クレジットカード審査は、どのような点に着目して行われるのでしょうか?
クレジットカードは、申込むカード会社やカードの種類によっても審査の難易度が変わります。
基本的な手順は、「申込」「審査」「審査結果発表」「カード発送」で、ゴールドカードやプラチナカードであっても、基本的な流れは変わりありません。
クレジットカードの申し込み審査では3つの審査基準、「3C」が重視されます。
キャラクター(character)
キャパシティ(capacity)
キャピタル(capital)
の、3つの頭文字をとったものです。
今回は、その3Cと、クレジットカードの審査の流れを紹介していきます。
3Cとは
クレジットカードの審査には3Cと呼ばれる審査基準があり、3Cを基準に、カードの申し込み者を審査、スコアリングしています。
・Capacity(資力)…収入があるか、安定しているかなど返済能力に関すること
・Character(性格)…しっかりと返済されているかなど、返済に関する性格のこと
・Capital(資産)…家や土地などの資産のこと
序文でも述べた通り、この3つの頭文字をとって3Cということです。
この3Cを基準として、カード会社は申し込み者のスコアリングを行います。
スコアリングは申し込み者の信用情報を点数付けすることです。
スコアリングの結果が一定以上の点数だとカードが発行されるということになります。
スコアリングとは
スコアリングとは、個人の返済力を点数化して経済的信用度を中立的に判断するシステムです。
クレジット審査のときには、
・年収
・勤務先
・雇用形態(正社員orフリーターor派遣社員)
・勤務先の勤続年数
・居住形態(持ち家or賃貸)、居住年数
・家族構成
・電話の種別(固定電話or携帯電話)
の返済力にまつわる情報を元に加点方式によってスコア計算していきます。
さらに個人信用情報への照会を行い過去に債務整理や自己破産歴などのブラック情報が無いか?を確認して本人に合った与信枠(キャッシング枠などの利用限度額)が決まりクレジットカードが発行されることになります。
それでは次項で3Cの詳細を説明していきます。
キャラクター(character)
Characterは、カード申込者が返済日に延滞することなく、カードの利用代金を返済してくれるかという性格面を判断する審査基準です。
カード会社は意外と、この「個人の性格」を重要視して審査を行います。
性格と言っても「優しい」「怒りっぽい」などということではありません。経済面で「マジメかどうか」ということです。
カード会社は申込者の支払い実績(クレジットヒストリー/クレヒス)を確認し、過去に返済遅延や延滞がないか確認します。
滞納の履歴などがあるともちろん、スコアは低くなり、審査に影響が出てしまいます。
クレジットヒストリー(クレヒス)
クレジットヒストリーは、クレジットカードの契約(クレカの利用)や、個品割賦契約(商品を分割払いで支払う契約)、住宅ローンなどの支払い記録した利用履歴のことです。
毎月少額でも利用した金額をきちんと返済していると「使った金額を支払いができる人」と認識され、信用力が増し審査が甘くなります。毎月返済している利用実績が残っていれば2枚目以降のクレジットカードの審査も通りやすくなります。
クレジットヒストリーは審査基準において高い配点に設定されています。
そのため、支払いの延滞・滞納で金融事故情報を起こして、個人信用情報機関に「異動情報」が残っている人はカード会社からの信用度が落ち審査通過が厳しくなるので注意しましょう。
キャパシティ(capacity)
Capacityは、クレジットカード申込者の年齢、職業、勤務先企業の規模、勤続年数、年収、借入額を見て、返済・支払い能力があるか判断する審査基準のことです。
クレジットカード会社は、安定した収入があるか、返済能力があるかを、以下の項目から判断しています。
・年齢
・職種
・勤務先の規模
・雇用形態
・勤続年数
・年収額
・借入額
勤続年数について
勤続年数は長ければ長いほど、返済能力が高いと判断されます。就職してもすぐに退職してしまう方は、次の職場に就いても、すぐに離職してしまう可能性が高く、安定した収入の面で疑問視されてしまうのです。
勤続先への在籍確認はあるか
在籍確認無しでカード発行されるケースも多いのですが、カード会社が必要とした時に在籍確認が実施されます。
在籍確認が気になる方は、クレジットカード審査の在籍確認について解説している記事をお読み頂ければ、きっと不安を解消頂けるでしょう。
年収額・借入額について
カード会社は現在の借入額と年収とのバランスを確認し、返済能力の有無を判断しています。勤務先情報や年収額などから、返済が可能かどうかを判断しているのです。
年収額においては、あくまで自己申告ですが絶対に虚偽申告はしないでくださいね。勤務先情報や雇用形態などから妥当な年収額を判断できますし、キャッシング枠をつける場合収入証明を求められるケースもあります。
虚偽申告が発覚すると、信用の面で評価が下がって審査落ちしてしまいます。
キャピタル(capital)
Capitalは、担保になる住居などの不動産を所有しているか、所有している場合は居住年数が何年か、資産としていくらの価値があるか判断します。
また、家族構成も評価対象になります。
住居形態
分譲住宅(自己名義の持ち家)を持っていれば評価が高くなり、その次に社宅、賃貸マンション、公営住宅の順番で高評価になります。
居住年数
賃貸住宅に住んでいる場合は、同じ場所に最低1年以上住んでいると評価が高くなります。
分譲住宅の場合は居住年数が半年程度であっても「保有資産」としてカウントされ、評価が高くなります。
一戸建て(持ち家)がある場合も保有資産であり、長く住んでいると評価が高くなります。住宅ローンが残っていても、年収や返済能力が問題なければ審査が厳しくなることはありません。
家族構成
家族構成は独身の実家住まい(親と同居)がもっとも高く評価されます。
実家暮らしの場合は生活コストが少なくて済み、可処分所得(自由に使えるお金)が多く、カードを頻繁に使ってくれるとカード会社が判断するためです。
既婚で親と同居が評価され、既婚で親と別居、そして独身で親と別居の順番になります。
既婚の場合は子供がいるよりも、いないほうが自由に使えるお金が多いと判断され、審査が甘くなる傾向があります。
配偶者、子供がいる方は多少審査で不利になりますが、安定した収入があって資産がある、他の項目で問題がなければ審査通過が厳しくなることはありません。
クレジットカード審査の流れ
クレジットカードを申し込んで、実際にカードが手元に届くまでの流れや、どれくらいの期間でカード発行されるのか疑問に思っている方も多いと思います。
そこで、カード会社の審査や、手元にカードが届くまでの流れを説明します。
⑴オンライン上での申し込み
現在主流となっているのが、WEB申込みです。
カードの公式サイトにアクセスをして、申込フォームに必要事項を入力したら送信します。
ネットからの申し込みは24時間365日受け付けており、カード発行までの時間が短縮できるメリットがあります。
⑵店頭申込
スーパーマーケットなどの小売店で、「カード入会デスク」を見かけたことはありませんか?
