さまざまな銀行やカーディーラーなどで自動車ローンを取り扱っていますが、どれを選べばいいのでしょうか?
今は、多くの銀行や信販会社が自動車ローンをリリースしているため、最適なものを選ぶのに苦労します。
車のローンは、カーローンとも呼ばれ、大きく分けて3種類あります。
①銀行系の自動車ローン
②ディーラーローン
③残価設定ローン
今回は上記3つの車のローンと審査通過するための対処法をあわせて紹介していきます。
①銀行系の自動車ローン
メガバンクや地方銀行など、さまざまな銀行がリリースしている自動車ローンです。また、信用組合や信用金庫、JAバンク、労働金庫なども銀行系に含まれます。
金利が低めに設定してある
銀行系の自動車ローンを利用する一番のメリットは、多くの金融商品で金利が低く設定されている点でしょう。
金利が高いとトータルで支払う額が大きくなるため、金利の低さは魅力です。
審査が厳しい
銀行系のローンは審査が厳しい傾向にあります。
勤続年数や年収などを厳しくチェックされるため、審査に落ちてしまうことも珍しくありません。
また、信販系のローンに比べて審査結果が出るまでに時間がかかります。支店の窓口で直接申し込みが必要なケースも多く、手間がかかります。
当初から自動車の名義が自分になる
銀行系の自動車ローンを借りて自動車を購入すると、その自動車の名義が、購入者自身になることです。車検証にも購入者の名前が記載されます。
これは「当たり前のこと」ではありません。
このあと紹介するディーラーローンを使って自動車を購入すると、返済が終わるまで車検証の所有者欄はディーラー名義になります。
そのため、銀行系の自動車ローンで自動車を買ったほうが「所有を確実にする」ことができるといえます。
銀行系の自動車ローンのメリット・デメリット
〇メリットとしては、銀行系の自動車ローンの場合、用途の幅が広く、自動車の本体やオプションだけでなく、車検やタイヤ購入、修理費用に使うこともできます。
まだ免許を持っていない人は、免許取得費用に使うこともできます。
「自動車関係のお金の困りごと」のほぼすべてに使うことができる、と考えてもよいでしょう。
〇デメリットは「その場でOK」になることもあるディーラーローンに比べて、審査結果が出るまでに数日かかることです。
※三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンなら事前審査の結果は当日分かります。
②ディーラーローン
「ディーラーローン」という名称にはなっていますが、実際はカーディーラーが提携している信販会社のローンを使うことになります。
ディーラーローンのメリット
〇銀行より審査に通りやすい
ディーラーローンの場合、完済するまでの所有権はディーラー側(信販会社側)にあります。
そのため、もし返済が滞ったら、ディーラーは車を引き上げ、中古車として売ることができるのです。
一方、銀行マイカーローンの場合、はじめから利用者が所有権を持ちます。
仮に滞納などの問題が起こったとしても、銀行側が車を引き上げることはできません。
ディーラーローンのほうが回収不可のリスクが低いぶん、審査に通りやすくなっているということです。
〇銀行より審査が速い
ディーラーローンの場合、店頭で申込めば、最短数十分程度で審査結果がわかります(場合によっては翌日以降になることもあります)。
銀行マイカーローンの場合、結果がわかるまで1~3営業日かかるので、それに比べるとかなりスピーディだと言えます。
〇手間がかからない
ディーラーローンなら、車購入と同時に手続きできるので、手間がかかりません。
一方、銀行でマイカーローンを組む場合は、銀行の窓口に行ったり、インターネットや郵送で手続きを進めなければなりません。
〇在籍確認がない
銀行などの金融機関でローンを組む場合は、原則として在籍確認が行われます。
一方、ディーラーローンでは勤務先への在籍確認を行いません。
〇値引きしてもらえることも
状況や交渉次第で、車体価格自体が値引きされることもあります。
最初は、現金支払いの方針で話を進めましょう。
