電気自動車などの環境に優しい車を購入するに利用できる補助金をご存知でしょうか?
以前までは、エコカー補助金という名前で設けられていましたが、現在ではCEV補助金として実施されています。
積極的に活用したい補助金ですが、CEV補助金を受給するためには、条件や期限を守っての申請やしなければなりません。
また、31年度からの変更点のチェックも必要です。
こちらの記事は、電気自動車などを検討している方に向けて、31年度からの変更点、対象車となる車、補助金額、申請者、申請書類などの5つの申請ポイントと、注意点を紹介しています。
CEV補助金を受給するための手助けとなる記事となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
ポイント1:平成31年度補助事業のcev補助金の変更点を確認
平成31年度からのcev補助金の運用については、以前と異なった部分はありませんが、災害時においての給電対応を目的となることが、下記のように追加されています。
『駆動用蓄電池又は燃料電池を活用し、エネルギー供給源を分散化することで、災害による大規模停電のリスクを最小化し、災害対応力を向上させること』
また、対象車両の変更に伴い、要求されている環境性能が高くなっているこも変更点にあげられるでしょう。
cev補助金は、実施されても早めに予算に達してしまう場合が多く、2020年には車購入需要も増えると予想されますので、補助金の受給は難しくなってきます。
cev補助金を受給するためには、情報をこまめにチェックし、ある程度の準備をしておくことが必要となります。
(変更点)
◆給電対応が目的として追加
◆対象車両の一部見直し
ポイント2:cev補助金で交付される金額は?
cev補助金は、一定の額が支給されるわけではなく、車種や車両のグレードによって補助金額は異なってきます。
補助金額のポイントとしてあげられるのは、下記のような車種や車両の場合です。
◆外車も補助金支給対象になる
◆ハイブリッド車は支給対象でない
◆最低でもプラグインハイブリッド車からの対象となる(メインは電気自動車)
◆注目のディーゼルエンジンも対象だが、支給額は1.5万円から3万円前後と少ない
以前では、トヨタMIRAIが200万円超の補助金が交付されていましたが、トヨタMIRAIは車両価格が700万円以上しますので、補助金を受給しても多くの購入代金が必要となります。
cev補助金は、交付規程別表1に定める方法で求めた補助対象経費に、銘柄ごとに定めた補助率を乗じた額によって計算されます。
また、割合の点から見てみると、環境負荷性能が加味されたディーゼルは補助金が少なく設定されています。
下記にPDFでの「銘柄ごと補助金交付額(2020年1月17日)」には、対象となる車の名前、型式、補助金交付額が記されていますので、検討している車をよく確認しておいてください。
せっかく購入したのに、「対象車になっておらず支給されなかった」と、ならないようにしておきましょう。
参照:銘柄ごとの補助金交付額
ポイント3:cev補助金が受給できる時期
補助金を申請しても「実際にお金を手にするのはいつ?」というのは気になるところです。
補助金の申請が行われてから、約2ヶ月ほどで支給されると「一般社団法人 次世代自動車振興センター」のホームページでは記されています。
ただし、申請が集中した時期であれば、それよりも遅くなる場合もでてきます。
補助金を交付するタイミングとしては、審査を終えた申請をまとめて、月1回交付しています。
cev補助金は申請をしても2ヶ月ほどはかかってしまい、さらに予算も限られている人気の補助金です。
車の購入を検討しているのなら、できるだけ早く申請の手続きを済ませておくことが大切です。
ポイント4:企業と個人からの申請が可能
cev補助金の申請をするにあたって、「個人で申請した方がよいのか?」「企業で申請した方が良いのか?」と悩む方もいるかと思いますが、個人と企業の双方の申請が可能です。
ただし、個人で申請する場合、外部給電器は対象外となっていますのでお気をつけください。
外部給電器の購入者は、法人のみが対象となり補助金が交付されます。
『駆動用蓄電池又は燃料電池を活用し、エネルギー供給源を分散化することで、災害による大規模停電のリスクを最小化し、災害対応力を向上させること』
ポイント5:cev補助金の申請に必要となる書類
cev補助金を申請するためには、いくつかの書類を事前に準備し、注意事項にも気をつけなければなりません。
次に必要となる書類をみてみましょう。
・補助金交付申請書
・申請者の確認書類
・申請車両の確認書類
・車両代金の支払い確認書類
・車名および購入価格の確認書類
・(下取りした場合には)下取り価格が車両代金の一部に充当されたことの確認書類
・補助金を受けた車両(取得財産等)の管理のための書類
・型式が不明になっている車両の仕様確認書類
これらの書類の中で注意しておきたいのは、「車両代金の支払い確認書類」です。
書類は控えではNGとなり、複写は可能ですが原本はオリジナルの領収書となります。
cev補助金の申請方法をご紹介
cev補助金を申請するためには、申請する者と一般社団法人次世代自動車振興センターとの間で行います。
基本的には、条件を満たしているのであれば、必要な書類と一緒に申請して審査を待つ形となります。
審査までには、1ヶ月~2ヶ月の時間が必要となり、補助金交付となるまでには3ヶ月ほど係ることになります。
cev補助金の対象となる期間
cev補助金を申請するときには、対象期間に注意しなくてはなりません。
「車両の登録・届出」と「補助金交付申請書の提出」によって期間が異なってしまうからです。