特に流通系のクレジットカードでは、店頭で申し込みを受け付けていることが多いです。
本人確認書類は後日必要となるので、その場で書類を持っていなくても申し込めます。
その場で簡易的な審査を行ない、「仮カード」を発行してくれる場合もあります。
利用は限定されますが、お得なサービスをすぐに利用できます。
⑶郵送での申し込み
郵送での申し込みが可能なクレジットカードもあります。
入会申込書が店頭のリーフレットにある場合、入会申込書請求の場合があります。
郵送での申し込みの際には、本人確認書類のコピーを同封します。
確実な申込をしたいなら、郵送での申し込みもおすすめです。
申込書に記入する
申込書に記入された内容を参考にして、カード発行会社は審査を行うので、記入間違いがないように注意しましょう。
ここでは申込書で記入する項目や、インターネットから申し込むときの入力項目について説明します。
〇氏名
氏名を記入します。氏名が間違っているとクレジットカード審査には確実に落ちるので、戸籍上の名前を正確に記入するようにしましょう。
〇メールアドレス
メールアドレスが間違っていると審査の結果や、途中報告などの通知を受け取ることができません。
〇住所・郵便番号
住所と郵便番号を記入します。特に郵便番号は数字なので間違うことが多く、現住所の郵便番号が正しいか確認しておくと良いでしょう。
〇電話番号
固定電話番号(自宅電話番号)と携帯電話が両方ある場合には、両方の電話番号を記入しましょう。
特に固定電話番号は、住所が定まっている証明になるので、記入することにより審査が有利になります。
〇世帯・家族構成
世帯主が誰か、配偶者や家族構成、子供が何人いるかという情報を記入します。
家族と同居しているか別居しているかなども記入し、婚姻している場合は配偶者の欄に有無を記入します。
〇職業・年収
職業は安定した収入があるか、返済能力があるかを審査する項目となり、安定した収入がある会社員で年収も多ければ審査に有利になります。
〇勤務先・勤務先住所・勤務先電話番号
勤務先の会社名を記入します。申込書によりますが、部署名、役職名、入社年月日などを記入するようになっています。
審査に影響するのは勤務年数と会社の規模で、勤務年数が長ければ安定した収入が見込めて、大企業であれば倒産する可能性が低いので、勤務年数は長く会社が大きければ審査に有利だと言えます。
〇居住形態・居住年数
居住形態は持ち家、賃貸、社宅など、住んでいる家の所有権について記入します。
カード会社としては、持ち家があると夜逃げなどで貸倒れになるリスクが少ないので一番審査に有利です。その次に賃貸、社宅という順です。
ローンがある場合は、ローン返済の残り年数について記入し、支払いが済んでいる状態が一番審査に有利で、返済年数が残っているほど不利になります。
〇口座情報・預金額
クレジットカード利用料金の引き落としを行う口座情報を記入します。
もし残高が足りなくて返済ができないと大変なので、預金残高が多い口座を指定すると良いでしょう。
〇キャッシングの状況・キャッシング希望額
他のクレジットカードでキャッシングやローンを利用しているか、現在他社からの借入があるかなどを記入します。
クレジットカード会社は、個人信用情報機関に記録されている情報から借入額を調べることができるので、真実を記入するようにしましょう。
信用情報の審査
申込書がクレジットカード会社に届いたら、クレジットカードやカードローン、キャッシングの利用履歴が保管されている個人信用情報機関を確認し、申込者が信頼できる人物か調査します。
社内審査
申込者にカードを発行して良いか、社内審査が行われます。
個人信用情報機関に記録されていた信用情報と、申込書に記載された申し込み情報を元に、利用限度額(与信枠)がいくらのカードを発行するか決定されます。
クレジットカードの郵送
無事審査が通れば、クレジットカードの郵送が行われます。
カード会社によりますが、カード受け取り時に本人確認書類(身分証明書)が必要な場合がありますので、運転免許証や保険証などを用意しておきましょう。
また、審査落ちした場合も郵送で通知が届きます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
クレジットカードの審査には、3Cが審査に深くかかわっているということがお分かりいただけたと思います。
クレジットカードを持つためには、審査に通過することが必須となりますが、その審査はクレジットカード会社によって違いがあります。
また、審査の流れの要点を理解していれば、注意点なども、自ずと見えてくるかと思います。
一連の審査の中で、延滞をせずに正しくカードを使う利用者だと印象付けることも重要です。
しっかりと準備して、目的のクレジットカードをつかみ取りましょう。