値段の折り合いがつかなかったときは、「支払いをローンにするので値引きしてほしい」ともちかけてみてください。
こうした交渉で、価格を値引きしてもらえる可能性があります。
ディーラーローンのデメリット
〇返済期間が短い
銀行マイカーローンの多くは最長10年の返済期間を設けています。
一方、ディーラーローンの場合、返済期間を最長6~7年間としているところが多いです。
返済期間が短いほど利息を節約できますが、毎月の返済負担は大きくなってしまうので、注意が必要だといえます。
〇完済するまで所有権をもてない
ディーラーローンの場合、完済するまでの所有権はディーラーもしくは信販会社がもつことになります。
このとき困るのは、車を売りたくなったときです。
もし返済中に車を売りたくなったら、一括でローンの残高を返済しなければなりません。
一方、銀行のマイカーローンなら、はじめから車の所有権は自分のものになります。
売りたくなったら、すぐに売ることができます(ただしこの場合、マイカーローンの返済がこれまで通り続くことになります)。
③残価設定ローン
残価とは「購入した車を数年後に下取りとして出した場合の価値」=「下取り価格」のことです。
残価設定ローンとは、車両価格から下取り価格を残価として差し引き、残りの金額を支払うタイプのローンです。
残価設定ローンのメリット
〇月々の支払い額を安く抑えることができる
残価設定ローンの場合、車両価格から残価が差し引かれるため、通常のローンと比較すると月々の支払額が安くなります。
〇下取り価格が保証されている
あらかじめ設定したローン返済期間が過ぎた後、「車を返却する」もしくは「新しい車に乗り換える」ことを選択した場合は、乗っていた車を下取りに出すことになります。
通常は下取り時点での中古車相場によって下取り価格を決定しますが、残価設定ローンの場合はあらかじめ下取り価格が保証されています。
そのため、中古車市場が下火になっていても、下取り価格が下がることはありません。
残価設定ローンのデメリット
〇車を返却する場合にコンディション次第では追加支払いが発生する
車を返却したときに傷やへこみなどがあれば、査定額が下がり、追加の支払いが必要になる場合があります。
また、車をカスタマイズするなど、中古車市場での価値が下がる場合には追加支払いが発生するため注意が必要です。
〇車を乗り換える場合、原則として同じメーカーの車種となる
残価設定ローンの支払いが残っている状態で乗り換えをする場合、選択できるのは同じメーカーの車種に限られます。
ほかのメーカーの車に乗り換えたい場合は、残りの支払額を一括払いで完済する必要があります。
〇利息が高くなる
ローンを組むと利息がかかりますが、残価設定ローンは残価を差し引いた分だけでなく、残価を含めた元金に利息がかかります。
月々の支払額が少なくなる反面、元金が減るスピードも遅く、最終的に利息が高くなる可能性があります。
残価設定ローンが向いている人
・住宅の家賃や学費などの負担があり、新車は購入したいが月々の出費を抑えたい人
・子供の誕生や独り立ちなどライフステージの変化に合わせて、車を乗り換えたいと考えている人
・新車を購入するためのまとまったお金がない人
・将来、購入した車を売却する予定だが、中古市場で車の価値が下がってしまうことが心配な人
などが挙げられます。
審査通過するための対処法
車をローンで購入したいと思ったときに気になるのが、ローンの審査です。
ローン審査はたった一度で通過する人もいれば、中には何度も審査に落ちてしまう人もいます。車のローンはどのような基準で審査しているのでしょうか。
審査で見られる3つの情報
①過去の事故歴、照会件数に基づく審査 | ・個人信用情報機関の登録記録をもとに実施
・特に過去の返済トラブルや、ローンの申し込み回数が見られる |
②他社での借入残高や利用可能限度額に基づく審査 | ・個人信用情報機関の登録記録をもとに実施
・返済能力を判断するために、自社・他社を含めた総借入残高を中心に見られる |
③属性審査 | ・年齢・職業・勤務先・勤続年数・年収・家族構成など
