開
⑥プロジェクトの広報活動をしてプロジェクトの認知度を高めていく
⑦クラウドファンディング調達した資金でプロジェクトを実行する(資金が集まった場合)
⑧出資者にリターン(返礼)を配布する
個人でも利用できるクラウドファンディングの3つ種類とは?
クラウドファンディングには、プロジェクトを起案する起案者と資金を支援する支援者、起案者と支援者をインターネットで結びつけるプラットホームの3者が存在している事業です。
①起案者
②支援者
③プラットホーム
3者はつねに存在していますが、クラウドファンディングには様々な種類がありますので、その中から選択して利用することになります。
次に、個人でも利用できる3種類の「非投資型の購入型」「非投資型の寄付型」「投資型」のクラウドファンディングについて、見ていきましょう。
非投資型
クラウドファンディングの非投資型とは、リターンを前提しておらず、リターンをする場合にはお金ではなく商品やサービスを設定する形で行う方法です。
非投資型には、購入型と寄付型の2つの種類がありますが、どの種類を利用するにあたってもプラットホームに手数料として10~20%が支払わなければなりません。
◆購入型
購入型のクラウドファンディングは、起案者が商品の開発等に必要となる資本を支援してもらった代わりに、開発された商品をリターンとして提供します。
一般的なクラウドファンディングとして言われているのは、非投資型の購入型と言えるでしょう。
◆寄付型
クラウドファンディングの仕組みを利用して寄付が行われる種類を寄付型といいます。
認定NPO法人は自治体等の公益的な活動を行っている団体に対して、出資する形となります。
投資型
投資型のクラウドファンディングは、希望の融資先が同じ他の資産家と資金を出し合いながら、大口の資本として起案者に融資を行います。
ソーシャルレンディングとして知られており、代表的なプラットホームには、オーナーズブック、SBIソーシャルレンディングなどがあります。
購入型クラウドファンディングの成功と失敗例
上記で説明したように、購入型のクラウドファンディングは個人で利用できる一般的な形式です。
有名人などは幅広く名前が知られていると資金を集めやすいですが、一般の人々が行う場合には、共感の連鎖によっての資金集めとなります。
このようなクラウドファンディングの資金調達のスキームの強みは、同時にクラウドランディングの面白さにつながっていくでしょう。
ただし、戦略やコミュニケーションが上手く行かないケースがあることも念頭に入れておき、また有名人だからと言って、つねにクラウドファンディングが成功する訳ではないのです。
失敗例:世界的に有名なアイスランドの歌手ビョークの場合
世界的に有名なアイスランドの歌手ビョークがクラウドファンディングで音楽アプリの開発を目的の資金調達のキャンペーンを始めましたが、目的金額の37万5,000ポンド(約5,000万円)でしたが、集まったのはわずか1万5,000円ポンド(約200万円)でした。
◆失敗となったポイント
①Biophiliaを開発するには8人のプログラマーが5ヶ月かけて作業をする必要があることに開始後に気がついた。
②ビョークはキャンペーンの開始を発表してから、SNSでの発信や積極的なPRを行わなかった。
③中止の発表もKickstarterのページで発表のみですませた。
成功するためには、ファンに直接語りかけ参加への理解を深めるためのコミュニケーションをする必要がありましたが、このような努力を行わなかったために資金を集めることができませんでした。
クラウドファンディングを成功へ導く4つの手順
上記のような失敗を克服し、クラウドファンディングの成功へと導いていくためには、下記のクラウドファンディングを立ち上げる時の4つステップの段階で、しっかりと練っておく必要があります。
次に、「戦略立案」「チームの作り方」「プロジェクトページの作成方法」「経過報告とお礼」について、詳しく解説していきます。
①戦略立案
戦略立案の柱となるのは、ターゲットの設定と目標金額、リターンの設定です。
・ターゲットの設定
・目標金額
・リターンの設定
クラウドファンディングで行う資金調達スキームでも、戦略をきちんと立てておくことが大切となってきます。
成功へ導くためには、同じようなプロジェクトの戦略やリターンの形を研究し、それと同時にプロジェクトの目的を明確に、わかりやすく伝えることを考えていきます。
また、個人のクラウドファンディングを成功させるための要となるのは、魅力的なリターンに他なりません。
リターンの設定によってプロジェクトの成功は左右されると言っても過言ではないのです。
②チームの作り方
個人で取り組んでいるクラウドファンディングがある一方で、プロジェクトの未来図を共有する人が多ければ多いほど、プロジェクトの成功する確率は高くなっていきます。
プロジェクトを支えてくれるメンバーを、役割りごとに見つけてチームを作っていくことも大切となります。
チームのメンバーには、下記の役割を担うメンバーが必要となります。
◆実行者(リーダー)
◆魅力を引き出すデザイナー(画像や動画の制作者)
◆PR担当者
◆リターン担当者
このように、チーム全体でプロジェクトに取り組むことで支援者からの信頼度も得ることができるようになるでしょう。
③プロジェクトの作成方法
戦略とチームが整ったら、プロジェクトを紹介し発信するためにプロジェクトべージを作成します。
立ち上げるプロジェクトの紹介を熱意ある文章で伝えますが、その際に重要となるのがメインの動画とキービジュアルです。
特にメイン動画は圧倒的に情報量を多く含むことができ、世界で成功をしているクラウドファンディングの事例の多くは動画でのアピールを用いています。
◆キービジュアルとは?