次に「車両の登録・届出」と「補助金交付申請書の提出」の対象期間をみてみましょう。
◆車両の登録・届出
2019年1月1日から2020年2月21日までに登録・届出した車両
◆補助金交付申請書
2020年3月2日までセンターに必着
◆購入から補助金申請手続きまで
1か月以内
ここで言う「登録・届出」とは、車のナンバーを取得することとなります。
車の購入契約ではなく、登録を必要としたり納期が遅い車を購入してしまうと、補助期間内に間に合わなくなるので、注意してください。
また、補助金交付申請書の提出はセンターに提出する期限となります。
そのためには、書類を揃えておかなければなりません。
cev補助金は、毎年更新されているために途切れることはありますが、予算が達して募集を打ち切りとなる以外は、補助金が受給できるようになっています。
登録・届出の補助金申請手続き期限は1ヶ月以内となっていますので、車を購入したら期限切れにならないように早めの申請をするように心掛けておきましょう。
cev補助金申請の全体の流れを確認
cev補助金の申請の流れは、以下のような順序で進んできますので、ご確認ください。
①補助金交付申請の募集
・条件や期限がありますので、注意して申請を行ってください。
↓
②補助対象車両の購入・リースと登録・届出
・ 補助金の交付対象になる車両は、クリーンエネルギー自動車としてセンターが承認した車種。
・購入した補助対象車両は、補助金交付申請の前に、登録(軽自動車等は届出)と車両代金全額の支払いを完了させること。
↓
③補助金交付申請書類の提出
・補助金の交付を申請する車両1台ごとに補助金交付申請書及び定められた書類を添付して
提出。
・補助金交付申請書類は、郵便か宅配便。持ち込み不可。
↓
④補助金交付申請書の審査
・補助金交付申請書類が、適正なものか、応募要件を満たしているか等を審査。
・大量の申請書を順次審査しておりますので、期間は概ね2ヶ月程度かかる。
↓
⑤補助金交付決定
・補助金の交付が決定しましたら、「補助金交付決定通知書兼補助金の額の確定通知書」で
交付金額が知らされる
↓
⑥補助金交付(振込み)
・「補助金交付決定通知書兼補助金の額の確定通知書」の発行後 11週間程度で申請書に記載された金融機関に補助金の振込み
↓
⑦車両(財産)の一定期間の保有
・ 補助金を受けて取得したクリーンエネルギー自動車は、4年又は3年の定められた期間(取得財産等の処分制限期間)は保有が義務付けられています。
期限内に処分した場合は原則として補助金の全部又は一部を返納しなければなりません。
・ センターでは、定期的に、補助金を交付した車両の保有状況を調査しています。
上記の中で、②③⑦が申請者、その他はセンターが行う項目となります。
補助金を受給される際の注意点
cev補助金を申請して補助金が交付されれば、終了と感じてしまうかも知れませんが、cev補助金ではそうではありません。
補助金が不正に受給されていたり、条件に合わくなったりと、注意が必要となる点があるからです。
次に、一定期間の保有義務やどうしても処分が必要となった場合について、解説していきます。
cev補助金を利用するときには保有義務に注意すること
cev補助金を受けて購入したクリーンエネルギー自動車は、約3年~4年は保有することが義務つけられています。
保有を義務付けることで、補助金目的の転売行為などの不正受給を防ぐと同時に、環境性能に優れた車を利用することで環境負荷を低くおさえことにつながるからです。
保有義務は、条件に合っていない不正受給者を排除し、受給すべき人へ予算を割りあてるための重要な機能と言えるのです。
どうしても処分が必要な場合には
cev補助金を利用すれば、上記のように約3~4年の保有義務が発生しますが、廃車になった時にはどうすればよいのでしょうか?
果たして、不正受給となってしまうのでしょうか?
このようなときには、「計画変更・財産処分等の手続き」を行うことになります。
車の処分においては、廃棄、下取り、買取も補助金を返納を行う理由となります。
したがって、どうしても処分が必要な場合においても、ほとんどが補助金を返納することとなるので、注意が必要です。
その反対に、返納しなくても良い場合には、災害時、過失がない事故の廃車、その他認めた場合などがあります。
ただし、当てはまらない場合がほとんどなので、車を処分する時には補助金は返納しなければならないと、思っていた方がよいでしょう。
申請をしたら「審査状況の確認」をチェック
cev補助金の申請を行ったのなら、申請書類の進捗状況・審査状況をインターネットで確認しておきましょう。
一般社団法人 次世代自動車振興センターのホームページでは「cev補助金交付の審査状況確認システム」で事務処理の状況が把握でき、進捗状況を確認することができます。
登録車の都道府県を選び、車両の登録番号を入力して検索ボタンを押します。
状況に応じて、該当なし、審査中、交付決定、補助金交付と分類された進捗状況を確認することができます。
まとめ
平成31年度cev補助金について、変更となった点を始めとして、受給できる時期、申請できる者、申請できる期間、必要書類の5つの申請ポイントと同時に、注意する点を、詳しく紹介してきました。
cev補助金は、電気自動車を購入するときに利用できる補助金ですが、予算に達すると終了となりますので、早めに申請を行うことがポイントです。
また、cev補助金を利用すると保有義務が生じて、3~4年ほどは保有することとなり、処分する場合は、補助金を返還することとなってしまうので、注意してください。
自動車購入する方にとってcev補助金は、大きなメリットとなります。
上記を参考に、条件や期間などに注意して、早めの手続きを始めていきましょう。