・本人が記入した申請書に書かれた情報を元に判断 ・特に年収と年間返済額のバランスである「返済比率」が見られる ・勤務先に、在籍や勤続年数の確認連絡が入ることも多い |
申告する情報を偽ると一気に不利に
ローン審査に必要な情報を偽って申告した場合、審査には通らないと考えたほうが良いでしょう。
とくに勤務先に関しては、ローン会社による在籍確認などで嘘がばれるケースが多々あります。
在籍確認においては、ローン会社の職員が申込み時に申請した職場に電話をかけて、実際に働いているかを確認します。
その際は個人名で「○○さんはいますか?」という形で確認してくれますので、ローン会社の在籍確認であることが会社にばれる心配はないでしょう。
席をはずしていても、会社側から「ただいま席をはずしております」という回答を得られることで、在籍確認が取れたと判断されます。
申告する情報は絶対に偽らないようにしましょう。
審査を通りやすくするポイント
一度ローン審査に落ちてしまったとしても、状況によってはローンが組めるようになることもあります。ここでは、ローン審査を通りやすくするためのポイントを確認しておきましょう。
〇他社からのローンやキャッシングの支払いがある場合は、先にそちらの支払いをある程度済ませておくことでローンの審査が通りやすくなります。
〇保証人を立ててローン審査に挑む
自分の申請状況でローン審査が通らない場合は、保証人を立てることで審査が通りやすくなります。このとき保証人の信用情報も調べられます。
保証人の信用情報に問題がある場合は審査通過も難しくなりますので注意が必要ですが、家族や親戚で保証人になってくれる人がいるのであれば相談してみると良いでしょう。
信用情報に記録がないためにローンが通らないケースや、未成年でローンが組めない場合などに有効な方法です。
〇他のローンを同時期に申し込まない
自動車ローン以外のローンを同時期に申し込まないようにしましょう。実際にローンを利用していなかったとしても、複数のローンに申し込んでいるという情報やローン審査に落ちたという情報も記録として残ってしまいます。
短期間のうちに複数のローン審査に申し込んでいるということは、お金に困っていると判断されることがあります。
さらにローンの審査に落ちるということは、何かしらの問題があると判断されるため、他のローン審査がさらに通りにくい状況になってしまうのです。
〇審査が有利な時期を狙って申し込む
銀行のローン審査が通りやすい時期に申し込むというのもひとつの方法です。
3月と9月は銀行の決算時期ですが、銀行員はその前に少しでも融資を増やしたいと考えるために、ローンの審査も通りやすくなる傾向があります。
〇各社の申込条件をよく調べる
ローンの審査基準はローン会社によって違います。申請前に申込み可能な条件を再度確認しておきましょう。
収入や年齢に制限があって落ちている可能性もあります。
申込条件を満たしていなければ、審査するまでもなく落とされてしまうでしょう。申込み条件をクリアしているローン会社を選んで申込むことが基本となります。
まとめ
いかがだったでしょうか、車のローンには種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあること、審査に通りやすくなるポイントがあることを、あわせて紹介してきました。
ローンを選ぶときは金利や手数料だけでなく、ボーナス払いができるかどうかなども確認し、シミュレーションを利用して。返済計画を立てておくと安心です。
新車をメーカー系ディーラーで購入するなら、まずはディーラーローンを検討ましょう。
特にディーラーが販売量を増やしたい戦略車種の場合は1%台の低金利でローンを組めます。
また、残価設定ローンで毎月の返済額を減らせるのも、ディーラーローンならではの強みです。
そして、車両本体を担保とする代わりに審査に通りやすいというメリットが得られます。
車のローンが通らない場合さまざまな理由が考えられます。ここで紹介したローン審査を通りやすくする方法も参考にしながら、審査通過を目指しましょう。