キービジュアルとは、ウェブサイトやパンフレット等において、メインにとなるイメージ画像のことをさしています。
一目で伝わるように、ロゴ、イメージフォト、キャッチコピー等を組み合わせて作成して、目立つところに大きく配置します。
プロジェクト全体のメッセージや主張をはっきりと明確に伝えることができます。
④経過報告とお礼
プロジェクトが開始されたのなら、支援者に対して頻繁に経過報告を行うようにしましょう。
実際のプロジェクトの進み具合を示すことで、支援者への感謝の気持ちとともに、プロジェクトに対しての愛着を高めることもできます。
そして、忘れてはならないのがリターンの発送です。
支援者が心待ちにしているリターンの発送作業は、かなり厳しくなることが考えられますので、担当者を立てておくと安心できるでしょう。
個人のクラウドファンディングを成功させる3つのポイント
個人が行うクラウドファンディングで成功するためには、出資者に対して魅力的で印象に残るような、3つポイントを抑えておく必要があります。
①共感を呼ぶプレゼンテーション
②魅力的なリターン
③魅力的なタイトルとべージデザイン
ポイント1:共感を呼ぶプレゼンテーション
個人が行うクラウドファンディングを成功させるには、支援者となってもらう方に共感してもらうことです。
プロジェクトのコンセプトが多くの人の共感呼び、当初は少ない支援者であったとしても口コミなどによって、プロジェクトの内容が広く伝わっていきます。
ポイント2:魅力的なリターン
プロジェクトを成功させるためには、支援者への魅力ていきなリターンは欠かせません。
リターンは支援額に対して、いくつかのリターンを設定することがポイントですが、一番出資しやすいとされる1万円台のリターンに重点をおきましょう。
また、リターンごとに数量限定の割引や特典を設けたり、希少価値の高い商品を提供することでプロジェクトを成功へと導いてくれます。
ポイント3:魅力的なタイトルとべージデザイン
プロジェクトの顔となるタイトルも、個人のクラウドファンディングを成功させる大きな役割を持っています。
タイトルをつける時には、タイトル一目でも内容が理解でき、思わず目に留まるタイトルとなれば、多くの人がプロジェクトを目にすることになります。
結果として、多くの支援者が集まるようになるでしょう。
また、プロジェクトを伝えるページには、文章だけではなく写真や動画をふんだんに取り入れて、わかりやすく心に残るようなデザインを心がけてください。
まとめ
個人でも資金調達が可能なクラウドファンディングについて、クラウドファンディングの進め方や種類、購入型クラウドファンディングの成功と失敗例、利用の手順や成功させる3つのポイントなどを詳しく解説してきました。
新たな資金調達法として注目を浴びているクラウドファンディングは、インターネットを介して行われる資金調達法です。
個人にとって銀行融資などのハードルは高いですが、魅力あるプロジェクトやリターンであれば、多くの出資者が集められることができ、事業にとって有効な資金調達法となるでしょう。
全ての方がクラウドファンディングに成功するわけではありませんが、プロジェクトの成功を目指して、進め方やポイントを抑えて成功へと近づけましょう。